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仙台1-1岐阜 機能不全の「堅守速攻」

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どこが「堅守速攻」なのだろう。
守っては、僅か前半5分で岐阜FW片桐に簡単にゴールを許し、攻めては、前線でボールが収まらずに相手のボールへの圧力に屈する展開の繰り返し。

堅守速攻が機能したのは、68分の平瀬の「速攻」ゴールのみで、これは確かに秀逸な、相手GKのニアを抜く技ありゴールではあったのだが、それ以外の場面では、オシャレなミスヒールパス、ボール保持できず簡単に失う、シュートに至っては、ゴールを決めた僅か1本のみ。

平瀬のゴールで負けずに済んだが、平瀬のために堅守速攻が機能しなかったとも言える内容であった。

 

むしろ、中島の方が、フィニッシュに良く絡み、ゴールへの期待度は高かった。4本ものシュートを打ちつつも残念ながらゴールは生まれず、73分に飛弾と交代し下がってしまったが、復調は決してブラフではないようだ。彼については、少し見方を変えたほうが良いかもしれない。

ゴール最優先が彼の絶対使命である事に間違いはないのだが、攻撃のピースとしては、十分に機能するように思える。むしろ、平瀬のほうが問題である。

ただ、今節のゴールで7を数え、確実に中島よりも「計算できる」選手になってしまっているため、思い切って外す事もできないのが現状。良くも悪くも、平瀬のチームになってしまっている感もある。

また、堅守速攻を貫くには、岡山不在の影響も否定できないだろう。若い一柳、本職ではない千葉の両CBは、前半5分で、その壁を崩されてしまった。セットプレーでの期待感も、岡山が居ないことで迫力に欠け、決定的なチャンスらしいチャンスは皆無であった。ロングフィードの精度を考えても、CBから前線への正確なボール送りは必要条件なのだが、ボランチが本職の千葉では距離が有りすぎ、また一柳は対人性に優れているものの、前線へのフィードへの期待は決して高くない。これでは、「堅守から速攻に繋ぐスピード」が落ちるのは明白だ。

湿度70%、気温24℃という環境下、今節ばかりは、堅守速攻はやらないほうが良かったようにも思われる。実際、先制を許した展開で、後半は点を取りにいかねばならない状況において、サイドからの攻めを有効に使い、いつものムービングサッカーに戻してからのほうが、よっぽど期待度は高かった。

もう一つの問題として、ベテランの疲れや戦術的な課題もある。例えば永井。

リザルトを見れば、チーム最多の5本ものシュートを打っており、一見好調なようにも思えるが、実はそうではない。ポジション的な関係からかミドルシュートが多かったが、そのシュートはほぼGK正面。勢いはあったのでファンブルしてくれる可能性はあったものの、見方を変えれば、「戦術的な選択+攻めあがる運動量に限界を感じ、結果としての安易なミドルシュート」という意味合いのほうが強い事に気が付く。

過去の試合で、敗戦したもののアウェイ福岡戦(5/25)では、33分にドリブル突破でPKを勝ち取っている。(これは中島が決めきれずだったが・・)ミドルシュートは決して悪い選択肢ではないのだが、連戦の疲れ・戦術的な理由により、このようなドリブル突破によるチャンスメークが、すっかり影を潜めてしまっている。

堅守速攻によって、過去の資産を活かしきれていない展開になってしまっているように思えて仕方がない。ただ、頼らざるを得ないベテランの疲労・夏場の暑さを考慮し、選択した戦術でもあるため、「不慣れな戦術の中、よく頑張っているほうである」と言わざるを得ない事も、また事実である。

途中投入された飛弾についてだが、終盤の厚みのある攻撃に確実に必要なピースとなっていた。惜しいシュートもあり、メンバー構成が許せば、今後も最低限、ベンチ入りさせたい。暑さが抜ければ、またいつものムービングサッカーに戻すはずなので、絶対に彼は必要な存在になる。梁と関口が好調なので、スタメンは難しいとは思うが、今後も期待したい。

全体を通じて、夏場の戦いにおいて、堅守速攻を選択した事自体、決して悪い選択ではない。しかし、それをやるなら、もっと思い切ったメンバー選定があっても良いのではないか?

例えば、平瀬。確かに7得点の実績があり、簡単には外せない存在ではあるが、あれだけ前線でボールを収めきれない・パスミスを繰り返すのでは、起用する意味合いに疑問を感じる。いつものムービングサッカーであれば、見方が常に近くにいるので、ボールを保持する時間も短くて済むし、パスの選択肢も増えるので、ミスをあまりしなくて済む。しかし、堅守速攻型の攻撃においては、より一層のスピード・正確性・ボールの保持性が求められる。前線でこれができないようでは、堅守速攻型の戦術を選択する事自体、本来、間違いである。

堅守速攻型にシフトした事により、負けなくなり、地道に勝ち点は取れている。しかし、攻撃に関するチャンスメークの意味で、以前よりもゴールが遠くなってしまっている。つまり「負けないサッカーが出来ているが、同時に、勝てないサッカーにもなってしまった」という事になる。

先日、河北サイトの「熱論!ベガルタ」でも書かせて頂いたが、堅守速攻という戦術は、選択肢を増やす意味でも必要である。しかし、今節のように、湿度・気温的にもムービングサッカーのほうが適していると判断できるような状況下の場合は、思い切って戦術をガラリと変える事も必要なのではないか?

「夏場=堅守速攻ありき」という、頭の固い考え方を捨てる必要もあると思う。今節、1点を追う展開で、飛弾を投入してからの攻撃の展開において、非常にゴールの臭いが漂っていた。あれを90分やれとは言わない。ただ、前半の最初から、あれを実践し、先制点を奪ったあとに「堅守速攻に切り替える」という選択肢もあったはずだ。前半勝負・後半逃げ切りの選択である。

8月の強敵との連戦を控え、「堅守速攻型戦術」の持つ効果と弊害を、もう一度考え直す時ではないだろうか。
現存メンバー・選択できる戦術を上手に使う事ができなければ、ナジソンや斉藤という期待度の高いピースが入ったところで、「宝の持ち腐れ」で終わってしまう。

改めて、夏場の定義をしてみたい。

「夏場=堅守速攻ありき」ではない。
「夏場=メンバー・戦術を含めた総力戦」である。その中の選択肢の一つとしての「堅守速攻戦術」なのであり、それが有効と判断した時に、適切と思えるメンバーで臨めば良し。逆に、効果薄と判断した時は、従来のムービングサッカーを、適切と思えるメンバーで臨むべきである。

その結果、平瀬が毎試合のようにスタメンを張るような事になるとは、絶対に思えない。もっと極端な事を言えば、絶好調の梁や関口でさえ、試合毎のスタメン構成の取捨選択の候補になるべきである。決して「偶には外せ」と言っているのではない。必要なら彼らの連戦も「有り」だろうが、それが前提では無い、という事である。

まずは、次節・アウェイ甲府戦で、どのようなメンバー構成・戦術を見せてくれるのか、楽しみである。

甲府戦について、現時点で一つだけ言える事は、付け焼刃的な現状の堅守速攻スタイルを安易に選択するようであれば、狭い領域で物凄いパス廻しをする、甲府の『クローズ』サッカーには、手も足も出ないという事である。




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