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仙台0-1清水 やはり"ここ"だった、今季のリーグ戦・初黒星のタイミング。試合を狙い撃ちするかのような悪天候による試合中断に、想像を越える清水のハイプレス。だが決して、敗戦に値するような試合内容では無かった。ハイレベルな試合展開に息を飲み、サッカーの面白さを改めて実感した一戦。

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 13分17秒-。

 
この経過時刻を指したまま、試合は一時中断された。
 

 この日、北関東に大きな被害をもたらした積乱雲の影響は、南東北地方にも大きく拡がっていた。天気予報では、お昼から雨模様との事により、雨具持参した人は多かった様子。だがまさか、昼間からあんなにユアスタ上空が真っ暗な雲に覆われ、雹(ひょう)がピッチに降り注がれるような悪天候になるとは、夢にも思わなかった。

 
嫌な雰囲気の中断が43分間も続き、キックオフから約1時間後の午後2時、ようやく試合が再開された。
 
あいにく、ピッチコンディションはスリッピーなものとなったが、この日の対戦カードは、こんな悪天候やピッチコンディションをものともしない、素晴らしい試合内容のものとなった。
 
首位・仙台 vs 2位・清水。いま、一番、ノリにノッている2チームの直接対決とあって、国営放送の中継があったにも関わらず、ゴールデンウィークの最終日という状況も手伝い、18,000人を越えるサポーターが詰め掛けた。
 
そして試合は、その動員数の期待に見合うような、実にスピーディーで、スペクタクルな内容となった。
 
結論から言えば、チャンスをより多く創ったのは仙台。だが、数少ないチャンスをモノにした清水の勝利に終わっている。仙台としては、幾度となく、ほぼ完璧な決定機を作り出せたにも関わらず、清水のゴール前でのディフェンスの執念や、清水のGK林彰洋のスーパーセーブの前に、何度も得点機を逸し、最後まで清水のゴールを割る事が出来なかった。
 
失点シーンは、前半39分。FW高木俊幸のセンタリングに、逆サイドで反応していた大前元紀のシュートを止められず、この日唯一のゴールを清水に許してしまった。仙台のボールを奪ってからの動き出しや、その判断の良さ、そして、ゴール前でのポジショニング。仙台としては、大前と高木には充分に注意を払うべき事は判っていたはずだが、それでも、この2人にやられてしまった。
 
判っていても、止められなかった。それが、今の清水の強さでもある。
 
対する仙台は、後半23分に、清水の守備の要である、カルフィン・ヨン・ア・ピンが、2枚目の警告で退場してからは、ボールを保持する時間が長くなり、何度も決定機を作り出せた。1人少なくなった清水は、FWを削ってDFの手当をしたため、前線でのボール保持が難しい事から、大前の先制点を最後まで守りきる、割り切った作戦を敢行。自陣ゴール前で人数を掛け、仙台の総攻撃を跳ね返す事を繰り返す、決して簡単ではない仕事を、最後までやってのけた。
 
仙台は、試合の終盤に、富田を武藤に代え、そして角田を中原に代えるという「ボランチ2枚を削ってまでフォワードを投入する」ハイリスクな手段に打って出た。実際に、期待度の高いフィニッシュシーンは何度も創る事が出来た。
 
だがこの日は、「清水のGK林の日」だったのかもしれない。仙台のシュートが飛んだコースは、尽く「清水の」GK林に止められ、または跳ね返された。得点の臭いはプンプンしていたが、それでも、この日は仙台にゴールが産まれる事は無かった。終わってみれば、前半40分に許した失点が、そのまま清水の決勝点となり、0-1での敗戦を喫する事となった。
 
昨年、一昨年に続き、またも清水に黒星を喫する事となった今節。
だが、今年は、昨年までとは、その内容や様相が違う事が判る。
 
昨年、一昨年までは、仙台は、清水を相手に、それこそ「何も」出来なかった。勝敗の行方はともかく、試合内容を比較すれば、あまりにもその差は歴然だった。
 
だが今季は、首位と2位との直接対決という構図や、共に勢いを携えての対戦となった事、そして、今節に実際に展開された試合内容は、J1の他のどの対戦チームとも成し得ないような、ハイレベルな試合展開となった。
 
結果としては、敗戦となった。
できれば、このタイミングでは敗戦したくはなかった。
 
だが、終わってみれば、「結果としての敗戦」よりも、あまりの試合内容の凄さに、素晴らしさに、ただただ、息を飲んで見つめる事しか出来なかった。
 
こんな試合が、仙台は出来るようになったのか-。
 
今節の仙台は、決して「負けるべくして負けた試合」を演じた訳ではない。内容的には、充分に勝てる可能性はあった。何本か訪れた決定機で、運があれば、1本、もしくは2本のゴールが決まり、逆転勝利という結果がもたらされていた可能性は、充分にあった。
 
今節は、素直に、大前の見事なゴールを認めると共に、潔く、仙台の敗戦を認めたい。だがそれは、決して「実力差を認める」ものではない。実力は、あくまでも均衡していたと考える。勝負事のルール上、両方を勝者とする訳には行かない事から、今節は清水に、その座を譲っただけである。
 
結果としては敗戦を喫したが、この試合内容を見れば、「またこんな試合が観たい」と、誰しもが思ったに違いない。もし、敗戦試合の中から、内容的に一番良かったものを挙げろと言われた場合は、有無を言わさず、今節の試合を推するだろう。
 
また、こんなサッカーが観たいものだ。
ただ、願わくば、これだけ素晴らしい試合の展開であるならば、勝利で終わる結果としたいものだ。
 
敗戦から得るものは多い、という。
が、今節の敗戦から得たものは、「負け試合の中から課題を探す」という意味合いよりも、こんな素晴らしい内容のサッカーをしても負ける時はあるのだという、勝負事の不確実性の面白さではないか。
 
そして、この試合での敗戦を以て「仙台の快進撃も、ここまでか」と今後を展望する人は、まず居ない事だろう。むしろ、「仙台を負かすのに、清水のようなサッカーを必要とするのか」と、戦々恐々とするはずだ。それもそのはず。あんなハードワークを、長時間、しかも集中力と精度を落とさずにやり通せるチームは、まず他に無いからだ。
 
更に、今節にようやくリーグ戦で土が付いた事によって、仙台に、より一層の引き締め感がもたらされる。この事は、次節へ向けた最高の準備へと繋がる事だろう。ますます、次節が楽しみになった。
 
大いなる一敗に、乾盃。
 
この一敗は、仙台の今後の、更なる躍進のためのマイルストーンとなる事だろう。
 



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