【ナビスコ杯予選第2節】仙台1-1京都 噛み合わない前半、噛み合った後半。太田の加入後初ゴールに、特別指定・奥埜の初出場も。新鮮な顔触れで臨んだナビスコ杯ホーム初戦は、惜しいドロー決着。

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7季ぶりの、ナビスコカップ・ホーム開幕。J1チームしか参加できないこの大会は、普段リーグ戦に出場できない選手が起用される機会の多い大会とあって、サブメンバーのモチベーションは非常に高かったと思われる。予選リーグ開幕のアウェイ新潟戦(3月31日)を0-0とした仙台は、ホームのサポーターの目の前で「俺たちもやれるんだ」というところを、大いに観て貰いたかったに違いない。


試合直前。4月4日の鹿島戦当日に逝去された、藤井元仙台市長の追悼のための黙祷のあと、静寂を打ち破ったのは、京都サポーターの応援。それに負けじと、仙台サポーターも応援を始めた中で、試合はキックオフされた。

清水戦の大敗を受け、守備面の立て直しから入ると思われたが、前半5分。いきなり仙台は相手に先制を許してしまう。できれば、先制点が欲しかったのは仙台のほうだったが、ゲームを動かしたのは、なんと17歳の京都FW、C契約の宮吉拓実選手だった。

ドリブル突破で、一人で裏へ抜け出し、そのまま仙台ゴールネットへ。その思い切りの良さは、Jの試合に慣れきっている守備陣には、逆に面喰らった部分もあったかもしれない。また、こういう舞台だからこそ、彼を思い切って先発起用した、京都の加藤久監督の手腕にも脱帽である。

それを思うと、同じこの試合で公式戦初出場を果たした奥埜君の出場時間が、試合終了間際の僅か1分というのは、あまりにも可哀想過ぎる内容。せめて、後半40分くらいからの出場として貰いたかった。投入直後のドリブル突破によるチャンスメークに会場が沸いただけに、できれば自分でシュートを撃って貰いたかった。もっとも、この1分間のプレーで会場を沸かせる魅力を感じただけに、是非とも今度はJ1リーグ戦で、そのプレーの続きを観てみたいものである。

試合の前半は、5分に喫したビハインドのため、仙台の中盤を中心に、実に落ち着きの無い展開。京都も控えメンバー中心に見えたものの、中盤でのワンタッチによるパス廻しなど、羨ましい限りの連携の良さを見せ付けられる。仙台のそれと比較しても、明らかに仙台は「翻弄」された格好の前半となった。結局、記憶に残る見せ場は、前半5分の失点直後に太田の放ったシュートがポストを叩いた場面のみ。満を持して先発起用されたFWレイナルドも、周囲との連携の悪さも手伝い、あまり良いところなく終わってしまった。

迎えた後半。ハーフタイムでの修正が効いたのか、立ち上がりから、まるで別チームのような動きの良さを見せ始める。その中でも、やはり異彩を放っていたのは、MF太田だった。前半は太田が一人で空回りしているだけに見えた仙台の攻守は、後半に入り、太田を中心に、突然躍動を始める。

そして迎えた、後半6分。太田が中島からのパスを受けると、狙い澄まして京都ゴールの右隅へ豪快なミドルを放つ。まるで定規で引いたかのような直線的な軌道を維持したまま、そのボールは京都ゴールのネットを揺らした。

太田、仙台加入後の初ゴールが決まった瞬間。前半からの動きを見る限りでも、もしゴールが決まるなら、彼のチャンスメークからか、或いは彼自身のゴールによるものという予感はしていたが、やはりその通りとなった。

既にリーグ戦で結果を出しているフェルナンジーニョと同様、やはり彼も、J1経験の長い、即戦力級の選手だった。途中出場の短い時間の中でも、常に相手の隙を伺い、それをチャンスメークに繋げるそのプレーセンスは、実は既に清水戦で、その片鱗をみせてくれていた。

清水戦で中原が決めた、打点の高いヘッド弾。あれは実は、スカパーの解説者も「優しくない(味方GKへの)バックパス」と表現した戻しのボール。そのボールを、清水GK西部が苦し紛れにヘッドで味方に繋ごうとした「弱いパス」を、猛然と仕掛けたダッシュでボスナーから豪快にインターセプトし、それをゴールラインぎりぎりまで持ち込み、素早く上げたクロスから産まれたものだった。

常に、相手の隙を伺い、そこから得点機を演出する。その点において、太田は既に仙台の選手の中でもトップクラスの能力を持っていた。そして、清水戦で前述したアシストを決め、そして直後のこのカップ戦で、自らのゴールで表現した。

ここ2戦で、1ゴール1アシストの活躍を上げたとなれば、次の試合では、当然先発起用されても不思議ではない。今週末のリーグ神戸戦では、最低でもベンチスタート。場合によっては、フェルナンジーニョの代わりにFWとして先発起用もあるかもしれない。筆者が監督なら、迷わずそうしてみたいところだ。(もっとも、出場時間の事を考えると、途中投入の線が濃厚ではあるが)

そして、もし途中投入での起用であっても、後半15分あたりからとやや長めで太田を使ってみたい。というか、本来は先発起用しないと勿体ない選手なのだ。それを考えると、中原1トップで、2列目に梁・太田・関口と3枚を並べる「4-2-3-1」も面白いかもしれない。この布陣から予想・展開される攻撃シーンは、もう垂涎ものである。

京都戦に話を戻せば、結局、太田の同点弾のみで終わり、第1節に続いてドロー決着。目に見える収穫は、太田のプレーが輝いて見えた点と、あとはハーフタイムでの修正が効いて攻守の連動性が復活した点くらいか。

次のカップ戦は、しばらく時間をおき、5月26日(水)の第4節・FC東京戦となる。(5月22日の第3節は、仙台はお休み)サブメンバーのアピールの場はしばらく無いため、今後は、太田がリーグ戦にどのように絡んでくるのかに注目してみたい。

ところで、太田のドリブルを観ていて、気が付いた事がある。太田のドリブルのスピードや、そのボールの持ち方。必要以上に足を前に出さず(=歩幅を拡げず)、常にボールを自由にコントロールできる距離に置くその独特のドリブルスタイルは、どこかでみた事があるような気がしているなと思ったのだが、試合中に、それが何なのかひらめいた。

「クリスティアーノ・ロナウドだ!」

そう、マンチェスター・ユナイテッドでベッカムの「7」を引き継ぎ、期待以上の活躍を見せてバロンドールとFIFA最優秀選手賞の二冠を達成し、現在はレアル・マドリードに在籍する、あのスーパー・スターである。

本人が意識しているのかどうかは不明だが、少なくとも、筆者の目には、そう映った。身長も体重も、本物のC・ロナウドから観れば「小型」ではあるが、wikipedia サイトにてC・ロナウドの解説の「プレースタイル」の項を読んでみると、太田のプレースタイルに通じた部分が多く観られる事に気が付く。


リーグ戦に目を戻すと、中2日で、またすぐ試合がある。こんな時にホーム連戦という状況は、チームにとってもサポーターにとっても大変有り難い。この京都戦をサブメンバー中心で戦った事により、大部分の主力選手は疲労の回復が見込まれる。リーグ戦から替わらなかった、関口・朴柱成・エリゼウの3名は、90分間の出場となったため、神戸戦に出場するとなれば、1週間で3試合の過密日程となる。朴柱成・エリゼウの回復の程度が少し心配ではあるが、昨年も経験した過密日程だ。リカバリーについては、何の心配にも及ばないだろう。

そして、関口にはリカバリーの心配すら必要ない。彼はきっとこの京都戦にフル出場すると思っていたし、そして、神戸戦にも平気な顔でフル出場するだろう。周囲やサポーターが呆れるほどの体力と運動量の持ち主だ。是非、太田のドリブルのセンスを盗み獲り、我が物にして欲しいと願っている。

気が付けば、昨年から続く「ホーム無敗」は、28に記録を伸ばした。次なる相手は神戸で、リーグ戦では1勝1分4敗の17位。ナビスコカップ初戦(神戸は第1節はお休み)でも、ポポの先制弾を守りきれず、浦和に3失点の逆転負けを喫している。チームは不振を極めている様子だが、かと言って楽に勝てる相手とは言えない。今季は草津から移籍した、あの都倉賢も在籍しており、仙台の特長は知られている事だろう。

暖かくなってきて、ようやく桜の開花宣言の出た仙台だが、ここ数日は強風が続き、もう少し寒い日が続きそう。今週末の神戸戦当日も、最高気温は10℃の予報で、決して暖かくは無い模様だ。気を抜いて軽装で試合観戦をして、風邪を引いては勿体ないので、是非とも防寒対策だけは忘れないように。

もっとも、ゴールさえ決まれば、寒さなど忘れてしまうものなのだが。

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