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その「瞬間」は、突然に訪れた-。
仙台1-1名古屋で迎えた、後半アディショナルタイム。掲示された4分のうち、既に2分を経過していた。
梁に代えて、後半43分に投入されていたヘベルチが、この試合であまり見られなかった、ミドルシュートを試みる。だがこれは、「クリーンヒット」という訳にはいかず、ボールは、名古屋ゴールへは向かって行かなかった。
だが、そのボールの行く先には、ウイルソンが居た。結果的に、ヘベルチからの「強いパス」を受け取ったウイルソンは、おそらくこの試合最後のゴールチャンスと見るや、そのまま名古屋ゴールを急襲。落ち着いて放ったシュートは、名古屋GK楢崎の脇をすり抜け、待望の決勝弾を挙げた-。
後半AT2分、仙台2-1名古屋。
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この日の前半の入りは、お互いに、なかなかシュートシーンまで持ち込めない、中盤での潰し合いが続く展開だった。リーグ戦直近2試合の反省から、中盤をコンパクトにまとめて堅守を維持する仙台に対して、リーグ戦直近5試合未勝利の名古屋は、そのパスワークの秀逸さでなんとかこれを崩そうと躍起になってくるも、仙台の牙城を崩せない。だが逆に、仙台も、牙城を維持する事の代償として、前半30分までに放てたシュートは、僅かに1本に留まっていた。
だがここから、仙台に「スイッチ」が入る。前半30分を過ぎたあたりから、目が醒めたかのように、シュートで終わる意識が高くなり、ゴールの臭いがし出してきた。そして、前半こそ実らなかったゴールは、後半の入りで、突然に結実する事になる。
迎えた後半。コーナーキックのチャンスで、梁が右から蹴り込んだボールは、ニアの赤嶺へと繋がる。いったん弾かれたボールは、再び赤嶺のところへ。ここから赤嶺は、そのボールを名古屋ゴール前へと送り込んだ。シュート?というよりも、結果的にチャンスメークボールとなったその軌道の先には、ファーで待ち構えていたウイルソンのところへ。これをウイルソン、豪快に蹴り込んで、待望の先制点が決まった。
後半3分。仙台1-0名古屋。
だがこの後、名古屋は、ベンチに温存していた、オーストラリア代表のケネディを投入し、布陣を4-3-3に変えて攻撃的にシフトしてきた。3トップのような形になった、相手の攻撃陣を捉えきれないでいるうちに、守備でミスが生じ、そこから最後は玉田に押し込まれて同点弾を許してしまった。
後半11分。仙台1-1名古屋。
追い付かれた事を受け、手倉森監督は、ドリブル突破での打開を狙い、武藤を投入。その12分後には、痛んだ松下を下げて、ボランチとして田村を投入。2列目と3列目をリフレッシュして、試合終盤に臨んだ。
これが功を奏し、名古屋に与える決定機の数を激減させる事に成功。名古屋は、5戦未勝利の流れを打開出来ず、この日も仙台に、後半シュート数を4本に抑え込まれてしまった。決められたのは、仙台の守備ミスから生じた玉田の1本だけ。闘莉王によって、辛うじて保たれていた「名古屋の攻守の圧力」は、この日の闘莉王の出場停止措置によって、圧を上げきる事が出来ず、試合終盤は、仙台の猛攻を受け続けた。
そして、その仙台は、後半終了間際の43分に、梁に変えてヘベルチを投入。この後、冒頭の決勝弾のシーンへと繋がり、過去5回の対戦で無敗と好相性を見せる名古屋を相手に、この日もキッチリと勝利をもぎ取ってみせた。
決勝弾のシーンでは、結果的に、ヘベルチからの「ミドルシュート性の強いラストパス」を受けたウイルソンによる決勝点という形での幕切れとなったが、そもそもこの一戦では、仙台の側に、ミドルシュートの意識があまり無かったように思われた。最終的には、「その意識」が功を奏して決勝弾に繋がったが、こういう展開は、何も試合終盤でだけで必要なものではない。
もっと、90分を通して、膠着している試合状況の打開の布石として、ミドルシュートは撃つべきだ。ミドルシュートを放つ事によって、相手に怖さを与え、その選手へのマークの意識が高くなり、他の選手へのケアが薄くなる。そこから、相手のディフェンスを切り崩す突破口が開ける事は、大いにして有り得る事だ。
この一戦を含めて、リーグ戦、残り6試合。このタイミングで、今季限りでの監督退任が決まっているチーム同士での対戦カードとなったが、軍配は、仙台の手倉森監督に挙がった。
結果的に、仙台の決勝ゴールとなる2点目が決まった瞬間。まだ試合は1分ほど残っていたが、名古屋のストイコビッチ監督は、手倉森監督に握手を求めてきた。通常、試合終了のホイッスルが鳴ってから行われる慣例だが、名古屋としては、2点目を仙台に決められた時点で、「奇跡は起きない」と察しての、潔い行動だった。
普通なら、ホイッスルが鳴るまでは諦めないのが戦士であり、勝負師の姿勢だ。その点では、試合終了前に、さじを投げるように敵将に握手を求める姿勢は、どうかとも思う。
だが、このタイミングで、ストイコビッチ監督が求めてきた握手は、この日の敗戦を認めてこの事という以上に、お互いに、6年間の在任期間を全うして、今季で共に退任する事も含めての健闘を讃え合う意味合いもあっただろう。仙台に追加点を許した状況の中、あと1分で、「今の名古屋に、ここから仙台に追い付く力は無い」と潔く判断し、試合終了前に握手を求めてきたその姿勢からは、将棋というところの「投了」に通じるものを感じさせられた。
この激闘を終えて、リーグ戦は残り5試合となった。不調や負傷で離脱していた選手が続々復帰し、この日は田村も、本来は本職のボランチで出場。赤嶺も調子を上げてきて、この日はウイルソンの先制点をアシストした。武藤も、名古屋の背後をそのドリブル突破で脅かし続ける役割を、キッチリと果たした。
それぞれの選手が、それぞれの役割を果たせば、この日の決勝弾のような「ご褒美」は、やはり訪れるものだ。今居る順位に関係なく、こういう試合を、リーグ戦残り5試合でも「魅せて」欲しいものである。
今季で退任する手倉森監督のためにも、リーグ戦残り5試合は、何としてでも勝ち続けたい。そして、4回戦に進出した天皇杯に繋げて、2009年以来の国立の舞台に、また立ちたいと想う。
手倉森監督の、仙台のコーチ在籍10年間の集大成として。
ここから、「この10年間のラストスパート」を見せようじゃないか。
選手、サポーターが一体と成って。
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