LCFC東京戦レポート/鹿島戦プレビュー 無事、GS突破を決めた仙台。オウンゴールを誘発した永戸のクロスのシーンは、カウンター攻撃での推進力のお手本。ああいう場面を増やせば、相手が鹿島であっても倒せるはず。

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得点者:

30′ オウンゴール(仙台)

相手のFC東京は既にGS予選敗退が決まっており、この一戦に向けてはU-21の選手をベンチにズラリと並べてきたのに対し、仙台は、自力突破の余地を残して臨む事が出来た一戦というシチュエーション。獲れた得点は、結局、オウンゴールの1点に留まったものの、GS突破を決めるには、これで充分だった。

ポイントとなった得点シーンは、左サイドで永戸がジャーメインへ出したパスが起点となった。この永戸のパスを受けたジャーメインが、相手ディフェンスとの交錯で潰れて倒れてしまうも、その溢れ球へ、トップスピードで反応したのが、パスを出した永戸だった。

タッチラインギリギリのところでこれを回収すると、そのまま一気にFC東京ペナルティアリア内へ突進。エリア内に侵入し、そのまま左足で、逆サイドに入り込んでいた西村へクロスを供給。これが相手ディフェンスの足に当たって軌道が変化し、ゴールキーパーの反応の逆を突いて、ゴールネットへ吸い込まれていった。

前半30分。FC東京0-1仙台。

もし、相手の足に当たらずにボールが抜けてきたとしても、FC東京は、しっかりともう一人がボールの軌道上に寄せてきていたので、ここでクリアされていた可能性は否めない。だが、そこでもたついて味方の上がりを待って遅攻に転じていたら、このゴールは産まれなかっただろう。逆サイドに西村が詰めていた事も、一気にフィニッシュにまで持ち込む決断を後押しした。

まさに、ゴールを「急襲」。その結果での相手ミスを誘ってのオウンゴール。チャレンジしなければ、得点機は獲られない。そのチャレンジを決断し、見事に得点を奪ってみせたこのシーンは、今後のカウンター攻撃の自信にもなったはずだ。こういうシーンをもっと増やせれば、得点機や、得点そのものも向上するものと期待したい。

しかしながら、課題や反省点が散見された一戦でもあった。試合後の記者会見で渡邊監督が語っていたように、この試合の前半でボールを「握っていた」のはFC東京。仙台は、FC東京が仕掛けてくるアクションサッカーを受けて攻める、いわゆる「リアクションサッカー」を強いられていた。

そしてその要因には、仙台自身のミスも多分に絡んでいた。パスミスが多く、結局相手にボールを渡してしまい、攻撃を受けるシーンが止まない。リアクションサッカーになるのは、ある意味で「必然的」でもあった。

ただ、そのリアクションサッカーで、きちんと攻撃を遣り切っていたのは、むしろ仙台のほうだった。この傾向は、前後半を通して見られたものであり、コーナーキックやフリーキックの数字を見れば、それは歴然とする。仙台のコーナーキックは、前半4本・後半4分の合計8本。それに対してFC東京のそれは、この一戦ではコーナーキックがゼロだった。

またフリーキックに関しても、その傾向が見られた。仙台は、前半に11本、後半も8本のフリーキックを獲得したが、FC東京は、前半に5本、後半に4本という数字に留まった。仙台のほうが、FC東京の倍以上の数を獲得していたのである。

だが、だからといってFC東京の総合的な「試合の支配力」が落ちた訳では、決してないだろう。前述したように、FC東京は既にGS敗退が決まっており、U-21の選手を多数起用しての「消化試合」の様相が強かった。このため、受ける攻撃の圧力は、いつものFC東京の「それ」とは比べものにならない。そもそもFC東京はこの一戦のベンチメンバーを一人少ない6人としており、直近のリーグ戦だった札幌戦の先発メンバーは、誰一人としてベンチにすら入っていなかった。

つまり、FC東京は、「ほぼ2軍」だった事になる。そんなメンバーが相手であれば、仙台はむしろ、試合の主導権を握り、ミスなく試合を造って、複数得点を挙げての完勝としたかったところ。それが叶わず、ミス散発で試合の序盤にリアクションサッカーを強いられたところは、課題や反省点と言われても仕方ないだろう。

もっとも、仙台としても、この一戦は引き分け以上でGS突破という好条件の下での一戦だった事もあり、決して無理をする必要は無かった。相手の「この日の攻撃力」の程度を見れば、GS突破には、オウンゴールの1点があれば充分だった。課題や反省点は、「勝って締める兜の緒」という事になり、今後の糧とすれば良いだろう。

リーグ戦では、結果として広島に完敗したが、仙台も、まだまだ断片的ではあるが「良いピース」を持っており、広島戦や、このFC東京戦でも、それぞれ先制点を挙げたように「先手を打つ」事はできるようになってきた。この事は、15連戦の最後でもある、鹿島戦でも活きる教訓になるはずである。

さてその鹿島だが、驚くべき事に、仙台との現状の成績の差がほとんどない。一時期は黒星が先行して降格圏という崖っぷちの間際にまで追い詰められていたくらいであり、前節までの浦和戦と、その前の長崎戦でやっと連勝を挙げたところ。その連勝も、2試合ともPK判定による得点が絡んでおり、鹿島らしい攻撃が復活しての連勝かどうかは未知数である。

もっとも鹿島は、今季のACLで、日本勢唯一の生き残りでもある。先日に仙台がルヴァン杯を戦っていたころ、鹿島はACLで世界と戦っていた。あのフッキを擁する上海上港とのホーム&アウェイの戦いで、2戦合計で4-3としベスト8進出。リーグ戦と併行してのACLベスト8進出は、見事と言う他ない。

当然鹿島は、その持てる戦力の相当量をACLにシフトさせていたはずで、そのACLでベスト8進出という「結果」を出した事で、次の準々決勝の舞台となる8月までは時間が空く事から、今度はこのリーグ戦の仙台戦へ、その眼光を向けてくるはずだ。もちろん彼らには「ACL疲れ」もあるだろうが、結果を出して臨んでくる以上、リーグ戦で下位に低迷しているからと言って決して甘く観れない事は、誰の目にも明らかである。

もっとも、仙台としてもGS突破を決めた自信を、この鹿島戦に持ち込みたい。ところで、この一戦にサブタイトルを付けるとすれば、「ACLラウンド8突破の鹿島 vs ルヴァン杯GS突破の仙台」となるだろうか。どちらも、長い春の連戦の最後の一戦という事で、戦力を勿体振る事なく投入しての戦いになる事は必至である。

因みに、カシマスタジアムは仙台としても未だ「鬼門中の鬼門」であり、このスタジアムでのカシマとの対戦成績は、仙台からみて、9試合で1勝1分7敗。これには、昨年のルヴァン杯での敗戦も含まれる。なお、この中の「1勝」は、奥埜の得点を最後まで守りきって1-0で勝利した、2016年8月のアウェイ戦となっている。鹿島戦の無失点試合は、後にも先にもこの1試合だけであり、あとは全て失点している。

また、9戦中5試合で3失点している事もあり、仙台が勝機を見出すには、やはり守備面の整備と、ミスを減らす努力は欠かせない。そのうえで、FC東京戦での永戸のカウンターの様な場面を多く創り出せれば、鹿島が相手と言えども、勝機は充分にあると考えている。

あの鹿島を相手に、仙台が自分達で試合の主導権を握る、いわゆる「アクションサッカー」は、想像に難い側面はある。ただそれなら、カウンター狙いのリアクションサッカーでも構わないだろうし、そもそも仙台とて、アクションサッカーを目指してここまで成長してきているはずだ。鹿島が攻撃の圧力を下げる時間帯は必ずくるはずなので、その空気を読み取った際は、躊躇わずに、攻めに転じたい。

負けると決まった試合など、一つもない。

若手の台頭著しい仙台のフレッシュな攻撃陣が、世界を舞台に戦う鹿島を破る姿を、目蓋の裏に焼き付けたいと思うのは、決して筆者だけではないはずだ。

一足早い夏模様の雨に見舞われている日本列島だが、アウェイ鹿島戦当日の鹿嶋地方の天候は「晴れ・20度」の予報。サッカー日和の1日になるだろう。瞬き禁止の一戦は、5月20日の16時、県立カシマサッカースタジアムでキックオフ。

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