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初冬の仙台に「祭り」がやってくる-。
J1J2入れ替え戦。今季、苦しみながらも掴んだ、この大一番。既にチケットは、第一戦・第二戦共に SOLDOUT となり、「舞台の開演」を、刻・一刻と待ちわびている。
演台に登る「敵方役」は、あのジュビロ磐田。GK川口、FW中山を擁する、言わずと知れた名門中の名門チームである。
最高の相手を迎えて、仙台は、J2降格後、5年の刻を埋めるための闘いに挑む。
2004年度から始まった、この入れ替え戦制度も、今年が最後。来季はJ2のチームが増加される事に伴い、J1の下位3チームと、J2の上位3チームが自動入れ替えとなるため、リーグ戦が終了してなお昇格の可能性を残す状況は、もう将来的には来ないかもしれない。
そういう意味も含めて、全国から、本当に全国から注目されるこの2試合。いったい、どんな闘いが繰り広げられるのだろうか。
草津戦の興奮から、僅か3日。チームは既に、明日の第一戦に向けての準備を進めているが、平瀬を始めとする、一部選手に、インフルエンザの猛威が降りかかっている様相。この期に及んで、更にチームを襲う試練にはただただ困窮させられるばかりだが、この程度の事で昇格を逃すのなら、恐らくとうの昔に3位すら可能性を失っていただろう。
ここで一つ、J1のあるチームの残留争いのエピソードを紹介したい。
そのチームとは、ジェフユナイテッド千葉。エピソードの主は、三木社長。
最終戦のFC東京戦を前に、三木社長は、こんな事を言っていたそうだ。
「落ちるチームなら、清水戦の負けでとっくに落ちている。この状況でも可能性があるという事は、何かを起こせということ-」
そして千葉は、これを見事にやってのける。2点のビハインドを負って迎えた80分から、怒濤の4得点。直上の東京V・磐田を勝ち点1差で抜き去り、見事に自動残留を勝ち取った。
普通なら、あり得ない。しかし、最後まで残留を諦めなかったチームが、最後の最後に呼び込んだ自力残留。おそらくこの「奇跡」とも呼べる出来事は、今後も千葉の歴史の語り草として、サポーターの間で語り継がれる事だろう。
話を戻そう。
先ほど、平瀬を始めとする一部選手にインフルエンザの猛威が降りかかった話をしたが、今日の夕方のニュースを見る限りでは、平瀬はなんとか復帰した模様。他の選手も概ね復調したらしく、J1ルールで7名のベンチ入りができるこの対戦では、どんな顔触れがベンチに入るのか、非常に愉しみである。
この試合、個人的には、スピード重視と考えている。具体的には、「前線からのプレッシング」だ。
今週開催の「熱論!ベガルタ」でも書かせて頂いたが、磐田を攻略するには、J2仕様の代名詞とも言える「前線からのハイプレス」をぶつけるべきだと考えている。そう、とにかく、相手にペースを握らせないために、ボールを持っている相手を執拗にチェイスし、主導権を常にこちらで握り続けるサッカーである。
もちろん、この戦術は、相当な運動量を伴う。下手をすれば、後半に足が止まり、相手の思う壺になる可能性もある。しかし、リーグ戦と違い、入れ替え戦は僅か2戦の「短期決戦」である。しかも、第一戦はホーム開催。ここで一気に決着を付けるつもりで臨むくらいの、覚悟と気概が必要になると思っている。
しかしながら、今季の仙台の特徴である「もっとボールも人も動くサッカー」も、当然忘れてはいけない。草津戦では、後半の開始早々から関口のゴールが生まれるまでの約20分間、草津のペースで試合は進んだ。相手がハーフタイムで落ち着きを取り戻し、草津が自分たちのサッカーを思い出した直後の時間帯であった。あの時間帯だけは、非常に肝を冷やした。
だが仙台は、落ち着いて、その裏と隙をしっかりと突き、梁から関口への見事なピンポイントパスを結果に繋げてみせた。梁の落ち着いたパス、関口の落ち着いたトラップと相手DFのかわし、そしてシュート。ボールも人も、全てが連動した結果のゴールだった。
そう、仙台は「やれはできる子」なのである。
今季、どれだけのピンチを凌いできた事だろう。どんな時でも、焦れずに自分たちのサッカーを見失わず、不調のどん底の夏場でも、大きな戦術転換は行わず(夏場仕様のサッカーで7戦勝ち無しの経験をした時が、最大の落ち込みだったが)、涼しくなると、ほぼ時期を同じくして、2度目の4連勝を達成した。
主力の選手がケガで長期離脱した際も、出場停止で布陣変更を余儀なくされた時も、工夫して、3ボランチという新オプションを開発しながら、今季を戦い抜いてきた。
その経験と自信を、この一戦でぶつけなくて、どこでぶつけるというのだろうか。
思う存分、闘って欲しい。
勝てばリーチ、しかし負ければ崖っぷちの一戦だが、この試合はむしろ、選手たちに磐田との対戦を愉しんで貰いたいと思っている。
片や、J1への復帰を強く願望するチーム。片や、J1への残留を使命として課せられたチーム。
共に、違うプレッシャーを背負って闘う事になるだろう。しかし、こういう展開だからこそ、いつもの自分たちのサッカーを、伸び伸びとやれたほうが、集中した、良いサッカーをする事ができるのではないだろうか。
「勝たなければ」という強い思いが、逆に、自らのプレッシャーを増大させ、マイナスの方向にベクトルを向けてしまう事もある。それならばいっそ、状況を愉しみ、相手の胸を借りるくらいの気持ちで、いつものサッカーを体現してくれれば、それこそが相手に与える最大のプレッシャーとなるのではないか。
入れ替え戦という大会の特徴上、アウエーゴールルールを無視して臨む事はできない。よって、1戦目のホームでは、失点への配慮が最大限重要な要素となる。
しかし、それよりももっと大事な事がある。
今季、チームがサポーターと分かち合ってきた労苦は、決して小さくないものだ。だが、だからこそ、今季最後の大会となるこのプレーオフを、お互い、愉しむべきなのではないだろうか。
相手は、あのジュビロ磐田。相手に不足は無い。昨年移籍していった萬代がいるが、事ここに至っては、萬代が居る・居ないはもう関係がないのだ。
はっきり言って、この試合は「祭り」である。
今季、培ってきた実力を最大限に発揮するためには、下手にプレッシャーなどに潰されないよう、伸び伸びと状況を愉しむくらいの気持ちで臨むべきである。そしてそれを、サポーターも一緒になって愉しむのだ。
きっと、相手は面食らうだろう。
「どうしてこんなに仙台は、伸び伸びと動けるのだ!?こいつらには、プレッシャーというものは無いのか!?」と言わしめんばかりに、驚く事だろう。
相手は、名門中の名門だ。しかし、それを言えば、東京Vが2度目の降格を喫したのは何故なのだ?答えは簡単だ。それは、例え名門であっても、チームが目指す目標を、途中で諦める事なく、最後まで続ける事の大切さを忘れたからに他ならない。
J1の残留争いをしているチームは、とにかく降格だけは免れたくて、監督をコロコロと変えたり、不釣り合いな外国籍選手を無理矢理加入させたり、いきなり戦術を変えてみたりと、何を信じて良いのか判らないような迷走ぶりを見せる事がある。
ジュビロ磐田も、残念ながら、そういった混迷の中に囚われたチームの一つなのだ。
あのチームが「名門」と言われたのは、もう過去の事だ。今は、その過去の幻影にすがっているに過ぎない。
その証拠として、いきなりオフト監督を招聘した事があげられる。オフト監督のやりたいサッカーができる状態のチームでは無かったにも関わらず、である。
そしてチームは、オフト監督の目指したい方向とは全くの真逆の道を歩んできた。噛み合わない連携。偏重気味の選手起用、そして出ない結果。
焦りが焦りを生み、とうとう、入れ替え戦進出となる16位まで落ちてきた。
そんなチームの状況と、私たちのチームの状況を比較すれば、どちらが有利なのかは、目に見えている。
ここまでくれば、あとは、どちらが「持っている実力を発揮し切れるか」に掛かっている。
それを最大限に活かすために、敢えて、この状況を「祭り」と捉え、サポーターも含めた皆で愉しみ、伸び伸びとしたプレーに期待したいのである。
愉しもう。この状況を。
選手は、力の続く限り走ろう。
サポーターは、声が枯れるまで唄おう。
そして、ここで今一度、思い出そうではないか。
ユアテックスタジアム仙台は、私たちの「劇場」である事を。
今季、最高の舞台を、私たちの手と、足と、声で、光り輝くJ1の階段へと、昇華しようではないか。
夢の舞台が、私たちを待っている。さあ行こう、私たちの「劇場」へ-。
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