【天皇杯4回戦】仙台2-1松本 秋雨降りしきる中、生え抜きの富田と菅井が得点を挙げ、久しぶりの公式戦1試合2得点。気持ちで押し込んだ2ゴールは、久しぶりに、ベガルタらしい泥臭さを感じさせる、素晴らしいものだった。

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後半21分。カウンター攻撃の場面から、奥埜の放ったミドルレンジのシュートが選手にあたって角度が変わったため、ボールは残念ながらゴールポスト左に嫌われた。だがその溢れ球を梁が拾いなおし、落ち着いて松本ゴール前へ送り込む。中には、金園と富田。先に金園がシュートを打ったが、これは打ち損ねてしまう。しかしその背後に居た富田へボールが転がり、それを富田、気持ちで押し込んだ。

後半22分。仙台1-0松本。

ほとんど奥埜のゴールだったが、その”決まり損ね”のシーンからの粘りが凄かった。ゴール右サイドへ詰めていた梁、ゴール前中央へ詰めていた、金園と富田。ゴールへの意識が高いからこそ、「居るべきときに、そこに居ることができた」その結果のゴールだろう。

そして、久しぶりの1試合2点目の場面を迎えた、後半35分。左コーナーキックの場面から梁の放り込んだボールが、逆サイドへ流れた。そこへ、相手ディフェンスを振り切って猛然と入り込み、利き足の左ではなく、右足でこれを折り返した。その先には、菅井と奥埜の姿が。何人もの松本のディフェンスと、ゴールキーパーに阻まれそうになったが、体制を崩しながらも菅井がこれを、執念で、押し込んだ。

後半36分。仙台2-0松本。

もうお判りと思うが、この2ゴールには共通点がある。1点目はカウンターから、2点目は左コーナーキックからと、攻撃の起点のシチュエーションこそ違うが、どちらの得点シーンも、攻撃していた左サイドとは逆の「右サイドからの折り返し」と、そして、その瞬間のゴール前への「2選手の詰め」。この形から、この一戦での計2得点が産まれた。

逆サイドに張っていれば、必ずボールが溢れてくる訳ではないし、ゴール前に2選手が詰めていても、必ずボールが入ってくる訳ではない。だが、そういうシーンに出くわしたとき、そのポジションに、きちんと味方の選手が居るのか居ないのかで、決められるゴールも決められなくなる。

ここのところ、こういう「ゴール前での混戦から押し込んでの泥臭いゴール」というものから、めっきり遠ざかっていた気がする。何も、素晴らしいパスワークから見事なミドルで得点を決めなくても良いのだ。華麗でも、泥臭くても、1点は1点、である。

「そうだよ、それで良いんだよ!、泥臭いゴール、全然オッケーだよ!」

そう思って、この2ゴールに歓喜したサポーター諸氏は、決して少なくなかったはずだ。

前半こそ、攻撃の形を造りながらも、フィニッシュシーンの精度が悪く、「打っても打っても決まらない」展開が続いた。気が付けば、前半だけで9本ものシュートを放ちながらも無得点。だが、明らかに、これまでのリーグ戦での攻撃の組み立てとは違って見えた。攻守が、統率されているというか、整備されているというか。それが通用するかどうかは、相手次第なところは否めない。だが少なくとも、主力中の主力であるFWオビナやMF岩上を欠いて臨んできた松本には通用した。

前半は、得点にこそ繋がらなかったが、この一戦の主導権は明らかに仙台にあった。データを見てはいないが、おそらくボール支配率も、それなりに高い数値が出ていたことだろう。

後半を迎えても、仙台に傾倒した、試合の流れは変わらなかった。流石に、岩上とオビナという「2本の牙」を抜かれた松本の攻撃は、運動量こそあるものの、どこか「鋭利さ」を失っていた感じがした。

後半は、決してシュートを急がない展開。じっくりと、「その刻」を待った。そして、後半の戦いも折り返そうという22分に、冒頭で書いた、カウンターの場面からの富田のゴールシーンが産まれた。

そしてこの日は、その「先制点のあと」のベンチワークも、腰が軽かった。富田の先制点が決まると、ベンチはすかさず、ハモンを下げて山本を投入し、前線をリフレッシュした。以前なら、得点したあとに選手交代でベンチが動くことはあまりなく、逆に、失点してから慌ててベンチが動き出すといった印象が強かったが、この一戦では、先制点のあとも、試合の流れを更に手繰り寄せるための選手交代、と、筆者の目には映った。

その8分後の32分には、金園を野沢に代えて、中盤を落ち着かせる采配を見せた。ボールを貰えば簡単に失わない野沢が入ることによって、スポイル気味だった攻撃が再び活性化。その結果、35分に左コーナーキックを獲得する。

そして、この左コーナーキックのシーンから、冒頭でも書いた、最後は菅井の押し込みとなる2得点目へと繋がった。

そこからの5分後に、与えた左コーナーキックからオウンゴールの形で失点してしまったものの、先に2点目を挙げていたこそ、まだ許容できる失点という形で済んだ。あれが、1点しか獲れていない状況だったら、間違いなく松本の選手のモチベーションが一気に上がり、下手をすれば、ラスト数分での逆転敗戦という、散々たる結果に終わっていた可能性もあった。それを思うと、結果的に決勝点となった菅井のゴールシーンは、1試合2得点の重要性を強くメッセージングするものとなった。

これで、天皇杯は、2013年のベスト8以来の準々決勝進出。

想い起こされるのは、2013年12月22日、ユアスタでのFC東京戦。前半3分にウイルソンが先制点を決めて置きながら、後半アディショナルタイムの3分に失点を許してしまい、まさかの延長戦へ。そしてその延長戦では、なんと、終了間際の延長後半15分にも失点し、よもやのベスト4進出を逃した。

「ギリギリのところで失点を耐えられない」という癖は、この松本戦でも、後半41分の失点を我慢できなかったという点をみれば、「治っていない」としか言いようがない。2点を先行し、あとはその試合を、どうクロージングするのか。そこは、今後の課題の一つとなるだろうが、それ以前に、1試合での2得点という結果そのものを、まずは評価したい。やはり、毎度のように1-0で勝てる訳ではないのだ。ある程度、コンスタントに1試合2得点を挙げられるようにならないと、来季以降も、J1の舞台での残留争いに巻き込まれる可能性を否定できない。

だが、とにもかくにも、これで2年ぶりのベスト8だ。12月にもまた試合がある事が、サポーターとしては素直に嬉しい。相手は、柏か甲府か。その勝者と、12月26日にユアスタでの対戦が濃厚である。

2年前、FC東京との対戦で味わった悔しさを、同じ舞台で晴らすときがやってきた。

さぁ、年末決戦だ!

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