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これが、リーグ終盤に昇格争いをしているチームが受ける「プレッシャー」というものなのか。
迎えた第44節、アウェイ鳥栖戦。終わってみれば、1得点・4失点の大敗。その裏では、山形が自力でJ1昇格を決め、敵地にて歓喜の渦に包まれていたが、自らの勝利を逃した今となっては、昇格争いのライバルの結果などを気にする事に、何の意味もない。
この試合、全てにおいて、仙台よりも、鳥栖のほうが1枚上手であった。仙台は、前半7分の永井の想定外の負傷交代というアクシデントこそあったものの、それを修正できぬ間に、前半のうちに3失点を喰らい、3-1で2点のビハインドを負ったまま、ハーフタイムを迎える事に。
だが、41節のセレッソ大阪戦で見せたような大逆転劇を、この試合でお目にかかる事はなかった。
3ボランチで臨んだはずの布陣を、僅か前半7分での中島との交代で4-4-2に戻し、鳥栖の布陣と「がぶり4つ」になってしまった。望んだ状況ではない。しかし、案の定、鳥栖の前線からのハイプレスに手を焼き、なかなかボールを前に運べない展開が続く。それでも中島が気を吐き、周囲との連携で、こぼれ球を押し込んで1点を返す。更に、オフサイドの判定には泣いたものの、得点の直後の、幻の2点目の「起点」となるシュートを撃ったプレーには、残された充分な時間での中島の活躍に、まだ期待を寄せた人は多かったと思う。
※参考までに、中島がシュートを撃った時点で、GKのこぼれ球を押し込んだ梁が居た位置は、残念ながら僅かにオフサイドと宣告されても仕方のない位置であった。線審によっては、オフサイドをとらず、得点を認めていた可能性もある。そのくらい、微妙な位置取りであった。
その後は、圧せども圧せども、鳥栖のゴール前になかなかボールを運べない展開が続く。仙台がボールをホールドするたび、必ず2名程度の鳥栖の選手が圧力をかけ、ミスを誘う。あまりにもしつこい、鳥栖の前線からの守備。仙台は、自分たちのサッカーをやらせて貰えず、最後の最後まで、2点目を奪う事はできなかった。
惜しむらくは、途中投入の中原のゴール前での攻防で、絶対的な決定機が2度も訪れたにも関わらず、これを両方とも逸した事くらいか。あれを決めていれば、3-3で同点に追いつき、流れを引き寄せられていたに違いない。
だが、何度振り返っても、結果は1-4大敗。終了間際には、前がかりになっていた裏を、ミス絡みで藤田に突かれ、万事休すの4失点目。藤田にハットトリックを許す「ご祝儀」まで納付してしまった。
鳥栖の持ち味である「前線からの積極的なプレス」は、戦前から判っていた事であった。それに対し、無策で臨んだ訳ではない。だが、永井の負傷退場でゲームプランの変更を余儀なくされたにせよ、広大を携えていたのだから、千葉をボランチに上げて広大を入れれば、3ボランチの布陣を変えずには済んだのではないか。
ただこれも、中島がきちんと1点目を叩き込み、2点目もオフサイドにならずに認められていたのであれば、また展開は違っていたかもしれないが。
いずれにせよ、鳥栖に完敗である。素直にそれを認めるしかないのだ。
しかし、この敗戦は、ある意味で「良い薬」になったのではないだろうか?
10名いるフィールドプレーヤーは、みな、負傷交代の可能性はある。全てのポジションの選手が負傷した時の選手交代と布陣の関係を、もう一度良く見直すべきだ。
4-3-2-1で臨むと決めた以上、たかだか前半7分の段階で、それを曲げては、ピッチ上に展開する見方の選手は困惑するはずだ。「4-4-2は慣れているはずだから問題はない」という考え方がもしあったのだとすれば、それは大きな間違いだ。
案の定、4-4-2で鳥栖とがぶり4つに組んでしまった結果、相手は混乱する事なく、がっちりと守られてしまったではないか。やはり、始めに決めたゲームプランをできるだけ遂行できるような準備を、もっとしておくべきだったと思う。
鳥栖のように若さを武器にして、前線から積極的にプレスをかけてくるタイプのチームは、他にいくらでもいる。同じ様なチームに遭遇した時、それに応対するための入念な準備が普段から必要である事を、身を以て知らされた。そのための準備のベースが、もし「4-3-2-1」なのであれば、それを前半の7分に簡単に崩すような事にならないよう、徹底したケースシミュレーションは必要だろう。
そろそろ、終わった試合について語るのはこのくらいにして、残り1試合へ向けた展望について書いてみたい。
状況としては、非常に判りやすくなった。
山形が2位を確定させた事により、自動昇格の可能性はゼロになった。もう、「数字上の可能性がある限り、2位を目指して・・・」という意気込みは必要ない。
そして、3位・仙台の敗戦の結果、3位~6位までの4チームが、67~64で勝ち点を順に列べるという、近年類をみない、大混戦を生み出している。もちろん、その最有力位である3位に付けているのは、仙台だが。
仙台との得失点差を考えれば、鳥栖にはもう「3位の目」はない。問題は、C大阪と湘南に、得失点差で大きく水を開けられてしまったため、3位を確定させるには、シンプルに勝ち、勝ち点を上回る以外になくなった。
もちろん、最終戦を引き分け以下でも可能性は残る。しかし、勝って3位を確定させる事に意義がある。引き分け以下であれば、まず順位は逆転されるだろう。そうなってしまっては、最下位で終わるのと何も変わらない。また、勝ってリーグ戦を終える事で、入れ替え戦に向けた気構えと、準備に気持ちが乗るというものだ。もし、最終戦を引き分け以下にも関わらず、3位確定が転がり込むという幸運が舞い込んできたとしても、リーグ戦ラスト4戦を一勝もできずに臨んだのでは、自信の拠り所のもっていきようがない。C大阪戦の大逆転勝利?それはもう、先々月の話だ。そんなものは引き摺らないほうが良いだろう。
最終・草津戦に向けたプレビューは、後日、改めて書かせて頂く事とするが、この一週間の過ごし方は、非常に重要になる。
もう、できる事は限られている。裏方では、入れ替え戦進出を信じて、着々と準備を進めている事だろう。相手J1チームのスカウティングも進んでいるはずだ。
それを受け、今、チームにできる事は、ただ一つ。
今季、これまでやってきた事をもう一度思い出し、自分たちに何が出来るかを見つめ直す事だ。
そして、奇策は無用。布陣も、ベースは4-4-2で良いだろう。鳥栖戦で外れた岡山も、コンディションの問題がなければ、当然、起用するべきだ。鳥栖戦の途中で交代した田村も、最後まで左SBの位置に居て貰いたい。菅井の右SB、木谷と岡山のコンビは、今季一番の組み合わせのはずだ。他の組み合わせは考えられない。
ボランチは、千葉-斉藤でファイナルアンサー。SHの梁と関口は言うに及ばず。そして2枚のFWは、平瀬とナジソンを見たい。
そして、中原と中島をベンチ入り。特に中島は、鳥栖戦を見る限りでも、完全にゴールの嗅覚を取り戻している。試合終盤の脚が止まり始めた時間帯において、中島を投入する事ほど、相手にとって嫌な展開はないはずだ。
更に、佐藤由紀彦をここで起用したい。ここ一番という時のFKやクロスの精度は、セットプレーでの得点に大いに威力を発揮する。
最後に、ボランチ・富田を推する。千葉の交代要員としてはもちろん、緊急時は左SBにも入れる。また、手詰まり時の試合展開要員として、富田が偶に見せる「驚異の楔キラーパス」は、一気に局面を打開できる潜在性を秘めている。いざという時には、由紀彦よりも、富田のほうが良い場合があるかもしれない。
サブGKに関しては、萩原で何の問題もなし。
採用する戦術は、4-4-2でスタートし、積極的にパスを廻してスペースを突き、ボールを前線に運ぶ「人もボールも動くサッカー」を。もちろん、考えてパスしたり、パスを貰ったりするようではダメだ。見方がボールを持ったら、前線のスペースを見つけて、そこへ走り込むサッカーを。運動量を厭わず、走り廻れば、必ずスペースができる。誰かが走り込んでマークを引きつければ、必ずスペースが生まれる。そこへ連動して走り込む。単純に、その繰り返しでボールを前に運ぶだけだ。
仙台らしい、シンプルに繋ぐサッカーを。
見方がボールを持ったら、何人もの選手が一気に走り出さなければならない。そのスピードは、相手が守備に戻るよりも早くする必要がある。また、ポジションチェンジを繰り返し、マークを混乱させよう。梁と関口は、何度もポジションを変える事。
そして最後に、シュートを撃つ選手は、一瞬、落ち着こう。ポイントは一つ。シュートを撃つタイミングをキーパーに悟られない事だ。「撃つぞ」と言わんばかりに、歩調良く撃ったシュートなど、キーパーに取ってくださいと言っているようなものだ。キーパーが「えっ!?」と思うようなタイミングで如何にシュートを撃つか。そういうゴール前での工夫は、常にやって欲しい。
ブラジル人ストライカーに良く見られるゴールシーンは、どれも、「さぁ撃ちますよ」というものは、まずない。「いつ撃ったんだ?」と首を傾げたくなるほど、ごく自然にボールが脚から離れていく。こういうシュートを、チーム内で一番撃っているのが、キャプテン・梁だ。最近勝てないのは、梁がなかなか持ち味のシュート攻撃を発揮できていないからに他ならない。
各々の選手が、自らの持ち味をきちんと認識し、それを余すところなく発揮してくれれば、結果は自ずとついてくるはずだ。
一番大事なのは、自らのサッカーを、仙台らしいサッカーを、愉しんでプレーする事。
この一週間で、一体なにが大切な事なのかを、きちんと確認して欲しい。
勝利は、絶対要件だ。しかし、そこへ向かう過程において、自らの持ち味を見失っては、勝利のほうから遠のいていってしまう。大事なのは、仙台の、普段通りのサッカーを、普段通りにやる事なのだ。
それを貫いた結果、もし3位から転落するのであれば、その結果は皆に受け入れられよう。しかし、鳥栖戦のように、自らの持ち味を殆ど発揮させて貰えず、何もできないまま敗戦を喫するなど、誰も許してくれない。
私たちサポーターが見たいのは、「仙台らしいサッカー」なのだ。すくなくとも今季は、それ以外のサッカーを知らないし、それ以外のサッカーを見たいとも思わないのだ。
難しい事は、要求しない。
ただ、仙台らしい、愉しいサッカーを見せて欲しい。それだけである。そしてその先には、入れ替え戦への挑戦権を手にしたチームの姿があるはずだ。
筆者としては、試合後、その姿を目の当たりにする事を、信じて止まない。
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