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熊本0-3仙台 「練習は裏切らない。」それを体現した、キャプテン・梁のFK2発。だが注目すべきは、ソアレスの3点目にある。

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よもや、1試合に2本も決まるとは-。

10試合目についてとうとう炸裂した、キャプテン・梁のFK。今週の練習では、皆のシュートが何本も枠を捉えていたとの事で、セットプレーでの得点が決まりそうな予感はしていた。特に梁は、監督からの指示もあり、久しぶりにFKの練習で「蹴り込んだ」との事。

それが、こんな形で結果に表れようとは。今季はまだFKからの得点がなかった事もあり、また、待ちに待ったソアレスにも得点も生まれた。ようやくこれで、「GW臨戦態勢」が整ったと言えるのではないだろうか。

試合序盤は、若干ながら熊本の攻勢を許し、押し込まれる展開。熊本の布陣が予想外(藤田トップ下の中盤ダイヤモンド型)だった事もあり、対応するのに時間はかかったものの、刻が経つに連れ、次第に仙台ペースに。

徐々に、チャンスが生まれてくる。そして得た、1本目のFK。これは惜しくも枠を外れるが、前半42分に朴のドリブル突破から得た2本目のFKを、見事にゴール右上隅に突き刺した。

この1点目のFK。熊本GKのポジショニングを確認した上で、わざと「狭い方の右側」を狙ったのだと思う。通常、ゴールに向かって左側に位置したところから「右足でFKを蹴る」場合、ボールは巻いて左側に飛んでいく事が予想される。(必ずしもそうとは限らないが)そこで熊本GKは、わざとゴール左側を開け、そこを狙い易くして、ボールが「左側」に来たら、そこを止めるつもりだったのだろう。

ところが、ボールは完全にその逆を突き、GKとゴール右ポストの「狭い空間」へと吸い込まれていった。GKが止めたかった位置とは逆。完全に「虚」を突かれた熊本GKは、一歩も動けなかった。※1

※1...正確に言うと、梁がボールを蹴る直前、GKは移動の重心を、ほんの少しだけ左へズラしていた。つまり、GKの意識は左へ傾いていた訳だ。

このゴールから、ハーフタイムを除いた、僅か4分後の後半0分。今度は梁が、自分自身でFKを獲る。前半の得点と同じ様な位置。熊本GKは流石に学習したのか、今度はゴールの右側に飛んでボールを止めようと位置取りをしていた。

だが、その「読み」をあざ笑うかのように、梁のFKは再び同じところへ決まる。GKの読みは、間違っていなかった。梁の蹴ったボールが飛んでいく方向へ、GKの体も飛んでいく。だが、梁のFKのスピードと精度が、それを上回っていた。

後半1分。ベガルタ、貴重な追加点。熊本にとっては、昨年9月13日の同じホームで、4-0の大敗を喫している事もあり、ベガルタに対する悪いイメージは払拭し切れていなかったようだ。

その後、梁のハットトリックへの期待がかかるも、ここでバランスを崩して熊本の攻勢を呼び込んでは、せっかくの2点先行が無駄になりかねない。あくまでもマイペースで試合を消化する仙台。その姿勢は、後半14分の永井→千葉への交代、そして後半20分の朴→一柳への交代に見てとれた。布陣変更を必要としない、安心して見ていられる交代対応。朴は両足が攣り、またしても90分の出場は適わなかったが、1点目の「アシスト」の功績や、中2日での連戦を思えば、ここで「お役ご免」でも充分だった。一柳、あとは頼むぞ。サテ柏戦のような低パフォーマンスだけはみせないでくれ。

だが、心配は皆無だった。この日、試運転も兼ねて後半14分に途中投入された千葉が、持ち得る能力を存分に発揮し、熊本の攻撃の芽を片っ端から摘み取る。自陣の守備に関しては、一柳への負担は見られなかった。もし、消耗の早い永井が千葉に交代せずプレーを続けていたら、一柳と永井の間が「穴」になっていた可能性も考えられる。このタイミングで千葉が復帰してくれたのは、幸運だったと言えよう。

そして、仙台のブ厚い守備の壁に手を焼く熊本に、3失点目の悪夢が訪れる。2点のビハインドを背負っての攻撃なのだから、全体的に前がかりになり、裏のスペースを広大に空けていたのはやむを得ない。だがそれでも、そのスペースに大きく溢れたボールの処理を誤ったのが、運の尽きだった。

果敢にボールへアプローチするソアレス。後方のエリゼウのヘッドによるクリアボールに反応し、相手DFのブロックをも凌いで、前線へボールを出そうと懸命に足を出した。熊本陣内の広大なスペースに、こぼれるボール。

そのボールを追い、ゆっくりと、こぼれたボールの処理に行く熊本DF。だが、その守備の緩慢さを、梁は見逃さなかった。トップスピードのままそのボールを掻っ攫うと、一気に熊本ゴールに向かってドリブル突進。そして中央には、このシーンを自ら演出したマルセロ・ソアレスの走り込む姿があった。

ソアレスに合わせる、梁のグラウンダー性のクロス。一度は守備に戻った熊本DFに阻まれるも、そのこぼれ球にしっかりと右足を当てて、確実にゴールへ向かってボールの角度を変えた。コンマ数秒、処理が遅れていればボールデッドとなっていただろう。

ソアレスの3点目は、2人の熊本DFの「守備技術や意識の低さ」がもたらしたものだ。必ずしも「綺麗に相手を崩して獲た得点」ではない。

だが、筆者としては「梁の2発」よりも、この「ソアレスの3点目」の方に、今後の展望が隠されているとみる。なぜなら、昨年までの仙台なら「相手の技術の低さを確実に突いての得点」というシチュエーションは、決して数が多いとは言えなかったからだ。

相手に力量があるチームとの対戦なら、力勝負で敗戦する事は、やむを得ないかもしれない。だが、リーグ戦である以上、いろいろな力量のチームとの対戦がある。昨年まで課題だったのは、決して力量の高くないチームとの対戦において、「相手が犯すミス」を確実に自らのチャンスや得点に繋げられる強かさが無かった事だ。

梁のFKの2得点は、確実に相手よりも梁の技術が上回った結果だ。これはあくまでも「力量の差」の賜物である。

だが、3点目については、力量の差だけでは生まれない「相手のミス」がきっかけとなったものだ。「J2における強さ」には、単なる力量の差だけでなく、この「相手のミスをも得点機会に繋ぐ、抜け目の無さ・強かさ」も絶対に必要だと思っている。

51試合の長丁場である、今季のJ2。それを戦い凌ぐために、「ベース」となる自らの力量が必要なのは確かだ。だが、それだけでは昇格を達成する成績を残すのは難しいだろう。そこで、「上乗せ」として考えたいのが、下位のチームにありがちな「守備のミス」を得点に繋げる強かさである。

今季から、18チームの大所帯となったJ2。J1クラスの力量を持った選手を有するチームもあれば、JFLクラスの力量しか持たない選手を多く抱えるチームもある。要するに、J2に所属するチームのレベルは「ピンからキリまである」という事だ。熊本も、今季から藤田を獲得したものの、藤田一人の存在で守備力が向上する訳ではない。

今後、こういった「下位のチーム」から確実に勝ち点3を奪い取るために必要なもの。それこそが、ベースとなる力量を礎とし、これに上乗せされる「相手の守備のミスを突く強かさ」ではないだろうか。

言い換えれば、サッカーとは、必ずミスを伴うスポーツである。そのミスを活かさず、自らの力量のみで「正々堂々と」勝負するのも良いかもしれないが、それでは「良いサッカー」はできても、「勝つサッカー」はできないと思う。

必ずしも、綺麗なサッカーばかりを追い求める必要はない。昇格に必要なものは、技術を磨いて魅せる綺麗なサッカーだけでなく、勝負に貪欲な、相手の守備のミスをも突く強かさサッカーも必要だ。その中には、梁のFKのような「綺麗な得点」もあれば、相手のミスを突いた「強かな得点」もあって然るべきだ。

中2日ですぐにやってくる、ホーム水戸戦。非常に愉しみである。




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