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雨中の激戦は、五輪で唯一のゴールを決めた豊田に、完璧なヘディングを決められて、悔しい、実に悔しい敗戦となった。
3クール制という特殊な年とは言え、山形に勝ち越しを許した年は、実に1999年以来である。しかも山形との勝ち点差は8にまで広がり、正直、自動昇格圏への望みは、限りなく赤に近い黄色となってしまった。
いったい、何が悪かったのか?
山形の引き気味の守備に対し、よくシュートは打てた方だ。だが、山形の守備ブロックによって、なかなかゴール枠内にボールを飛ばす事ができず、また、カウンターのチャンスを得て攻め込む際にも、せっかくのチャンスを、パスの出し先を探している間に山形に守備を整えられ、カウンターがカウンターでなくなってしまった。
いったい、何が悪かったのか?
山形の引き気味の守備に対し、よくシュートは打てた方だ。だが、山形の守備ブロックによって、なかなかゴール枠内にボールを飛ばす事ができず、また、カウンターのチャンスを得て攻め込む際にも、せっかくのチャンスを、パスの出し先を探している間に山形に守備を整えられ、カウンターがカウンターでなくなってしまった。
中島-ナジソンの、前半の動きは決して悪くはなかった。スリッピーなピッチだった事を差し引いても、及第点は付けられるだろう。(敢えて、合格点とは言わない)特に中島は、前半38分の幻のゴール(オフサイドの判定)を決めた際のヘディングは、不調時には無かった動きだっただけに、認めてほしかったところだ。非常に微妙なタイミングだったため、線審によってはゴールを認めていただろう。
しかし、試合を決めたのは、やはりこの男。北京帰りの豊田陽平。戦前のプレビューで「仙台に勝ちたいなら、スタメンで使うべき。せめてサブに」と書かせて頂いたが、書かなければよかった。私の記載が言霊になったしまった感もあり、正直、決められた瞬間は「やっぱり・・・」と思ったしまったほどだ。
乗っている選手を、更に波に乗せてはいけない。改めてそう思った。
そして、失点のシーンを振り返ると、こちらもやはり、心配が当たってしまった。センターバック・千葉の動きである。
相手があの豊田だったとは言え、100%ニアを狙っていた豊田に競り勝てなかった。それどころか、GK林にカブってしまい、むしろゴールへの軌道を確保してしまったくらいである。センターバックとしての仕事なら、あれは100%、豊田に競り勝ってボールを跳ね返さなくてはならない。
あそこが「岡山の高さ」であれば、間違いなく競り勝っていた。何の怖さもないクロスで終わっていたはずだ。
しかし、ボランチが本職の千葉に、それを強いるのも酷というものだ。では、何が悪かったのか?
答えは単純である。せっかくここまで我慢して起用し続け、ようやく安定しててきた一柳を、スタメンから外した事である。せめて、豊田が入ってきた時点で、一柳を投入し、ゴール前の高さを確保しておくべきだった。
「攻めて勝つ」という以前に、相手の戦術(この場合は豊田の投入)に対するケアを怠った、コーチ陣のミスである。得点力不足で悩む昨今、1失点に対するケアは、言うなれば「1点を取ることと同義」である。北京帰りの豊田を、怖いとは思わなかったのか?過去の千葉のセンターバック起用で、幾度と無く「被決定機の起点」になっていたことを思えば、千葉を下げて、一柳を投入するべきだった。岡山ほどではないにしろ、やはり本職とそうでない者の違いは、こういうシーンで顕わになる。今後、「岡山欠場→千葉を起用」という選択肢は、もう見たくない。千葉をセンターバックで起用するのは、負傷交代などの緊急時にのみにするべきであり、スタメンで起用する事には、筆者は断じて反対である。
また、攻撃に関して言えば、前半のシュート10本は、概ね評価できる内容であった。ちょっとオーバーワーク気味の感はあったが、前半から積極的に仕掛けていく戦術は、決して悪い選択ではなかったと思う。
前半のシュート10本を、全てVTRで確認してみた。序盤はミドルでリズムを掴み、徐々にゴール前へボールを運んでチャンスを伺う展開に。記録では10本だったが、シュート性のものを入れると、全部で12本。これまでのベガルタには、なかなか見られなかった積極性だ。
しかし、本数は撃ったが、相手のブロックに阻まれたり、精度を欠いたりして、尽く得点に至らなかった。
また、気になる点は、サイドをえぐってのマイナス性のクロスが皆無に近かったことだ。これは、中島-ナジソンの高さが無い点を考慮し、サイドからのクロス勝負というよりは、中央でのスピード勝負を選択した結果だろう。
後半は流石に足が止まり、得点の臭いは徐々に失われ、そして我慢を重ねた山形の豊田に決められ、万事休す。失点した時間帯を考えても、2点を跳ね返す力は、もうベガルタには残っていなかった。
岡山がいれば、豊田の得点を防げた可能性が高い事や、中島のゴールが認められなかった事など、様々な事象が重なり、結果としては残念なものになった。
この試合、見方としては、「前半から勝負に行った仙台に対し、その前半は我慢して様子見をし、後半勝負だった山形」と言えるだろう。2日も非公開練習を敢行し、戦術的な情報を相手に与えなかった事が、前半の猛攻に繋がったと思われる。それはそれで良かったとは思うが、それであるならば、是が非でも前半に得点を挙げなければならなかった。それが叶わなかった結果、後半は山形にゲームをコントロールされ、残念な失点に繋がった。
これで、6戦勝ち無し。ナジソン加入の効果は出ていると思うが、もういい加減結果を出さないと、非常にまずい状況になってきた。そこで、山形も含め、今後の展開を予測してみよう。
まず、山形。3連敗のあとを、4連勝とし、再び上昇気流に乗った感がある。
しかし、敢えて言おう。山形は、今が「ピーク」であると。仙台との勝ち点差を8とし、暫定ながら3位・鳥栖との勝ち点差も7となった今、山形を襲う強敵が現れる。それは、「昇格のプレッシャー」である。言い方を変えれば、山形自身が、最大の強敵である。
山形は、「このまま、このまま、、、」と考えているだろう。長年のライバル・仙台に勝ち越しを決めたことで、昇格を強く意識したに違いない。
だが、山形がリーグ終盤に向けて、昇格争いをした経験は殆ど無い。2001年の仙台との終盤の競り合いくらいであろうか。また、現在の主力メンバーの一部に、昇格を経験した選手も居ることはいるが、それらの選手は、個人として昇格を経験しているだけで、山形というチーム全体でそれを共有できている訳ではない。昇格請負人を擁するだけで昇格できるなら、仙台は昨年、昇格できている。
ここから先は、小林監督も一番悩むはずだ。「昇格のプレッシャーの克服」というものは、監督自身が選手に教えようと思っても、なかなか伝わるものではない。ポジショニングや戦術など、目に見えるものは教える事ができても、心構えの問題は、カウンセラー・セラピスト級の経験がなければ、簡単に教えられるものではない。
言い方を変えれば、山形は、ここから「如何に100%の実力を出し続けられるか」という問題になる。悔しいが、今の山形には、間違いなく、それ相応の実力がある。しかし、それを、これまで通り発揮できるのかと言うと、それはまた別な問題である。
山形は、絶対に落ちてくる。例年の最終順位を見ても、山形に昇格争いのプレッシャーを跳ね除けるだけの経験と気概があるとは思えない。こういう事を言われるのが悔しかったら、それを跳ね除け、ここから先、6連勝・7連勝を達成して見せて欲しい。
そして、我らが仙台。
残された試合数は少ないが、ここで焦ってはならない。まず、目線を現実的な路線に切り替え、3位を確保する事に専念したい。
幸い、3位ならまだ十分に狙える位置にいる。しかし、3位争いのライバルは多い。これ以上勝利を逃すようなら、3位どころか、8位・9位まで落ちる可能性もある。
3位を確実にする試合をしつつ、2位・山形が落ちてくる事を我慢して待つしかない。例年通りの「他力本願」ではあるが、今となっては、致し方ない。
そのためには、今後、そうすればよいのか?
それに対し、筆者から提案したい事は、「ゴール前での競り合いの力をもっと付ける事」である。具体的には、練習からシュート練習には相手守備を付け、常に「相手を意識しながらシュートを撃つ」という意識をもっと高める必要がある、という事である。
今から、大きな戦術変更はもう無理である。また、監督の交代などしようものなら、そこから戦術の変更を強いられ、更に昇格が遠のく。今、出来る事は、「今まで信じて来たものを疑う事なく、突き詰めるしかない」という事である。
ただ、信じてきたものに対する見直しは必要だ。ここまで6戦、勝利できていない理由を、もっと深く分析するべきだ。全体的に、極端に出来が悪い訳ではない。ただ、最後のゴール前での精度であったり、後半のベンチワークであったり、もっと「的を得た練習・戦い方」をしなければならないはずだ。
考えろ、考えろ。山形の小林監督は、直前の我々の練習情報をスカウティングできず、最後まで悩みぬいたはずだ。そして、結果を出した。
今度は、こちらの番だ。
まずは、徳島を全力で倒す事に集中しなければならない。この戦いにおいて、現在の順位・勝ち点は関係ない。「まず1勝」。これに尽きる。
相手は、既に19敗もしている、ダントツの最下位のチームだ。だが、少しでも準備や心にスキがあると、絶対にそこを突かれてしまう。ある意味、仙台にとっての、現時点での最大の難敵である。先ほどの山形に対する「昇格のプレッシャー」に類似した、仙台にとって、非常に「勝利へのプレッシャー」のかかる、大事な試合となる。だが、ここを突破できなければ、それこそ「昇格の目」は潰れてしまう。
今節の試合を以って、今季の東北ダービーは幕を閉じた。ここから先は、お互い、別々な相手との戦いとなるが、山形は総じて「昇格へのプレッシャー」との戦いであり、仙台は総じて「1勝を挙げるためのプレッシャー」との戦いとある。
まだ、何も決まった訳ではない。「諦めるにはまだ早い」という表現すら、まだ使うべきではないだろう。
残されたチャンスを、掴むも話すも、自分たち次第だ。
願わくば、来季、J1の舞台で「東北ダービー」が開催されんことを。しかし、それはお互いがまず、自分たちの乗り越えるべき壁・倒すべき相手に負けず、力を発揮し続ける事が絶対条件である。
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