第6節vs清水戦プレビュー もう「春の珍事」とは言わせない。それを体現すべく、2戦連続の「首位降ろし」に挑戦する仙台。鹿島を倒して得た自信を以て、またしても日本代表FWを擁するチームへ挑む。

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リーグ最小失点(2)の清水 vs リーグ最多得点タイ(9)の仙台の対戦-。

昨年までなら、間違いなく「リーグ最少失点」のイメージのほうが印象強かった仙台。今季ここまで5試合6失点と、守備に関しては課題が見える一方、攻撃はPKを含めたセットプレー中心ながらも、5試合9得点と、横浜Fマリノスと肩を並べてのトップタイである。


前節の鹿島戦で、ようやく「流れからの得点」と言える結果を出し、J1でも充分やれる自信が付き始めた。だが、相手がJ王者とは言え、ACLを含めた連戦に加えてのFWマルキーニョス一発退場というアドバンテージを貰っての勝利を、単純に「春の珍事/ラッキーな勝利」と揶揄する声も、聞かれなくもない。

ならば、再度「首位降ろし」を実現し、この状況が決してフロックでない事を証明したい。その意味において、このタイミングで清水との対戦があった事は、非常に幸運である。

振り返れば、アウェイ京都戦での敗戦を受け、そこから続くG大阪戦・鹿島戦・清水戦をどう戦うか、少し不安はあったものだ。ところが蓋を開けてみれば、G大阪戦は後半ロスタイムに執念のPK獲得でドローに持ち込み、鹿島戦は一時は2点差まで付ける内容。優勝争い候補と言われる2チームに対し、勝ち点3を許さなかったのだ。PKの判定や相手選手の退場という状況の優位性はあったものの、それを呼び込んだのは、間違いなく仙台の実力。PK獲得も数的有利も、試合に勝ちたいという闘争心の産物である。自信を以て、清水戦に臨みたい。

さて、今節の相手となる清水エスパルス。G大阪のルーカスや鹿島のマルキーニョスの時のように、主力選手(特にFW)の欠場は見受けられない様子。日本代表FW・岡崎慎司が、水曜日の日本代表戦でフル出場し、若干の疲労が予想されるくらいで、ヨンセンや欧州帰りの小野伸二らタレントは健在。

相手の主力選手に欠場が見当たらないという意味では、今季初敗戦となった京都戦と、状況は酷似している。ならば、ここで勝ってこそ、実力を証明できるというものではないか。

だが、リーグ5戦で2失点の堅守を崩すのは、そう簡単ではないだろう。また、仙台も本来は堅守ベースのチームである事から、1点を争うロースコアードな展開になる事を、想像するに難くない。今節はアウェイでの戦いとなる事から、まずは前半を無失点で凌ぐ事を考え、後半勝負か。

注目したいのは二点。一つは、日本代表FW・岡崎と同い年である、DF渡辺広大。そしてもう一つは、清水在籍経験のあるMFフェルナンジーニョである。

今週の各種メディアでも、渡辺は「同じ年の岡崎が日本代表で活躍しているのは刺激になる。絶対に止めてみせる」と意気込んだかと思えば、フェルナンジーニョは古巣との対戦で結果を出し、元気な姿をみせたいと鼻息を荒くしている様子。実際、G大阪戦でも鹿島戦でも、中島に替わって先発出場し、チームの前線が活性化した。鹿島戦でみせてくれた決定力の高さは、間違いなくJリーグの7年間で育んだもの。今節は、相手にも知られてはいるが、こちらも相手を知っている事から、決して苦手意識は無いだろう。

前線の対決は、清水の岡崎・ヨンセンに対し、仙台の中原・フェルナンジーニョの構図。ただ、清水は4-3-3をベースとしている事から、相手の前線にはもう一枚FWが入る見込み。相手が3トップである事を考えると、仙台守備陣の課題としては、如何にその「攻撃連携の目」を早めに潰すかが、無失点を達成できるカギとなるか。その点で鹿島戦の中盤で躍動した、関口と富田に懸かる期待は大きい。

対して、仙台攻撃陣の課題としては、中原・フェルナンジーニョの2トップに、仙台不動の2列目である梁・関口が、如何に絡んで得点機を演出できるか。5試合2失点の清水の守備網は、決して簡単には突破できないだろう。

となると、予想される勝負のポイントは、如何に積極的にアタッキングサードでシュートシーンまで持って行けるか。遅攻は、おそらく実を結ばない。攻めが遅ければ、清水自慢の堅守に阻まれ、得点機を失う事は容易に想像できる。

やはりここは、仙台の得意とするセットプレーでの得点に持ち込むため、速攻を仕掛け、ファウルを誘ってFKやCKを数多く得る事が肝要かと考える。セットプレーは相手に考える余裕を与えてはしまうが、仙台のセットプレーの凄さは、判っていても止められない部類に入るもの。梁の正確無比な精度のキックから、既に今季1得点を記録している中原の頭や、エリゼウの迫力、そして仙台のセットプレーの伏兵としては、千葉直樹も挙げられる。

仙台サポーターなら、何度かお目に掛かっているシーンなのだが、仙台CKの場面などで、何故かニアサイドに誰も詰めず、がら空きになっている事がある。そういう時は、かなり高い確率で、その空いているニアサイドに千葉が飛び込み、ヘッドでボールをすらして、ゴールネットの反対側に流し込むという得点シーンを伺う事ができる。

代表的なシーンは、昨年、J1昇格を決定付けた、アウェイ水戸戦の2得点目。右サイドのCKに、千葉がニアで頭で合わせ、水戸GK本間の反応の許さないところへ見事にゴールイン。それ以外にも、何度か似たようなシーンがあり、間違いなく仙台のセットプレーの1パターンとなっている。

そして、ボールがファーに流れれば、そこにはサイドバック菅井の姿も。ニアで勝負すると見せかけて、実はファーの選手が決めるという構図も、仙台のセットプレーならではの魅力である。

もちろん、仙台がセットプレーでここまで勝ち点を伸ばしてきた事は、清水も良く知っているはず。対策は立ててくるはずだ。だがそれでも、清水にとっての仙台のセットプレーは、驚異である事に間違いはない。

セットプレーに気を取られているかと思えば、カウンターで相手を撃沈する事もできる。仮に、仙台が相手のCK攻撃を受けているシーンであっても、これをGK林が良い判断で飛び出してキャッチできれば、そこから一気にカウンターのチャンスが到来する。そこで、梁やフェルナンジーニョが、如何に前線へ素早くカウンター展開できるか。こんな展開で願うのは、前節・鹿島戦での2得点目の再現である。

まずは、清水の攻撃陣をしっかりと受け止める堅守を、辛抱強く崩さない事。そして、仙台の持ち味であるセットプレーを中心として、カウンターやサイド展開に速攻で持ち込む速い攻撃を織り交ぜ、如何に清水守備陣を翻弄できるか。

なお、当日はJ1の試合は2試合しかない事から、日本代表監督・岡田氏が観戦に来る事も予想される。もし来るなら、目当ては岡崎と思われるが、この状況を逆手に取って、是非とも関口の凄さを披露したい。90分フル出場しても物足りないその運動量とドリブルのセンス、そしてFWもできるその多様性は、今の日本代表にこそ求められる資質ではないか。

5月上旬の代表選手発表まで、あと一ヶ月。先日のセルビア戦の国内メンバーの体たらくをみれば、岡田監督がこの一ヶ月で、新たな選手を探して各試合会場を精力的に見て回る事は、想像に難くない。また、この一ヶ月で、期待していた主力代表選手に負傷者が出る事も考えられる。そうなった時のために、まずは、代表チームに帯同するバックアップメンバーに入れるかどうかがポイントとなる。

仙台の選手が日本代表に入る可能性は、決して小さくないと思っている。まずは、現日本代表FWを有する清水を倒し、仙台の名を全国に知らしめてからだ。

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