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どこからでも、点を取れる-。
それが、今季の仙台の戦い方だと言わんばかりに、今季初の関口・一柳の2得点で、「逃げ切り勝利」を収めた仙台。試合内容も、連戦の最中らしく、実によくコントロールされた、見事なものであった。
特に、荒田を封じるために採った「荒田へのパスの出どころ封じ」は、効果てきめんだった。前線の荒田にボールが繋がらないように、その前の段階でパスを寸断。また、相手のボールに積極的にアプローチし、ミスを誘って自らのチャンスに繋ぐ姿勢も崩れてはおらず、仙台の攻撃の意志が、今節も継続されている事を確認できて安心した。
前半、水戸はやはり予想通りに、素早くパスを繋ぐ攻撃で攻めを展開しようとしてきた。だが、その勢いに飲み込まれては、水戸のペースで試合が進む事になる。そこで仙台が選択したのが、ロングボール中心で裏を狙う策。ロングボールや中盤でのパスカットを巧みに使い分ける仙台の技術は、水戸の思い描く「荒田に繋ぐ」攻撃プランをズタズタに引き裂いた。
ただし、水戸の中盤は、思ったよりも怖いという印象はなかった。FW荒田に得点が生まれるという事は、荒田との連携を構成する中盤の選手の出来も良いのか?と注目はしてみたが、名前の挙がった菊岡拓朗も、さしたる怖さを見る事はできず。前半5分に、中盤のこぼれ球を菊岡に拾われてミドルシュートを打たれ、辛くも林がこれを弾いて枠外に逃れるというピンチはあったものの、結局は「荒田を封じればほとんど怖いものはなかった」という、水戸側に対する印象の残った試合だった。
逆を言えば、それだけ「水戸のストロングポイントを仙台が消していた」という事なのだろう。もともと連戦の最中である事もあり、双方にパスミスが散見され、それをお互いがチャンスメークのきっかけとし、シュートまで持ち込む展開を交互に繰り返す。だがどちらかと言えば、全体的には仙台のポテンシャルのほうが上回り、前半終了時点でのシュート数は、仙台:8に対し、水戸:4であった。
印象的なのは、FW平瀬が再三に渡る決定機を逸した事。平瀬はいつも通り、常に良いポジションに陣取り、読み通り自分のところに流れてきたボールをフィニッシュに繋ぐが、今日の平瀬には運がなかったのか。特に記憶に残っているのは、前半36分の斉藤からのロングボールをどフリーで受けながらも決めきれなかったシーンと、3分後の39分の右CKで、エリア内ファーサイドの絶好の位置でボールを受けたのに、放ったヘッドが水戸ゴールの枠内ではなく枠(左ポスト)を直撃し、そしてその跳ね返りが平瀬自身にぶつかってボールデッドになったものである。
この日、前半だけでも、平瀬が遭遇したチャンスを全部モノにしていれば、2点は取れていただろう。平瀬、無念。だが、平瀬を始め前半の内容自体は決して悪いものではなく、水戸の攻撃の展開に慣れてきた仙台は、徐々に連携が噛み合い出してきていた。
そしてその集大成は、前半ロスタイム(1分表示)に訪れる。
水戸が14失点している理由が、おそらくこの得点シーンに隠れているような気がしてならない。水戸GKから出たボールを、水戸の最終ラインの選手が後方でパスを横に繋ごうとするが、仙台の選手が積極的にそのボールに絡もうとしていた事もあり、水戸の守備に「軽率なミス」が生まれる。
水戸の守備ライン中央の選手が、何を思ったか、そのボールをスルー。おそらくボールの転がる先に、味方の選手の存在を感じていたため、その選手に繋がるものだと思い込んだのだろうが、そこを梁が見逃すはずはなかった。素早くこれをカットする梁。
そしてそれを見た関口が、チャンスとばかりに、水戸の右サイドに拡がっていたスペースを指刺しながら走り込む。そこへ目掛けて、絶妙のスルーパスを出す梁。あまりに完璧過ぎるその「ラストパス」に、関口はトラップの必要性も、その時間も無意味と悟ったのか、ダイレクトで右足を振り抜く。
既に、関口の前面には水戸のDFが間に合って張り付いていたが、逆にその選手の股を抜くように放たれたシュートが、一瞬、水戸GK本間の「ボールに対するブラインド」になっていたかもしれない。
スピードに乗ったボールは、そのまま水戸ゴールの左隅へ吸い込まれた。1-0、仙台先制。
後半38分の「事故のような失点」を思えば、決勝点となる一柳のセットプレーからの得点が重要に思える。だが筆者にしてみれば、前半ロスタイムに奪ったこの先制点こそが、仙台がいま維持するべきプレーへの姿勢であり、実質、これが「決勝点」と見るべきだと思っている。
そのヒントは、前節・熊本戦3点目の、ソアレスの得点。
梁のFK2発はもちろん素晴らしかったが、ソアレスの3点目は、試合終盤に、梁が相手の一瞬のスキを見逃さず、果敢にボールを追った結果の得点である。ここに、キーワードか隠されている。
熊本戦の3点目。そして今節水戸戦の先制点。どちらも、
「梁が相手のミスを見逃さずにボール奪取」
という点において、共通しているのだ。如何に、梁がベガルタにとって不可欠な「大車輪」であるかが判る。
熊本戦のレポートでも書かせて頂いたが、J2所属チームの技術レベルを考えた時、相手が守備面でミスを犯す可能性は、J1のそれと比べ、非常に回数が多い。
そこに目を付け、90分間、それを絶対に見逃さない「鷹の眼」を持てば、どんなシチュエーションでも必ずチャンスは訪れるものだ。梁は、それがちゃんと判っている。だから、このような得点シーンを選出する事ができるのだ。
もちろん、梁以外の選手も、このようなシーンは常々狙っていると思う。だが、11節を終えた段階で、結果に繋がるプレーをし、存在を強く見せつけているのは、やはり梁しかいない。
このようなプレーから生まれる得点が、他の選手にも頻繁に見られるようになれば、仙台はもっと得点力があがる。そこに、点取りの「本職」であるFWの活躍も、当然ながら不可欠。今節は平瀬が何度も「あめ玉」を目の前にしながら、これを舐め損ねるシーンが目立ったが、連戦の最中において、このベテランFWが絶好調なのは事実。昨年同様、今後も平瀬は先発の座を暖め続けるだろう。
GW4連戦も、これで折り返しとなる。ここから2戦は、連戦の疲労が如実に表れてくる、地獄の2戦となる。だが、それはどこも同じ。であれば、連勝街道をまい進中の仙台のほうが、勢いの差で分があると見て差し支えはないと思われる。
次節、アウェイ草津戦。相手はチーム得点王の都倉賢を累積による出場停止で欠くが、大黒柱の風格さえ出てきた熊林親吾を始め、くせ者が多い。
草津戦のプレビューは改めて書かせて頂くとしても、この試合。ポイントになるのは、間違いなく「連戦の疲労」をどのように凌ぐのかという事になるだろう。
疲労のみえる選手の入れ替えで打開するのか? それとも選手は変えず、戦い方の工夫で凌ぐのか? 或いは、先発選手のリカバリーを徹底的に行い、その上で「先発も戦術も何も変えない」で臨むのか?
だが、草津戦のポイントとして、筆者が勝手に想う絵図としては「水戸戦に途中出場すらしなかったソアレス」があるような気がしてならない。
4連勝を達成し、ようやく昇格圏の尻尾を掴んだ。ここからの2試合は、更にその重要性が増す。選手は連戦で疲れもピークと思われるが、どこも苦しいはずだ。こんな時だからこそ、結果を出し続ける事に意味を持つ。
この連戦を凌げる術をモノにすれば、それは夏場をも凌ぐ糧になるはずだ。その「予習」を、今ここでやっておく事で、あとが楽になる。
ここが「耐えどころ」である。頑張れベガルタ。私たちサポーターも、一緒に戦う。
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