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FC東京2-1仙台 結果は敗戦も、内容では勝った。 しかも「あの人」のお墨付き!

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今季、ここまで「満ち足りた敗戦」が、あっただろうか-。

結果は、1-2敗戦。敵地・味スタで平山に2ゴールを決められるというものだったが、内容を見ると、実際に手応えを掴んだのは、仙台のほうだったようだ。

この試合、TV放送がなかったため、筆者は直接試合を見ていない。このため、レポートの内容は、現地観戦された55氏のコメントをソースの大部分として採用させて頂く事にした。この場を借りて、55氏には感謝申し上げたい。

試合前、FC東京サポーターによる、宮沢コールが沸き起こる。敵として味スタに凱旋した格好ではあったが、FC東京サポーターは暖かかった。恐らく、宮沢は感涙の想いだった事だろう。

奇しくも、前回の天皇杯3回戦では、仙台サポーターが、敵として凱旋した藤吉に、同様の暖かいコールを贈った。年月は経っていても、サポーターは在籍選手の活躍を忘れていない。選手冥利に尽きる瞬間である。

この試合に臨む、お互いのメンバー構成について。こちらは、今季先発のなかった宮沢を含め、概ね1.5軍。梁・平瀬・ナジソン・斉藤・木谷・岡山を温存するも、関口・中島・中原・千葉・林といった今季スタメン級を織り交ぜ、控えには佐藤由紀彦・田中・西山・飛弾といった「飛び道具」を揃える布陣。久々のスタメン出場となった渡辺広大も、宮沢のメディア露出に隠れてしまったが、アピールの場としては絶好の機会であり、闘志は宮沢のそれに負けず劣らずだったと思われる。

対する、FC東京。赤嶺・鈴木達也といったFWの面々こそサブに置くも、平山・カボレ・石川・梶山・徳永・長友、羽生、そして今野と言った、いつものJ1で目にする面子のオンパレード。そう、FC東京は、まさしく「ガチメンバー」でこの一戦に臨んできたのだ。

J1の1軍 vs J2の1.5軍。

通常、このようなマッチアップを聞かされた時、大概は「J1の1軍有利」と思案するだろう。しかし、それを覆すアップセットに期待する人は少なくない。毎年、この時期に行われる天皇杯では、しばしば、このアップセットが話題になる事が多い。

かくして、J1・FC東京 vs J2・ベガルタ仙台の一戦も、内容ではそれを体現するに至る、殊勲の一戦だったように思われる。

試合リザルトによると、得点は、前半19分と後半44分(ロスタイム)の平山、そして後半27分の中原の3ゴール。だがこの試合、見所はゴールシーン以外にも盛りだくさんだったようだ。

メンバー構成こそ違うも、広島戦を想定し、予想通り3ボランチを敷いた仙台。富田-永井-宮沢を列べ、ブ厚い守備でボールを奪って前線トップ下の関口にボールを納める戦術は、これが見事に嵌った。キレキレ関口のドリブル突破から生まれるチャンス。前半16分に自らのドリブルでゴール正面に持ち込み、ゴール右隅を狙ったシュートは惜しくも枠外。映像で確認できたのはこのシーンだけだが、おそらく同様に、FC東京の守備陣をズタズタに切り裂く場面は何度もあった事だろう。

守備面でも、渡辺広大の体を張った守備や、富田のボールキープで主導権をFC東京に渡し切らず、むしろ仙台優勢の状況で前半を推移した様子だった。

前半の失点シーンも、FC東京MF梶山のシュートのバー直撃が真上に跳ね上がり、それを真下にいた平山に胸で押し込まれてのアンラッキーなもの。相手はJ1、やはりポジションニングは秀逸なものがあった。

迎えた後半。前半の流れをそのまま後半にも持ち込み、3ボランチの一角から、決定的なチャンスが生まれる。ハーフウェーライン付近に居た富田からの、正確なくさびのロングパスが、そのまま前線の中島に通る。中島とGKとの一対一は、惜しくもGKに阻まれたが、スルーパスのお手本のような富田のプレーに、彼の能力の高さを感じた。富田は入団当初、都並監督(当時)の意向により左SBを任されていたが、このポジションで開花する事はなかった。彼は本来ボランチであり、やはりこのポジションでこそ才能が開花すると思っていたが、このプレー一つを取ってみても、その花片が既に開き始めていると言って過言はないだろう。

そして、先制されながらも試合を優位に運ぶ仙台に、とうとう「その時」が訪れる。

後半27分、関口がドリブルで前線に持ち込みながら、交代で投入された田中の足下へドンピシャリのパスが通る。だが体制が悪く、結果的に田中の右足内側にあたったボールは後方に跳ね返り、FC東京守備陣の目の前へ。だが相手がこれに反応し切れなかったところへ、走り込んできた中原がボールを掻っ攫い、そのままシュート。ボールはGKの手をあざ笑うかのようにすり抜け、ゴール右隅にきれいに決まる。1-1同点!おそらくこの瞬間、仙台サポーターのボルテージは、頂点に達していた事だろう。

後半ロスタイム、平山にこの日2点目を決められ、残念ながらこの試合は敗戦となった。だが、この失点シーンも、FC東京はペナルティエリア内に飛んできたボールを、FC東京の選手がダメもとで高く足を上げて触ったボールが、運悪く平山の目の前に落ち、これを難なく決められたものであり、筆者の想像からすれば、FC東京の攻撃陣に、実力で崩されての失点には見えなかった。

結果は敗戦となったが、試合を現地にて終始観戦された55氏によれば、正直、このメンバーでここまで善戦するとは思わなかった、との事。期待された宮沢も、終始安定した動きをみせたようで、このままなら、おそらく広島戦は「永井-斉藤-宮沢」の3ボランチ構成となるのではないだろうか。

試合後、55氏から寄せられたコメントによると、「負けはしたが、弱者のサッカーをしたのではなく、ベガルタのサッカーを貫いて戦えたのは大きかった。梁が居れば勝っていたかもしれない。相当な戦力の底上げになった事は間違いない」というもの。如何に有意義な内容だったかが、このコメントからも伺える。

惜しむらくは、中島に得点が生まれなかった事か。だが裏を取る動きは相変わらず秀逸で、決定機を作り上げる能力は、やはりフォワードとしての嗅覚が成し得るもの。内容としては合格点と言えるだろう。中島に限らず、決定力不足はどのチーム(日本代表含む)も抱える永遠の課題であり、そう簡単に解決するものではない。

かくして、90分での敗戦となり、仙台としては、これで天皇杯の戦いは今季終了となった。

しかし、延長戦で選手が消耗するのを避けられた事や、広島戦を控え、J1相手に「1.5軍」でかなりの手応えを掴み取った状況に、この試合で勝利する事以上の「大事なもの」をきちんと持ち帰ってこれる事ができた事は大きい。

そして、最後に「ご褒美」が-。

この試合を、前・日本代表監督であるイビチャ・オシム氏が観戦。日本における、人もボールも動くサッカーの提唱者自ら、「どちらがJ1のチームか判らない。内容なら仙台の勝利で、彼らに勝たしてやりたかった」と試合後にコメントを発表してくれた。

何より、このコメントには勇気付けられた。このコメントを、FC東京の関係者はどう受け止めただろうか。結果こそ勝利を掴み、天皇杯の次のステップへ進める事ができたものの、決して勝った気はしていないだろう。

オシム氏が、特定のチームを誉めるコメントを出す事は滅多にない。もっとも、彼の理想とするサッカーにはほど遠いだろうが、それでも彼から好感触なコメントを引き出せたという事実に変わりはなく、この試合の実質の勝者は、ベガルタ仙台であると言って、過言はないだろう。

広島戦を控える状況下において、これ以上の「ご褒美」は存在しない。見方を変えれば、下手に天皇杯5回戦に勝ち進み、一発退場によるリーグ戦への影響や、主力選手の疲労の問題で頭を悩ませるよりは、よっぽど状況としては都合が良い。天皇杯はJ1勢と広島に任せて、我々は来季昇格に向けてまい進しよう。

満を、持して。いざ、広島戦へ-。

 




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