愛媛2-1仙台 後半に逆転を喰らい、ソアレス先制弾もフイに。2試合連続の2失点だが、問題は守備ではなく、「試合運び」そのものにある。

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徳島・愛媛と続いた「四国チーム連戦」は、結局、1分1敗の勝ち点1に留った。

7連勝のあと、堅守・仙台の姿は態を潜め、2試合連続の2失点。愛媛には昨年に続き、またしても敗戦を喫する事となった。


だが問題なのは、直接的に「2失点した事」ではない。徳島戦・愛媛戦に共通していえる事なのだが、「前半終了時点でリードしているのに、後半にそのリードを活かしたプレーができていない」という事である。リードを活かしたプレーが出来ていないから、相手に勢いを付けさせ、それが失点に繋がっているように思える。

マルチ失点を2試合連続で喰らった事により、守備陣の不調が懸念される。ただ、確かにマークのズレや、不意を突かれたなどのミスはあるものの、それは常に90分のプレーの中で発生している事であり、90分間を完璧な守備で通す事などは不可能に近い。

むしろ懸念される事は、前述した「前半のリードをなぜ後半に活かせないのか?」という点。徳島戦では、前半のうちに逆転できていたのに、後半に守りきれず、追い付かれてのドロー。そして今節の愛媛戦では、前半を1-0でリードできていたのに、後半に逆転を許す展開。いずれも「リードしてからの試合運び」に問題がある、と言わざるを得ない。

簡単に言えば、「相手のやりたい展開に合わせる試合」をしてしまっている事にある。後半、こちらがリードしているにも関わらず、相手の反撃の勢いをうまく削いてカウンターに繋ぐ事ができていない。

愛媛戦の後半開始からの約10分間は、まさにそういう時間帯だった。前半、あれだけ攻守の起点として顔を出していた梁が、後半に失点を喫するまでは、全く効いていなかった。それもそのはず。後半の愛媛は、ロングボールを主体に攻撃の組立てを行い、中盤を省略する展開。「仙台の梁を活用させず、かつこちらの足が止まる前に、同点に追い付きたい」そんな意志が見て取れた、愛媛の形振り構わない攻撃は、後半12分に実を結ぶ。ハーフライン付近からのFKを、前線に飛び出した愛媛の横谷に一発で繋がれ、これをアッサリと決められる。林もよく詰めたが、横谷のボール捌きのほうが上だった。

その後、仙台はペースを取り戻し、再びシュートで終われる展開に。一時は主導権を握り替えしたかのように思われたが、今度は攻めたボールをカウンターにされ、そこから再び横谷に決められる。1-2逆転。

徳島戦もそうだったが、後半は相手が攻勢に打って出る事は充分に予想できたはず。その相手の勢いを「如何にいなすか」が最重要ポイントなはずなのに、仙台は徳島戦に続き、またも「無策に等しい」状態で後半に臨んでしまった。そう言われても仕方のない結果だろう。

ハーフタイムの監督コメントで、手倉森監督は「ボールを動かして、自分たちのリズムで戦う事。」と言っている。だがこれには、若干ながら反論したい。

自分たちのリズムで戦う前に、相手にリズムを与えない事が大事だったと思う。こちらがリードしている展開なのだ。相手は積極的に前に出てきて、当然ながら裏のスペースが空く。そこへソアレスなり梁なり関口なりが走り込み、むしろカウンターで加点する展開のほうが良かったと思う。熊本戦・草津戦などは、そういう形で加点し、3得点勝利に繋いだのではなかったのか?

そういう成功体験があるにも関わらず、仙台はむしろ「後半も、前半と同じように」積極的に攻撃に行きすぎてしまい、逆に、ロングボールやカウンターの攻撃を許してしまった。本当なら、このプレーは仙台がやるべきもののはずだ。

前半、もしくは先制点を取るまでは、仙台が持ち味とするパスサッカーの展開で良いと思う。それが「仙台らしさ」だからだ。だが、先制点を取った後については、もう少し状況を活かすプレーを心がけたい。

例えば、「ボールを持たせる」という表現がある。これは相手に主導権を渡すのではなくて、こちらの攻撃のリズムを「相手の攻撃を起点にする」という事であるが、今の仙台はそれが出来ない。「仙台は仙台のサッカーを貫き通す」と言わんばかりに、90分間、同じサッカーをやろうとしているように思えてならないのだ。

相手が攻撃してきたとき、それをブロックしてカウンターに繋げ、裏を狙う事は、意識すれば今まで通り充分に出来るはずだ。ところが、前半と同じような「自分たのやりたいサッカー」を展開して加点を狙う意識が強すぎるあまり、逆にこちらの裏のスペースを狙われてしまう展開を許してしまった。

もっとも、きちんとこのスペースをケアできる「トータルな強さ」があれば、こういう戦い方でも構わないだろう。だが、現在の仙台にそこまでの「総合的な強さ」は、まだまだ感じない。今持てる力の程度をきちんと把握し、それを最大限活かす試合運びをして欲しいと思っているのだが、どうにも今の仙台は、自らの力を過信し、それに拘り過ぎる傾向を感じる。

もっと、足下をみようじゃないか。毎試合のように得点が取れ、先制点を許してもそれを逆転するだけの力は、確かに備わってきた。だが、それを「自信」にはすれど、「過信」の根拠にしてはならない。相手はこちらを研究してきているのだ。それは、徳島戦でも痛いほど味わったはずではなかったのか?

徳島戦の2失点で「失った勝ち点2」を勉強代にして臨んだ愛媛戦だったが、結局は更に高い勉強代を支払う事になってしまった。

「幸い」と敢えて表現するが、中2日ですぐに試合がやってくる。この敗戦の悔しさが冷める前に、次の試合がある事は、決して悪い事ではない。

再び連勝を重ねるためには、自信を過信にせず、7連勝の時期のようなサッカーを、もう一度取り戻す事にある。相手にも研究されてきているだろうが、それは「仙台らしいパスサッカー」についての事だ。仙台の持ち味である、このパスサッカーによって先制できたあとは、相手の意図をよく観察し、それを「いなす」プレーが肝要になる。相手はこちらのサッカーを研究してきているが、極論を言えば、先制点を奪いこちらが有利になったのであれば、こちらは無理に「相手に研究されている、こちらのいつものサッカー」をする必要はない。それは相手に「研究の成果を発揮する機会」を与えるだけであり、むしろ、先制点を奪ったあとは、嫌が応にも前に出てくる相手の裏を突くサッカーをするほうが、現在はスタイルとして合っているように思われてならない。

0-0で展開していた時よりも、リードした展開になってからの方が、実は難しい。それを痛感させられた、四国2チームとの連戦であった。

結果的に、ソアレスが2試合連続得点で気を吐いてくれているにも関わらず2試合連続での2失点で、守備に問題があるように思われるが、筆者は「2失点は結果論」であり、あくまでも試合運びそのものの問題だと思っている。

第二クールに突入すれば、嫌が応にも、相手はこちらを研究してから対峙してくる。今後は、それを許さない試合運びをする事が絶対に必要だ。そのためには、相手に研究されたサッカーを捨て、相手の「裏を掻く」サッカーに切り替える事も、必要になるのではないだろうか-。

第二クールに向け、「非常に苦い良薬」を目の前に出されたような気がする。苦いからと言ってこれを避け、甘~いトローチ(=自分たちのやりたいサッカー)ばかりを舐めていては、いつまで経っても症状は改善しない。思い切ってこの薬を飲み、苦い思い(=現状を受け入れる)をしたほうが、治りは早いように思える。

自分たちのやりたいサッカー「だけ」を90分貫いて連勝できるようになれば、即、J1でも通用するだろう。だが、まだまだ「そこまでの総合力」は無い。それを真摯に受け止め、90分の中で、自分たちのやりたいサッカーと、勝つために相手をいなすサッカーを上手に使い分ける器用さが、今は求められる。

決して難しい事を要求している訳ではない。柔軟に頭を切り換えられるかどうかの問題だ。

昇格を目指しているのなら、90分間、面白いサッカーばかりはやっていられない。「面白くはないが、確実に勝利を拾うサッカー」も絶対に必要なのだ。

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