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中2日で3連戦も、この試合で一段落-。
3連戦の「初戦」だったホームC大阪戦を落とし、昇格圏にしがみつくためにはどうしても連勝が必要だった仙台が、ミッドウィークの岐阜戦・そして週末の栃木戦をなんとか2連勝で凌ぎ、辛くもこれに踏みとどまった。
「しんどい」3連戦だった。C大阪戦の敗戦に加え、負傷で田村と関口を欠いて岐阜戦に臨み、そして休む間もないまま栃木戦を迎えた。どこも同じ日程とはいえ、栃木戦の後半を見る限り、選手には明らかに連戦の疲労が見えていた。(=岐阜戦を欠場した関口を除く)
そんな中、チームの今季初連勝の牽引役は、ベテランFW・平瀬だった。岐阜戦で今季初ゴールを達成すると、その勢いのまま、今節の栃木戦でもゴールを決める。前節の岐阜戦では、定年定職した父親に、試合前の電話でゴールを約束。そして今節の栃木戦では、神戸時代に縁のあった敵将・松田監督の目の前で「復活アピール弾」を決めてみせるなど、なかなかのエンターテイナーぶりを発揮している。
だが、栃木戦では「生みの苦しみ」をチーム全体で味わった。今季、わずか1得点ながらも、6失点の堅守を武器にここ3戦を無敗で凌いでいた栃木を相手に、前半はゲームの主導権を握りながらも、ゴールを割れないまま前半を0-0で終えた。
前半に関して言えば、Jの先輩らしく、しっかりと主導権を握ってゲームをコントロールする事ができた。今節のシュート20本中、前半だけで実に14本。その内容を見ても充分に可能性のあるシュートが目立ち、チャンスメークは充分に出来ていたと思う。相変わらず、最後のフィニッシュの精度の問題は残っているものの、「相手を攻め立てる」仙台の持ち味は、充分に堪能できる前半であった。
ちょっと気になったのは、「堅守」と言われていた栃木の守備が、戦前に聞かされていたほど「堅い」という印象を受けなかった事だ。それは、仙台の攻撃が機能していたからなのか?それとも栃木が連戦の疲れからか、本来の守備パフォーマンスを出し切れてなかったからなのか?いずれにせよ、「仙台を知る者」から見た栃木の守備は、他のチームのそれと対して代わり映えしない、「通常の守備の堅さ」程度のものにしか見えなかった。
確かに、栃木は自陣ゴール前では人数を掛けて守備をフラットにし、堅い守備の印象を相手に持たせてはいたものの、栃木はそれ以外の部分において、大きな「問題」を抱えていた。
その問題とは、攻撃の展開において、中盤の選手にあまり上手な選手がいない事だ。ロングボールやパスの精度の悪さが目立ち、攻撃を最後までやりきれない。また攻撃をフィニッシュまで持ち込んでも、最後の精度を欠き、失点への恐怖はあまり強いものを感じなかった。あれでは、今季まだ1得点というのも、納得するに値するもの、と言うしかなかった。
どちらかと言えば、この試合における仙台の敵は「連戦の疲労」そのものであった。「連戦の中における理想の勝ちパターン(*筆者個人的見解)」は、一つの試合の中で、連戦の疲労が運動量に現れる前に試合を決めるゴールを奪い、あとはゲームをコントロールして逃げ切りを図る事だ。仙台の選手たちは、それが判っているかのように、前半のうちに先制点を奪いにいくべく、果敢に栃木ゴールを攻め立てる。だが、前半の仙台にゴールは生まれなかった。前述したが、相手の攻撃の迫力の無さを差し引いて考えても、前半のうちに得点を決めてしまえば、栃木に勝ち目が殆ど無くなる事は目に見えていた。
だが、その前半の攻撃において、前半13分、CKからの中島のバイシクルはバーに嫌われる。20分の梁のエリア内のシュートは枠を外れる。30分の関口のダイレクトミドルシュートは、栃木GK小針の正面。
チャンスメークの度に会場は沸き上がるが、運の無さも手伝い、なかなかゴールを割る事ができない。そこに存在していたのは、「栃木の堅守に阻まれる仙台」というよりも、「いつも通りに作り出せる決定機を、なかなか結果に繋げられない、いつもの仙台」の姿に他ならなかった。
いけない。このままでは、また「初物に弱い仙台」の印象を引き摺ってしまう。例年の仙台なら、こういう流れをいつまで経っても変えられず、90分の時間経過をただひたすら待つだけであった。
それが判っているからこそ、連戦の中でも、前半の14本のシュートを生み出し、結果を出そうとした、仙台イレブン。だが、前半終了の時点でのスコアは、0-0。後半に期待するしかない状況であったが、ここから栃木の逆襲に遭う。
迎えた後半。栃木は、前半の「仙台のいいようにやられている状況」を打破するべく、前半終了間際に、控えに入れていた佐藤悠介を投入していた。彼の存在が、後半の栃木の盛り返しのキーマンとなっていく。
前半とは打って変わって、佐藤悠介を中心とし、栃木の攻撃の時間帯が増える。耐えきれずにCKに逃れたり、ファウルでFKを与える場面も見られるようになった。
前半と後半の攻撃の勢いの変化を、シュート数から見てみよう。仙台は、前半14本→後半6本と、極端に減ったのに対し、栃木は前半5本→後半10本と、倍増している事が判る。実際、栃木の松田監督でも「前半を0-0で凌げれば、後半勝負だと思った」とあり、栃木が佐藤悠介の投入により、攻撃へシフトチェンジした意図が読み取れた後半であった。
そして、その佐藤悠介のFKの精度に、仙台ゴールは何度も脅かされる。枠を正確に捉える彼の技術を以てすれば、いずれは彼の足からゴールが生まれる事だろう。だが、仙台の守護神・GK林が、それを許さない。枠を捉えた彼のシュートは、全て林によって阻まれた。
積極的な交代で、後半の立ち上がりから攻勢をみせる栃木に対し、仙台も交代で打開を図る。後半10分、疲れの見える永井に変えて富田を。後半16分、中島に変えてマルセロ・ソアレスを投入。だがゲームを動かしたのは、途中投入の選手ではなかった。
後半21分。ボランチ斉藤がボールを持った時、彼の目に入ったのは、前がかりになっていた栃木の裏のスペース。そこへ絶妙のロングボールを入れると、オフサイドに引っかからずに抜け出した平瀬がこれを見事に収める。慌てて戻る栃木DFのブロックを冷静に見極め、そして打ったシュートは、GK小針の手と栃木ゴールの左ポストのギリギリ内側の、本当に「狭いシュートコース」を見事に突く。
前半、あれだけのチャンスをモノに出来ず、後半の栃木の攻勢を呼び込んだ仙台だったが、後半の数少ないチャンスをモノにし、結局はこれが決勝点となった。
1点を失った栃木だったが、その後も諦めずに仙台ゴールを脅かし続けた。だが、リーグ2位タイの5失点を誇る仙台の守備陣を相手に、ここまで1得点の栃木が得点を奪える可能性は、時間の経過と共にどんどん失われていく。佐藤悠介のFKだけが驚異ではあったものの、昨年、こういった展開で相手に追いつかれるシーンを何度も演出してしまい、尽く勝ち点を落としてきた仙台。今ここで、「この1点を死守する」事は、昨年までの仙台のイメージを払拭するために、絶対に必要なミッションであった。
こうして勝ち得た、勝ち点3。節を終わってみれば、翌日のC大阪の今季初敗戦や、湘南のドロー劇などもあり、首位に勝ち点6差まで迫る、大殊勲のものとなった。
試合終了後、栃木の守護神として奮闘する小針選手に、仙台サポーターから贈られた、ひときわ声量のある小針コール。惜しまれつつも退団していった選手には、いつも暖かい声援を送っている、仙台サポーターの心意気をそこに感じた。もっとも、勝ったからこそ出来た事ではあったと思うのだが。
ところで、今節の平瀬のゴールシーンは、昨年も見られた「仙台の得点パターン」である事にお気付きだろうか?
例を挙げてみると、昨年の28節(7月26日)、ホーム岐阜戦。後半18分、右SBの田村(菅井の長期離脱で、この時期は田村が右SBに定着していた)からの前線へのロングボールを、平瀬が相手DFを背負いながら、相手GKの右を抜いてゴールしたシーンがあった。
今節のゴールシーンは、GK小針の「左」を抜いたもので、昨年28節とは逆を突いたものではあったが、GKのポジショニングを見極めて可能性の高いほうへ冷静にシュートを打つその判断力は、平瀬の経験の成せる技だろう。ソアレスの「覚醒」にもう少し時間がかかりそうな状況を考えると、ベテランFWがきちんと結果を出してくれている事に、大いなる感謝を示したい。
ともかくもこの3連戦を、なんとか2勝1敗で乗り切った。
一週間のタイムラグを挟み、そして迎える、GW4連戦。全て中2日での開催であり、やっと終わった3連戦以上に過酷なスケジュールが待っている。おそらくは、同じスタメン構成でこの4連戦全てを乗り切れるはずはないので、どこかで先発陣の入れ替えが発生するものと考えられる。
そう思っていた矢先、今季のサテライトリーグが開幕した。栃木戦の翌日に行われた、仙台-柏戦。結果は0-0に終わったが、「可能性」を感じる選手が、そこには居た。
右SBとして出場していた、MF28:三澤選手。彼のドリブル突破からは、関口の入団当初の頃に似ているものを感じた。青森山田高校-筑波大を経て昨年仙台へ加入した若きドリブラーは、サテライトを観戦に来たサポーターに、その可能性を充分に感じさせる、期待度バツグンの動きを披露してくれた。このGWの4連戦で、もしかしたら、彼にトップチームでの出場機会が廻ってくる可能性があるかもしれない。
奇しくも、彼と誕生日を同じとする筆者としては、早期に彼の活躍する姿を思い浮かべてしまうのは、勝手な思い入れでしかないだろうか?
最後に、GW4連戦の展望を。ここが、第一クール最大のヤマ場である事は間違いない。開幕から登り調子だった、C大阪・湘南の2チームと言えど、この4連戦を無事乗り切れるという保証はなく、特に湘南は、この4連戦中に、アウェイ福岡・アウェイ甲府・ホームC大阪と、厳しい上位対決3連戦を控えている。福岡を見ても、湘南・岡山・札幌・そして仙台と、厳しい相手ばかりが続く。C大阪以外は、星の潰し合いになる可能性を充分に秘めている。
振り返って、我らが仙台。A熊本・H水戸・A草津・H福岡と、J2中位ながら自力を付けつつある、ある意味で「非常にいらやしいチーム」との対戦が続く。特に水戸・草津・福岡とは勝ち点でも近いところにいるため、ここはどうしても突き放しておきたい相手である。
だが、現在のチーム状況を以てすれば、決して勝てない相手ではないはず。ポイントはおそらく、ケガや疲労の蓄積の影響が現れそうな、3戦目の草津戦・4戦目の福岡戦あたりにあると見る。ここらで、現在控えに甘んじている選手の台頭がある事を願って止まない。
以前にも書いた事だが、「年間51試合」という過密日程を味方に付ける事こそ、今季のJ2を制するポイントであると思っている。それを前提とした時、このGW4連戦こそが、そのポイントの「縮図」となるのではないだろうか?
この4連戦が終わった時、仙台が昇格圏に食い込んでいる事に、大いに期待したい。それだけの準備と可能性が、仙台には充分備わっているはずだから。
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