仙台2-1甲府 開始早々に背負ったビハインドをモノともせず、丁寧に攻めて守り、そして後半に逆転。そして勝利。1G1Aと大活躍のハモン・ロペスと野沢の2トップ競演が、チームを今季初の逆転勝利へと導いた。

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攻守の要の一角、DF渡部を出場停止で欠いても、仙台は、その戦い方にブレは無かった。むしろ、渡部の欠場の穴を埋める形で先発出場の機会を得たDF蜂須賀が、仙台の反撃の狼煙となる同点弾の口火を切るくらいの勢いを持っていた。

前半3分。試合の流れがまだはっきりしないうちに甲府に持たれたボールは、要注意人物だったはずのFWクリスティアーノに廻り、そして、アッサリ失点した。思い起こされる、昨年末の天皇杯。彼にハットトリックを許したこのスタジアムで、仙台は、またも彼にゴールを許してしまった。

だが、ここまで3連勝とし、得点力も回復してきた仙台にとっては、決して慌てる要素ではなかった。8戦未勝利の時期は、1試合平均1得点に満たない得点力の無さが災いし、1失点が、ピッチ上の選手たちの双肩に、重くのし掛かっていた。が、直近2試合で合計6得点と、得点力に回復の兆しがあった仙台にとっては、今このタイミングの「先制点献上」は、必ずしも、選手のプレッシャーには成らなかった様子だった。

甲府の5バック気味の堅い守備と、そこから繰り出す鋭いカウンターの前に、前半こそ、無得点に終わった。だが、そんな「甲羅の中に首を引っ込める亀」に対しても、仙台は、丁寧に攻め、甲府の守備の「剥がしどころ」を探っていた。その攻撃も、しっかりとシュートで終わる意識の高さが見え、前半だけで8本ものシュートを記録した。ここで大事なのは、シュートが「枠に行ったか・行かないか」ではない。攻撃を遣り切る意識が、チーム全体で共有されているか否か、が大事なのだ。

そして、今の仙台は、それがちゃんと出来ている様子がある。それが出来ているからこそ、甲府は、前半4分の1得点以降は、ほとんどシュートを撃てず、仙台を攻めあぐねた。

迎えた後半。その瞬間が、とうとう訪れる。後半13分。この日、出場停止を受けていた渡部に代わり、最終ラインの先発陣に名を連ねた蜂須賀が、右サイドを縦横無尽に駆け回り、そして味方からボールを受けた。彼の視線の先には、甲府ゴール前でチャンスを伺うハモン・ロペスの姿が見えて居ただろうか。そこを狙って、左足で素早いセンタリング。その軌道の先には、甲府のディフェンスと競り合いながらも、これに勝ったハモン・ロペスの頭があった。

同点への期待を乗せて、そのボールは、ハモンの頭でその軌道を変え、甲府ゴールの右隅を正確に捉えた。GKの反応を許さなかったそのボールは、見守る仙台サポーターの期待に応えるかのように、甲府ゴールのネットを揺らした。

後半14分。仙台1-1甲府。

試合の流れを見ていれば、いずれ同点に出来る雰囲気である事は、誰の目にも明らかだった。今季、試合を重ねる事に周囲との連係が深まっているハモン・ロペスが、この日久しぶりの先発出場となった、蜂須賀のアシストを記録した。そして、自らの得点によって、ようやく攻撃陣の選手として、チームトップタイの3得点目を挙げる事になった。
(今季、ここまでは、守備陣のDF渡部とMF三田の3得点ずつがチームトップタイであり、攻撃陣は2得点留まりだった)

この同点弾により、チームは勢いに乗った。そしてここから、甲府は、1点リードという優位性を失った事により、「勝つためには前へ出て行かざるを得ない」状況へと追い込まれた。そう、残留争い真っ直中の甲府にとっては、この一戦は、引き分けは負けに等しいのである。どうしても勝ち点3が欲しい甲府は、その意識が、「前」へと傾倒していく。

しかし、その甲府の「意識」の裏を、仙台はしっかりと狙っていた。その狙いが結実したのが、逆転弾となったシーン。後半33分、アタッキングサードでボールの「出し処」を探っていた仙台は、奥埜が競り合ったボールのこぼれ球を、ハモン・ロペスが、相手DFと競り合いながらも拾った。そしてハモン、これをそのまま、半ば強引にドリブルで、甲府の裏へ持ち込む。相手の執拗なマークに、一瞬、クロスを挙げるのは難しいと思われたが、ここでハモンはなんと、相手の股抜きとなる、グラウンダーのクロスを供給。あまりにも鋭すぎたその弾道は、ピッチを這うように、甲府ゴール前へと送り出された。

そしてそこへ反応したのが、梁と野沢だった。甲府GKの反応の「外」に、まるでレールが敷かれているかのような軌道で送り込まれたボールは、最後は野沢が触り、ボールは再び甲府ゴールネットを揺らした。

後半34分。仙台2ー1甲府。

まさに、甲府の堅い守備を「こじ開けた」瞬間だった。この時点で、甲府の「プラン」は崩壊。慌てて攻撃の選手を立て続けに2枚も投入してきた甲府。その甲府の最後の1枚は、仙台出身の熊谷駿選手だった。だが、彼に「地元凱旋ゴール」を許す事も無く、最後は、時計の針が90分を指すまで、選手交代を見送ってきた指揮官が、ここで立て続けに3枚のカードを切り、時間を使う「大人の采配」で、強かに逃げ切った。

仙台、今季初の逆転勝利。これで1試合複数得点が3つ続く形となり、仮に先制点を許しても、「逆転できる」という自信さえ手に入れた。

昨年を振り返ると、やはり1stステージの終盤戦は、調子を上げてきて高順位でフィニッシュできた。が、2ndステージに入ると、途端に再失速。そのまま残留争いへと巻き込まれ、辛くも逃げ切った形でのシーズンフィニッシュだった。

しかし今年は、勝ち点の推移こそ去年と似ているが、ここへ来て、内容の充実さが目に付く。これは、昨年は無かった傾向だ。このままの好調さを、どこまで維持できるかは、正直判らない。立ちはだかるのは、そう、「勝てない仙台の夏」だ。

今のサッカーが、忌々しいあの「勝てない夏」に、どこまで通用するのか。それが今年は、むしろ楽しみになって来つつある。

まずは、1stステージ最終節のジュビロ磐田を、しっかりとアウェイで叩き、今シーズンの「往路」をフィニッシュしたい。

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