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鳥栖が、今季のホームで無敗だった理由。今季のホーム5試合で無失点だった理由。
それを実感した、一戦だったのではないだろうか。
ゴールデンウィーク連戦の2発目、アウェイ鳥栖戦。この一戦に向けては、如何に、守備の堅い鳥栖から、しかも相手のホームで得点を奪うか。そして、鳥栖に隙を与えず、如何に失点しないか。それが着目点だった。
そして、前者については、以外にも、前半19分の富田の今季初ゴールによって達成される。
試合の入りは、非常に時間の流れがゆっくりと感じた、スローテンポなものだった。双方、試合の展開を決して急がず。まるで、相手の出方や様子を伺うように。そして、試合は少しずつお互いのエリアを浸食し始めた、前半17分。
富田が、敵陣サイド左奧でボールを持ち、鳥栖の選手3人に囲まれながらもこれをキープ。厳しいボディコンタクトを受けながらも、これに屈せず、この位置でファウルを誘い、FKを獲得した。その後、富田は鳥栖ゴール前に上がっていく。
そして、このボールを上本が蹴り込み、相手ディフェンスがクリアし損ねたところに、先ほどこのFKを獲った富田が居た。慌てずにこれを胸トラップで落とし、そして、冷静に。決して振り切らず、パワーをコントロールしたシュートを左足で放つ。これがなんと、鳥栖GK赤星の反応の届かない、綺麗な弧の軌道を描き、スッポリと、鳥栖ゴール右隅に収まった。
前半19分。鳥栖0-1仙台。
このゴールシーンは、富田が自分で獲たFKから産まれた。よって、このゴールのアシストも、実質は富田自身。今季ここまでゴールは無かったものの、中盤で敵のボールをチェイスし、奪取する能力は、おそらくJ1でもトップクラスの能力だろう。もしこれを、1件の家の建築に例えるなら、「強固な土台」となるか。つまり、縁の下の力持ち、という意味となる。
そんな地道な役割をずっと続けてきた富田に、とうとうこのタイミングで、自身のゴールという形でご褒美が与えられる事になった。
以前の富田は、ボールを持っても、そのフィジカルコンタクトが弱く、何度も相手にボールを奪われたり、またボールを持っても、積極的にボールを前へ入れる意欲や勇気に欠け、安易にボールを下げたり、左右の味方に、その責任を転嫁するようにパスを出していた。このため、ホームゲームでは、富田がボールを持つと、ざわつきやブーイングまで飛び出すような光景を目にする事もあったくらいだ。
そんな富田が、J1の舞台で先発出場を続ける大躍進。そして、今節のこの舞台で、前半のうちに先制点を奪う「一人芝居」まで演じてみせた。彼の、ここまでの成長を、彼の入団当初(2005年入団/当時の都並監督に請われて東京Vユースからの新卒入団だった)から観てきたサポーターとしては、感慨深い想いもある事だろう。チームの躍進と共に、彼も、間違いなく成長、そして開花した。
そして、この富田によってもたらされたゴールは、鳥栖にとって、今季初の「ホームでの失点」という、非常に痛い材料となった。この得点の後、仙台は攻勢に出て、あわよくば追加点を奪おうと、更に攻撃は積極的になった。結果として、前半はこの富田の1点に留まったものの、試合の流れは仙台に傾き、あとは後半に、この試合の行方を委ねる事となった。
迎えた後半。
仙台は、ハーフタイムで2トップの一角の柳沢を太田に代え、後半の攻勢に拍車を掛ける展開を狙う。ホームで今季初失点を喫した鳥栖が、リスクを犯して前へ出て来てくれさえすれば、その裏を太田が使う狙いがあり、後半の頭から太田を投入した作戦は、誰しもが「当然」と考えられる采配だった。
ところが、「鳥栖の今季の強さ」を、仙台は、ここから見せられる事になる。
以外にも鳥栖は、この失点にも慌てる事なく、前半と同じように、集中力高くディフェンスする姿勢を崩さなかった。むしろ、この試合で2点目を奪って畳み掛けようとする仙台が、上がってくるのを待っているかのようだった。
ところでこの試合では、前半の序盤から、非常にボディコンタクトが多く、まるで肉弾戦の様相も見せていた。左サイドバックで先発出場した朴柱成が、顔に相手の頭をぶつけられてしまい、そのために流血するシーンまであったほどだった。時折、主審の裁定に不満の色を見せ始めた鳥栖側の焦りも出て来たところもある反面、仙台の選手は、至って冷静だった。
この流れなら、鳥栖の焦りを更に誘い、鳥栖に隙が産まれて追加点を、、、と、目論んでいた矢先の後半11分。鳥栖陣内に攻め込み、前掛かりになっていた時に、敵陣内でうっかりボールを失うと、その「一瞬の隙」を、鳥栖に狙われた。
失ったボールは、鳥栖のキャプテン藤田から、前線で前を向いた豊田へ、正確に送り込まれた。戻りながらのディフェンスを強いられた仙台。完全に「前掛かりになった仙台の最終ラインの裏」を使われた格好となった。
戻りながらのディフェンスは難しい。トップスピードに乗った豊田を止められる事なく、藤田からの正確なロングフィードを受け取った豊田は、冷静にこれをコントロールし、仙台のゴールネットを揺らした。
後半12分。鳥栖1-1仙台。
仙台としては、「2点目を狙っていた展開」の、そのお株を、完全に鳥栖にやられた格好での失点となった。
やはり、サッカーは「攻め上がっているときにボールを中途半端に失うのは非常に危険」なスポーツである。本当なら、この形での得点を、仙台が狙っていた。そのため、鳥栖が焦れて攻め上がってくるのを待って、その裏を使いたかったが、実はこの形は、鳥栖も狙っていたものだった。
こうして、試合は再びイーブンに。この後、双方それぞれ1名ずつ選手交代を行うも、終わってみれば、双方が3人目の選手交代を行うまでには至らず、そのままゲームフィニッシュを迎えた。おそらくは、下手に選手を代えてバランスを崩し、それが失点のきっかけになる事を恐れての事もあったかもしれない。また、鳥栖は清武(弟)を、仙台は梁をそれぞれ投入し、ゲーム打開のキーマンを既に送り込んでいたため、無理に3人目を投入しなくても、加点の可能性は充分にあったと判断していたかもしれない。
終わってみれば、1-1の痛み分け。だが、仙台としては、今季の鳥栖ホームでの無失点記録を止める事に成功し、かつ、リーグ最小失点の鳥栖から、アウェイで勝ち点1を奪うという、貴重な積み上げに成功したと言って良いのではないか。
そして、鳥栖側としても、リーグで首位を快走する仙台を相手に、やはりホームでの無敗を継続出来た事は、その意味は非常に大きいと思う。
仲良く勝ち点1を分け合った結果となったが、お互いに、それぞれ収穫はあった。鳥栖は、首位を相手にしても、内容では決して引けを取らなかったという自信が。そして仙台は、ホームでは無失点という堅守が光る鳥栖から、その相手のホームで先制点を奪い、首位の意地を見せたという結果が。
この結果、そして内容は、決して悪いものではない。連勝こそ止まったが、仙台の安定した組織から産み出される、完成度の高いサッカーは、今節も健在だった。
思えば、鳥栖との最後の対戦は、J2時代の2009年にまで遡る。まさか、あの鳥栖とこうして、リーグ戦で再び相まみえる日が来ようとは。時代の流れを感じると共に、鳥栖のサッカーが、J1でも充分に通用している事を、むしろ、我が事のように嬉しく思う側面もある。鳥栖は、これからも、J1の名だたる強豪を相手に、その存在感を示し続けてくれるだろう。
J2時代からの盟友の、今季の活躍に、素直に拍手を送りたいと思うと共に、今季ホームで無失点を誇った鳥栖から、「やはり鳥栖ホームでゴールを獲ったのは仙台だったか」と言われるような結果を、しかも相手よりも先に点を奪ってみせた、その強かさに、我らがチームへの今後への期待も、改めて感じた一戦だった。
次節、2位に浮上してきた清水との直接対決。詳細はまたプレビューで書かせて頂く事とするが、昨年も一昨年も、清水には「開幕からの無敗を2年連続で止められた相手」という印象が強く残っている。ここを乗り越えられるかどうかで、また一つ、仙台の成長の度合いを確かめる事が出来る一戦となる事だろう。
中2日で、すぐにこの清水戦。終わった今節から、早めに意識を切り替えて、ゴールデンウィーク連戦の最後に臨みたい-。
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