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湘南1-0仙台 名付けるならば、「ノット・オン・ターゲット症候群」。打っても打っても枠に飛ばないシュートでは、得点への期待は皆無に等しい。

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「オン・ターゲット」。

このフレーズは、今節のスカパー実況を担当してくれた、下田恒幸氏(元仙台放送)が好んで使うものだ。選手の打ったシュートが、枠を捉えていたかどうかを端的に表現したものでり、非常に判りやすい。このフレーズに限らず、彼の実況は個人的にも大変好きであり、ベガルタの試合の実況は全て彼にやって頂きたいくらいなのであるが、今節、久しぶりに彼の実況でスカパーの試合中継を見られる事になり、大変嬉しく思った。

だが今節、残念ながら、彼の口からその言葉を聞く事は、最後まで無かった。(万が一、聞き漏らしの際は平にご容赦を)

名付けるならば、「ノット・オン・ターゲット症候群」。シュートを打てないのではなく、シュートは打てるが、ことごとく枠に飛ばない。今節に限って言えば、シュートがゴールポストやバーを直撃したシーンも見られなかった。

もちろん、打ったシュートの全てが枠に飛ばなければならない、と頭の堅い事を言うつもりはない。シュートという行為には、「ゴールを奪う」という主目的の他に、攻撃のフィニッシュの形として、攻撃のリズムを掴むために行う意味もある。実況や解説の担当者が、「攻撃のフィニッシュはシュートで終わりたいですね」と言っているのは、この事を指しているに他ならない。

だが、シュートは枠に飛ばしてこそ、相手にとって驚異となり、得点への可能性が広がるというものだ。それを外しまくっていたのでは、相手に驚異を与えるどころか、逆に相手に余裕を与えてしまう事にも成りかねない。

せめて、打ったシュートの半分は枠に飛ばさないと、得点への期待も薄れてしまうだろう。今節のシュートは全部で12本(前半6、後半6)あったが、始めの2本を除き、残り10本は全て枠外のものだった。

これでは、得点などできるはずもない。

シーズン開幕から、早くも一ヶ月が経とうとしている。昨年の主力選手の流出が無かった上に、的確な補強に成功し、前評判の良かった仙台ではあったが、いざ蓋を開けてみれば、5試合で2得点と、攻撃は「低迷」と言われても仕方ない状況で推移している。

一方、安定している守備。開幕から渡辺広大とエリゼウのコンビで戦ってきているが、5試合で2失点は立派そのものと言うほか無い。ここ2試合、連続失点中ではあるが、4節甲府戦は完全なポカミスで、修正は可能である事や、今節湘南戦の失点はセットプレーでの田原の飛び込みの巧さが勝ったものであり、この程度はやむを得ないと判断できる。今後も、渡辺広大とエリゼウのコンビは不動のものとなるだろう。

だが、得点できなければ勝つことはできない。今節、守備で獅子奮迅の活躍を見せるエリゼウが、セットプレーでもないのに前線にどんどんあがり、攻撃参加を見せてくれた。まるで、サンフレッチェ広島のストヤノフや、浦和レッズの闘莉王のようであり、攻撃面においても非常に頼もしい存在となってくれている。今節、彼のシュートも2本あり、惜しくも枠を捉えられなかったが、CBのポジションからの攻撃参加は、攻守のバランスさえ崩す事がなければ大変強力な「飛び道具」である。今後も臆する事なく、彼の攻撃参加に期待したい。

2試合連続で無得点に終わったが、明るい材料もある。ソアレスがようやく先発に定着して来つつある事と、ケガで調整を続けてきた朴柱成がとうとう先発を果たし、予想以上の動きの良さを見せてくれた事だ。

ソアレスの裏へ抜ける動きやそのスピード、ポストプレーの巧さは、中島と中原を足して2で割ったような選手である事を、前節甲府戦のレポートで書かせて頂いた次第であるが、今節の動きを見ても、やはり彼は逸材である。まだ得点こそ無いものの、周囲との連携が深まれば、堰を切ったようにゴールラッシュする予感さえ漂う。

そして、朴柱成。5試合目にしてようやく初先発を果たし、「最後の秘密兵器」がようやくベールを脱いだ。その動きは非常に驚かされるもので、見た目の「重戦車級」の体格の良さとは裏腹に、動き出しやステップの柔らかさ、そして彼の足から繰り出されるパスの柔らかさは、それこそ「柔道」を見ているようであった。

本レポートで彼の今節のプレーを全て語り尽くすのは難しいので、66分(後半21分)の攻撃参加のシーンを紹介する事でこれを購(あがな)おう。

左サイドで関口がボールを保持した瞬間、その関口を朴が追い越し、そして関口からボールが彼に入り、PA内を目指して突進。ここからの「崩し」が見事であった。当然、湘南の守備ブロックに阻まれるも、そこから華麗なステップを踏み入り、1人・2人と湘南の守備をアッサリと突破して見せたのだ。直後、後方から走り込んできた梁に絶妙の柔らかいプレゼントパス。これを梁が決めてくれれば、朴の初アシストになっていただろう。

流石に、元韓国代表選手である。もし他のJ2チームに行かれていたならば、間違いなく驚異になっていたに違いない。

だが、ソアレスにしろ、朴柱成にしろ、勝利という結果にまだ貢献できている訳ではない。それでも、この2人には充分な可能性を感じているのは確かだ。既にエリゼウが攻撃面でも充分機能する事が判っている以上、補強した外国籍選手3名が全て噛み合いさえすれば、低迷するチームの空気を払拭してくれる活躍が間近に迫っている事は間違いないと思う。

連敗こそ喫したが、まだまだシーズン序盤。C大阪と湘南にかなりのリードを許しはしたが、3位以下は早速の混戦模様。まずは、1試合2得点以上の「決定力向上」が必須課題。チームには特に、攻撃のフィニッシュの特訓をお願いしたい次第である。それもきちんと敵役を置き、それをかわして尚シュートを枠に飛ばさなければならない。

チーム全体的に、決して、悪いサッカーをしている訳ではない。むしろ、どんどん連携が良くなってきており、今節の前半では、「仙台らしい」動きながらパスをダイレクトで繋ぐサッカーはきちんと出来ていた。最後の崩しこそ、湘南の堅守に阻まれるシーンが目だったが、その分、後方からミドルシュートをガンガン打つシーンも数多く見られた。決して、攻撃のリズムが無い訳ではないのだ。

この試合、現地で観戦された、某友人の談話。

「負けた気がしない。」

そう、負けるに値するような内容では、決してないのだ。きちんとフィニッシュまで攻撃を持って行く事はできている。去年の広島や今年のC大阪のように、選手構成と戦術が噛み合いすぎて、毎試合のように20本オーバーのシュートを打てている訳ではないが、少なくとも「目指す仙台らしいサッカー」は、既に出来つつあるものと思っている。

あとは、本当に、最後のフィニッシュの精度の問題だけ、と思っている。そこさえ改善できれば、毎試合のように、2得点・3得点できるようになるはずだ。

1節でも早く「攻撃陣の目覚め」に期待したい。いや、次節・東京V戦で、お目覚めになって頂かなくては困る。

どれだけの人が、仙台攻撃陣のゴールシーンを待ち詫びている事だろう。筆者も、その中の一人である。




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