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リーグ戦の第5節が終了した時点で、2勝3分の無敗とし、4位に付けていた仙台。だが、そこからの5連敗で、順位は15位にまで急降下。ナビスコカップを含めても、公式戦8試合で勝利がない。完全に、J1の「蚊帳の外」に追いやられてしまった感を否定できない仙台は、前節のFC東京戦でも、終盤に2得点と追い上げたものの、3点目に届かずに敗戦。
その「3点目」を奪いにいくための貴重な時間を、自身の退席処分のために浪費してしまった渡邉監督。気持ちは判るが、サポーターも我慢しているのだ。貴方が感情に流されてどうする。失点するときは立て続けに失点してしまうチームと共に、まだまだ、経験の蓄積が浅い。猛省を促すと共に、今節に向けては、自身がベンチ入りできない分、選手にしっかりと戦術の落とし込みをお願いしたい。
今節の相手となる浦和は、リーグ戦9試合で未だに無敗とし、失点もリーグ最小の4失点を誇る。得点こそ、9試合で13得点と、仙台の11得点とはあまり差が無いように感じるものの、今季ここまでの無敗の原動力は、やはり堅守。今年の浦和は、「守るために走る泥臭さ」があり、それが、ACL参戦の影響により1試合少ないながらも、現在まで首位に座している、最大の要因となっている。
だが、「堅守のチーム」というだけであれば、前節に対戦したFC東京も、対戦前までは「失点5」を維持しており、仙台はそのFC東京から、終盤のパワープレーによる猛攻の結果という前置がありながらも2点を奪ってみせた。つまり、どんなに堅守と言われるチームでも、「絶対に失点しない」訳ではない。その事は、前節で学べているはずだ。
浦和と仙台が「似たり寄ったりの得点力」なら、あとの差は「如何に失点しないか」という事になる。その点において、現在の仙台は非常に分が悪い。5連敗で喫した失点だけで既に11となっており、無敗だった第5節までが、僅かに3失点だった事を思えば、如何に失点が増えてしまったかが判る。
しかし、「それじゃあ、失点を減らせば勝てるのか」というと、そう単純な話でもない。そもそも仙台は、失点が多い以前に、得点が獲れていないのだ。それも、前半の良い流れの中からの得点がなく、得点機を逸し続けているうちに、流れを相手に渡してしまっての失点というケースが目立つのである。つまり、仙台の失点の多さは、「獲れない得点」の裏返しという事が言え、そこが改善しさえすれば、相対的に失点も減る傾向に来るものと考えている。
ところで、前述の繰り返しとなるが、今節の相手となる浦和は、決して「得点が多い」という訳ではない。それは、現在上位に座する他のチームも傾向が類似しており、飛び抜けて多いのは、川崎の18得点くらいだ。
そこで、浦和の得点の推移を見てみると、3得点したのは、今期開幕戦のアウェイ湘南戦で3得点を挙げた以外は、全て2得点以下。あとは、キッチリ1失点以内に抑える事で勝ち点を荒稼ぎしている訳であるが、ここで筆者は、とあるデータに着目した。それは、時間帯別の「得点」と「失点」である。
まず「得点」について。
浦和と仙台の、今期ここまでの時間帯別の得点データを観ると、面白い事が判った。それは、「後半31分以降の得点が、浦和は6得点(13点中)で2位、仙台は7得点(11点中)で1位」というものだ。
これについては、もう理由はお判りだろう。仙台は、相手に先制点や追加点を許し、どうしても追い付かねばならないという状況に追い込まれたときのパワープレーにおいて、他のJ1チームの追随を許さない得点力を持っている。但し、この点については浦和も同様だ。仙台の7得点に続く6得点は、決して甘くは観れない。
そして、もう一つの「失点」について。
浦和と仙台の、今期ここまでの時間帯別の失点データを観ると、「前半31分から前半終了までの間の失点が、浦和も仙台も3失点ずつある」というものだ。
ここで、仙台の3失点はともかくとして、浦和の3失点は特筆ものだ。何と言っても、今期ここまでの全4失点中、3失点を、前半の31分から前半終了までの間に喫しているのである。
更に、ここにもう一つ、補足で付け加えたいデータがある。それは、「前半キックオフから30分までの時間帯で、得点も失点もないのは、J1全18チーム中、唯一浦和だけ」というものだ。おそらく浦和は、試合の入りについては、決して攻め急がず、むしろ先に失点しない事を心掛けているものと考えられる。
これらの点を総合的にみて、筆者としては、この浦和戦では、次のように戦ってみたいと考えている。
・前半の30分までは、浦和と同様、決して攻め急がない。どうせ、良い試合の入り方をしても得点できないのだ。ならば、得点よりも失点に重点を置き、敢えて守備で構え、浦和の出方の様子を見たい。
・前半31分になったら、パワープレー気味に攻撃のスイッチを入れ、一気に攻め立てて得点機を伺う。
・後半は、前半の得失点の推移にも依るが、基本的には後半も30分までは、やはり、決して攻撃で無理をせず、専守防衛に務める。
・後半31分になったら、最後の力を振り絞って、もう一度パワープレーに打って出る。仮にリードしていても、ビハインドを負っていても、タイスコアでも関係ない。
というものだ。如何だろうか。つまりは、前半も後半も、勝負どころは「ラスト15分の攻防」という考え方だ。この時間帯に、持てるフルパワーを注ぎ込み、得点を奪いに行くのである。
そして、それを実現するために必要なピースこそ、ハモン・ロペスの存在ではないだろうか。昨年終盤の戦いにおいてもそうだったが、ハモンは、パワープレーの駒としては、あまりにも脅威だ。カウンター攻撃のシーンでのポストプレーに長け、シュートは枠を正確に捉える。また、レフティであるがゆえに、左サイドからのクロスの精度や、その左サイドからのクロスを、利き足の左でダイレクトに打てる。前節の今期初ゴールは、まさにこういうシチュエーションから産まれたものであった。
彼のコンディションに問題がないのなら、今節は是非、先発で起用したい。また、もしベンチスタートになったとしても、後半のラスト15分の攻防では、必ずや、結果に繋がるプレーをしてくれるに違いない。
もし、ハモンが先発するならば、前半の31分から前半終了までの時間帯に。或いは、フル出場もしくはベンチスタートとするならば、後半の31分から後半終了までの時間帯に。そこに期待するものは、スタジアム中の歓喜を呼ぶゴールに絡む姿しか想像できない。
もし、この一戦で、前線2トップに、ウイルソンとハモン・ロペスが並んで先発できたとしたならば、ここまで5連敗している事など忘れてしまい、期待のあまり、瞬きするのも忘れ、試合に没頭できそうである。
この一戦においては、前節に退席処分を受けた渡邉監督のベンチ入り停止処分が決定している。その分、この浦和戦での戦い方は、試合中のコーチ陣の判断を必要としないくらいにシンプルにし、ピッチ上の選手が、迷う事なく戦えるようにしておかなければならない。
前述までのような戦い方は、あくまでも筆者の「希望論」に過ぎない。が、どういう戦術、戦法でこの一戦に臨むにしろ、ピッチで戦う選手は、お互いに「どう戦うのか」の共通認識が必要だ。特に、監督不在で臨むこの一戦では、なお一層の意識合わせが求められる。選手たちの連携と奮起に、大いに期待したい。
ところで、5連敗を喫した翌日に、GK六反が、自身初の日本代表候補に選出され、来週の2日間の千葉合宿に参加する事が公式にリリースされた。まさかの3失点敗戦の翌日のサプライズとなった次第だが、こういうものは以外に大事で、その後のプレーのモチベーションにも大きく影響するものだ。特に、今節の相手である浦和には、日本代表の西川周作もいる。合宿参加直前の大一番に、GKとて、奮起しない選手はいないだろう。
この一戦にベンチ入りできない渡邉監督が、ペットボトルを蹴ってまで表した、その悔しさを晴らすためにも。
初の代表合宿招集となったGK六反を、気持ちよく合宿参加に送り出すためにも。
そして何より、仙台が、15位からの逆襲の咆哮をあげるためにも。
この一戦は、どうあっても、勝ち点3を掴み取らねばならない。
目覚めよ、仙台の攻撃力。
磨き続けてきた爪を隠すのは、もう終わりだ-。
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