第9節vsC大阪戦プレビュー そろそろ身に付けたい “チャンスをモノにする技術”。大事なのは、ゴールへの執念と普段からのシュート練習。要らないのは、前回対戦時の”勝利”という結果への固執と、チャンスに決めきれない選手に、先発の機会を与え続ける”温情采配”。もっとシビアな選手起用を。そして、決定力不足打開の”鍵”は、今節の相手チームが握っている。

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久しぶりの3連敗で迎える今節。クラブ史上では5年ぶりとも言われているが、連敗した事自体が悔しい訳ではなく、3戦で僅か1得点と、あまりにも稚拙な決定力の無さに愕然としている次第である。


例えば、2-3とか3-4などの、いわゆる「撃ち合い」の末の敗戦であれば、少なくとも決定機をモノにする力は備わっている訳であり、あとは守備面の課題に取り組めば良い事になる。この程度なら、まだ前向きにもなれるというものだ。が、2戦連続の0-1という結果からは、とても前向きになれる材料など見つからない。

確かに、湘南戦は神戸戦に比べ、「内容に改善が見られた」事は否定しないが、それは最後の決定力の部分が改善された事を含んでいる訳ではなく、また、相手が仙台と同じJ2上がりの湘南であった事から、与し易かった部分もあっただろう。よって、湘南戦で内容に改善が見られたからと言って、続く今節のセレッソ戦で、今度は決定力に改善が見られるとは限らないのだ。

試合の勝敗に関わらず、まずは「決定力」の改善が求められる。この事は、今に始まった事ではない事も、以前のプレビューやレポートなどで何度も取り上げてきたのだが、今回の場合は、「相手が J1 だから多少は仕方ない」とか、「内容が良くなってきているので次はゴールに期待」とか、そんな悠長な事を言っていられる状況ではない筈なのだ。

今節、迎えるセレッソ大阪戦。奇しくも、前節の湘南戦と同じ「同期昇格対決」となる。セレッソにはあの香川真司がいる分、勝敗に関しては、湘南戦よりも厳しい戦いになる事は間違いないだろう。

筆者なりに考える、この試合のポイント。それは「勝つか、負けるか」ではない。そして、「セレッソ大阪に何点獲られるか」でもない。

本当に大事だと思っているのは、「この相手から何点獲れるのか」というポイントだ。

ワールドカップによる中断まで、あと4戦。このセレッソ戦に続く、FC東京戦・名古屋戦・浦和戦の強豪3連戦を考えると、このセレッソ戦で改善しなければならない課題は、「如何に得点を奪う事に執着できるか」という部分である。

実は、今節の対戦相手となるセレッソ大阪は「得点も失点も多い」傾向にあるチームである。昨年のJ2においても、他チームを大きく引き離して100得点を奪ったかと思えば(2位が仙台の87点)、51節もあったリーグ戦において53失点を喫しており、1試合平均で1失点以上しているチームである。

また、今季のJ1の舞台においても、公式戦9戦中(ナビスコカップ含む)、7戦において失点を喫しており、無失点試合は僅か2試合。そのどちらも0-0スコアレスという結果に終わっているため、セレッソの今季の印象は、昨年までと同様に「得点と失点のバランスが悪いチーム」という事になる。

相変わらず「撃ち合いかスコアレスか」という両極端な試合展開をしてしまう「大波癖」は変わっていない。これは、セレッソ大阪がJ2に降格してからの、筆者の印象そのものであり、その癖は今季も改善された様子な無い模様である。

であれば、仙台の決定力改善の格好の相手として打って付けと考えるのは、些か都合良すぎる発想であろうか?

セレッソの場合、毎年のように選手が大幅に入れ替わる傾向にある。その選手獲得の傾向は、あくまでも攻撃力の強化を見据えての場合が多く、個の能力に優れた選手ばかりを獲得している印象が強い。そしてその傾向は、前線のアタッカーに限らず、ボランチやセンターバックなどのディフェンス系の選手にも当てはまる。このため、守備面の連携や戦術の浸透が進まず、どうしても些細な連携のミスから失点する傾向に歯止めが掛からない。セレッソの場合は、そのウィークポイントを、攻撃面の強化で補っている。だから「撃ち合いの末の勝利」という結果に繋がる事が多いのだ。

この試合。もし、単純に勝利を目指すのであれば、「徹底的に守って、とにかく1点を奪ってそれを最後まで守りきる」という、判りやすい穴熊戦法的手法で臨めば、おそらく最低でも0-0には持ち込めるだろう。その上で、ラッキゴールでも何ででも良いから、1-0で勝利できれば御の字である。

だが、筆者としては、敢えてそんな戦い方や勝ち方は望まない。望みたいのは、「仮に敗戦となっても構わないから、とにかく1本でも多くのシュートを撃ち、そして1点でも多くの得点が産まれること」である。

得点さえ産まれてくれれば、結果として勝利に結び付く可能性は高くなる。もし後半ロスタイムの時点で1点リードという状況であれば、あとは時間稼ぎなどの「大人の対応」をして、強かに勝ち点3を奪いに行くのは構わないだろう。だが、そんな状況になる前の90分間は、得点の経過に関係なく、とにかく攻めて攻めて攻めまくって欲しいのだ。

そして、肝心なのはここから。

攻めまくった結果、いくつかの決定機は必ず訪れるだろう。そのうちの1本でも2本でも良いから、とにかく冷静になって、狙い澄ましたシュートを撃って欲しいのだ。

ここでいう「冷静」とは、単に、ライフルやピストルなどのように”的を狙う”という単純な状況ではなく、相手GKとの1対1を、フェイントなどで交わしてからシュートを撃つとか、撃つと見せかけて相手の注意を牽き、より可能性の高い味方にパスを出すなどの「的確な判断」の事を言う。

つまり、相手の「読み」の裏を突かなければ、ゴールは産まれないという事を言いたいのである。

そして、一番肝心な事。それは「シュートの精度」である。但し、ここばかりは、練習や経験で培ってきたものが試合に形と成って現れるものであり、今すぐに改善する事は「絶対に無い」。ここは、はっきり言い切らせて頂く。いったい、仙台のフォワード登録の選手のうち、誰なら「決定力がある」と言えるだろうか?

少なくとも、中島や中原などの若い選手に、「それ」があると言える人は皆無であろう。強いて言えば、リーグ経験の長い平瀬や、MF登録だがフェルナンジーニョくらいか。

よって、目の前の試合で希望する先発は、筆者個人的には、平瀬・フェルナンジーニョの2トップとなる。清水の岡崎選手などのように、若手で決定力のある選手が居る訳ではない仙台の選手層において、現時点で決定力に期待できるのは、リーグ経験の長い、ベテラン選手しか居ないではないか。

と言っても、平瀬やフェルナンジーニョに、この先何年も仙台の先発を委ねる訳にも行かないだろう。現実的には、中島先発を再びフェルナンジーニョに戻し、フェル-中原の2トップにするくらいが関の山だろうか。

ところで、普段はなかなか都合が付かず、チームの練習を見に行ける機会が無い。そのため、このGW期間中は、チーム練習を見に行く機会が得られる、年間の数少ない機会なので、非常に楽しみにしている時期でもある。

今度、練習を見に行った際には、どの程度のシュート練習が行われているのかを拝見してみたい。ただ、普段から練習を見学される機会の多い方に、もし話を伺う機会があるとしたら、「あまり期待しないほうが。。。」という答えが返ってきそうで、ちょっと怖いところではあるのだが。

とにかく、先発する選手には、ゴールへの執念を常に脳裏に置いて戦って欲しい。特に、今節の先発2トップは、湘南戦と同じ中島-中原の組み合わせが濃厚との情報もあるが、この試合で、もし中島に結果が産まれないようであれば(=申し訳ないが、今節も彼にはゴールは産まれないと思っている)、続くFC東京戦では、先発をフェルナンジーニョに変えるべきだろう。

また、現在の指揮官においては、いい加減「温情采配」は止めて欲しい。運動量と、前線からのディフェンス貢献を買っての中島選手の先発起用は、決して判らなくも無い。昨年までの堅守偏重のチームの方向性から、中島先発に妥当性がある事も、決して理解できなくも無い。

しかし、もはや既に、そんな事を言っている場合ではないのではなかろうか?

今、大事なのは「チームとしてバランスを崩してでも、決定力・得点力を養わなければならない」のではないだろうか。その結果、もしまた清水戦のように、大量失点を喫したとしても、その代わり、2点・3点と、得点を奪う事に成功しさえすれば、その後の展開にもまだ希望が見えてくる。

この試合。筆者としては、勝敗には拘らないつもりでいる。仮に「1-0での勝利か、3-4での敗戦どちらかを選べる」としたら、筆者は、迷わず「3-4での敗戦」を選択する。更に言えば、「勝つ事で次に繋がる」等という表現は、決定力のあるチームが使うべきものであり、3戦で僅か1得点のチームが使うべき表現ではない。もし使えば、それは「詭弁」にしか聞こえない。

この試合で、筆者が仙台に望む事は、「まず、今節の相手となるセレッソ大阪と、同じ事をやれるようになって欲しい」という事なのだ。

もちろん、仙台には、香川真司などと言う、強力な個の力がある訳ではない。一番近いのは、関口か梁、或いはフェルナンジーニョあたりかもしれない。だが、仙台がセレッソ大阪に見習って欲しいのは、「時折発揮される、強力なチーム得点力」の部分だ。

セレッソ大阪というチームは、極端な攻撃偏重性のあるチームだ。そのチームの「攻撃性」の部分だけを学習の素材として汲み上げ、仙台の攻撃性の参考にしたい、と考えている。

例えば、何度も名前を出して些か恐縮だが、香川真司のゴール前でのドリブル突破の判断の良さ。相手ディフェンスをものともせず、ゴール前までボールを運ぶあのセンスは、敵の守備を「ある程度読んでいる」としか思えない。むしろ、それを愉しんでいるかのようだ。あのセンスは、GKを欺いてシュートを撃つ技術に通じるものがある。

そして、乾やマルチネスといった選手に見られる、積極的にミドルシュートを撃つ攻撃性の高さ。かつ、そのシュートの正確性は、的確にゴールマウスを捉え、しかもGKが反応しにくい軌道へ、見事にボールを載せる。このようなコースにボールを撃てるようになると、仮に相手GKが辛くもパンチングやボディワークなどで反応できたとしても、その溢れ球に詰めた味方が、これを難なく押し込む事も可能だ。

セレッソ大阪というチームについては、昨年までと、今年のここまでの戦い方を見ていると、チームとして趣向している方向性に変化は見られない。よって、今節もその流れに則り、試合開始序盤から、攻撃的な姿勢で襲い掛かってくる事は明白である。

敢えて、そのセレッソ大阪と「がぶり四つ」な試合をして欲しい。求めるものは、試合終了のホイッスルが鳴るまでの90分間、とにかく攻め続ける姿勢。一つでも多くの決定機を創り、それを如何に、冷静になってモノに出来るか。

仙台の決定力が、今すぐ改善されるとは思っていない。ただ、そこはいずれ、早い時点で改善しなければならないウィークポイントであり、かつ、たった1試合で3点・4点と仮に奪えたとしても、それを毎試合のように獲れるようにならなければ、何の意味も無いのだ。

目の前に訪れた、たった1度のチャンスをモノに出来るかどうかで、その後の試合展開にも影響してくる。もちろん、先制点の行方は、試合の流れを左右する大きな要素なので、出来れば、相手に先制点を許したくは無い。ただ、この試合に限って言えば、先に点を獲ろうが獲られまいが、それに関係なく、得点を貪欲に、どんどん狙って欲しいのである。

その結果、裏を突かれて簡単に失点を喫する様な流れになったとしても、今節に限っては、一向に意に返さないつもりでいる。もちろん、先制点を奪えたとすれば、相手は前に出て来ざるを得ないので、その裏を突き、更なる追加点にも期待できる。その点において、先制点を獲るまでは、相手に得点を許さない展開で推移するに越した事は無いのだが。

最後に。

今、仙台に求められているものは、決して「目の前の1勝」では無い。この先も続く、長いリーグ戦を見据え、決定力の改善に取り組む、真摯な姿勢なのだ。結果として、この試合に勝利できれば、続く強豪3連戦に気持ちよく臨む事ができるので、勝利するに越した事は無い。が、決定力の改善を伴わない勝利は、「勘違い」と「気の緩み」を誘発しかねない。

繰り返しになるが、1-0で勝利するくらいなら、3-4での敗戦のほうがまだ良い。もちろん、チームに負けて欲しい訳ではない。あくまでも、勝利よりも決定力・得点力を優先的に評価したいという意志の表現の一つである。もし3-4で負けたとすれば、そのことにより、次戦へ向けた気の緩みは絶対に起きないし、かつ決定力の改善に期待できる負け方なので、ディフェンス面の修正さえ行えば、次に大いに期待できる。だがもし、1-0で勝利したとして、その虎の子の1点が、仙台の決定力の改善に関係のない、PKやオウンゴールなどであれば、次に期待できる要素は限りなく”無い”に等しい。そんな勝ち方は、目の前の「小さな木の実」を食べ尽くす行為に等しく、後には何も残らないからだ。(唯一、勝ち点3の積み上げという結果だけは残る。が、それで次節以降のチームの活躍に期待できる訳ではない)

それならば筆者は、その「小さな木の実」を食べず、それを土壌に埋めて、大きな木を育て、たくさんの実がなってから収穫したい。

間違ってもあってはならない事は、3連敗したからといって、目の前の1勝に拘り過ぎ、「なぜ得点が獲れないのか」という、一見、半永久的な課題から目を背ける事にある。

時間は掛かるかもしれないが、J1再昇格元年の今年は、結果的に残留さえ出来れば良いので、その中の戦い方において、仙台なりの、決定力の改善方法を見つけたい。昨年までは、セットプレーに得点力の打開を見出して来たが、今年はそれに加え、流れの中からの得点力を身に付ける必要性が、更に高くなっていると感じる。

得点力が改善しない最大の原因は、決定力を改善しようとしないからである。

この試合の勝敗に関わらず、次の試合に期待できる内容かどうか。それは、今節のこの試合を応援し、観戦する、全ての仙台サポーターの目が、これを正しく評価する事だろう。

もしこの試合で、またしても無得点による敗戦を喫する事になれば、今季のJ1残留は、かなり厳しいものになると言わざるを得ない。そんな事は誰も願ってはいないし、ましてや想像もしたくない。だが、今、何かを変える努力をしなければ、それは決して「非現実的な話」とも言えなくなるのだ。「変わる努力」をしなければ、残り試合数が豊富にあったとしても、何の意味も無いのである。

チームに、是非とも気が付いて欲しい。今、何をすべきかを-。

なお、この試合は、NHKのBS1にて全国放送され、同局の地上波では、清水氏の解説で宮城県域限定放送される。3連敗中という事もあり、天候順風ながら客足の遠退きも懸念されるが、続くホーム戦である、名古屋戦(5/9ユアスタ)・浦和戦(5/15宮スタ)での客足がどの程度戻るかは、今節のこの試合に懸かってくる事だろう。

“恥ずかしい試合”だけは出来ない。全国に恥を晒したくなければ、必死になって得点を奪いに行くしかないのだ。

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