第38節vs水戸戦プレビュー 満を持して、2位へチャレンジ!

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7戦未勝利 - 失意のどん底から、2位に1差・3位という好位置まで這い上がってきた仙台。

一時期は、2位・山形と勝ち点差が11まで拡がっていたという状況から、よくぞここまで持ち直したものだと、未だに驚嘆の念が冷めないでいる。

水戸戦の話の前に、ちょっとだけ、湘南戦についておさらいをしておきたい。

湘南戦では、近年、何か因縁めいたものが続いていた。昨年から引き続き、開幕戦はアウェイ湘南戦で、最後に湘南に勝ったのも、やはりアウェイ平塚の地。思い出して欲しい。湘南に最後に勝った試合(2007年8月25日)では、前節同様、後半ロスタイムに、関口の右サイド突破から中央への折り返しをロペスが決め、劇的な1-0勝利をもぎ取っている。


その後、湘南には、3戦連続で勝っていなかった。昨年終盤、ホームで加藤望に豪快なFKを決められたのを皮切りに、今年の開幕戦はジャーンのCK一発に沈み、ホームでの対戦では、相手が2人退場で数的優位だったにも関わらず、決勝点を挙げられなかった。

そして迎えた前節、またしても劇的な結末。湘南には、記憶に残る戦いが多いイメージが付きまとう。過去、試合後に一部のサポーターがバスを囲み、都並監督の問題発言に発展したのも、やはり湘南戦であった。

対戦相手毎に、何らかの「奇遇」というものは、案外存在するものかもしれない。

そして、迎えた今節のホーム・水戸戦。

状況を整理しておこう。5連勝のかかった仙台は、なんと6年ぶりのチャレンジである。(J1昇格元年の2002年、開幕から驚異の5連勝を達成)

だが、今の仙台には、「5連勝へのチャレンジ」というよりも、「2位へのチャレンジ」と言った方が良いだろう。勝ち続ける事で連勝は伸びるものだし、連勝数で昇格が決められるものでもない。あくまでも順位で争うリーグであり、そのために必要な要素が「連勝」というだけの事だ。

これは、誰もが知り得ている事ではあるが、今節対戦相手となる水戸には、過去、仙台は、Jリーグでは負けた事がない。無敗である。

しかし、昨年からの水戸の急成長ぶりは、驚くほど目を見張るものがある。国立で東京Vから大量得点を奪って見せた活躍は、未だ記憶に新しい。

しかも今年は、水戸とは激しい撃ち合いを演じている。みなさん、嫌でも忘れられないだろう。取って取られてのシーソーゲームとなった、第9節のホーム対戦(△3-3)。田村のスーパーミドルも繰り出し、前半に3得点しておきながら、後半にいきなりの3失点で、平瀬の追加点で辛くも逃げ切った、第23節のアウェイ対戦(○4-3)。

都合、対水戸戦としては、2戦合計で7得点6失点である。対広島戦ですら、2戦合計で2得点1失点という接戦を演じている一方で、あまりにも大味過ぎる展開である。

今度こそ、引き締まった展開の試合を見せて欲しいものだ。

また、水戸の今季のデータにも目を落としてみると、下位グループではあるものの、既に11勝を達成。これは、仙台が4連勝する前の勝利数であり、今季は大物食いもいくつか達成している。決して油断はならない。

直近の5試合を見ても、決して侮れないチームに成長している事が見て取れる。

2勝2分1敗。1敗は広島に4失点を喰らったもので、これは相手の出来の良さもあり「論外」と言って良いと思うが、これを含め、直近の5試合で、なんと8得点。仙台の直近5試合が11得点である事を考えると、決して悪い数字でもない事が判る。(堅守を誇るあの広島からも、1得点を奪っている)

前述した湘南とも、激闘を繰り広げてきたが、こういうタイミングで対戦する水戸は、何気に厄介な存在であると言えよう。

順位こそ10位ではあるが、そのポテンシャルは非常に高いものがある。前監督・前田氏から引き継いだポゼッションサッカーを更に進化させ、決してリーグとしては目玉となる選手が居ない中で、荒田の台頭や、パク・チュホの獲得で、過去の水戸をイメージさせない、攻撃的なサッカーを繰り広げる木山氏の手腕には、敵ながら敬意を表したい。

今季の2度の対戦内容が、最近の水戸の成長ぶりを物語っていると言っても、過言ではないと思う。

かのような相手を、今季再びホームに迎える仙台だが、こちらも準備は万端か。中4日の対戦ではあるが、連勝中という事もあり、メンバーはいじらない様子で、連携面も含めて感じる疲労は少ない事だろう。

ただ、失点には要注意だ。確かにこの4連勝中、失点は前節湘南戦での加藤望に決められたFK1本のみではあるが、あわやというシーンは何本もあり、林のビッグセーブに助けられた側面も少なくない。また、クロスバーやポストに助けられたシーンも数多くあり、まだまだ失点に対するケアの必要性を感じたところもあった。

現在の水戸は、FW荒田はもちろん、SH赤星、CB平松といった選手が、この5試合で2得点つづを挙げている。そうかと思えば、前節はFW西野も点を決め、途中出場の菊岡と言ったサブメンバーまでが得点を挙げており、水戸の得点力は、各ポジションがまんべんなく点を奪う「組織的なもの」である事が良く判る。決して、「誰かありき」の個人頼みのチームではない。

今朝の河北紙面に、「敵は内なり」の意のキャッチコピーが躍っていたが、相手の状況をきちんと観察すれば、過去対戦で負けていないとは言え、嫌が応でも警戒せざるを得ない事は充分に判る。決して、気の緩みなど無いだろう。

こういう相手だからこそ、大量得点などによる勝利など望めず、1点を争う拮抗した試合になると予想する。やはり、目指すのは無失点の勝利。2-0が理想だが、勝てるなら1-0でも良いだろう。

というのも、水戸はなんと、過去9戦において連続得点中である。この相手に失点を許さず、完封勝利できるのは、失点ランキング2位(33失点)、平均失点数も0.97と、リーグ屈指の失点の少なさを誇る仙台以外にないだろう。逆に、水戸の平均失点数は1.7。過去の無失点試合も7試合しかなく、得点のチャンスは充分にある。ただ、直近の3試合では合計1失点であり、4試合前の広島戦での大敗(1-4敗戦)を受け、守備面でも立て直しが進んでいる事が判るため、ここは要注意だ。

水戸に勝つポイントとしては、前述の内容からも、「攻守のバランス」が大事である事が見て取れる。攻撃面だけ良くても、守備面だけ良くても駄目で、如何にチームとしての総合力を発揮できるかが、この試合を制するポイントになるだろう。

個人的に期待したいのは、ボランチの安定性。千葉と新加入・斉藤のベテランコンビになってからと言うもの、攻撃面での繋ぎや守備面でのスペースを消す動きなど、相手の隙を突く・相手の良さを消す動きが活性化されてきたように思う。もちろん、得点源である梁、90分では物足りないと言わんばかりの関口の運動量、チームにフィットしてきたナジソン、老練なポジショニングでゴールを狙う平瀬など、ボランチよりも目立つ存在は嬉しい限りだが、彼らの得点力の影には、ボランチからの展開の良さが「起点」になっている事も忘れてはならない。

また、最近の試合では、福岡戦での千葉の後半ロスタイム弾や、熊本戦での斉藤のダメ押し弾など、ボランチの位置からも積極的に攻撃に参加し、自らも得点を奪わんとする姿勢は、まさにチーム全体の心臓部と言って過言はない。この組み合わせに到達するまで、今季、どれだけの試行錯誤を繰り返して来た事だろう。やはり、ボランチ・斉藤の獲得は、必要にして充分な戦力補強であった。

この試合、水戸は、前半から積極的に攻めてくるだろう。決して、引いて守る事はないと予想する。仙台としては、これをしっかりと受け止め、水戸の攻撃の目を潰しつつ、緩急のあるボールボゼッションで水戸の守備陣を崩してゴールを奪いたい。

相手も警戒はしてくるだろうが、やはり梁・関口の2列目が、この試合の注目点になる。彼らが驚異の動き出しと得点力で、相手の注意を引きつけるからこそ、FWにも得点が生まれるというものだ。今節も、彼らの活躍に期待したい。

9月28日当日、予想される天候は、晴れ一時曇り。最高気温も20℃と、サッカーをするにも観るにも良い気候に恵まれそうである。

暑く、辛い時期を過ぎ、ラストスパートに成功した仙台。だが、まだ何も手にしていない。昇格を争うライバルが尽く勝ち点を伸ばせていない中、仙台としては、このチャンスを逃せば、2位へのチャレンジ権は再び遠のいてしまうだろう。

何としてでも、この試合は制したい。仙台が今季、昇格を果たすためには、絶対に落とせない一戦である。「勝てば2位に上がれる」というチャンスをホームで迎えられた事に感謝しつつ、勝利を信じて、スタジアムに足を運ぼう。

そこで待っているものは、期待を裏切らない選手の活躍と、それに見合う結果であると信じている。

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