第17節vs横浜FC戦プレビュー 勝つために、なすべきこと。第一クールの最終戦で、それをもう一度考えて欲しい一戦。

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早いもので、この試合で全51試合の1/3を消化する事になる。

ここ2試合こそ「1分1敗」とブレーキがかかっているが、GW連戦を含めての7連勝は間違いなくクラブの歴史の1ページになった。シーズン序盤の連敗やソアレスのフィットの遅延、宮スタの駐車場・動員問題などの紆余曲折はあったものの、肝心のチーム力は一定以上の期待感を持たせる内容で推移。


特に、エリゼウ・渡辺広大・林卓人の活躍によってリーグトップの失点数の少なさを維持し、また、梁のFKの精度向上・ソアレスの覚醒による得点力の向上が見込まれた事は、近年稀に見る「昇格への距離感の近さ」を実感するに説得力のある材料である。

だがここへ来て、直近2試合の1分1敗という成績が表すように、チーム全体に停滞感が出てきた。直接的な原因は「2試合連続2失点」という守備関連の懸念ではあるが、真因が「そんな表面的なところ」ではない事くらい、ベガルタのサポーターなら、とうの昔にお気付きだろう。

筆者は、そこの因性を「連戦によるチーム全体の疲労感」とみている。特に、GW期間中の中2日での4連戦は、まさか本当に全勝するとは夢にも思わなかったが、この時、主力による先発メンバーの顔ぶれがほとんど変化しなかった事が、見えない疲労の蓄積を生み、そしてGW連戦が終わった途端に失速した事に繋がったのだと思っている。

また、下手に連勝が続いたものだから、これまた「下手にメンバーを変えられない」という判断に繋がった事もあるのだろう。それはそれで、決して間違った判断ではない。実際、連勝は達成できている。勝ち続ける事で「疲労を感じない」という、ランナーズ・ハイのような高揚感も手伝った事もあったかもしれない。だが、富山戦までの連戦が終わり、中5日の「いつもの試合間隔」に戻った事で、張り詰めていたものが「プッツン」と切れたようなものではないだろうか。

7連勝は素晴らしい歴史の一幕であり、それを飾ってくれたチームに感謝したい。だが、その「反動」とも言うべき事象が、今、チーム全体に襲いかかっている。

シーズン序盤にも見られたが、ここ2~3試合で再びケガ人が相次ぐようになった。幸い、中島以外は軽傷だったようで、今節の試合に間に合う者もみられる。平瀬・朴柱成はこれに該当するだろう。

だが、試合を休んだ選手以外にも、疲労やケガに見舞われた選手は多い。エリエウや菅井あたりがそうだ。斉藤も復帰はしたが、7連勝中の活躍からくる疲労には勝てなかった。また、鉄人級の連続出場試合数を更新中の梁も、本来なら1節休んで、コンディションを調整したいはずだ。

各選手のコンディション調整とチームの成績維持を同時に考えるのは、コーチ陣としても悩ましい課題だろう。だが、サポーターとしては「毎節、勝利を信じて応援する事」のみである。

昇格マラソンも1/3に差し掛かり、そろそろ一回目の「給水タイム」といったところか。どうせ、51試合を全て勝つことはできない。どこかでは引き分け、どこかでは負ける。問題は、それを如何に引き摺らず、上手に勝ち点を積み重ねられるかどうかである。7連勝は良い貯金になった。この2試合で、その貯金をほんの少し消費しただけだ。

本当に大事なのは、首位との勝ち点差が広がった事を悔やむ事ではなく、2試合連続で2失点を喫した事を憂いに思う事でもない。

シーズンをトータルで見て「最後に昇格圏に居られる」ように、チームのペース配分や選手起用を上手にコントロールして、勝ち点を重ねる事である。

常にトップスピードで、シーズンを駆け抜ける事など不可能だ。必ずどこかで失速はするものだ。その失速のタイミングや、失速中に次の「加速すべきポイント」を見極め、それに向けて、何をどうすれば良いのかを考える事が大事なのだ。

それを行う上での最重要事項が、「サブメンバーを充実させる事」である。

敢えてこのブログでも名前を出してはいないが、明らかにパフォーマンスが落ちているのにも関わらず、起用され続けている選手もいる。普段なら90分では物足りないと言わんばかりに、前に後ろに左に右に走り廻ってくれる、大変有り難い選手ではあるのだが、前述したように、長いシーズンを全力で走り通すのは不可能だ。それは、個々の選手にも言える事であり、シーズン中にそういう選手が出る事が判っているからこそ、サブメンバーがそれを補う役目を果たしてくれるのだ。

だが、そういう選手を「休ませる勇気」を持てず、本人が出たいからと言って、毎試合のように起用し続けるのは、果たしてどうなのだろうか?

コーチ陣の責務は、戦力として計算できる選手を、消耗するギリギリまで起用し続ける事ではない。出番を伺っているサブメンバーも含め、チーム全員で昇格を掴むんだという姿勢を、チーム全員で共有できるように、常にチーム全体を見渡す事である。さすれば、自ずと「誰を外して誰を起用すべきか」が見えてくるはずだ。

シーズン開幕前に、公言していたはずだ。「誰一人欠けても、昇格は達成できない。全員が武器なんだ」と。

使いやすい武器だけを重用するのではなく、不調の武器を修理したり、使いにくい武器の利用方法を考えたり、使いやすく修理するのも、コーチ陣の仕事のはずだ。

使いやすい武器だけを磨き、酷使する事なかれ。

武器庫の片隅で埃をかぶっている、一見不調に見えるその武器こそが、実は昇格に向けた重要なアイテムかもしれないじゃないか。

どうして、それを使ってみようとしない?

それも含めて、今季のベガルタである。もっともっと、期待したい選手がいるのだ。そういう選手こそ、主力が疲労で疲弊している今この時に、前線に送り出してみるべきじゃないのか?逆を言えば、この時期を逃すと、そういう事もできなくなるのではないのか?

目の前の1勝は、確かに大事だ。だがそれ以上に「誰が出てもチーム力が落ちない」総合力を身に付ける事は、もっと大事な事だ。そのためには、期待できそうな選手を我慢して起用してみる事も、今後は大事になってくるはずだ。

第一クールで達成した7連勝を受け、どこのチームも「仙台に勝つために」確実に研究してくる。こちらは、その上を行かなければならない。かと言って、チームのスタイルである戦術や布陣を大きく変える訳にはいかない。であれば、選手層を厚くし、相手の知らない選手の起用で、相手の研究の裏を掻くしかないではないか。

もっと、もっと。色々な選手を試して欲しい。ベンチ入りできる枠が少ないのは判っているが、チームの総合力を上げるためには、少しづつでも、サブメンバーをトップで使ってみるしかない。

ここでその勇気を、コーチ陣が持てるかどうかが、今季の昇格の行方を支配するような気がしてならない。

「大きなもの」を手に入れるためには、産みの苦しみを味わう事も必要だ。そこから、逃げてはいけない。

クラブ初の福島開催ではあるが、「戦いの場」である事に変わりはない。見せて貰おうじゃないか。昇格へ向けた意気込みの、本気の程を。当日発表される先発と、ベンチ入りメンバーの構成で。

もし、あの選手がまた安易に先発しているようなら、失望する。

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