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前節、ようやくリーグ戦8試合ぶりの勝利を挙げた仙台。しばらく不相性だった新潟を相手に、よくぞ無失点で、勝ち点3を持ち帰って来てくれた。奥埜とキム・ミンテの2戦連発弾も飛び出し、ようやく、仙台の中盤の得点力が目を覚ました、と言える状況へ昇華したと思っている。
ただ、今節の相手となる甲府も、前節に、山形をホームで2-0で下し、復調のきっかけを掴んだ様子が伺える。今季初のJ1クラブ監督交代に加えて、あのFWバレーを復帰させた事により、チームに、勢いの様なものが出て来ている。さしずめ「化学変化」とも言えるだろうか。
共に、リーグ戦での今季初の連勝を狙うチーム同士だが、ホームで戦える仙台は、今季残留への大きな足がかりとするために、絶対に落とせない一戦だ。甲府の復調傾向については素直に認めるものの、それを上回るパフォーマンスを発揮し、甲府を圧倒するぐらいの運動量で、試合の主導権を終始渡さない覚悟で臨みたい。
今節のポイントの一つとなりそうなのが、梁の出場停止対策だろうか。前節新潟戦の警告により、累積3枚となり、今節は試合に出場出来ない。だが、ボランチのポジションなら、もはや彼を先発から外す事は考えにくいキム・ミンテの台頭を受け、ここは安泰か。そして2列目のポジションなら、奥埜や野沢、ハモン・ロペスや茂木に加え、場合によっては、菅井を2列目の右で起用するオプションもある。2列目の選手層は充分に厚く、梁の出場停止の影響は限定的と見て構わないだろう。
注意点としては、甲府の守備に積極性が出て来ている事か。甲府は、前節の山形戦において、ミドルを打たれそうなポジションでも積極的に球際での勝負を仕掛け、山形の攻撃の芽を寸断し続けた様子が伺える。特筆なのは、甲府は前半29分までに既に2得点を挙げた好況を活かし、2点差を追い付かねばならないはずの山形の攻撃を、被シュート僅か8本に抑え込んだ。山形は後半だけで6本のシュートを打っているものの、対する甲府は、自らの後半のシュートが僅か2本に留まったのと引き替えに、山形の攻撃の芽を潰す積極的な守備に奔走したものと推察。結果、甲府は最後まで前半の2点差を守りきり、今季3勝目を挙げている。
更に、この一戦での甲府のもう一つの勝因は、「先制点となったミドルシュート」にある。前半12分、FW9阿部が、山形ゴール正面にて、ほぼノーマークにて放ったミドルが豪快に決まり、この一発で、試合の主導権を握った。更には、MF6マルキーニョス・パラナがPKを貰う幸運もあり、山形の焦りを更に煽る事にも繋がった。
甲府としては、当然ながらこの「成功体験」を、中2日で迎えるアウェイ仙台戦にも持ち込みたいはずだ。そして、その戦略の中には、「積極的なミドルシュートと積極的な中盤での守備」も含まれるものと観る。
・・・そう、この相手の戦略は、従来の仙台が、およそ苦手の部類としてきたものに近い。特にミドルシュートについては、相手からは「仙台が相手なら、ミドルシュートをガンガン打って揺さぶりを掛ければいい」と、単純に思われているのではないか?と思えるほど、これまでの仙台は、相手のミドルに対する守備の集中力が欠如していた。
もちろん、ミドルシュートは、それが枠を逸れれば不発に終わり、そこで攻撃が終了し、安易に相手にボールを渡してしまう可能性も決して低くない、一種の「ギャンブルシュート」でもある。よほど枠に飛ばす自信や、攻撃のリズムを掴む目的でも無ければ、安易には打てないものだ。だがその反面、シュートコースさえ見付かれば、躊躇せずに打つべきものでもある。もしかしたら、山形戦で勝利を掴む前までの甲府は、ミドルシュートを怖がっていたのかもしれない。そうでなければ、リーグ戦12試合を戦って僅か3得点など、とても考えられないからだ。
そんな甲府が、前節の山形戦で、ミドルシュートによる先制点をきっかけに、それまで4戦無敗(2勝2分)と好調を維持していた山形を、なんと2-0の完封で仕留めた。そして、続くミッドウィークのナビスコカップFC東京戦では、アウェイながら、94分に武藤に決勝点を奪われるまで、僅か1失点で凌いで見せた。
リーグ戦ではなかなか失点の止まらなかった甲府が、ここ公式戦2戦で、守備面で結果を出し始めている。その要因こそ「ミドルによる先制点がもたらした、守備への積極性」だろう。そしてそこへ、PKとはいえ、あのバレーが復帰弾を決めて勝利を収めたとあっては、甲府に「勢い」が付かないはずは無い。
これは、仙台にとってはとてもやっかいだ。仙台としては、その甲府の「勢い」をどう鎮圧するかが、この一戦のポイントの一つになるだろう。
そこで期待するのは、もはや先発回避は考えられない、キム・ミンテと富田のボランチコンビの活躍。相手のミドルをいち早く察知し、体を寄せてシュートを阻むミンテの対人性の高さと、相手が中盤で受けようとするパスに狙いを定めてこれをインターセプトできる富田の読みの良さがあれば、仙台ゴールの「正門」は、堅く閉ざされたままとなるはず。甲府が山形を相手に、ミドルシュートから先制点を決めた事は、当然、仙台としてもスカウティング済みのはず。そこは絶対にケアしなければならない部分の一つだ。
そして、この一戦でも大事なのは、やはり「先制点」そして「ミドルの意識」。新潟戦でもそうだったが、アウェイの戦いであったとしても、先制点によって攻守のリズムを掴み、試合の主導権を握った展開の中で、自分たちのペースで試合を進められる事を、改めて確認できた。その中でも、新潟戦の奥埜の2点目のミドルは、あの一戦の勝敗の行方をほぼ決定付ける、貴重な一発だった。仙台としては、あの奥埜の2点目のミドルこそ「成功体験」だったはずだ。
甲府としては、前節山形戦の1点目(前半12分)のミドル。
仙台としては、前節新潟戦の2点目(後半20分)のミドル。
前節は、それぞれが、ミドルシュートからの得点を勝利に繋げた。獲った時間帯こそ違うが、甲府のそれは、試合の主導権を手繰り寄せる貴重な先制点であり、また仙台のそれは、試合の行方を決定付ける貴重な追加点であった。
共に、複数得点&無失点で前節を勝利した者同士。その「勢い」に乗り、連勝を狙わないはずはなく、この一戦は、序盤からの積極的な攻撃と守備が繰り広げられるであろう事は、想像に難くない。お互いの順位に関係なく、よりチャレンジャー精神で臨み、先に先制点を奪ったほうが、その後の試合を有利に運ぶだろう。
2015年前期の優勝争いが佳境を迎えつつある中、12位と最下位の対戦カードなど、まず、見向きもされないだろう。また、前回ホームの浦和戦の反動もあるのか、チケットの売り上げもサッパリな状況だ。
だが、これから先、ユアスタに足を運んで貰える様になるためにも。そして、「本当にこれが、GWに5連敗を喫したチームなのか?」と全国に言わしめるためも、全力を出し切り、相手を圧倒して完勝を掴み取る必要がある。
甲府の「化学変化」を止めるため、仙台は、「先制点に繋がる攻撃、そして絶対的な堅守」を、持てる全エネルギーを放出して繰り出さねばならない。そこには、最終のミッドウィーク・ナビスコカップ山形戦への配慮など、一切無用だ。
リーグ戦あってのカップ戦だ。遠慮は要らない。目の前の敵を、全力で叩き伏せよう。勝つ事こそが、試合で受けた疲労回復の特効薬となる。
新緑の季節を迎え、初夏の様相さえ漂わせる気候の中、文字通り、アツい試合に期待したい。そして、最後に凱歌を轟かせるのは、絶対にホームのチームでありたい。
注目の一戦は、2015/05/23(土) 18:30、ユアスタにてキックオフ。予想されている日中の最高気温は、29℃にも達する。ナイトマッチとは言え、サポーターとしては、待ち時間からの水分補給も欠かせない。
そして、その摂取した水分が、私たちの体内で "沸騰" する。その瞬間こそ、仙台のゴールシーンと、そして、勝利を告げる試合終了のホイッスルが鳴り響く刹那だ。
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