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新型インフルエンザが猛威を振るう大阪・兵庫地区を経由し、敵地・愛媛に向かった、ベガルタイレブン。平瀬負傷離脱の中、マルセロ・ソアレスと2トップを組むのは、実績を重ねつつある田中か、それとも前節に今季初出場を果たした、中原か?
また今節は、サブメンバーも「面白い」顔ぶれとなる様相だ。西山と三澤がチームに帯同。三澤は8節FC岐阜戦以来、西山は2節岡山戦(ともにアウェイ)以来で、この2人が揃って帯同メンバー入りするというのは、恐らく初めての事だろう。
逆を言えば、それだけ負傷者が相次いでいるという事でもある。富山戦での負傷による、FW中島とDF朴柱成の離脱に加えて、前節徳島戦では、FW平瀬までが負傷。朴の穴埋めは田村で問題はないものの、FW陣は差し詰め「野戦病院化」の様相もある。
そんな中、マルセロ・ソアレスが次第にチームにフィットし、前節でホーム初ゴールを決めた事は、非常に明るい材料だ。手倉森監督の起用の傾向を見る限り、2トップを簡単に崩すとは思えないので、今節は「ソアレス+田中or中原」という事になるだろうが、予想される組み合わせは、ソアレス+田中。中原は試合勘を考慮し、ベンチスタートになるだろう。
それにしても、西山と三澤。チームとの連携度という意味では全くの未知数だが、よほどの事が無い限り、後半のどこかでどちらかは交代投入されるだろう。中2日でホーム・横浜FC戦が控えている事もあり、試合展開の状況によっては、早めの投入もあるかもしれない。
予想される交代シーンは、連戦の疲労軽減を考慮し、2列目で梁→西山か。もしくは、最近噛み合いの悪い感もある関口とのチェンジか。仮にリードしている場面で主導権を渡したくない場合には、前線に「圧力」を掛ける事のできる、西山がベストだろう。また、三澤は4月19日のサテライト柏戦(ホーム)で、右SBとして90分間出場。そのドリブル突破の魅力は、ポスト・関口と呼んでも良いくらいの期待感を持つ。
いずれ、この2人に活躍の場が与えられる刻は来るものと思っていたが、それがこのタイミングで、しかも2人揃ってとなるとは、考えもしなかった。主力に負傷者が相次いでいる事も影響しているが、それにしても、思い切った起用である。できれば、リードした状況で、プレッシャーのあまり掛からないシチュエーションでの投入であって欲しい。その方が、気楽に試合に入っていけるだろう。万が一ビハインドの状態での投入となれば、感じる責任の重さによってプレッシャーが襲いかかり、持てる実力を発揮できないかもしれない。
もっとも、プロ選手である以上、そんなプレッシャーに潰されたのでは、何時まで経っても主力にはなれっこないので、どこかで克服はして欲しいのだが。差し当たり、西山と三澤には「伸び伸びとプレー」して欲しい。今節の筆者の要望は、それに尽きる。
今節の相手となる愛媛だが、開幕3連勝を飾り、一時は「昇格圏」にすら居座って他のクラブの度肝を抜いてみせたものの、その後は8戦勝ち無しで、いつもの愛媛に戻ってしまった。
だが、直近4試合では2勝2敗と、持ち直してきた感がある。勝った2試合は2得点・3得点と攻撃陣が奮闘し、また敗れた2試合も、0-1と惜しい試合をしている様子。この4試合で3得点を挙げているFW内村(今季5得点)と、甲府から復帰したジョジマール(今季2得点)には要注意だ。また、既に3得点の赤井、そして田中俊也や大山俊輔の名前もあり、愛媛の前線の顔触れは、何かヤラレそうな雰囲気を醸し出していて、ちょっと怖いものを感じる。
仙台側のポイントとなるのは、前節、久しぶりに2失点を喫した守備陣の奮起だろう。今季はまだ9失点だが、これだけ失点が少ないと、マルチ失点の試合は嫌でも思い出す。第7節、ホームC大阪戦。前半終了間際に、マルチネスに来日初となる豪快なミドルを決められると、後半は日本代表・香川に個人技で決められ、1-2敗戦。
徳島戦は、この試合以来の2失点であった。特徴としては、C大阪戦では「100%個の力」で打開されてしまい、ある程度はやむを得なかったのに対し、徳島戦では組織的な得点を許した事にある。C大阪戦の時は、相手のポテンシャルの高さに加え、仙台がまだエンジンの噴け上がりが悪い時期での対戦だった事もあり、仕方ない部分もあった。だが徳島戦は、7連勝を達成した直後だった事や、1週間のインターバルがあった事、一時は逆転できていた事を考えると、絶対に勝たねばならない試合だった。エリゼウや菅井などの緊急復帰というエクスキューズはあったものの、あの流れなら、2-1や3-1で勝たなくてはならなかったはずだ。
そんな試合を落とした直後、中3日での対戦となる。だが連勝こそ止まったものの、チームのベース・ポテンシャルが急降下した訳ではない。節毎のFWの入れ替わりなどは、本当に強いチームなら、普段からあっても良いくらいだ。点を取れるチームの基本は、前線の軸になれるFWが複数在籍している事。FWの軸が1人しかいない場合、その選手が欠ける事で、攻撃のバランスを維持できなくなる恐れがあるからだ。
今節、その真価が問われる。仙台における「現在のFWの軸」は、間違いなく平瀬であるが、その平瀬が前節の負傷退場の影響により、今節は出場が不可。負傷の程度にもよるが、次節の横浜FC戦も微妙かもしれない。
その代わりに、FWの軸として急浮上してきたのが、マルセロ・ゴメス・ソアレス。途中出場から浮上のきっかけを掴み、前節徳島戦では、とうとうホーム初ゴールを挙げた。ゴール直後にみせた、両腕を前後に突き出すようなガッツポーズの姿は、どれだけホームでの初ゴールが嬉しかったかが伺い知れる。
今季、これで4得点目を上げたストライカーには、平瀬の穴を埋めて有り余るくらいの活躍が期待される。これで平瀬が復調しさえすれば、FWの軸が2枚となり、相手にとってはマークすべき相手が複数存在する事になる。この2人で取ったゴールが、徳島戦でソアレスの同点弾だった。後方からのボールを平瀬が頭でそらしてソアレスに繋ぎ、それをソアレスがゴール。徳島の選手3人を置き去りにし、GKとの1対1も絶妙のフェイントとボール捌きで見事にかわし、最後はゆうゆうと流し込むだけだった。
「豪快に決めるだけが得点じゃない。」ソアレスの、ここまでの4得点を見ていると、そんな声が聞こえてくるような気もする。ソアレスの得点を振り返ると、決して豪快な決め方はしていない。むしろ、溢れ球を押し込んだり、決められる位置を察知してそこへ移動して楽々決めたり、空中トラップで相手を攪乱したり、読みの良さで相手との対峙に勝ったりと、泥臭ささえ伺い知れるものばかりだ。
だが、それがブラジル人ストライカーの魅力でもある。「サッカーで成功する事が、人生の成功と言うにも等しい」ブラジルのサッカー事情では、男子は幼少の頃から、猫も杓子もサッカーに慣れ親しんで育つ。その成長の過程で覚えるのは、サッカーのルールや基本的な技術・戦術よりも、「如何に目の前の相手を突破するか」という、シンプルな遊びである。その遊びの中から、ゴール前でのテクニックと落ち着き、そして相手を抜き去るためのアイデアを身に付けていくのだ。
逆に、チーム内の日本人FWを見てみると、平瀬がそのセンスを持っている事に気が付く。決して派手な得点ではないが、経験から来る「読みの良さ」で、昨年は得点を重ねた平瀬。今季も既に3得点で、今季も10点は期待できそうだ。
その点、中島のプレースタイルを見ていると、強引なシュートで豪快に得点を奪おうとする姿勢を強く感じる。それはそれで決して悪い事ではない。だが、例えば「GKと1対1」になったシーンの中島は、そのほとんどをGKにぶつけてしまい、得点に結びつかない印象がある。この点については、異論は絶対に許されない。今までの中島には、「ゴールは豪快に決めるもの」という拘りすら感じていた。
だが、中島にも「拘りを捨てて、とにかくゴールを決める」姿勢が、最近になって見て取れるようになってきた。特に、地元凱旋試合となった富山戦でのキックオフ44秒弾は、見事な胸トラップからのシュートシーンで溢れたボールを、意地で伸ばした左足で押し込んだもの。ケガを負ったプレーながらも、「絶対にゴールを決める」という姿勢が結果となって現れた得点だった。
あの44秒弾は、実は単純に「相手DFのクリアミス」が、いきなり中島の決定機を産んだものである。あの胸トラップから、もしかしたら、中島が決めたいような「豪快なノーバウンドボレー」が見られたかもしれない。だが、結果的には、泥臭い押し込みゴールでの得点だった事のほうが、今後の中島には良かったと思う。泥臭くてもゴールを決める事のほうが大事だという事を、あの得点で中島は学習したと思いたい。
・・・今節出られない中島の話で、だいぶ引き摺ってしまった。平にご容赦。
長くなってしまったので、最後に試合展望と余談を書いて終筆としたい。愛媛とは4-4-2でシステムが噛み合う、がぶり四つの対戦となる。愛媛は8戦勝ち無しの間も、敵将の望月監督(2007年は望月ダービーだった訳だが)は、決してスタイルを変えようとしなかった。その成果が、ここ4戦の2勝に繋がっている。中盤で素早くボールを繋ぎ、スキを伺って前線の内村とジョジマールにボールを収めて素早い攻撃を展開するそのスタイルは、仙台のそれと目指しているところはあまり違いがない。下手をすれば、完全な「ミラーゲーム」になってしまう可能性もある。案外、仙台としては「自分と同じスタイルのチーム」との戦いを余儀なくされる可能性もある。ポイントとしては、徳島戦の反省から「相手のペースにさせず、主導権を握り続ける事」にあると思われる。
2006年よりJ2に加入した愛媛も、既に4年目の中堅クラブになろうとしている。昨年はとうとう初敗戦も喫した相手であり、「ハマれば怖い」部類のチームに成長した。昨年の対戦では、1勝1分1敗と、完全に五分の成績。スコアは1-0、0-1、1-1と、全てロースコアードな展開だった。
だが今年は、2得点以上を決めての快勝で対戦成績を伸ばしてくれる事に期待している。そこに、西山と三澤の活躍が絡めば、言うこと無しだ。前節の2失点を大いに反省し、今節も、「2得点以上・1失点以下」で、堅実な勝利をお願いしたい。
ところで、愛媛のホームタウンでもある「松山」と言えば、瀬戸内海フェリーでも有名な地だ。一般的なルートは伊丹空港からの「空路入り」であるが、時間が許されるのであれば、是非とも大阪からの「松山行きフェリー」に乗ってみたい。大阪港を 21:00 に出発すれば、翌朝 6:00 には松山観光港に到着する。のんびりとした旅気分を、故・村下氏の一ファンとしては、是非ともこれを聴きながら、松山に上陸してみたいものであるが、仙台としては、来季は是非ともJ1に戦いの場を移しておきたい。
そこで、愛媛FC・サポーター・関係者諸氏に伝えたい。いつの日か、「J1での対戦」が実現する事を願っていると-。
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