訪問者数:

ページビュー:

第11節vs水戸戦プレビュー Aleat for ARATA. 強豪と化した水戸の主砲を、リーグ最小失点の仙台が迎撃する。勝ち点でも「首差」で並ぶ両者がいよいよ激突!

■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村 サッカーブログ ベガルタ仙台へ
にほんブログ村

10節を消化し、「18得点14失点」vs「12得点5失点」。さて、どっちがどっちか?

わずか2~3年前の、仙台vs水戸の対戦カードなら、迷わず「前者:仙台、後者:水戸」という回答をしたに違いない。だが、正解はその真逆である。

2~3年前の仙台と水戸を知る者であれば、いったい誰が、今年、こんな成績での水戸との対戦を予想できたであろうか。今でも信じがたい事実である。

当時の水戸は、他のJ2チーム・サポーターに「水戸ナチオ」と言わしめるほど、徹底的な守備偏重のチームだった。そのスタイルは、以前のJ2に見られた「リアクションサッカー」そのもの。当時のJ2のお手本のようなスタイルを貫いていた「あのチーム」が、一昨年の前田(前)監督の「リスクを負ってでも、攻撃主体のスタイルに脱皮すべきだ」との方針変更をきっかけとして、昨年の木山監督へのバトンタッチ、そしてあの男「荒田智之」の新加入を受け、全く別なチームへと変貌を遂げた。

スタイル変更を掲げて臨んだ2007年は、他のチームから見ても、可哀想なほど敗戦を積み重ねた。開幕から11戦を重ねても、獲った得点は僅かに「3」。一方の失点は実に「21」と、当然ながら勝ち星を一つも挙げられない状況が続いていた。ホームゲームでは客足も遠のき、第11節の湘南戦では、とうとう1,000人を切る「958人」という不名誉な記録まで作ってしまった。

だが、そうまでしてでも、攻撃的なスタイルへの脱皮を目指し、前田(前)監督と選手たちは耐え続けた。もしかしたら、一番辛かったのは、水戸のサポーターだったかもしれない。

そして「ある試合」で、水戸が積み重ねてきたものの「片鱗」がとうとう姿を現す。2007年5月3日。アウェイゲーム、国立競技場開催:対・東京ヴェルディ戦。

クラブ至上、(東京ヴェルディ側の都合により)国立競技場での対戦となったこの試合。結果を見れば、水戸の5-1大勝。その内容を見ても、オウンゴールで相手に先制点を許す展開ながら、実によく選手が攻撃的に躍動し、カウンターベースながらも、東京ヴェルディのゴールを次々と攻略。当時のラモス瑠偉監督に「予想しなかった結果」とまで言わせた、あの試合である。

ただ、実際にはここから急激に成績が向上し始めた訳ではなく、この年は結局、8勝10分30敗の12位(この年は13チーム制)で終わっている。だが「あの試合」を境として、水戸は間違いなく「何かのヒント」を掴んだように思う。

翌、2008年。監督が木山氏に代わり、攻撃的なスタイルの定着は更に進んだ。そして、この年の戦いにおいての「大駒」となったのが、この年新加入・荒田選手である。3度の仙台との対戦において、4得点を荒稼ぎし、第3クールでの仙台ホーム対戦での2得点は圧巻だった。仙台が水戸に初敗戦を喫したのは、間違いなくこの男の存在があったからだ。

2年の月日と、荒田という大駒の加入を経て、水戸は「攻撃的なチーム」へと変貌する事に成功した。現在のチームの18得点中、荒田1人で、実に8得点を叩き出している。前節のホーム岡山戦(ひたちなか開催)のハットトリックは、今だ記憶に新しい。

そんなチームが、昨年の仙台ホームでの初勝利の立役者をひっさげ、再び「仙台」へやってくる。

今節、別な対戦カードでは「3位甲府-1位湘南」という上位対決カードも組まれているが、J2を良く知る者に、今節「どうしても生で観たいと思う試合」を1つ挙げて貰うとすれば、間違いなく仙台-水戸戦を挙げてくれるはずだ。それだけ「この試合」には、観る者の胸を躍らす要素を多分に含んでいると言える。

まるで水戸側のプレビューのような書き出しで大変恐縮であったが、この辺で試合の展望に移るとしよう。

この試合、間違いなく最大の注目ポイントは、「10試合で5失点の仙台が、10試合で8得点の荒田を止められるのか?」という点にある。現時点でリーグ最小失点の仙台が、現時点でリーグ得点王の荒田と対峙する事になるのだ。前述した「J2を良く知る者」ならば、絶対に甲府-湘南戦などは見に行かないはずである。

そして、この試合を面白くしてくれる役者が、仙台には多数在籍する。前節・熊本戦で「自身初の1試合2FKゴール」を達成した、キャプテン・梁。頭を丸めてまで結果を出す事に拘り、J初ゴールを決めた、マルセロ・ソアレス。絶好調の平瀬に、安定感抜群のエリゼウ・渡辺広大・林卓人の鉄壁トライアングル。足の痙り癖がありながらも、出場時は攻撃で抜群の存在感を見せる、朴柱成。そして、ケガからの復活を遂げた、千葉直樹である。

考えられる展開としては、連戦を考慮しつつ、前半は形振り構わずに確実に荒田を封じる策を採るものと思われる。前半は0-0でも構わないくらいの気持ちで臨み、後半勝負か。また、「昨年の対戦結果を考えると、荒田とは撃ち合いをしないほうが良い」というご意見も散見される。

だが、筆者の「超個人的な意見」として述べさせて頂けるならば。

この試合に限り、「連戦の考慮」などは頭から除外し、目の前の強敵を叩きつぶす事に全勢力を傾けたほうが良いのではないだろうか?

確かに、ここ3戦の「無失点3連勝」を継続したい気持ちはある。あの荒田を抑え、無失点で4連勝を達成できれば、どれだけの勢いをチームにもたらす事ができるかは計り知れない。

だが、勢いのある選手を止める事は難しい。89分間、どれだけ相手を止めたとしても、残りの1分で仕事をしてしまう。それがストライカーという人種である。

そんな選手を抑える事に腐心し、気がついたら0-1(得点者:荒田)で敗戦なんて事にもなったら、目も当てられない。そういう負け方だけは、絶対に観たくないものだ。

ここは敢えて、昨年同様「撃ち合い覚悟」で臨むべき、と考えている。ご存じの通り、現在水戸の失点は14で、これはリーグワースト3位タイ。無失点で凌いだ試合は、ここまで僅か3試合しかない。しかも、荒田の得点力に隠れて話題にも登りにくいかもしれないが、これだけの失点をしておきながら、実はまだ、C大阪・湘南・甲府といった、「攻撃的チーム御三家」との対戦が一度もないのである。

いくら水戸が、撃ち合いを制して現在の順位にいると言っても、まだ対戦が一巡した訳ではない。そして、水戸がここからの4試合で対戦する相手は、仙台・鳥栖・甲府、そして湘南なのだ。ここからの4試合で水戸は、今季これまでに味わった事のない「攻撃的な相手」との熾烈な戦いを強いられる事になる。

その第一弾、仙台戦。まずは仙台が、その守備力を以て荒田封じを実現し、その上で、荒田にまともに仕事をさせるだけの時間を与えない、超攻撃的なパスワークでこれを翻弄する。

昨年の第3クールの対戦では、仙台側に、見えない「昇格へのプレッシャー」のようなものが襲いかかっていた。そのようなものを感じる必要のない今節。昨年の第一クールでの対戦でも、3-3の撃ち合いを演じてみせた両チームではあるが、今年の仙台は違う。CBにエリゼウを迎え、左SBに朴が入り、そしてソアレスがホーム初得点を狙っている。

また、水戸が自陣でファイルをしようものなら、梁のFKの驚異がある事も判っているはずだし、昨年の第一クールには在籍していなかった、ボランチ斉藤も居る。平瀬や中島の裏を狙う動きが、水戸の最終ラインのコントロールを脅かし、関口の突破力と菅井の果敢な攻め上がりが、水戸の左サイド(仙台の右サイド)を制圧する。もし朴や菅井の上がりのサイドの裏を突こうものなら、CBの経験も積んでいるボランチ千葉や、主力に完全定着したCB渡辺広大がこれをブロックするだろう。場合によっては、関口や梁が下がって守備もするのだ。

荒田を始めとした、ここまで18得点を誇る水戸の攻撃力の成長ぶりには敬意を表したい。だが反面、ここまで14失点の「その理由」を、18得点の陰に隠させる事はできない。

現在の仙台が12得点ながらも、水戸のすぐ下の5位に座っている理由を、この試合で水戸に教示したいと思っている。それこそが、仙台の今季の持ち味である「強固な守備を礎とした、ボールも人も動き回るムービング・フットボール」だ。

「派手な得点力こそないものの、守備と攻撃のバランスが取れてきた仙台」。

「1人の選手の派手な得点力と、落ち着かない失点癖でどうにもバランスの取れない水戸」。

強固な守備力に裏付けされたトータル・サッカーを、今年の水戸は、まだ味わった事がない。




■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村 サッカーブログ ベガルタ仙台へ
にほんブログ村