J1 後期 第12節(通年29節) vs 山形戦プレビュー 残留崖っぷち山形との “みちのくダービー” に勝つには、厳しい日程の山形の気迫に圧されないこと。”宿敵” を下してでも生き残らねばならない仙台は、山形の苦境を突く強かさを持つべし。

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いよいよ、今年2度目の “みちのくダービー” がやってきた。河北新報様、”東北ダービー” は「誤表記」なので、次回掲載から正しく “みちのくダービー” と表記して下さい。宜しくお願いします。

そのダービーの一戦を、仙台としては、残留確定への更なる一歩と捉える事が出来るも、山形としては、もはや残留崖っぷちのデスマッチと捉える他ない状況になってしまった。

山形、2ndステージ11戦、未勝利。1stステージから数えると、もう17試合リーグ戦で勝っていない事になる。ナビスコカップでこそ、仙台は山形に苦杯を舐めさせられたが、そのカップ戦でも山形は既に敗退。肝心のリーグ戦では、まるまる1ステージ17試合分の未勝利が続く苦境に陥っている。

そのうえ今節は、もう皆さんご周知の通り、山形は今週の日曜日から中2日の連戦の3試合目。蓄積疲労もピークに達している事だろう。そのうえ、天皇杯の影響により、今週のミッドウィーク開催だった、第9節の松本山雅戦(9/23開催)では、せっかく逆転した試合を、僅か3分で追い付かれてしまい、勝利を逃してしまった。

更には、中盤のウィングバックを務めるキム・ボムヨンが、今節は出場停止。松本山雅戦では素晴らしいゴールを決めていただけに、仙台戦での出場停止は、山形にとっても痛い状況に違いない。

だが仙台としても、そんな山形に同情する余裕は微塵もない。2ndステージでは仙台も苦戦中で、ここまで僅かに2勝しか挙げる事が出来ていない事に加えて、ここから2連敗などしようものなら、最大で15位まで下がる可能性があるうえ、もし、現在16位の松本山雅が、ここから2連勝など挙げようものなら、今季4試合を残して降格圏に勝ち点差1まで詰め寄られる事態に悪化するのだ。そう考えると、現在12位という仙台の順位が、今年は如何に危険水域なポジションであるかが良く判る。

そして今節は、何と言っても “ダービーマッチ” だ。お互いの順位や戦力状況に関係なく、共に「訳の判らないスイッチ」が勝手に入り、スーパーゴールやスーパーセーブやスーパープレーがいくつも飛び出す可能性を排除できない。特に山形は、残留へ向け、もはや崖っぷち状態。あと6試合で、最低でも3勝を挙げないと、現在15位の甲府にすら届かない。つまり山形としては、今節のこの仙台戦が、生き残りを賭けた最後の砦に近いマッチゲームなのである。

そんな山形のホームへと乗り込む今節。ダービーマッチであるという属性については、ちょっと脇へ置いておくとして、いちど落ち着いて、状況を見据えてみる。

まず、山形が採ってきそうな戦い方は、中2日の3連戦の3試合目という状況を考慮し、運動量が落ちるであろう後半を迎える前に、前半のうちに、畳み掛けるように攻勢を仕掛けてくる事は、もはや目に見えている。いくら山形のホームゲームとはいえ、中2日の3試合目で、90分間、目一杯に運動量を駆使できるとは考えていないだろう。プラン上、彼らにとって「無得点で、後半そして試合の終盤を迎える」事は、自らの首を絞めるに等しい行為だ。どうあっても、体力のある前半のうちに、得点を挙げ、リードした状態で試合の終盤を迎えたいと考えているはずだ。

仙台としては、そこを、どうケアするかがポイントになると思われる。予想として、山形は、前半のキックオフ直後から、ガンガン前に出て来て、とにかく先制点を奪う事に執着するだろう。それが例え、PKでも構わないと考えているはずだ。仙台も山形も、直前の一戦では相手からPKを奪い、これを決めているだけに、お互いに意識はしているはず。よって、自陣のペナルティエリア内、及び、敵陣のペナルティエリア内では、お互いに、ファウルすれすれの攻防が繰り広げられる事だろう。

そうさせないために必要なのは、ここ2試合で改善の兆しが見えてきている堅守の維持なのだが、気になる点が一つだけある。それは、仙台は従来より、ミドルシュートに弱い事にある。

最近でこそ、相手がミドルを撃ってくるシーンをあまり見なくなってきているため、少し前まで、仙台の守備のウィーク・ポイントの一つである「ミドルに弱い」という部分が陰を潜めているものの、筆者は、一日たりとも、これを忘れた事は無い。

そして山形は、そのミドルを、隙有らば、容赦なく撃ってくるチームだ。ここ数試合で経験した事のないような、凄まじい攻撃の圧力と、そして、隙さえあればミドルをガンガン撃ってくる山形の姿勢が、今から目に浮かぶようだ。

そんな山形を、仙台は、食い止め続けなければならない。最終ラインの位置は、低すぎても、高すぎてもダメ。低すぎては、山形にセカンドボールをどんどん拾われ、ミドルシュートをガンガン撃たれてしまう。高すぎては、裏への飛び出しを容易に狙われてしまい、もしオフサイドが獲れないと、あっと言う間にカウンターのピンチを迎える。

仙台としては、絶妙な最終ラインの高さを維持しつつ、山形の「前掛かりに攻める」その気持ちの裏を突き、カウンター中心で、速攻をベースにして攻めたい。ここで注意したいのは、仙台がポゼッションしながら「遅攻」をしたのでは、絶対に、絶対に。山形のカウンター攻撃の餌食になるという事だ。もっぱら仙台は、相手のカウンター攻撃に弱い。2ndステージで、鹿島や広島に「カウンターで綺麗にヤラれた」記憶は、未だに脳裏に鮮明だ。ボールを失ったときの帰陣の速度によほど自信がなければ、遅攻なんてやるべきではないし、そもそも仙台は、遅攻が苦手なのだ。

できるだけ高い位置で、相手からボールを奪ったら、ショートカウンター気味に、手数を掛けずにシュートまで持ち込み、そしてその溢れ球を押し込む。もしくは、そこから得られるコーナーキックやフリーキックなどのセットプレーに賭ける。それが、今の仙台で一番イメージしやすい得点の形だ。

そして、それをより具現化するために、今節に先発を期待する2トップは、やはり金園とハモン・ロペスの組み合わせ。直近2試合でも先発したこの組み合わせの踏襲となるが、やはりそれには意味がある。前線からの献身的な守備を怠らない金園に、前線でタメを造れるハモンの組み合わせは、現時点ではベスト・チョイスだ。また金園には、敵陣ゴール前での「一瞬の反転シュート」という武器もあり、ゴール前の彼に預ければ何かが起きるという期待感に溢れている。彼らが前線で張っていれば、前半の早い時間帯から攻め上がってくる山形の、その攻撃の圧力のガス抜き役としても充分に期待できる。

2列目は、奥埜の右サイドでの継続先発起用に加えて、ここで満を持して、野沢の左サイドでの先発復帰に期待したい。こういう「イカイカした一戦」にこそ、ベテランの冷静さと、その高い技術が必要だ。2ndステージの鹿島戦で、見事な技術で古巣の鹿島から2得点を奪ったその才覚を、ここでこそ活かしたいところである。

またここで、敢えて「野沢に期待したい」その理由としては、野沢は今年の1stステージ開幕戦だった、みちのくダービーで、後半18分に退場を喰らった事にある。野沢としては、不本意かつ不完全燃焼だったはずだ。その想いを、是非、この一戦にぶつけて欲しい。

ボランチには、富田と梁の組み合わせの継続。そして最終ラインからは、やはり菅井は外せない。彼の右サイドからの攻撃参加なくして、仙台の「ダービーマッチ」は成立しないのだ。そして、残る3選手は石川、渡部、鎌田のセンターバック本職コンビで決まりだろう。考えてみれば渡部は、この一戦が、仙台の一員としては初めてのNDスタジアム凱旋となる。菅井と共に、山形中央高校出身の地元選手として、思う存分暴れて欲しい。

そして、1stステージ開幕戦での立役者といえば、途中出場から2得点を奪ったウイルソン。当然、山形側にも警戒されているだろう。そして今節も、ウイルソンは途中出場での投入が濃厚。ウイルソンには是非、今年の1stステージ開幕戦の、あの2ゴールの映像を見て、イメージを膨らませて山形へ行って欲しい。

とにかく相手は、あの山形だ。2ndステージでこそ未だ未勝利と結果が出てはいないが、その試合内容をみると、とても2ndステージ未勝利とは思えないような、超攻撃的な展開で相手を圧倒している。結果が伴っていないというだけで、現在の山形からは「勝ててない雰囲気」を感じない。

山形としては、このダービーマッチを、順位浮上の最後のチャンスと捉え、ダービーならではの高揚感を武器にして、容赦なく襲いかかってくるはずだ。

逆に、仙台としては、敢えて「この一戦がダービーマッチである事」は脇に置き、34試合の中の1試合という捉え方で、相手が連戦である状況を最大限活かして戦いたい。この一戦では、ダービーである事を意識すればするほど、山形の思う壺なのだ。

ダービーマッチである事を利用して選手の士気を高め、2ndステージ初勝利と、残留に望みを繋ぎたい山形。そして、ダービーマッチである事をあまり意識せず、冷静に試合を運び、疲労が蓄積している山形の運動量が落ちるのを待って、畳み掛けたい仙台。

本来であれば、仙台・山形ともに、残留争いとは無縁な状況で、純粋にこのタービーマッチを迎えたかったところではあるが、今年ばかりはやむを得ない。ただ、お互いに怪我なくシーズンを終え、それぞれに迎える来季のステージで活躍し、また近い将来、再び相まみえたいものである。

ところで、試合当日・当時間帯に心配された、現地の天候は、雨模様から曇りへと変わり、降水確率もゼロに近い状況へと遷移した。試合を現地で観る側にとっては、有難い状況である。

そういえば以前、天童でのダービーマッチの日に、試合直前まで雨が降りしきり、キックオフ直前になってこれが止み、NDスタジアム上空に、綺麗な虹が架かった事があった。それをみたとき、山形サポーターと仙台サポーターの、それぞれの脳裏には、正反対のイメージが浮かび上がったはずだ。そう、名曲「Over the Rainbow」をオープニング・チャントに持つ山形にとって、あのときの虹ほど、心強いものは無かっただろう。そして実際に、その一戦では、仙台が敗戦してしまったのだった。

だが、今節は、そうは行かない。試合当日に予想される、曇りの天候のイメージそのままに、ライバルをJ1というリングから突き落とし、自力でもう一度這い上がってこい、と言葉を掛ける事こそ、山形の永遠の宿敵・仙台としての役割のはずだ。

この日だけは、天童の空に、虹は架けさせない-。

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