LC新潟戦レポート/神戸戦プレビュー 隙だらけの守備が招いた、終了間際の失点。だがそれとて「伸びしろ」。チーム全体で成長するためには良い薬だったと捉える。いざ、リーグ3連勝を賭けて神戸を迎撃。

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やっとの思いでFW西村が挙げた「虎の子」の1点が水泡に帰す、無念の失点を、後半AT+1分に浴びてしまった仙台。その瞬間、「公式戦3連勝」が、その掌からこぼれ落ちていった-。

今季初のルヴァンカップ、その予選第1節。J2に陥落した新潟をホームのユアスタに迎えて行われた一戦は、気温3.7℃という極寒の中で行われた。リーグ戦と併行して開催されるこの大会には、リーグ戦ではなかなか出番が廻ってこない、ベテラン選手や若手選手の、公式戦出場機会の場としての意味付けがある。

かくして今季の仙台も、先発メンバーの顔ぶれを見ると、やはり「その通り」の意味合いを感じた。リーグ戦で先発した選手の中では、唯一、DF大岩だけが起用され、その他は全て、今季初先発。但し、今季に新加入した選手や、目下売り出し中の若手選手らが多数先発出場組として名を連ねており、サポーターとしては「もう一つの楽しみ」の場となったに違いなかった。さて、彼らの「出来映え」は?

特に注目したかったのが、J1初参戦となる、ボランチのMF8・庄司悦大。そして、ラファエルソン、ジャーメイン、西村の3人で構成される、3トップ。特に西村には、昨年の同大会でのニューヒーロー賞受賞という「活躍を期待される」ハードルもあり、誰しもが注目しているはずである。

だが、試合が始まってみると、どうしても、ここまでのリーグ戦2試合で観たような、攻撃と守備の連動性が観られなかった。というより、攻撃も守備も、ミスが目立って仕方がなかった。

それでも、後半29分の西村の先制点が挙がるまでを無失点で凌げれていたのは、ひとえに、新潟側にも、同様のミスが目立っていたからに他ならない。こちらのミスでボールを失っても、その直後に、今度は相手の新潟にもミスが発生し、またすぐこちらのボールになる。つまり、「ミスでミスが帳消しになる」という、負のスパイラルに、両方のチームが陥っていた。

もっとも、これがカップ戦のグループリーグの「風物詩」でもある。リーグ戦で先発を果たせないような選手で先発が構成されるような大会の性質上、どうしても、リーグ戦で観られる精度やプレーの質には及ばない。そこを「加味」したうえで、若手選手や控え選手の台頭・活躍に期待して観戦するのが、この大会の醍醐味の一つと言える。

そういう意味では、西村が今季初の公式戦得点を記録した事は、リーグ戦での先発争いに名乗りを挙げた事に等しく、よりリーグ戦が愉しみになった。これはこれで、好材料だ。

その反面、非常に残念だったのが、今季から加入した、MF8・ボランチ庄司のプレー。「攻撃時のパス出しに自信あり」とのキャッチフレーズに期待するサポーターは多かったとは思うが、いざピッチ上での動きを見ると、肝心のパス出しどころか、ボランチのベーシック・ジョブであるはずの守備に、著しく難を露呈。パスが相手の選手に簡単に渡り、また、相手の持つボールをインターセプト出来ない。逆にボールを持っている時には、これを、相手のプレッシャーで簡単に失う場面もあれば、それを取り返す事もできない。

J2のチームで主力として活躍していたというので、期待の目で見てはいたのだが。やはり、J1のスピードやプレーの精度には、まだまだ追い付けていないという事なのだろうか。この日の相手となった新潟も、今季はJ2とはいえ、昨季まではJ1で戦っていたチームだ。控え選手と言えども、J1の厳しさを知っている選手が大半だろう。観ていると、新潟側にも非常に俊足な選手が何人も見受けられ、充分にJ1で通用しそうな印象を受けた。

もっとも、庄司には、いますぐに「結果」を求めたい訳ではない。J1のスピードや精度に慣れれば、持ち味のパスセンスを発揮できる日は来るはずだ。焦らず、じっくりと見守っていきたい。彼の「伸びしろ」は、まだ、充分にあるはずだ。

試合自体は、後半ATに同点弾を被弾して勝ち点1に終わったものの、カップ戦での戦いは、まだまだ始まったばかり。ここで感じた「悔しさ」を、次の試合の糧にすれば良いだけの事だ。そういう意味では、すぐにやってくる、リーグ戦の神戸戦へのモチベーションの材料としては「打ってつけ」である。

さて、昨年に引き続き、第3節にホーム神戸戦が組まれた、今年のリーグ戦。昨季は、前半こそスコアレスで折り返せたものの、後半頭の僅か5分間で2失点してしまう失態を犯し、反撃も虚しく、そのまま逃げ切られてしまった。その「借り」を返す、絶好の機会でもある今節となる。

だが、相手の神戸には、昨季まで仙台在籍のMF三田がいるうえ、DF渡辺も健在。そのうえ、今季はあのルーカス・ポドルスキが主将とのこと。更には、日本代表経験もある、ハーフナー・マイクも在籍し、控え陣には、ウェリントンや渡邉千真といったタレントまでラインナップ。

つまりは「個」の力が圧倒的な戦力のチームに変貌してきているのが、今季の神戸である。

ただ、神戸は今季ここまでのリーグ戦2試合と、先日のルヴァンカップの1試合の合計3つの公式戦で、未だに勝利がない。リーグ戦では、鳥栖戦では1-1で引き分け、清水戦では、なんと4失点の大敗を喫した。カップ戦でも、J2から上がってきた長崎を相手に2失点しており、守備面では、今ひとつピリッとしない印象が強い。

当然、彼らもそこは判っているはずで、守備面の再整備は急務と考えているだろう。が、今節は、仙台の攻撃力が、神戸の守備力の上を行くものと読み解いている。

そこでポイントとなるのが、仙台の「攻撃的な守備」である。第1節の柏戦でも、第2節のFC東京戦でも観られたが、仙台の今季の守備の要は、「徹底的なファースト・ディフェンス」にある。

ボールを失うとほぼ同時に、相手の持つボールへと喰らい付き、人数を掛けて、ボールの再奪取を試みる。また、いったん相手がボールを引けば、こちらも無理をせず、選手間の距離を調整し、相手が「網に掛かる」のを待つ。相手が攻撃を試みてきた瞬間に、再び、ボール奪取のファースト・ディフェンスが開始されるのだ。

この守備体制を敷くため、仙台の先発陣には、俊足系の選手がその名を連ねている。奥埜、古林、永戸、野津田、そして今季新加入の阿部拓馬。

もうお判りだろう。奥埜のいるボランチの位置がベースとなり、左右ウィングバックの古林と永戸、そして、2シャドーの野津田と阿部からなる、5角形の「俊足ペンタゴン陣形」が、今季の仙台の高速守備の礎となっているのだ。この「礎」は、布陣が3-4-3でも、3-5-2でも、大きくは変わらない。

この陣形なら、相手の攻撃がどこから始まろうとも、そこに近い選手が素早く相手に寄せ、ボール廻しの自由を奪い、ミスを誘って、周囲の味方がボールを奪い去るのである。
だが、先日のカップ戦においては、先発出場した選手では、この守備が出来なかった。やはり、リーグ戦で先発する選手には、それだけの能力や特性が備わっているのである。

ドローで終わってしまった、そのカップ戦から、僅かに中2日で迎える、今節のリーグ戦第3節。相手が、同じ被災地の神戸ではあるが、この一戦は、純粋に勝ちに行きたい。

神戸戦という事で、 3.11 を振り返る事も、もちろん大切な事だろう。だからこそこの時期に、誰かの配慮で、神戸戦が仕組まれる。だがそろそろ、私たちは、そういう状況から一歩前へ、足を踏み出さねばならないのではないだろうか。

この時期が来ると、決まって各メディアは、3.11 の特集を組み出す。テレビなどで、当時の光景や、被災者の現在の声を届ける。当然、皆がそこに耳を傾け、当時を思い出し、今の小さな幸せの有り難さを、改めて噛み締める。

だが、あの震災で、本当に辛い目に遭った人たちは、「3.11」を、「年に一度の振り返りの日」とは捉えられない。それこそ1年中、あの日に辛い目に遭った気持ちとの戦いを強いられている。

3月11日の前後にだけ、メディアが「3.11」を特集するのは、メディアの都合でしかない。年がら年じゅう、3.11 を特集する訳にはいかないからだ。その点については、ある程度は仕方がないと思っている。

しかし、「あの日」を、気仙沼の地で直接的に目の当たりにした、サンドウィッチマンの2人は、こう言っている。

「震災からの復興に、区切りなんてない。」

その言葉の意図は、痛いほど、良く判る。気仙沼を始め、被害の大きかった地域では、7年を経た今でも、生活が元通りにならない人がいる。大切な人を亡くした人に至っては、7年経った今でも、時間が止まったままの人も居る事だろう。

そういう人たちに、1年中、区切りなど付けずに寄り添うことが大事なことなんじゃないか?というのが、おそらく、サンドの2人が言いたい事なのだと思える。

だからこそ、せめて、この 3.11 の時期に神戸戦を組むのは、もう止めて欲しいのだ。「神戸戦」は、決して、あの震災を振り返るための区切りの日ではないはずだ。

だからこそ、この神戸戦は、「この日」を取り巻くあらゆる状況に関係なく、純粋に、そして普通に、勝ちに行き、そして、勝ちたいのだ。

あの震災がもたらした悲劇を忘れる事は、一生涯、無いだろう。

それを背負って戦う義務を負った、被災地のチームの選手は、1年中、その義務を背負って戦ってくれている。それを、私たちは、片時も忘れてはいけない。

だからこそ、3.11 を、わざわざ振り返るように、この時期に神戸戦が組まれるのは、もう止めるべきだと思う。「その日」だけに、3.11 を振り返れば良い訳では、決して無いはずなのだから-。

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