FC東京戦レポート/LC新潟戦プレビュー 対・FC東京アウェイ戦での初勝利は、この地で煮え湯を飲まされ続けてきた選手やサポーターにとって、溜飲を下げる歴史的勝利でもあった。また一つ、鬼門を打破。さぁカップ戦だ。

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対・FC東京アウェイ戦。味の素スタジアムでのこの戦いは、2010年のJ1参入以降、常に、煮え湯を飲まされ続けてきた。昇格初年度の2010年のスコアレスドローを最後に、昨年まではカップ戦を含めて8連敗中。その間に獲ったスコアは、僅かに3点。そして、その間に失った点は、24点にも昇った。この間、6失点という大敗も2度あり、勝利以前に「点の獲れないスタジアム」のイメージが払拭できなかった。

だがおそらく、今年の対戦を迎えるに当たっては、サポーターの誰しもが「負ける気はしない」と感じていたに違いない。そして、その根拠の一端にあるのが、昨季途中から採用している「3-5-2」布陣。この日の勝因は、この布陣による「堪えられる守備」が機能したからに他ならない。

渡邉監督が公式インタビューでも語っているが、「最初は3-4-3。でも相手に合わせて途中から3-5-2に変えた」とのこと。前節の柏と同様、高いパスワーク技術と高い個人能力を持つ選手に、何度も危ないシーンを造りかけられるも、中盤を厚くした3-5-2布陣は、尽く、そのピンチの芽を潰し続けた。もしそこを突破されても、最後は仙台の絶対的守護神・GK関が、その反応の速さを活かし、ファインセーブを連発した。

前半だけで6本ものシュートを撃たれるも、辛くも失点を免れる。その代償として、仙台の放ったシュートは僅か2本に留まった。

だが、前節の柏にしろ、今節のFC東京にしろ、地力ある強豪を相手にすれば、前半を堪え忍んで後半勝負という様相は、むしろ想定の範囲内。勝負の行方は、後半の少ない決定機をモノに出来るかどうかで決まるであろうことは、おそらく、選手もサポーターも、薄々気が付いていたことだろう。

そして、その「待ち焦がれた決定機」は、突然に訪れる。後半11分、右サイドをドリブルで駈け上がった、元・FC東京のFW阿部拓馬が、相手ディフェンスをかわして逆サイドの永戸へ出して揺さ振りを掛けると、永戸はそのボールを胸トラップで丁寧に落とし、そして、中央の下がり目で待ち構えていた、FW石原へラストパス。これを石原、ノートラップでダイレクトに右足を振り抜くと、ボールはFC東京GKの反応の外の軌道を描き、右ポストを直撃する。その反動で今度は、左のポストをも叩き、最後はゴールへ吸い込まれた。

後半12分。FC東京0-1仙台。

2010年から始まった、対・FC東京アウェイ戦の歴史の中で、初めて、FC東京から先制点を奪った瞬間でもあった。

仙台の先制点後、次第に焦りを募らせ始めたFC東京は、前節の柏と同様、その攻撃の圧力を上げ始めた。立て続けに送り込まれる、交代選手という名の「刺客」。特に、FC東京から観てビハインドの状況において、ファースト・チョイスされたのが、なんと、あのMF15・久保建英選手だった。まだ弱冠16歳ながら、並み居る先輩選手を差し置いて真っ先に投入されるあたり、期待度の高さが伺える。

だが、仙台としては、彼に活躍の華を持たせる訳にはいかない。我慢の展開が続く。そのうえ、彼を筆頭に、次々とアタッカーが送り込まれてくる。気が付けば、仙台が一人も交代カードを切らないうちに、FC東京側は、3枚の交代カードを全部切って来た。

しかし、前節と同様、後半の早い時間帯に先制点を奪えた仙台は、決して攻めを慌てる必要性が無かった。守備で奔走し、疲労度が他の選手より高い様に見えた古林と阿部を下げ、菅井と西村を投入。最後は、時間稼ぎ目的で石原をジャーメインに変え、タイムアップを待つ。そして、主審の福島氏の試合終了を告げるホイッスルの音が響くと、仙台の、対・FC東京アウェイ戦の初勝利が確定した。

2010年のJ1参入以降、一度も勝てなかった地での初勝利。記録を確認していないJ2時代も含めれば、いったい、いつからこの地での勝利が無かったのだろう。毎回の様に、アウェイFC東京戦は、仙台サポーターが大挙して押しかける。この日もおそらく、最低でも2~3000人は現地参戦していたのではないか。映像を通して試合を観ていても、聞こえてくるのは、ホームのFC東京側の応援ではなく、アウェイの仙台側の応援ばかりだった。

結局、ゴールが決まった石原のシュートを含めて、この日に撃ったシュート数は6本。前節の柏戦も同数の6本だったことや、その前節と同様、前半に耐えて後半の少ない決定機をモノにして逃げ切る展開となったことを考えると、まるで「柏戦の勝ち方が、この日の勝利のイメージの好材料になっていた」という感触も感じられた。少ない決定機をモノに出来るようになってきたことは喜ばしいことではあるが、その反面、もっとポゼッションで相手を上回り、決定機そのものの数を増やせる様にならなければいけない。

これからも、地力で相手が勝る対戦カードが、息をつく暇なく出てくる。その度に、数少ない決定機をモノにできるとは限らない。少しずつで良いから、相手との実力差を埋められるよう、日々の練習を通して、チームとしての完成度を高めていって欲しいと願うばかりだ。

さて、3月に入った。ここからは、リーグ戦と併行して、ルヴァンカップの予選もスタートする。コンディションに問題がないのであれば、GKにはシュミットが起用されるだろうし、今季ここまで、控えやベンチ外となっている選手たちの出番が観られるだろう。

3月7日(水)のホーム・新潟戦では、リーグ戦から大幅に先発選手を入れかえ、フレッシュな顔ぶれが並ぶことが予想される。それが、今から楽しみだ。昨年の同カップは、予選リーグ突破のみならず、準々決勝で鹿島を破ってベスト4まで進出する快進撃を見せた。今季は当然、その上を目標点に定めなければならない。だがきっと、大幅なメンバーの入替にも関わらず、仙台は、リーグ戦と同様に、強かな戦いを演じてくれることだろう。それだけの期待感が、今のこのチームには漂っている。

この一戦は、「ただ勝つ」だけでは、サポーターは納得しないだろう。J2に陥落しながらも、今季からのレギュレーション改定により、ルヴァンカップへの参戦を強制されている新潟は、おそらく、J2のリーグ戦に主力を温存するため、カップ戦は、勝負度外視のメンバー構成で臨んでくる可能性が多分にある。だが、そこはそこで怖いものを感じる。なぜなら、こういう状況なら、相手には何のプレッシャーもないため、相手は伸び伸びと試合が出来るからだ。むしろ、リーグ戦に向けたアピールの機会と捉え、仙台を喰ってやる、ぐらいの気持ちで来仙してくる可能性は充分にある。

そんな相手に、仙台は過去、滅法弱かった。天皇杯で、下位カテゴリーのチームに、何度煮え湯を飲まされたか。特に新潟は、昨年までJ1に在籍したチームだ。舐めてかかれば、必ず、足元を掬われる。だからこそ、「ただ勝てばよい」という気持ちで臨んではいけないのだ。

やるべきは、リーグ戦と同じ戦い方を、この一戦でも貫き通すこと。そして、勝つこと。「誰が出ても同じように戦い、そして勝てる」ことは、言うのは簡単だが、実践するのは非常に難しい。だが、やらねばならない。出来なければならない。出来なければ、リーグトップ5への躍進など、夢のまた夢だ。

それを証明してみせるに相応しい舞台が、ようやくその幕を明ける。

今季のカップ戦は、今季の私たちにとって、決して消化試合などではない。「リーグ戦のため」のカップ戦なのだ。カップ戦での活躍なくして、リーグ戦での活躍はない。そういう年に、していかなくてはならないのだ。

平日夜の開催だが、来れる方は、是非、ユアスタへ。

仙台の「もう一つの戦いの火蓋」を観に。
そして、勝利の咆哮を、供に-。

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