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コラム:今季の選手獲得、ほぼ終了。一定の評価はできるも「29人体制の意味」と、その内容とは?

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サポータカンファレンスでクラブ側から話があがったように、このオフシーズンでの選手補強については、ほぼ終了との事。もしかしたら、交渉中の選手が1~2名いるかもしれないが、公にはなっていないので、とりあえず発表済みの確定情報を元に、今季の選手獲得と主力残留の状況について評価してみたい。

まず、契約満了以外の選手については、全て契約を更改し、残留させられた事。これについては、100点の出来と言える。特に梁と関口については、仙台に残って欲しいというサポーターとしての想いの強さ故に、仮にオファーがあったとしても「残留してくれる」と信じては居たが、やはり決まるまでは何があるか判らないと、ドキドキしながら公式リリースを待った。

代理人の関係もあっただろうが、何とか年内ギリギリに両名の残留の公式アナウンスがあり、殆どのサポーター諸氏は、ほっと胸を撫で下ろして、快い年越しを迎えられたものと思う。

そして年明けを待って、ブラジルからFWソアレスのレンタル移籍加入、及び韓国からDFパク・チュソンの完全移籍加入という、2大ニュースがもたらされた。DFのパクについては、シーズン終了後の練習に参加していたため、獲得待ちの状況にあったが、FWソアレスについては、前情報が殆どなかった事もあり、非常に衝撃的な加入ニュースだった。

昨秋からの全世界的な景気後退を受け、サッカー界でもスポンサー撤退・選手放出による経費削減などの波風が、大なり小なり吹き荒む状況下にある昨今、仙台としても、決して楽な台所事情ではなかろうと心配していた中において、よくぞここまで主力選手の残留・ブラジル人2名と韓国人DFの補強を達成できたものと、驚きを隠せない。

ただ、ある程度戦力の読める主力の残留と、ピンポイントで獲得した外国籍選手の獲得を優先させた副作用だろうか、人数的には若干の不安を伴う「29名体制でのスタート」という船出となった。51試合という長丁場を考えれば、若干の不安は否めない。特に守備面については、もう1~2枚、DF陣の補強があっても良さそうな気もしている。

しかし、これはある程度、やむを得ない点もあるだろう。ただでさえ、入れ替え戦進出により来季どちらのカテゴリーで臨む事になるか判らない状況が、他のチームより一週間も繰り下げになった事に加え、結局来季もJ2で臨む事になった経緯から、欲しい選手に来て貰えなかった事もあるだろう。要するに、「欲しかったが獲得できなかった」という事情が支配的であると考えられる。

だが、結果的に29名という、若干少ない体制になった事は、ある程度想定の範囲内であると思われる。人数が減っても、その内訳の殆どが昨年在籍した選手で構成されており、戦術の理解度や連携の呼吸合わせについては、何の問題もないところからスタートできるのは大きい材料だ。特に、昨年途中にレンタル加入した斉藤を完全移籍で獲得できた事や、レンタル延長という形態ながらも、林のパフォーマンスを来季も計算できる事は、あまりにも大きい「補強」である。こういった背景があるからこそ、29名体制でもなんとか闘えるという判断を下せたのだろうと考えている。

補強のポイントとしては、大きく2点を挙げてみたい。

一つめは、当然ながらブラジル人2名の獲得。昨季、純国産をベースとして臨み、そして今季、足りない部分を外国籍選手で補強する事ができた。(前回ブログでも書いたが、決して「方針転換」ではない)まず、横浜FCから獲得したエリゼウ。昨季序盤はボランチで出場し、途中からはCBとして活躍。DFとしての獲得発表だったが、ボランチもできる事により、昨季の千葉のような起用方法が可能となる。少なめの人数でスタートする体制としては、このようにポリバレント性のある選手を起用できる事の意味は大きい。

次に、FWソアレス。ブラジル国内では、ここ1年くらいで頭角を表し、日本のリーグ移籍有力候補の中の一人で、昨年末ころには熊本獲得の噂もあったが、蓋を開ければ仙台が獲得に成功。身長(181cm)も武器だが、シュートの正確性と決定力の高さは、間違いなく仙台に不足していた要素であり、非常に期待度の高い選手である。

日本特有のスピーディーなサッカーに、どれだけ早く馴染めるかがポイントだと思うが、フィットしさえすれば、間違いなく得点王級の活躍をしてくれる事だろう。1日も早く来日し、日本の寒さに慣れて欲しい。

そして2つめは、新設されたアジア枠を有効活用し、水原三星(韓国)から左SBのパク・チュソンを獲得した事。左SBを任せてきた磯崎と田ノ上を、いっぺんに契約満了としたため、左SBの層が薄くなっていたところに、彼の加入である。だがここは、単なる「穴埋め補強」ではない。

昨季の左SBの構成を見ると、田村・磯崎・田ノ上の3名をベースで起用選択をしてきたが、どの選手を見ても、「左SBの軸」には成り得ていなかった。一番出番の多かった田村は、身長が決して高くない上に右利きで、しかも加入2年目である。そんな選手に、左利きの磯崎と田ノ上は、ポジションを奪われていたのだ。磯崎は守備に定評があったものの、攻撃に難があり、また逆に田ノ上は攻撃性の持ち味とは裏腹に守備に難を抱えていた。磯崎と田ノ上の良いところだけを合わせたような選手が居れば、田村にスタメン定着の出番はなかっただろう。そもそも田村は、本職はボランチである。(これを言えば、右SBに定着した菅井もボランチが本職である)

だが、左SBのバックアップ人数の問題が残るとはいえ、ようやく「左SBの軸」となれそうな選手を獲得できた。24歳とまだ若く、かつリアル・レフティであり、韓国代表経験もある事から、それ相応のパフォーマンスに期待したい。田村もスタメン争いで負けたくはないだろうが、左SBをパクと田村の2枚で廻す事ができれば、(負傷の懸念を度外視すれば)充分に期待できる。特に 185cm という身長の高さは、昨季の仙台の左サイドにはなかった武器である。(左SB3人の中では一番高かった磯崎でさえ、180cm だった)これで、仙台の左サイドの「制空権」は確保したも同然。これだけ高ければ、セットプレーでCBが上がるべきシーンでも、左SBのパクが上がれば良い事になるため、CBは本業に集中できる。(実際にはどうするかは判らないので、あくまでも可能性の一つである)

今季より新設されたアジア枠を有効活用し、仙台のウィークポイントの一つでもあった左SBを、的確な補強で乗り切る事ができた。これはある意味、FWソアレスやDFエリゼウよりも意味がある補強だったかもしれない。

ところで、今季の新加入選手の構成を見て、気が付かれた方も多いと思う点が一つある。

それは、「即戦力級の中盤を一切獲得しなかった」という事である。唯一、神戸から来た曽我部がMF登録だが、まだ20歳と若く、しかも司令塔タイプとの事で、梁とポジションが被る。彼の場合は育成目的での獲得と思われるため、即戦力としてはみない方が良いだろう。

曽我部を除けば、攻撃面での補強はソアレスのみ。あとはDFのパク、エリゼウ、ルーキーの島川に、ベテランGKの桜井と、守備陣ばかりである。

攻撃性については、両軸は今季も梁と関口に任せ、決定力だけをピンポイントで補強したという事となる。それに対し守備性については、失点数こそリーグ3位タイの成績も、肝心なところでの失点により「勝てた試合を引き分けてしまった」という反省から、守備陣の増強を中心に補強を進めたという色合いを強く感じ取れる。

入れ替え戦進出で、他チームに一週間の出遅れを危惧していたが、FWソアレス・DFエリゼウとパクの3名の大型補強に成功した事により、今季の昇格に非常に期待の持てる陣容となった。

だが、この3名の背景には、取りも直さず「昨季の主力選手を全員残留させた」というクラブの努力がベースとなっている事があるのを忘れてはならない。中盤の軸である、梁・関口・斉藤の残留に成功したからこそ、補強の中心をFWとDFに集中させる事ができたのである。他チームの主力が相次ぎJ1に引き抜かれていく中、これだけの選手層を以て今季に臨める仙台は、まだ幸せなほうであろう。

今季は、昨季以上に、昇格への期待度とその義務が大きくなる年である。また逆に、今季もしまた昇格を逃すような事になれば、今度こそ梁と関口は流出する事になるだろう。J2降格初年度である2004年からの加入組である梁と関口をここまで育ててきた意味を、ここで失う訳にはいかない。

おそらく「機は熟した」とは、このような状況を言うのだろう。「熟れた実」を如何に上手に摘み取るか。もし摘み取りに失敗すれば、その実は枝から地面に落下し、J1のどこかに拾われてしまうだろう。そうなると、また「一から実を育てる」事に成りかねない。

あらゆる意味で、今季は「結果」を求められる年だ。

例年以上に、わたしたちサポーターも、気合いを入れて応援に臨みたい。それだけのクオリティとパフォーマンスを、このチームは持ち合わせているはずだと、筆者は強く信じている。




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