J1 前期 第12節(通年12節) vs 新潟戦プレビュー 非常に気になる、新潟レオ・シルバの一時帰国。浦和とは違うモチベーションで挑んでくる彼らから勝ち点を奪うには、ようやく目覚めた中盤の攻撃力を活かすための堅守が絶対条件。守り切れれば勝ち切れるはずの、残留争いライバル2連戦の初戦。ポイントになるのは、”あの選手”と”先制点”、そして「攻守の切り換えの速さ」だ。

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現在、辛くも15位を維持し、降格圏への転落をギリギリ免れている仙台。今節は、順位では下の17位に居る、新潟とのアウェイマッチとなる。

下位と言っても、新潟とは、勝ち点では10で並び、僅かに得失点差で仙台が順位で上に付けているだけの話である。よって、事実上、差は無いに等しい。

前節の仙台は、首位の浦和から4得点をもぎ取り、撃ち合いの末の勝ち点1奪取とし、なんとか連敗を5で止めた。今季、なかなか覚醒しなかった中盤の攻撃陣がようやく目覚め、今後の攻撃陣に期待が持てる様になった。

だが、浦和をあそこまで追い詰める試合が出来たからと言って、今節の新潟戦や、次節の甲府戦で、同じように攻撃できるとは思えない。考えてみれば、例年、浦和とは「撃ち合い」の様相を呈する相性があったのだ。実は、昨年も、ホームでは浦和から4得点をもぎ取っており、浦和のように「自分たちの攻撃スタイルを貫くスタイルのチーム」が相手だと、仙台はむしろ与(くみ)し易い。その結果、浦和には、ホームで過去5年間、一度も負けがないのである。

ところが、相手が「引いて守ってカウンター狙い」のチームになると、仙台は、とことん自分たちの攻め手を欠き、得点が遠くなってしまう。そのうえ、相手が運動量豊富に前線からハイプレスを掛けてくると、その相手を落ち着いて「いなす」事が出来ず、中盤の中途半端な位置でボールを失い、そこからカウンターを仕掛けられ、アッサリと失点してしまう。

現在、仙台よりも順位が下に位置する新潟と甲府なら、守備堅めから入られてしまう事が予想され、結果、いつものように「攻めあぐねる仙台、カウンター一撃に屈す」的な見出しが、翌日の紙面上に踊る始末、となってしまう様な事態さえ、充分に予想される。

それでも、前節でようやく中盤の攻撃陣の “目覚め” が観られた事により、こういった展開を強いられたとしても、そこから得点を挙げられる可能性は高まったように思う。そこには期待しておきたい。

だが、それだけでは絶対に足りない。何が足りないかと言えば、やはり「止まらない失点を止めるための堅守」を取り戻す事にある。

浦和戦での失点シーンを観ての通り、今季の仙台は、やたらと、被セットプレーからの失点や、得点或いは失点シーンの直後の失点が目立つ。

被セットプレーでは、相手のキープレーヤーをフリーにしてしまい得点を許す傾向がある。浦和なら興梠やズラタン、FC東京なら武藤といったあたりだ。危険な存在なのは判っているはずなのに、泥臭くマンマークする訳でもなく。結果、相手の「仕事人に仕事をさせてしまう」事を許す状況に陥っている。

そして、こちらもまた深刻だ。せっかく得点したのに、その直後にすぐ失点。また、失点したあとにもまたすぐ失点。得点するにしろ、失点するにしろ、そこからのリスタートに集中し切れていないのが原因だ。

これらの “リスタートからの失点癖” を治療できなければ、いつまで経っても残留争いに巻き込まれ続ける事だろう。今節の新潟戦、そして続く甲府戦では、如何に、そこを改善できるかがポイントになるものと思われる。

また、相手も残留争い渦中のチームであるならば、止まらない失点を止めるところから立て直ししてくるはず。そして、その点において、新潟戦では気になる事が。それは「レオ・シルバの一時帰国」だ。

今週になって突然、レオ・シルバが離日した。理由は、肝機能障害によるとの事で、精密検査や加療などが必要になったのだろう。詳細はさておき、最低限、今週末の仙台戦では欠場の見込みである。

一見、相手の戦力減となる情報は、こちらの有利材料の様に思える。だが、こと仙台においては、相手の主力選手の負傷離脱や出場停止などは、逆に不安材料になってしまう事が多い。過去、何度も、相手チームの主力選手が欠場したにも関わらず、代わりに出場した選手などが仙台戦で活躍し、仙台は煮え湯を飲まされ続けてきた。今年の事例だと、ナビスコカップのアウェイ名古屋戦が記憶に新しい。日本代表選出により、永井と川又の主力フォワード2枚を欠いた名古屋に対し、仙台は、前半26分までに3失点も喫してしまっている。

そんな “持病” を抱える仙台が、今節は、彼らの攻守の要である、レオ・シルバを欠く新潟と対戦する。しかも新潟には、今季の新潟の得点源となっているFWラファエル・シルバ(今季5得点)もおり、全く油断ならない。

但し、ラファエル・シルバは、累積警告による影響で第9節を欠場して以降、ベンチ入りもしていないが、負傷の情報も特にないため、今節のレオ・シルバの欠場を受け、2週間ぶりに出場という可能性もある。この場合は、休養充分なので要注意だ。だが新潟には、もしラファエル・シルバすら出られないとしても、磐田から移籍の山崎や、浦和から移籍の田中達也、海外を渡り歩いてきた指宿に、U-22日本代表の鈴木武蔵の名が連なる。いくら、攻守の要のレオ・シルバが居ないからと言って、それを以て、新潟の前線の攻撃力が減退するとは思えないのだ。

むしろ、レオ・シルバを欠く守備陣の穴を塞ごうと、彼らのホームながら、いつも以上に守備的になり、堅守から、ラファエル・シルバを軸とする超カウンター攻撃に活路を見出そうとする可能性はある。そして相手が、「引いて守る相手を攻めあぐねる仙台」なら、尚更だ。

つまり、レオ・シルバの欠場によって、新潟は、仙台がより一層苦手とする「引いて守るってカウンター」のチームに変貌する可能性があり、そうなると仙台としては、より厳しい戦いを強いられる事になってしまう訳である。

もし、本当にそうなってしまったとした場合に、仙台としては、今節にどんな手が打てるのだろうか。そこで、取り上げたい今節のキーマンは、前節にリーグ戦初出場を果たし、と同時に、初ゴールまで決めてしまった、ボランチのキム・ミンテである。

強気な攻め上がりからゴールを決めてしまった印象があまりにも強く、またその落ち着いたシュートの精度を観る限り、ボランチにしておくのは勿体ないくらいなのだが、彼の良さは、ゴールを決めたシーンよりも、むしろ守備面にて、その “良さ” を垣間見れた。相手に攻め込まれたときの対人性の強さに目を奪われ、浦和戦では、何度も相手の攻撃の芽を、自陣で摘み取り続けた。また、そこからのカウンター攻撃への切り換えも素早く、味方がついていけないほどだった。また、状況によっては自らも攻め上がり、攻撃のピースにも成り得るのである。

まさに、浦和戦では「攻守の要」の役割を果たしていたのだ。またこの事は、前節の浦和戦のレポートでも書いたのだが、昨年までの仙台で言うところの「DF角田」タイプである。彼なら、仙台が攻撃オプションとして持っている、4-1-4-1のアンカーも務められるのではないだろうか。まだ、たった1試合しかリーグ戦で観ていないのに、そのくらいの安心感と期待感が、彼からは発せられているのである。

今節に向け、ほぼ間違いなく、彼はボランチで先発すると読んでいる。彼の先発無しでは、今節の展望は考えにくい。

そのうえで、仙台が今節狙うべきは、「新潟に、自陣で堅く守らせない」事にある。もちろん、今節は彼らのホームだ。一般的には、ホームで、いわゆる「引きこもりサッカー」を安易に選択する事は考えにくい。だが、彼らもここまで結果を出せていないうえに、彼らの攻守の要であるレオ・シルバが不在とあっては、なりふり構わず、最後の1分まで「勝ち点3の可能性」を残すために、ガチガチに守るところから入ってくる可能性は、決して低くないと考えている。つまり、彼らが、まず目指すところは「失点しないこと」であり、そこは、今節の仙台とて同様である。

ただ、仙台としては、相手を「前に」吊り出して、その裏を使う攻撃を仕掛けたい。引いて守られてしまっては、やはり攻めあぐねてボールを失い、そこからのカウンターでヤラれてしまう可能性を高くしてしまうからだ。

そこで、相手を吊り出すために、どうあっても必要なものが、”先制点” である。どんな形でも、先制点を獲ってしまえば、相手は、嫌が応でも前に出て来ざるを得ない。そして仙台は、その裏のスペースを攻撃に使えるようになり、前節にようやく目覚めた攻撃陣による、更なる追加点に期待できる。「攻 vs 攻」の構図なら、仙台には、ハモン・ロペスと奥埜の2枚のジョーカーが居るうえ、運動量勝負なら茂木も投入できる。

いくらなんでも、新潟は、スコアレスから始まる試合に、頭からガチガチに引きこもって守る事はできないはずだ。彼らも、先制点をきっかけに、そこからガッチリ守ってカウンターによる追加点を目論んでいるはず。

つまり、この一戦は「如何に、相手から先制点を奪うか」に懸かっているものと考えている。

浦和戦を観れば、逆転も視野に入れたい諸氏も居るとは思うが、世の中そんなに甘くはない。浦和戦は浦和戦、新潟戦は新潟戦だ。浦和戦で4点獲れたからといって、新潟戦で4点獲れるとは限らない。むしろ、4失点してしまった守備陣のほうが、今節に向けて心配なくらいだ。何度も書いているが、仙台の持つ悪癖 “リスタートからの失点癖” を治療しなければ、いつまで経っても残留争いの当事者のままで居るはずだ。

そして、それを “治療” する意味でも、今節の先制点は、非常に重要な意味を持つ。理由はこうだ。

・その “先制点” は、同時に、失点のピンチでもある。リスタートからの失点癖のある仙台にとって、得点直後や失点直後、それに、コーナーキックやフリーキックなどの被セットプレーは、一番危ない時間帯だ。

・よって、そこを強く意識し、もし首尾良く先制点を挙げる事が出来たならば、そこで絶対に気を抜かず、相手のキックで始まるリスタートから、集中力を研ぎ澄まして守りを堅める必要がある。そういう意味では、前半キックオフ直後も、後半キックオフ直後も同列で、要注意な時間帯である。

・と、同時に、”先制点” が獲れれば、相手もギアを上げて、前掛りになって攻めてくる様になるため、むしろ追加点のチャンスでもある。

つまり、先制点や追加点、もしくは失点直後の集中力さえ発揮すれば、余計な失点を防ぎ、追加点にも充分に期待できる、という訳である。

そして、それを実現するために必要なピースこそ、前節にリーグ戦デビューと初ゴールを同時に果たした、ボランチのキム・ミンテではないだろうか。

彼ならば、守備の対人性の強さによって堅守性が上がり、かつ、ボールを奪った瞬間からのカウンター攻撃への転換を、素早く行えると考えている。まさに「攻守の要」の役目だ。また、機会あらば自らも攻撃参加し、積極的にシュートも打てる。こういう選手を、よく「中盤のダイナモ」と呼ぶが、彼のプレースタイルからは、まさにそれを強く感じられるのである。また、運動量においては角田以上のものを感じており、前節の浦和戦では、リーグ1位となる12.38kmを記録。この記録からも、ミンテの運動量が、如何に豊富かが如実に感じ取れる。

そんな彼の “良さ” を、リスタートのシーンで、最大限に発揮して貰うのだ。一般的に、得点もしくは失点の直後のリスタートのシーンは、そんなに危なっかしい印象はない。だが、今季の仙台においては、その「印象」は誤りだ。おそらくは、仙台はJ1全18チーム中、一番、リスタートから失点を喫しているのではないだろうか。そんな印象は、もう今節で脱ぎ捨ててしまいたいものである。

今節こそ、勝ち点3を掴むための勝利が絶対に必要だ。そのためには、守備で、相手からボールを奪った際に、如何に早く、攻撃の意識へ切り換えて攻め上がれるか。そこに必要な駒こそ、キム・ミンテである。

5連敗の長いトンネルを抜けた今、再び、あの “暗闇” に戻る訳には、絶対に行かない。そのためには、この5連敗の中からようやく掴んだ、ハモン・ロペスという “攻撃のジョーカー” と、そして、浦和戦で彗星の如く台頭してきた、キム・ミンテという “中盤のダイナモ” を、如何に、活用し切れるかに懸かっている。

そして、リスタートからの失点の悪癖を、チーム全員で意識して “治す” 事に集中しさえすれば、必ずや、安定して勝ち点を稼げるチームへと変貌できるはずなのだ。

アウェイでは、もう1年も勝てていない。

ましてや「対・新潟戦」となると、実は、2012年の第8節(2012/04/28)のアウェイ戦勝利(1-0)を最後に、それ以降の、ホーム&アウェイ5戦で全敗としている。それも、その「対・新潟戦5連敗」中、獲れた得点は、たったの1得点しか無い状況なのだ。(2014/03/01:昨年のリーグ開幕戦での富田の得点)

因みに、ビッグスワンでの仙台の得点は、前述した、2012年4月28日の勝利試合にて、ウイルソンがPKで獲った得点(89分)にまで遡る。更に、オープンプレー(=流れの中)から獲った得点となると、2011年6月18日に、菅井が獲った得点(95分)にまで遡る事になってしまうのだ。

こんなにも長く、ビッグスワンで得点が獲れていなかったのかと思うと、如何に新潟に「お得意様」にされて来たかが良く判るというものだが、こんな無用なジンクスとは、もういい加減に、その縁を切らなければならない。そして、今季のメンバーこそ、それを実現してくれるだけのポテンシャルを秘めた選手たちのはずなのだ。

過去のジンクスを破ってこそ、ここからの「仙台逆襲劇場」の開幕と言える。そう、胸を張って言うためにも、この一戦を、単なる「残留争いの直接対決」と他評はさせたくない、今後の対戦相手に対し、メッセージ性の高い内容を以て、勝利を掴み取らなければならないのだ。それが出来なければ、浦和戦で挙げた勝ち点1など、何の価値もない。

筆者は、信じている。

選手たちが、決して浦和戦の4得点で過信する事なく、修正すべき点は修正し、考え得る人事を最大限に行い、ベストな人選とベストな布陣で、ベストな戦いをしてくれる事を。

そして、その結果としてもたらされるものが、対・新潟戦の過去のジンクスを打ち破り、再び上昇気流に乗るための第一歩となる、勝利という名の美酒である事を。

強く、強く、願って止まない-。

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