Windows7 に搭載される「XPモード」の妙
この新OSに搭載される「XPモード」の事を、ご存じの方も多いことでしょう。Vistaと違い、XP互換モードを持っている事で、XPユーザーからの乗り換えを促すという、従来のMicrosoftのOSには無かった新機軸です。
この機能があるという事で、Windows7への乗り換えを検討されている方もいるのではないでしょうか。
しかし、このXPモードには「落とし穴」があります。
一つは、XPモードがあるからと言って、決してPCのマシンパワーを必要としないかと言うと、決してそうではない事。あくまでもWindows7が稼働するためのマシンパワーが確保されている事が前提です。
そしてもう一つは、このモードを利用するマシンのCPUに、インテル「バーチャライゼーション・テクノロジー(IntelVT)」という機能が搭載されている事が必須な点です。
このXPモードと言うのは、あくまでも「XPユーザーが新OS環境に乗り換える際に、XP対応ソフトを新OS上でも利用できるようにするため」のもので、決してWindowsXPというOSを利用できる訳ではない、という事なのです。あくまでも、OSはWindows7である事に、変わりはありません。
このため、同OSを利用するためのマシン環境は、相当なパワーを要求されます。快適に使うためには、CPUは2GHz以上(FSBも800MHzは欲しい)、メモリは2GB以上は必要でしょう。要求されるマシンスペックは、Vistaと何も変わりません。
そして、このXPモードを利用するには、前述の「バーチャライゼーション・テクノロジー」に対応したCPUを搭載したマシンが必要になります。
このテクノロジーは、仮想OSの動作をハードで支援するためのもので、このブログでも何度か紹介しています「Microsoft VirtualPC 2007」でも対応しています。このテクノロジー対応を、新OSのXPモードで必須とする事によって、XPモードの動作を仮想OSの環境下と同じように利用できるようにするものです。
ただ、このテクノロジーを搭載したCPU自体、まだ市場に投入されて年が浅く（2006年くらいからボチボチと）、また、IntelがリリースしているCPU全てに搭載されている訳でもないため、仮に最新PCを買ったとしても、このテクノロジーに対応しているとは限りません。
このため、XPモードを当てにしてWindows7への乗り換えを検討されている方は、お手元のPCや、またはこれから購入しようとしているPCのCPUが、このテクノロジーに対応しているかどうかをきちんと確認する必要があります。
（また、もしCPUが対応していても、マザーボードやBIOSでこのテクノロジーをサポートしていないとダメ。自作PCなら、対応BIOSがメーカーからリリースされているかもしれないので、各自確認の事）
結局のところ、XPモードの利用は「マシンのアップグレードなどの予算に糸目は付けないが、それを以てしてもWindows7でXP対応ソフトを利用したい人向け」という色合いが強いものとなります。
WindowsXPも、メインストリームサポート（無償）が終了しているとは言え、延長サポート（有償）は継続しており、またコンシューマー向けにセキュリティパッチの無償リリースだけは、あと５年間は継続されます。
新しいハード、新しいソフトが出る度に、いちいち環境の乗り換えなんかやってられません。まだまだ、WindowsXPを使い倒しましょう。
ただ、XPモードの利用については、普段から仮想OSを利用している No.8 としては、技術的には気になるところです。みなさんにお勧めできるかどうかは別として、機会があれば、触ってみたいなと思っています。
本件に関しても、何か新情報が判りましたら、このブログでもお知らせします。
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