C大阪戦レポート/今季後半戦展望 あくまでも、副審の「誤審」を主審がきちんと取り消したうえでの蜂須賀の勝ち越し点。勝てた試合だったが、ラスト1プレーでC大阪に同点弾を許し、痛恨ドロー。余りに多い「試合終盤の失点」を改善する意識が無ければ、今後も勝ち点を落とし続けかねない。

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得点者:

11′ 丸橋祐介(C大)
30′ 西村拓真(仙台)
84′ 蜂須賀孝治(仙台)
95′ 丸橋祐介(C大)

この試合で勝敗を分けたポイントは2つ。一つは、84分の蜂須賀の勝ち越し弾。そして、95分に与えた、痛恨の同点弾である。

一つずつ見ていく。84分の蜂須賀の得点シーンは、得られた右コーナーキックの流れから産まれたものだった。永戸がニアに蹴り込んだボールを大岩が頭でクッションし、ゴール前へ送り込む。その先で、平岡がC大阪の選手と競った結果、ボールは永戸の居るサイドへ大きく蹴り出されてしまった。

そのセカンドボールを永戸が拾い、狙い澄ましてゴール前へクロスを「再投入」。するとこれに蜂須賀が反応し、頭でC大阪ゴールへねじ込んだ。

このシーンで「セカンドボールを拾った永戸」がボールに関与した時点で、副審がオフサイドと判定し、旗を揚げた。だが結局は、主審がその判定を取り消し、蜂須賀のゴールは認められた。

このシーンで、永戸に渡ったボールを蹴ったのが、「仙台の平岡」だったのか「C大阪の選手」だったのか。それによって、副審の判定が「オフサイド」か否かとなる。そして副審は、「平岡が最後に触った」と判断し、オフサイドの旗を揚げた。確かに、平岡が触ったのであれば、その瞬間に、永戸はオフサイドの位置に居たため、ボールに関与した時点で「戻りオフサイド」になる。

だが、映像で当該シーンを再確認すると、C大阪の選手が蹴り出したように見えた。そしてそのプレーを、主審はしっかりと目線を向けて確認していた。つまり主審は、副審のオフサイドの判定を「誤審」と判断し、これを取り消した。映像でも、副審に向かって、挙げた旗を下げるように指示している様子が確認できる。

副審がオフサイドの判定で旗を揚げた事によって、一瞬、C大阪の守備の意識が途切れた。逆に仙台は、プレーを切る事なく、やり続けた。その結果のゴールである。この得点については胸を張って良いだろう。

前半に西村が挙げた得点と併せて、この時点で2-1と勝ち越した仙台。残すは6分とATのみとなった。当然のように、時間を使い、大人のサッカーで逃げ切りに入った訳だが、4分と掲示されたアディショナルタイムもあと30秒を切ろうかというときに、その「ミス」は起きた。

GK関が、自陣ゴールからのパントキックを、正確にハーフナーのところへ落とせず、大きく蹴ってしまい、相手GKに渡してしまったのである。

このミスによって、C大阪に、最後の攻撃のチャンスを与えてしまった仙台。もちろん、攻撃の機会を与えたからと言って、必ずしも失点するとは限らない。だが実際には、時計の針で「3分57秒」のアディショナルタイムの時点で失点してしまった。

試合終盤でハーフナー・マイクが投入され、残された時間の戦術ははっきりとしていた。ハーフナーにボールを集め、残り試合の時間を消化して逃げ切る、と。そのためGK関も、ゴールキックのその矛先は、尽くハーフナー・マイクにあった。そしてそれは、あの失点シーンの直前まで、正確に行われていた。

あの、最後のパントキックのミスさえなければ、間違いなく仙台は2-1で勝てていただろう。勝負は、最後の1秒まで判らない。それを改めて痛感させられた一戦となった。

この失点による痛恨ドローを受け、今季、あまりにも試合終盤の失点が多い印象を筆者は受けた。そこで、今季ここまでの試合において、75分以降の失点がある試合数を、J1全チーム毎に集計してみた。それが、次の表である。

もうお判りだろう。仙台は、75分以降に失点した試合数が7試合もあり、リーグワースト・タイなのである。同じ7試合で並んでいるのが、下位に低迷する名古屋や長崎である事を考えると、仙台の「試合終盤の防御力」は、残留争いをしているチームと大差ないのである。

もちろん、相手が総力を挙げて攻撃してくる時間帯でもあるため、この時間帯に失点を喫してしまう事は、ある程度は止む終えない。だが、仙台の試合終盤の失点シーンを観ると、今節のように、相手に安易にボールを渡してしまうなど、稚拙な場面も垣間見れる。

せっかく一桁順位に食い込んで置きながら、そこからなかなか目指すトップ5に食い込めないのは、こういうところで顔を出す「試合の詰めの甘さ」が原因にあると思わざるを得ない。今節のGK関のパントキックのミスが、今季勝ちきれない一戦の多さを象徴しているかのようでもあった。

実際、関のこういったミスは、決して一つや二つではない。実際、中断明けのホーム・横浜FM戦でも安易に8失点も献上し、誰しもが「次はGK交代か?」との予感もしただろう。だが結局は、そのまま関が先発の座に居座り続けている。通常、あれだけ大量失点したら、GKは次節に先発降格の憂き目に遭うのが普通だ。

鳥栖戦でこそ、スーパーセーブを連発して1-0勝利に貢献した関だったが、ホームに戻ってくると、何故か、アウェイよりも失点が増加傾向にあり、それが原因となって、リーグ戦ではホームでの勝利から遠ざかっている。

(実は、今季ホームでのリーグ戦勝利は、3月31日のVファーレン長崎戦まで遡る。勝っている気がするのは、実はルヴァン杯や天皇杯などカップ戦である。)

ただ、GK関ばかりも責められない。GKをシュミットに代えれば改善する話なのか?と言われれば、そう単純な話でもないと言わざるを得ない。

結局は、試合終盤の守備における、選手全体の意志の問題。メンタル・プロブレムなのである。誰か一人がミスをすれば、その隙を相手に利用されて失点する。失点した時間帯が早ければ、まだ攻撃で得点を獲って取り返せるが、試合終盤での失点は、それを帳消しにするだけの時間が少なすぎる。隙あらば大量得点も可能な、豪華攻撃陣を有するクラブなら、2~3点のリードで試合終盤を迎えられ、1失点くらいは蚊に刺された程度の痛みでしかないだろう。

だが、そこまでの攻撃力を持たない仙台には、試合終盤を、相手に2点差以上を付けて迎えられる事など、ごく稀にしか訪れない。ほとんどの場合は、今節のように、リードは1点差である事のほうが圧倒的に多い。

であれば尚更、試合終盤の失点は、もっと全員がしっかりと意志を統一し、ケアされるべき事案である。そういう部分が、仙台はまだまだ、優勝争いの常連と言われる強豪クラブとの乖離が感じられるところなのである。

先に紹介した表を見れば判るように、やはり例年優勝争いに参画するクラブは、試合終盤に失点する事が少ない。また、仙台と同様、中位に留まっている、札幌・清水・磐田あたりが、試合終盤の失点が少ない事に、目を見張るものがある。今夏の補強次第では、これらのダークホース的存在のチームが、勝ち点を伸ばしてくる可能性もあり、油断ならない。

もっとも仙台とて、毎年恒例の「夏場に勝てない印象」を、今年は、例年ほどは感じられない。唯一、2連敗を含んだ「5試合未勝利」という状況はあったが、以前のような、9試合も10試合も未勝利が続くと言った状況からすれば、充分に成長が見てとれる。

であるが故に、あとは、今節のような稚拙なミスプレーを出来るだけ無くしていくと言った、ディテールの部分の改善の積み重ねで、勝ち点の伸び具合が変わっていくと思えるのは、決して筆者だけの思いではないはずだ。

仙台も今夏、他チームに負けず、矢島という有効株や、ハーフナー・マイクというタレント選手を獲得し、その実力の片鱗を垣間見て、今後の展開に期待できる状況にある。

まだまだ、捨てたものではない。暫定順位ながら、一つの勝利で順位が大きく変わる位置に、仙台は居る。そして、W杯による中断の影響により、8月1日のホーム名古屋戦から、9月1日のホーム清水戦までの一ヶ月の間に、なんと7試合も消化しなければならない過密日程が、私たちを待っている。

上位躍進か、中位・下位低迷か。

今季の順位変動の行方は、ここからの一ヶ月の戦いに全て掛かっていると言っても、過言はないだろう。折しも、渡邉監督は今季で5シーズン目になるが、前任監督の手倉森氏の監督在籍6年に肉迫している。そのテグさんは、「5年でACL」を掲げ、そして6年目のシーズンにACL出場を果たした。

ナベさんにも、そろそろ、何らかの「結果」が付いてきてもおかしくない時期だ。天皇杯も4回戦まで駒を進めており、リーグ戦にしても、クラブ目標のトップ5どころか、ACL圏のトップ3もまだ決して夢物語ではない。

全ては、自分たちの戦い方、それ一つで決まる。
いざ、仙台・夏の陣-。

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