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岐阜0-2仙台 「逆境」こそが仙台の勝ちパターン!? 転んでもタダでは起きない勝ち方に、仙台の持つポテンシャルが見え隠れした試合。

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朴・田村の両選手に加え、関口まで欠いたこの試合。終わってみれば、2得点無失点の快勝だった。

各メディアによれば、この試合に臨んだ布陣は、あくまでも「4-4-2の中盤ダイヤモンド」形態。だが、両ウィングに配した選手が永井と富田だった事を考えれば、これは「4-3-1-2の応用陣形」と言える。

しかし、試合の行方を左右したのは、「陣形による攻撃の形態」ではなく、「陣形により相手を混乱させる」事にあったようだ。仙台の「大駒」である、両サイドの梁と関口。相手チームは通常、この2人へのマークを意識して挑んでくる事が多いが、この試合に限っては、関口が不在で、しかも梁はトップ下。そして、両サイドに張り出していたのは、永井と富田の「本職ボランチコンビ」。

これでは、いったいどんな陣形なのか、相手は全く見当も付かなかっただろう。だが逆を言えば、仙台としては決して「慣れた陣形」ではないため、どこかで綻びが出ないとも限らない。非常に大きな博打を打った試合でもあったのだ。

そして試合は、予想外の相手のミスを確実にモノにした、仙台の試合巧者ぶりが勝っての完勝となった。

16日付の河北紙によれば、「カウンターの応酬を繰り返す大味な試合。躍動感をまったく感じさせない90分間を終え、・・・」とあるが、それはあまりにも大局的過ぎる見方だ。確かにカウンター中心の展開ではあったが、鳥栖や札幌と同じように「前線からのプレッシング」を標榜する岐阜というチームに対し、裏のスペースを突くためにロングボールを多用しただけの事であり、それに対して相手もロングボールで応酬してきただけの事だ。

「カウンターの応酬」ではあったが、決して「大味な試合」ではない。仙台のサッカーを知っている人間なら、カウンター攻撃以外にも時折見せた「後方からどんどん人が飛び出していってボールを前線に運ぶ」パスサッカーを確認できた事だろう。

この試合、仙台は関口という大駒を欠きながらも、「誰が出ても同じ様なサッカーが出来るように」という目標の下、いつものように積極的な攻め上がりを見せた。いつもは梁と関口を軸に展開する中盤も、この日は梁がトップ下のため、両サイドには永井と富田。それも、もともとボランチが定ポジションの2人である事から、前線に張り続けるというよりも、後方からどんどん攻め上がるやり方が合っているため、結果として、ボール奪取時からの攻め上がりの躍動感は、梁と関口のそれとはまた違った色合いを見せていた。

先制点は、あまりにも早すぎる前半の6分。相手PA内の攻防にて、敵のクリアミスが発生。攻め上がっていた目の前の永井が、これをヘッドで平瀬に繋ぐ。

「軽く打つ事を意識した(平瀬)」の右足から、定規で軌道を描いたような弾筋で、ボールが岐阜ゴールに突き刺さった。1-0先制。

不慣れな4-4-2中盤ダイヤモンド陣形で出発した仙台だったが、この先制点のおかげで落ち着きをみせ、その後は「慣れた3ボランチ」で、相手の攻撃を受け止めてカウンターに出る戦い方にシフト。と言っても、両サイドの永井と富田がほんの少し内側に絞れば済む布陣だったため、陣形を大きく変えずに済んだ事も幸いであった。

その後、追いつきたい岐阜の猛攻を受けた時間帯もあったが、岐阜が見せる局所でのミスは、やはり若いチームならではのものだった。逆に、仙台は岐阜のミスを尽くマイボールにし、素早く攻め上がる攻撃を繰り返す。

この試合の特徴としては、「前半のシュート数が僅か2本」だった事にある。びっくりするくらい少ない数字だったが、これは、前半6分の先制という、あまりにも早い時間帯で得点できた事により、前半をじっくりとコントロールできた結果のものだ。また、ミッドウィーク開催という事もあり、決して無理な攻め上がりで体力を消耗したくない意識も含めての事だろう。その意味において、前半6分という早い時間帯に得点できた事は、あまりにも大きなアドバンテージとなった。

そして後半。前半から一転、試合はダイナミックに動き出す。シュート数だけを見れば後半は7本と、積極的に2点目を奪いに行く姿勢が見て取れた。

後半5分から7分に掛けて、仙台は果敢に2点目を奪いに行く姿勢を見せる。永井・平瀬が、岐阜ゴール前で立て続けにシュートを放ち、攻撃のリズムを掴み始める。その後、交代で入った田中も、惜しいミドルを73分に放ち、すわゴールかと期待を抱かせた。

そして、プレビューでも書かせて頂いた「あの選手」の起用が、2点目の「起点」となる。

マルセロ・ゴメス・ソアレス。

久しぶりの出場となったこの試合で、「やぱりブラジル人だな」と思わせる躍動を見せる。強引な突破、当たり負けしないフィジカルを武器とし、岐阜ゴールを脅かす。

2点目の梁のPKは、倒されたのが菅井ではあったものの、その前のプレーにおいて、ソアレスが強引にエリア内に侵入し、パスを出しながらも倒されたシーンが「起点」となった。あのプレーがなければ、直後の菅井の突破を岐阜選手が後方から倒してPK判定になる状況には至らなかっただろう。2点目については、8割かた、ソアレスの得点と言っても過言は無いものだ。

そして2点目が生まれたあとも、ソアレスは3点目を狙う。終盤に放った豪快なシュートこそバーを直撃したが、あれが決まっていれば、ソアレスの日本発ゴールだっただけに、惜しまれるシーンであった。

だが、この試合によって、ソアレスの今後の起用にメドが立った。また、関口や田村・朴を欠くこの試合で、左SBに入った一柳の守備奔走が収穫でもあった。「転んでも、タダでは起きない」というのは、まさにこの事を言うのではないだろうか。

関口がいないなら、別なやり方で勝ってみせる-。

博打的要素の高かったこの試合ではあったが、それが見事にハマり、そして一柳の左SBの適性やソアレス起用のメドなど、勝った事以外にも収穫のある試合だった。

まさに「総力戦」だ。この勝ち点3は、単なる+3ではない。下位との対戦が続く今後の展開を考えた時、下位から確実に勝ち点3を得るためには、どうすれば良いのか?その展望の一片を示してくれた、好試合だったと思う。

今節、対峙した「逆境」を糧とし、持ち得るポテンシャルを上手に発揮して勝ち得た勝利。

それこそが、仙台の今季の戦い方なのだろう。控え陣も含め、全員で勝つサッカー。C大阪のように、1試合で大量得点できる絶対的な力がある訳ではないが、逆境こそが仙台の勝ちパターンと言えるようになれば、「51試合という長丁場」自体が、仙台の味方になるやもしれない。

仙台には、まだ西山や曽我部といった「秘蔵っ子」もいる。こういった存在は、他のJ2のチームには見受けられない。首位を快走するC大阪でさえ、強力なのは、スタメンを張るメンバーだけだ。いつか、不調に陥る時がやってくる。その時、チームを救えるバックアッパーの存在がいるかどうかで、今季の昇格争いの行方が決まってくるものと信じている。

まずは、連敗の危機を救ってくれた選手達に、感謝の意を。

そして、再び中2日でやってくる、栃木の新鋭をも撃破する姿を見せて欲しい。




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