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振り返れば、今季開幕のアウェイ湘南戦を黒星でスタートし、前途多難に思われた仙台。だが、例年にも増して星の潰し合いが目立ち、極端に順位を落とす事もなく、ここまで推移してきた。
17勝16分け8敗。敗け数こそ少ないものの、勝ち数では昇格争いのライバルには1歩も2歩も遅れをとり、本来なら既に脱落していてもおかしくない成績である。
だが、今年の特徴とも言える「引き分けの多さ」。地道に積み重ねてきた勝ち点1によって、辛くも3位をキープしている。
このような形で上位を維持できる事は極めて稀な事であり、例年なら、どこか勢いのあるチームに抜き去られていてもおかしくない。つまり、現在3位に居られるのは、ある意味「他力」であると言える。
一方、前々節の横浜FC戦のように、試合終了間際の土壇場で追いつき、勝ち点1を拾った試合もある。他力の中にも、その他力を有効利用するための勝ち点1を自力で積み重ねてきた結果が、現在の3位という位置に繋がっているのだろう。
既に広島が1位で抜け、前節は山形も2位を確定させ、残るは3位の入れ替え戦の切符だけとなった。
この状況を受け、残りを「3戦」と考えたいところであるが、まずは目の前の1戦に勝たねば、入れ替え戦の切符はまず手にできない。万が一、引き分け以下であっても、C大阪と湘南の状況によっては3位が確定するが、勝利こそが、残された切符を手にする条件であると、シンプルに考えよう。
11月を振り返れば、天皇杯も含め、1勝もできなかった。最後に勝った試合は、10月26日、アウェイC大阪戦。あの大逆転勝利で運を使い果たしたのか、その後の11月の3戦で勝ち点を大きく伸ばす事は叶わなかった。
それでも、ラスト1戦を残し、自力で3位を確定できる状況で最終戦を迎えられるのは、実に2005年以来である。(この時は、福岡戦を引き分けてしまい、甲府に抜かれて入れ替え戦の切符を寸前で逃している)
J2降格後、毎年のように4位以下でフィニッシュし、自動昇格どころか、入れ替え戦の切符すら尽く手に出来なかった仙台。入れ替え戦は今年で最後であるため、歴史に名を残すためにも、是非とも3位を確定させ、入れ替え戦に進出したい。
そんな大事な一戦を控えるチームに、今週は色々と激震や苦悩が待ち受けていた。
GKシュナイダー・DF岡山を初め、6選手の戦力外が発表。クラブは当初、入れ替え戦後の15日に通達と考えていたが、選手会の強い要望により、規定通り11月末での通告となった。その中には、選手会長・磯崎の名前もあり、残り試合に向けてのモチベーションに少なからずも影響はあるだろう。だが、プロである以上、それを受け止めてなお、必要とあらばピッチ上で戦って欲しい。仙台というチームの昇格を決め、「実績」を以て快く送り出したい。そう、切に願っている。
そして、ここへきて負傷者・病人が続出。鳥栖戦で前半7分で退いた永井が全治3~4週間と診断された事に加え、今週の練習では、田村がインフルエンザで練習を回避中。木谷が右足の痛みで一時的に別メニューとなり、更に紅白戦で一柳が接触プレーで途中交代など、守備陣を中心に不安材料が頻出。
唯一の救いは、第一子が誕生した渡辺広大が好調を維持しており、草津戦のCBは、広大を軸にして相方を捜す事になりそうである。恐らくは木谷だろうが、状況によっては、不調気味だが岡山の投入もあるかもしれない。
少なくとも、千葉のCB起用だけは避けて欲しいところである。
想定される布陣は、4-4-2。4-3-3-の継続でも良いかもしれないが、今季リーグ戦の集大成となるこの一戦では、あくまでも仙台の基本布陣である4-4-2で臨む様相。筆者も、それで良いと思っている。
気になるメンバーは、GK林、DF菅井・木谷・広大・磯崎、DMF千葉・斉藤、OMF梁・関口、FW平瀬・中島となるだろう。控えには、恐らくGK萩原、DMF富田、FW中原と、ここにFWナジソンが絡むか。木谷の足の状況によっては、バックアップで岡山が入るかもしれない。
今季の、ほぼベストメンバーであり、リーグ戦の最後を戦うに相応しい顔触れである。惜しむらくは、田村を欠く事になりそうな部分だけか。もし田村がギリギリで間に合いそうなのであれば、怪我をしている訳ではないため、ベンチに入れておいても良いかもしれない。
今節の対戦相手となる草津は、現在、3連敗中。上位陣との対戦が続いたとはいえ、3試合で11失点はあまりにも多すぎる。決して好調とは言えない相手で、仙台有利な空気が漂って無くはない。だが、相手チームの監督は、今季で退任する、策士・植木監督である。守備が崩壊中だからと言って、決して、守備一辺倒で守りに入る事はしないだろう。
怖い存在は、3連敗の中においても、その3戦で3発を決めているFW都倉。レンタル元の川崎Fから戦力外通告を受けているため、自身の来季の居場所確保のためにも、死に物狂いで襲いかかってくると思われる。前節のC大阪戦でこそチームは無得点に終わったが、前々節の広島戦ではアウェイながら、都倉はあの広島から2得点を奪い、試合終盤を3-2で、広島をあと一歩のところまで追い詰めた。後半ロスタイム間際に2発を喰らい、3-4で逆転撃沈したものの、草津は一時期、昇格争いに加わらんとするばかりの勢いで上位を脅かす存在だっただけに、決して侮れない相手である事は確かだ。
この試合、一番大事なのは、今季の仙台のカラーをきちんと出して試合ができるかという事である。勝利という結果は、やるべき事をやったチームに対しては自ずと付いてくるものであり、そこへ向けたプロセスを大事にするチームこそ、入れ替え戦に進む権利を手にできるものと信じている。
過去2戦を振り返れば、横浜FC戦・鳥栖戦と、終始相手のペースに翻弄されっぱなしであった。特に横浜FC戦は、前半の10分間を自分たちのペースで試合出来ていたにも関わらず、一瞬の隙を突かれ、僅か12分で先制点を許し、そこから少々歯車が噛み合わなくなってしまった。引き分けにこそ持ち込んだが、敗戦でもおかしくない内容だった。
その反省も活きずに、鳥栖戦では1-4大敗。実質、2連敗な内容であった。
それを踏まえて、守備面には修正が必要であるが、それは決して難しい事ではない。
守備と攻撃のバランス。それに尽きる。仙台の悪いところは、守備に翻弄され過ぎて猛攻を受け続けてしまったり、攻撃的に前がかりになり過ぎて簡単に裏を取られてしまったりと、あまりにも安易なミスから失点に繋がるケースが多い。それは取りも直さず、守備と攻撃のバランスを崩している事に他ならない。
最近、梁のシュートが鳴りを潜めている事に気が付いている方も多いだろう。得点以前に、梁がフィニッシュにまで持ち込む事が少なくなってきている。それは、OMFの梁が守備に翻弄されてしまっているためである事が要因として大きいのではないか。いくら「全員守備」とは言え、チーム得点王の梁が守備に下がってしまっているのでは、相手に与える脅威は小さくなってしまう。相手もさぞ楽だった事だろう。梁が前線で機能するからこそ、そこをケアする相手守備陣を引き寄せられる訳で、それが引いては相手の攻撃の厚みと枚数を減らす要因に繋がるはずだ。
また、鳥栖戦の反省から、決して「出足」で負けてはならない事も学習した。鳥栖は、こちらがボールを保持している選手に、ほぼ2名以上で組織的にプレッシャーを掛けてきた。こちらが最終ラインで廻して様子をみようとしても、お構いなく襲いかかってきた。自分たちのペースで試合を組み立てるどころか、すっかり相手のペースに嵌ってしまっていたのである。鳥栖は、若い選手が多い分、テクニカルな面よりもフィジカルな面を重要視するチーム。前線からのハイプレスでこちらのミスを誘い、奪ったボールをシンプルに藤田に預けて得点を狙う。運動量を必要とする戦術だが、嵌ればJ1チームでも手こずる。鳥栖は、これを一貫して徹底させているからこそ、天皇杯でベスト8に残っているのである。
今節、草津が、鳥栖並の運動量で襲いかかってこないとは限らない。相手も今季最終戦。仙台の入れ替え戦の可能性や、鳥栖の天皇杯と違い、この試合が名実共に今季の最終戦である。今季、一度も3連敗を味わったことの無かったチームが、現在初めて3連敗しているのである。最後の試合くらいは、勝利で飾って来季に繋げたいという想いで乗り込んでくるに違いない。過去、一度も敗戦を喫したことがない相手とは言え、相手も必死で来る。こちらとしては、それに呑まれる訳には行かないのだ。
お互い、3戦未勝利で臨む、今季最終戦。
仙台としては、この試合を、是非とも「J2リーグ最終戦」とし、入れ替え戦を経てJ1へ辿り着きたい。胸を張ってJ1への挑戦権を得るためにも、今季のリーグ戦を良い結果で締めくくるためにも、そして、退団する6名の選手やクラブスタッフのためにも。
色々なものを背負って、この試合に臨まなければならない。
果たして今節、このクラブを待ち受けているものは、いったいどんな結果なのだろうか。
それをどう導くのも、ベガルタ仙台というチームを愛して止まない、私たちサポーターの熱意一つに掛かっている。
予想される入場者数は、既に18,000枚を突破しているチケット販売状況からも、今季最高の数字となる可能性が高い。入れ替え戦に出られるかどうかの瀬戸際であるチームを鼓舞し、一緒に挑戦権を得るために戦う同志たちが、こぞって足を運んでくる。
チームのほうも、今季初のホーム戦前泊で、万全の準備を整えている様子。
さぁ、準備は整った。予報では「曇りのち雪」などという、寒波に見舞われそうな天候ではあるが、ユアスタだけは熱気に包まれるに違いない。
J1への扉を開けるため、一人でも多くのサポーターの熱意が欲しい。
このプレビューを読んで頂いている貴方も、既にその「当事者」である。東北放送での中継こそあるが、貴方のご来場なくして、チームの勝利は考えられない。
一緒に、J1への扉を開けようではないか-。
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