第18節vsG大阪戦プレビュー ”裏天王山・2連戦”を見据え、なんとしてでも希望の光が欲しい仙台。FW陣の相次ぐ負傷離脱を受け、FC東京より緊急補強したFW赤嶺真吾のチームフィットの早さと、梁のボランチ起用の判断がカギか。この他、田村の左SB起用や、MCLで売り出し中の三澤のベンチ入りの可能性など、気になる材料が目白押しな一戦。

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長いリーグ戦も、折り返しのスタートとなる今節だが、チームは16位と低迷し、かつ、なかなか再浮上の兆しが見えてこない仙台。今節は、昨年末の天皇杯で、力の差を大いに見せ付けられた、あのガンバ大阪が相手となる。

今季は既に第4節で対戦済みであるが、両チーム合わせて生まれたゴール4本のうち、実に3本がPKの判定によるものや、先制しながら一度は逆転され、辛くも後半ロスタイムに追い付くなど、PK判定だった点を除けば、皮肉な事に「現状の仙台の前兆とも言える」ような、試合内容の展開であった。

2巡目となる今節以降、今度はホームとアウェイが入れ替わっての再対戦が続く事になるが、ふと8月以降の対戦予定を眺めていて気が付いた事がある。

8月14日(土) home ガンバ大阪戦
8月17日(火) away 浦和レッズ戦
8月22日(日) away 大宮アルディージャ戦
8月28日(土) home 湘南ベルマーレ戦
9月01日(水) away ジュビロ磐田戦(ナビ杯決勝T)
9月08日(水) home ジュビロ磐田戦(ナビ杯決勝T)

これは、当サイトの掲示板にて、いいしゅう氏も言及している事なのだが、なんと今月下旬に、降格圏脱出を争っている2チーム(大宮・湘南)との連戦が待っているのである。

また、ナビスコカップでの対戦ではあるが、大宮と勝ち点17(仙台は14)で並ぶ、ジュビロ磐田との対戦も控えており、お互いにJ1残留を見据えての試金石となる対戦になるだろう。

まずは、何があろうと、大宮・湘南の下位2連戦では、絶対に勝ち点6、つまり連勝を挙げなければ、非常にマズい状況に陥る事は、誰の目にも明白だ。

そこを見据えて、今節のホーム・ガンバ戦、そしてアウェイのレッズ戦を、どう戦うかが重要となる。

もちろん、勝利は欲しい。直近の12戦を勝ち無しで推移する仙台にとって、あらゆる意味で「勝ち点3」は最良の薬になる。だが、現在3連勝中のガンバ大阪を相手に、勝ち点を獲る事は、決して楽な仕事ではない。

但し、そのガンバも、決してチーム内は順風満帆ではない様子だ。事情は違うが、今回もFWルーカスは怪我で仙台戦に出場できず、また、前回対戦の際に途中出場してきた、FWゼ・カルロスは、なんと退団の方向との事。(しかも同選手の今季の出場機会は、結局、第4節の仙台戦のみだったらしい)

ガンバの退団選手と言えば、4月にFWペドロ・ジュニオールがチーム造反で移籍放出を余儀なくされ、その代替え的に、磐田と契約の切れるFWイ・グノを獲得。そのイ・グノもまだチームにフィットしているとは言えない状況で、FWチョ・ジェジンやFWドドも(※いったい、ガンバには何人の外国人FWが居るのだ)、チームの稼ぎ頭として機能しているとは言えない状況。

唯一、FW陣で1人気を吐いているのが、日本人の平井だけというから驚かされる。

また、現旧日本代表の遠藤や加地も、現状は本調子ではないようで、「仙台戦は強行出場」との表現さえ、メディアで飛び交っている惨状。どうやら、3連勝という結果から想像できるような充実感は、今のガンバには無いらしい。今節も、どこかしら隙はあるものと考えられる。

ただ、相手の隙を伺う以前に、仙台はまず、自分たちの “足下” を確認しなければならない。

リーグ戦再開後の5戦で、1分4敗。6得点11失点と、あまりの失点の多さに閉口してしまう。しかも、3失点の試合が3試合で、特に “後半の失点” が多いのが、ある意味で特徴的である。(この後半の失点が多いという状況は、現在最下位の京都にも当てはまる話である)

ポイントとしては、やはり「後半のゲームコントロールの稚拙さ」に注目せざるを得ない。ここが改善しなければ、いくら点を獲っても、またすぐに、逆転敗戦を喫する事になるだろう。

ところで今週、突然に嬉しいニュースが舞い込んできた。

中島・中原らFW陣の相次ぐ負傷離脱を受け、仙台は、FC東京からFW赤嶺真吾の緊急レンタル補強を発表。どうやら、中断期間の時期あたりから調査だけはしていたようだが、FW朴成鎬の獲得で、赤嶺の話は流れてしまう公算が大きかった様子。だが、FWの駒が急速に減った窮状を受け、話を再燃させ、レンタルでの緊急獲得に至った模様である。

赤嶺は、他のチームからも獲得のオファーがあっただけに、よくぞ仙台に来てくれた、という気持ちでいっぱいだ。

目下、「ジュビロキラー」として名を馳せている彼ではあるが、裏への飛び出しの秀逸さや、チーム戦術の理解度の高さ、そして守備貢献など、仙台の選手に例えて言えば「完璧な中島裕希」のようなプレースタイル・特徴となるだろうか。以外に、仙台の”水”に合う選手かと思われる。願わくは、今季の大活躍の上で、完全移籍といきたいが、果たして。

合流初日の木曜日(8月12日)には、早速に紅白戦で1ゴールを決めてみせるなど、コンディション面での懸念は一切なし。連携さえとれるようになれば、即・先発の可能性も出て来た。

ただ、その「連携」の面を、どう赤嶺に早く浸透させるかがポイントである。

そしてこれは、本サイトの掲示板にて、やはりいいしゅう氏が言及している事なのだが、筆者はこの投稿をみて「なるほど」と、考えさせられた。

その事とは、「ガンバ戦とレッズ戦は、赤嶺のプラクティス。つまり練習試合としたい。そのためには、即先発させて、その成果を大宮戦と湘南戦の”裏天王山”で出してくれればOK」というものだ。

この考え方は、一理どころか、即戦力である赤嶺を少しでも早くチームにフィットさせるための、究極の「荒療治」である。

普通に考えれば、シーズン中に移籍獲得した選手を、いきなり先発させるなどはまず有り得ない事なのだが、赤嶺の守備貢献度や、チーム戦術の理解度の能力を考えると、このやり方のほうが、早くチームにフィットしそうな予感は、大いに感ずるところだ。

考えてみれば、ガンバも、現在3連勝とはいえ、チームは満身創痍。続くレッズも、監督の解任も囁かれ始めるなど、絶不調の渦中にある。

もし、この2戦に「J1級のフォワードの選手」を投入できるとすれば、赤嶺の活かし方によっては、仙台は一気に息を吹き返す可能性さえ秘めているのだ。

おそらく、ガンバやレッズは、仙台の低迷する状況をみて「ボーナスゲーム」とすらみていたかもしれない。もちろん、今節も、結果的にそうなってしまう可能性は、充分にある。

ただ、あまりにも急な赤嶺の移籍加入によって、対戦相手は意表を突かれ、慌てて赤嶺の分析を始めているに違いない。もちろん、赤嶺が先発で来るのか、途中投入で来るのかは、仙台の窮状を考えると、逆に「読み辛さ」を与えているものと思われる。しかも、仙台でのプレーのデータは、物理的に「ゼロ」なのだ。各チームのスカウト担当にとって、これほど厄介な状況はないだろう。

そして更に言えば、その赤嶺の先発の可能性をもっと色濃く臭わせる「材料」がある。

それこそが、「梁のボランチ起用」である。前節の横浜FM戦では、試合の後半に、MF太田の投入と同時に梁をボランチの位置に下げてからというもの、良い形で攻守を組み立てる事ができるようになった。もともと梁は、サイドハーフの位置から、最終ライン付近まで降りてきて守備もしてくれるし、攻撃の起点になるようなパスも出せる。彼の攻撃センスを最大限活かすために、現在はサイドハーフを主戦場としているが、そのプレー能力は、ボランチに求められる能力にも通じるところがある。

以前、ベルデニック監督の時代にも、ボランチを経験している彼ではあるが、当時とは状況が違い、多く経験を積んだ今となっては、ボランチの位置でゲームをコントロールする事も、仙台の今後の躍進のためには、必要な事なのかもしれない。

もし、いきなり「ボランチ・梁」を、先発として披露する事になれば、赤嶺の先発起用と抱き合わせの「サプライズ2枚重ね」も考えられる。可能性としては、決して高いものではないが、「横浜FM戦の終盤の梁ボランチ起用」という材料と、今週の「FW赤嶺の緊急補強」という材料が、どこかで一つの点になって結び付く可能性は、決して小さくないとみている。

そして、梁のボランチ起用の可能性によって、もう一つの「お楽しみ」が、その現実味を帯びてきた。

それこそが、MCLで2戦5発と、現在売り出し中のMF三澤のリーグ戦起用である。彼の公式戦出場は、ある事はあるのだが、昨年のJ2での2試合と、今年のナビスコカップ初戦の新潟戦の1試合のみ。しかも、それぞれ試合終了まであと数分というタイミングでの途中出場と、とても「チームに貢献できた」と言えるような出場時間量ではない。

三澤にとっても、入団3年目の今年は、勝負の年と考えているだろう。MCLで結果を出し続けている状況は、「オレをベンチ入りさせろ」との心の叫び、とも受け取れる。

ところで、三澤の「MCLでの2戦5発」については、筆者は実際にこの目で、その5ゴールを全て拝見してきた。

大学生が相手の練習試合とは言え、全て、三澤の技術の高さ・読みの良さから生まれたもので、いわゆる「ごっつぁんゴール」は一つもない。あの動きの鋭さ・読みの良さは、もう既にトップチームで活躍しても良いくらいの出来に昇華しているとみている。

彼を、今使わなければ、いつ起用するというのだろうか。また三澤は、右サイドバック・右サイドハーフ、そしてフォワードと、右サイドの、ほぼ全ポジションをこなせるというユーティリティ性も持つ。

2年半という時間をかけて、彼をここまで育て上げてきたのだ。今こそ、「旬の食材」である彼を、リーグ戦で起用するべきだと考える。

折しも、まだ首の痛みの取れていない菅井や、前節に熱中症で倒れ、今節も欠場が濃厚な朴柱成の影響で、田村を左サイドバックで起用しなければならないなど、サイドバック陣にも手薄感が漂っている。三澤なら、決定力への期待と共に、現状のサイドバック陣の穴すらも、充分に埋められるはずなのだ。

FW赤嶺の緊急補強や、梁のボランチ起用の可能性、そしてMF三澤のリーグ戦起用のメドなど、前節までは想像だに出来なかった「好材料」が、今節の仙台の戦いぶりを予見させる。

まず、最低でも、FW赤嶺とMF三澤は、オプションとしてベンチ入りさせるべきだ。その上で、梁ボランチというカードを、どういうタイミングで切るかが、需要な判断ポイントになると予想する。

ただ、もし梁がボランチに下がった事で、攻撃力がスポイルされてしまうような事があってはならない。唯一、それが許されるのは、1点でも多くリードしている状況下で、試合終了間際の数分間を耐えればOKという「逃げ切り体制」にある時だけ、である。

ここまでのプレビューで、ある程度、どのような試合展開に期待したいかが伝わったと思うが、やはり最後は、勝利という結果を掴みたい。もう4ヶ月以上も、勝利から見放されているのだ(ナビスコカップを除く)。

「もうすこしで何とかなる」という臭いを出し続けながらも、なかなか結果が伴わない仙台。サポーターも、罵声を浴びせたい気持ちを堪え、よくぞチームを声援で後押ししていると感心するばかりだ。

裏天王山の2連戦を見据えれば、ガンバ戦とレッズ戦は、絶対に内容で成果を上げなければならないし、できれば、今節のガンバ戦で、是非とも勝利を拝みたい。

現在の仙台の実情は、おそらく「どこと対戦しても、そう変わらない」ものだ。仮に、首位の清水と対戦しても、そして、最下位の京都と対戦しても、である。

であれば、もしこのガンバ戦で「勝ちパターン」を見付けさえすれば、ガンバ戦・レッズ戦を、連勝で推移する事も、決して不可能ではないはずなのだ。

ただ、現状でその「勝ちパターン」が見付かっていない以上、始めから勝利を目論んで試合に臨むのは、少々おこがましい。そう簡単に、勝ち点を譲ってくれるような相手ではないからだ。だが、この試合中に、なにか「きっかけ」を掴む事さえ出来れば、その瞬間が、まさに仙台にとっての「開眼」となり、攻守ともに復調し、J1残留へ向けての大きな一歩となるに違いない。

果たして、梁のボランチ起用が、或いはFW赤嶺やMF三澤の起用が、それらの礎と成り得るのか。いや、成し得なければならないのだ。

筆者個人的には、8月の残り試合で期待したい成績は、最低でも「大宮戦・湘南戦の連勝を含む、2勝2敗以上」と考える。かつ、もし今節のガンバ戦か、或いは次節のレッズ戦のどちらかで1勝を挙げる事が出来た場合には、”裏天王山2連戦”が終わった時点で、降格圏を大きく脱出している可能性だって考えられる状況にある。

いずれにせよ、この8月の残り4戦が、今季の行方を占う上で、重要なターニング・ポイントになるのは間違いない。

12戦勝ち無しという惨状に加え、中島・中原らFW2枚の負傷離脱という「逆境」が、FW赤嶺の緊急獲得という状況を産み出し、そして「トップ出場のチャンス」と、MF三澤の奮起を促したのかもしれない。

これは、アヴァランチ仙台の闘将・福谷秀樹選手の名言という訳でもないのだが、現在のこの逆境を逆手にとり、ベガルタの勝ちパターンを産むための「布石」に変化させて欲しい、と切に願って止まない。

勝ち点を獲れる事を信じて、今節も、スタジアムに足を運ぶ事としたい。
今一度、チームの勝利を信じる自分の気持ちを、奮い立たせて-。

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