広島戦レポート/LCFC東京戦プレビュー 残念ながら、爆撃機「H39-パトリック」の前に沈んだ仙台。だが気にするべからず、こちらは野津田という「飛車角」抜きだった。パトリック依存率の高い広島は、いずれ失速と予測。ではここで問題。私たちは、亀または蟻。広島は、ウサギまたはキリギリス。最後に笑うのはどっち?

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得点者:

12′ 奥埜博亮(仙台)
41′ パトリック(広島)
71′ 柏好文(広島)
89′ パトリック(広島)

前半12分の奥埜の得点シーンまでは、広島撃破の夢を描けていた。ただ、そこからの選手らの攻めの意識に少し緩みが感じられ、広島にほんの僅かな隙をみせて、そこから前半のうちに追撃弾を決められてしまったのが敗因だった。

今季、初めて広島と対峙した訳だが、前評判の高かったパトリックに、やはりその凄さを見せ付けられた。打点の高さ、シュートの正確さ、そして強引なまでの突破力。助っ人外国人選手の見本のような存在の彼は、目下、リーグトップの10得点と抜きん出ている。
そのパトリックに2点を献上してしまい、終わってみれば3失点の完敗。だがしかし、試合の面白さでは仙台に軍配だろう。

野津田欠場の代役として、この日ユアスタの「リーグ戦先発」として戻ってきた関口。久しぶりに、彼の「仕掛け」を堪能した。独特のステップで相手の読みをかわし、ドリブル突破で何度もユアスタを沸かせた。思わず「関口凄い!」と叫んでしまうほどだった。

仙台を離れていた6年の間に、彼もまた成長していた。年齢的にはベテランの域だが、そのプレースタイルは、間違いなく仙台にとって「新たな飛び道具」だ。あのプレースタイルとしては、近年の獲得選手では中野が挙げられるが、関口のそれは、経験によるものであろう円熟味が増している。90分は無理としても、攻めたいときのオプションとしての「切れ味」は抜群。

これに野津田も絡んでくるとすれば、攻撃オプションとしてはもう、鬼に金棒レベルになる。仙台は良い補強としたと思う。

おかえりなさい、関口。

いずれ、関口の得点シーンも拝む事ができるだろう。その「刻」を、今から楽しみにしたい。

さて試合の振り返りだが、結局のところ反省点は「いかにパトリックを抑えるか」の1点に留まる。ただ、試合のほとんどの場面で、仙台の3バックはパトリックを抑えられていた。得点を決められたカウンターのシーンこそ隙を与えたものであったが、そこをファウル覚悟で潰す勇気があれば、あの2失点は防げた。そこに、この一戦の敗因がある。

「ファウル覚悟で潰す」という事は、選手にとってもリスキーな行為である。もしかしたら、カードを貰うかもしれない。最悪は一発退場。怪我をするかもしれないし、相手に怪我を負わせてしまうかもしれない。また退場になれば、数的不利を強いられる。

いろんな想いが、得点機を伺う相手のファウル覚悟で潰す事を躊躇わせる。だが、そこを乗り越えて「行動」に出ない限り、ああいう選手にはまた得点を許してしまう。平均年齢の下がった仙台の選手には、そういう部分での経験と覚悟が、まだまだ足りない。

逆を言えば、そういう覚悟を以て潰す必要のあったパトリックが、もし広島に居なかったとすれば、仙台は1-1のスコアで終えられていた事になる。そして野津田が出場出来ていれば、広島撃破も叶っていた可能性は充分にあると考えている。

仙台の攻撃と広島の攻撃を比較すると、正直言えば、仙台の攻撃のほうが「好き」である。これは、決して依怙贔屓で言っているのではない。広島のパトリックのような「絶対的な得点力ある個」という戦力の獲得が慢性的に難しい仙台は、必然的に、その攻撃スタイルを「どこまでも組織的」に構築してきた。最後にフィニッシュの精度で泣く事もしばしばだが、以前の仙台は、そもそも「フィニッシュまで持ち込めずに攻撃の途中でボールを失っていた」訳であるから、そこからすれば、攻撃がフィニッシュまでたどり着けている今は、格段の進歩なのである。

つまり仙台の「それ」は、現在も進行中であり、まだまだ成長過程の段階。対する広島は、この一戦でも大ベテランの30歳オーバーの選手が4人も先発し、完成度の高い円熟味ある攻撃を見せてきた。だが広島の攻撃からは「巧さ」は感じられるも、決して「面白さ」は感じられなかった。

この一戦で、パトリック以外では柏にこそ得点を許したが、そこに往年の広島の攻撃の「怖さ」は微塵も無かった。以前の広島は、高精度なパス廻しやキラーパスで、一瞬で決定機を創り出し、そこから、どんな選手にも得点機が産まれるといった「見ていて面白い」サッカーだった。

だが現在は、得点のターゲットは明らかにパトリック偏重。もちろん他の選手も得点を挙げているが、広島のリーグ戦全22得点中、パトリックだけで実に10得点も獲っている。

考えてみれば、昨季の広島は大低迷し、13位でのフィニッシュだった。昨季の途中から加入したパトリックもフィットするまでは時間が掛かったが、逆を言えば、「パトリックの居ない広島」は、必ずしも強かった訳ではないのだった。

そして、Jリーグでこれだけの活躍を見せるパトリックが、契約の切れると思われる今夏、広島と契約延長をするとは限らない。当然広島は引き留めに掛かるだろうが、昨季は賞金圏に全く届かなかった広島に、どこまで予算があるだろうか。

その点仙台は、端から「予算勝負」で他クラブに叶わない分、地道に、可能性ある選手の獲得と育成に力を入れてきた。そしてようやく、その芽が開花しようとしている。

そうなのだ。以前に広島がやってきた事を、今、仙台がやっているのである。

そして広島は、今、世代交代の波に呑まれている。リーグ連覇のあとの世代交代に苦しみ、昨季途中からやっとパトリックというピースを手に入れ、今季また優勝争いに台頭してきているが、そのキーマンが「オンリー・パトリック」である事は、誰の目にも明らかだ。

今のところ、広島の目論見は当たっている。だがW杯による2ヶ月近い中断期間を経て、広島は、パトリックを中心とした今の好調さを維持できているだろうか?

長い中断期間があったために、好調さを維持できずに歯車が狂うチームをたくさん見てきた。過去の仙台とて、その一つだった。

当然、現在不調を極めるチームは、この中断期間は、建て直しのために有難い期間となるはず。どのチームも、まだまだ優勝を諦めてはいないだろう。

広島にとって、今年のW杯によるリーグ中断は、むしろ不要なファクターなのである。これさえなければ、誰しもが「今年は広島で決まりだろう」と思うだろうが、そこに一石を投じるエレメントが、この中断期間の存在である。

その中断期間を使って、仙台も、現在負傷離脱している阿部拓馬やラファエルソンの調整が進むだろう。

仙台としては、もし次回のアウェイ対戦でパトリックがまだ居たとしても、今度は抑えられるのではないか。今節の敗戦が、良い教材になるはずであり、広島のサッカーが、これ以上に磨きが掛かるとも思えない。

おそらく、現在で頭打ちの広島のサッカー。むしろ今夏でパトリックを失うリスクすら抱えている。それに対して仙台のサッカーは、誰が出ても面白く、見応えが出て来ている。しかも関口の復帰で、そこに拍車が掛かった。

例えて言うなれば、仙台は今、亀または蟻であり、広島は今、ウサギかキリギリスである。貴方は、どっちのサッカーに将来性があると思うか。

迎えるFC東京戦。ルヴァン杯もとうとうGS最終節を迎える。仙台としては、引き分け以上でGS突破が決定するが、野津田が復帰するこの一戦では、引き分け狙いなど、恐らく考えていないだろう。負ければGS敗退の可能性がまだ残っているだけに、引き分け狙いから事故のような失点で全てを失うリスクなど犯さず、しっかり勝ちきってGS首位での突破を目論んでいるはずだ。

ところで過日、U-21トゥーロン国際大会に、仙台からDF板倉とDF椎橋の招集がリリースされた。この世代は、そのまま東京五輪の世代となる。ここで2人が仙台から選出された事は、チームとしての何よりの励みになるはずだ。

長く続いた15連戦も、あと2試合。

試合を重ねるたびにチームが成長する姿は、いつか、広島の背中をも抜き去ってくれる事だろう。その日が決して遠くない事を願いつつ、まずは、ルヴァン杯のGS突破を目指して、いざキックオフ-。

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