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J1J2入れ替え戦、注目の第一戦は、ナジソンの豪快な先制弾と、19歳の若き司令塔・松浦の豪快なミドルで、1-1のドロー終結。
試合こそ勝てず、かつ、アウエーゴールを許した展開となったが、試合内容は、完全に五分。一部のメディア、そしてオフト監督のコメントとして「主導権を握った」とある記事も散見されるが、これらは全て、磐田寄りの偏見的な、何の参考にもならないコメントである。躍らされる必要は全く無い。
試合内容をきちんと見れば、J1を相手に、手応えを感じたのは仙台の方。磐田は、仙台の2トップのスピードに翻弄され、前半は為す術が無いに等しかった。たまに、仙台のミスから作るチャンスをシュートに繋ぐも、仙台の体を張った守備に、ゴールを割ることができなかった。むしろ、序盤から攻勢に出た仙台の攻撃力の高さに震撼させられた事だろう。
仙台は、磐田の右サイドにウィーク・ポイントがあると見るや、徹底的に右サイドを突く作戦に出た。応ずる磐田も、仙台の左サイド(磐田からみれば右サイド)に張る駒野からチャンスメークを画策するも、攻撃のパターンは、もっぱら前線の2枚に後方から放り込む、シンプルなサッカー。確かに、個々の選手に力はあり、個の力で打開されるシーンもあったが、総じて言えば、磐田に「J1の上位チームに見られる怖さ」は、全く感じなかった。それが「今のジュビロ磐田」に対する、筆者の現状の認識である。
そして、右サイドを突く作戦を貫いた仙台に、とうとう歓喜の刻が訪れる。前半42分。中央でボールのこぼれ球を拾った梁が、ナジソンの上がりを見て、オフサイドにならないように、ナジソンの前のスペースへパスを出す。ボールは相手DFの足に当たって軌道を変えたが、そのボールは、なんとナジソンの目の前へ。前半戦、最大のチャンス。ナジソンはエリア内ギリギリまで持ち込み、そして落ち着いてGK川口の頭上を越え、逆サイドのネット天井近くにボールを突き刺した。
1-0先制-。
地響きのように、うなりを上げるスタジアム。愕然とする磐田の選手。「やれる!」と、仙台の選手やサポーターの血が沸き立った瞬間だった。気温は一桁台にまで下がっていたが、この場所だけは、冬の到来を忘れさせてくれていた。
それにしても、よくぞ集まったものだ。リーグ最終戦の草津戦を越える、今季最多の 18,974 人が、仙台の昇格を信じて駆けつけた。そしてその声は磐田の選手にプレッシャーを与え、また仙台の選手を後押しした。
正直、筆者自身が、震撼した。これが、J1で闘う時の雰囲気。あの雰囲気と興奮が甦ったスタジアムに居られる事に、嬉しさがこみ上げてきた。愉しい、愉しい! これを味わうために、サッカーが好きになり、ベガルタを応援しているのだと。サポーター冥利に尽きる瞬間であった。
サポーター冥利という意味で、ちょっとだけ余談を-。
試合前、同席させて頂いた55氏の携帯が鳴った。誰からかの着信?と思いきや、なんと、今年の春にセットしておいた、入れ替え戦の開始予告のアラームが鳴ったとの事。すっかり忘れていたそうで、よもやそのアラームが、自身の応援するチームのキックオフの予告になろうとは、夢にも思わなかったそうだ。この「過去からの贈り物」の事を教えて頂いた時、筆者自身、この1年の闘いが、一瞬、走馬燈のように甦ってきた。本当に、いろいろあった1年だった。最後に、昇格を決めて締めようと、改めて心に誓った。
後半に入り、ハーフタイムで修正を図ってきた磐田に、落ち着きが生まれる。仙台と同様、右サイドからのチャンスメークを諦める事なく、攻め続けた。そして生まれた仙台の失点シーンは、それまでの磐田には見られなかった、ゴール前のパスワークとポストプレーから生まれた、見事なものであった。
そう、こういうプレーが出来る事を思い出されるのが、怖かったのである。磐田は、この1点で、九死に一生を得て、第二戦を迎える事となった。
ところで、入れ替え戦というシチュエーションの場合、全国的な視点としては、「入れ替え戦に廻ったJ1のチーム」のほうに、その矛先が向きがちである。そのチームが、あのジュビロ磐田であれば、尚更だ。
当然ながら、「ジュビロ磐田はJ1に残留できるのかどうか?」という視点で報道される。J1というカテゴリーの認知性の高さ故に、これは致し方ない。だが、そんなチームを相手にするからこそ、仙台というチームを全国に売り込むチャンスではないだろうか?
個人的には、ジュビロが本当に強かった時代は、とうに過ぎていると見ている。メンバーを見ると世代交代に失敗している事は明らかで、しかも、そのメンバーで本来やるべきサッカーをせず、オフト監督就任後は、ノーリスクをテーマにして戦っている。そんなものは、「あのジュビロ磐田」でも、何でもない。ただの過去の幻影に過ぎないのだ。ジュビロらしい、流れるようなパスを繋いで相手を崩して得点するサッカーは、どこへ行ったのだ?
唯一、その片鱗を垣間見たのが、後半8分の失点シーンのみ。本来のジュビロのスタイルなら、仙台から、2得点目・3得点目を奪う事もできただろう。だが、ジュビロはアウエーで、この1点のみ。仙台が第二戦で1点を獲れば、チャラになる程度の価値しかない。
「J1らしいチーム」である事は、過去の経歴からみても間違いないが、だが、そんな理由でJ1に留まり続けられるほど、現在のJリーグは甘くない。年々上がるJ2のレベルに、J1の下位チームが飲み込まれようとしている。
この「仙台-磐田」という対戦は、近年のJリーグの世相を如実に反映したカードと言うことができるだろう。
5年の歳月を掛けて、力を付けてきたJ2のチームが、リーグ優勝3度を誇る名門チームを下し、J1に昇格する。そんなシチュエーションは、決して夢物語では無いはずだ。
「名門」というだけでは、J1に残留し続ける事はできない。それは、東京ヴェルディの2度の降格が物語っている。
ちょっとだけ、試合内容の話に戻ろう。
この試合のスタッツを見ると、前半終了時点で、仙台のシュートは5本(うち3本が枠内)。そして磐田のシュートは3本(うち枠内は無し)。磐田側は、完全に精度を欠いている。
90分を通してみても、仙台の13本に対して、磐田は10本。試合内容を見ても、明らかに仙台のほうがチャンスを多く作っているのが判る。
対戦してみた感覚としては、J2のC大阪か、或いは好調時の鳥栖といった感じか。広島級の怖さは、はっきり言って感じられなかった。
ここからは、中2日の日程の関係上、第二戦のプレビューを兼ねさせて頂く事をお許し頂きたい。
第一戦を1-1ドローで終えた事により、仙台としては、シンプルに勝利だけを目指せば良い事となった。これは好材料である。リーグ最終戦も、C大阪に僅か勝ち点1まで詰め寄られたが、逆に勝ち点1のリードを武器として、「勝てばOK」というシンプルな構図で、そして見事に結果を出した。
第二戦も、同じ事が言えるのではないか。
「勝ちを目指す」という意味では、まず1点を獲りに行くという事に繋がるが、これは、第一戦で喫したアウエーゴールを、チャラにするという意味も含まれる。その上で、失点をゼロに抑えれば、それでOKなのである。
もしくは、完全に撃ち合いに持ち込んでも良いだろう。仙台の攻撃力と、アウエーゴールを1点許している状況を考慮すると、0-0で終わる訳には行かない。むしろ、第一戦でのアウエーゴールを1失点で抑えた事をアドバンテージとするため、2点目を積極的に獲りに行く姿勢を打ち出しても面白いだろう。2-2なら、アウエーゴール数で仙台が昇格するのだから。
あらゆる意味を込めて、仙台は、第二戦でまず1点。それも、先制点が欲しい。そして仙台の得点の状況を見ると、リーグ戦と入れ替え戦の第一戦までで、14試合連続得点中。
もし、相手が0-0を狙うべく、プライドを捨てて「ドン引き」な引きこもりサッカーをするのなら、見たくもない構図であるが、それでも構わない。90分、仙台が攻め続ける構図となり、チャンスを多く作らせて貰える事となる。だが、磐田のプライドとして、ホームでそんな事をしてくるとは思えない。そんなサッカーをして、安易に仙台に主導権を握らせるようなサッカーをする監督とは思えないからだ。
となると、磐田は、第二戦も勝ちに来る。そのため、前に出てくるだろう。それなら、仙台は第一戦と同様、スピード勝負で、磐田の最終ラインの裏を突く攻撃ができる。どちらにしても、J1を相手に五分の勝負に持ち込み、負けなかった勢いを携えて敵地に乗り込む仙台の方に分がある。
磐田の獲ったアウエーゴールが、虚空のものである事を、第二戦の戦いで示そう。
12月13日。この日ばかりは、仙台から700km近く離れたヤマハスタジアムを、仙台のホームゲームとさせて頂く。第一戦で、磐田側がホームユニフォームを来た事を考えると、第二戦では、仙台もホームのユニフォームを着れるものと考えられる事に加え、争奪戦となった第二戦のチケットの売れ行きの状況から、磐田側としては、J1でもなかなかお目にかかれない、満員のスタジアムを体験する事になる。しかも、アウエー側のサポーターが大挙して押しかけてくる、「アウエー・ジャック」を許す展開として。
あらゆる状況を考えると、「仙台のリーチ」に等しい。
磐田側は、アウエーゴールにすがりたければ、どうぞすがって頂きたい。だがここで、磐田側にはっきり言っておく。0-0狙いで引きこもるサッカーなど、見たくもない。J1の名門チームらしく、正々堂々と、お互い、勝利と来季のJ1を賭けて、闘おうではないか。
仙台としては、第一戦で掴んだ手応えを自信の拠り所とし、堂々と敵地に乗り込ませて頂く。そして、0-0狙いなど、絶対に許さない。そんな姑息な考えなど通用しない事を、敵地での先制ゴールで、打ち砕いてみせよう。
相手が名門チームだの、過去の入れ替え戦のJ2有利な状況だのは、もはや関係ない。
この一戦で、今季の闘いが全て決着する。仙台の、この5年間の想いを、この一戦に、全てぶつけよう。
この想い、届け。天(=点)へ。そしてJ1へ-。
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