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仙台というチームは、どうして「水曜日のナイトゲーム」に苦しい展開を強いられるのか-。
今季の第4節の甲府戦(雪の中での0-1敗戦)、第16節の愛媛戦(敵地で逆転負け)。共に水曜のナイトゲームだった。
だが、この試合の終盤の「荒れ模様」を受け、思い出されたのは、2006年6月7日(水)のナイトゲーム。国立での東京V戦(主審:鍋島將起氏)の現地観戦だった。
あの時も主審の不可解ジャッジで、CB木谷が退場にさせられ、その後のPKも、高桑の好セーブを2度もやり直しをさせられ、そしてベンチ入りしていた小針が、どういう訳かレッドによる退場を受けた。負傷で白井もピッチを後にしており、CB2枚を欠いて、東京Vの攻撃を耐えることしかできなかった。
あの試合では、明らかに、主審である鍋島氏はパニックを起こしていた。あの時、現地に居た一人のサポーターとしては、主審に試合を壊され、敗戦を喫した事も手伝って、大変残念な想いをしながら国立を後にしたのを覚えている。
まさか、あんな雰囲気の試合を、またしても水曜の夜に拝する事になろうとは・・・。
ただ、主審も人間である。雰囲気に飲み込まれて、ミスジャッジをする事はある。プロとしては「あるまじき行為」だが、それを受けて感情的になり過ぎるのも、些か問題ではある。こういった悔しさは、試合の中で晴らす。それがプロのサッカーだろう。
前述した、国立での東京V戦からは、日付的にもちょうど3年になる。「歴史は繰り返す」と言うが、再びやってきたこの「試練の1試合」において、勝ち点3をもぎ取ってみせたチームに、精神的な成長を感じると共に、感謝の意を表したい。
さて、肝心の試合のほうだが、序盤こそお互いに「様子見」な展開。仙台・岡山共に、よく集中した試合展開で、お互いなかなか決定機を作る事が出来なかったものの、絶好調のソアレスが2度・3度と決定機に顔を出すようになり、徐々に流れは仙台に。前半でこそ得点は決められなかったが、後半に修正の効く仙台(逆を言えば、チームが後半に突然呼吸不全を起こす場合もあるのだが)としては、前半を0-0で折り返す事に、何の不安感もなかった。それは、見ていたサポーターも同じ想いだったと思う。
そしてやってきた、後半いきなりの得点シーン。岡山側によるキックオフだったにも関わらず、なんと38秒でソアレスのゴールが産まれる。左サイドでの平瀬-朴柱成の絶妙な「縦のワン・ツー」での飛び出しにより、えぐった位置からマイナスのパスを梁に送る。梁はこれをミスキックしてしまったのだが、そのボールの飛んだ先には、なんとソアレスが。
前半の3度の決定機を尽く外しまくったソアレスが、こんな「据え膳」を喰わぬはずはなかった。前半同様、少々力み過ぎもあったのか、打ったシュートはバーを直撃してしまったものの、当たった部位に恵まれ、そのままボールは縦に弾んでゴールに吸い込まれる。後半開始早々、あっさりと先制点が産まれ、沸き返るスタジアム。公式記録、後半0分。ソアレス、梁に並ぶ8点目をゲット。
しかし、ここからが本当の「試練」の始まりだった。
当然、仙台としては「2点目」を狙いに行った。失点を喫し、前がかりに成らざるを得ない岡山の裏を突いて、カウンターで2点目、というシーンを、誰しもが期待した事だろう。だが、結論から言えば、2点目を奪う事はできなかった。
後半の岡山の守備をみて「なぜ、湘南が1点しかとれなかったのか」が判った気がした。岡山は、失点しても決して慌てる事なく、守備のブロックを大きく崩さずに、あくまでも「反撃のチャンスが来るのを待つ」という、我慢のサッカーを継続的に展開していたからだ。
通常、先制点を相手に許した場合、リスクを負ってでも前がかりになって攻撃を展開するものだが、岡山はその「色」を決して濃くしようとしない。よって、2点目が欲しい仙台としては、前半同様に守備ブロックの強い岡山を相手に、攻め手を探す展開を強いられてしまった。
カウンターを仕掛けたい方からすれば、「相手に攻めさせる」のがセオリーだ。だが、岡山が採った予想外の展開により、いつの間にか「攻めさせられていた」のは、仙台のほうだった。
岡山のシュートが、前半は僅か2本だったのに対し、後半は5本。シュートにならなかった、クロスへの飛び込みを含めると、どれだけの決定機を岡山に与えてしまったかは数え切れない。
仙台としても、時折「相手の攻撃をしっかりと受け止める」サッカーを思い出し、カウンターの展開を狙うシーンも散見された。後半のシュート数をみれば、仙台が6本、岡山が5本。攻撃の展開に関しては、完全に五分の状態に持ち込まれていた。これは、こちらが先制点を上げていたにも関わらず、決して焦れないサッカーを選択していた、岡山側の「采配勝ち」と言えるだろう。クロスへの飛び込みに、タイミングさえ合っていれば、1~2点は持って行かれていたかもしれない。
そしていつものように、お互いが後半の時間の流れと共に選手交代を行い、徐々に盛り上がってくる「終盤の緊迫感」を味わおうとしていた、その矢先の後半38分だった。
負傷で一旦ピッチを出ていた中原(後半18分にソアレスと交代)は、第四の審判の許可を得てピッチに戻っていったように見えたのだが、主審はこれに対し、第四審に確認もせずに中原にイエローを掲示。ここから、試合の流れは大きく「脱線」していく。
まず、仙台側が「中原の負傷によって」ボールを出したものに対し、岡山から仙台にボールを返してきたのだが、そのボールを岡山側の選手が、アンフェアにもマイボールを主張。それを確認・説明するために主審がボールを持ってプレーを止めてしまったため、マイボールである事を信じていた仙台側サポーターから、言いしれぬ怒号が沸き上がった。
結局、仙台側のボールであると認められたあとも、岡山側はGK林のボールに詰め寄る始末。いくら早くボールが欲しいからといって、これはフェアプレーの精神に欠ける。ルール上は有効かもしれないが、見ていて情けなさすら感じるシーンだった。
そしてこの間においても、未だ中原の再入場が認められていなかった事も、状況の悪化に拍車を掛けていた。
この直後。ようやく再入場が認められた中原のファーストプレー。相手DFの持つボールに詰め寄り、ボールを奪おうとした瞬間。相手が一瞬先にボールを離した事により、「ボールでなく相手の足に行った」と判断され、これがこの試合2枚目のイエローカードに。
今季初、レッドによる退場者が仙台に出た瞬間であった。昨年からの手倉森体制としても初の退場者で、今季の甲府戦・湘南戦の連敗に続く、不名誉な記録を作ってしまった瞬間でもあった。
ただ、中原のこの2枚目のプレーは、理由はともかく「1枚目を既に貰っていた」事が判っていたにも関わらず、軽率だったと言われても仕方ない。退場判定時に、怒りを抑えてピッチを後にする姿には精神的成長を感じるが、それならば尚更、2枚目のイエローの可能性を考えたプレーに徹して欲しかったところである。
そして更に、試合の流れは混沌を極める。中原退場の直後のプレーで、朴柱成が足を痙ってゴール前で倒れたために、プレーを止めようと林がボールをタッチラインに出そうとしてけり出したが、このボールがラインを越えなかったため、岡山側の選手がこれを拾って攻撃をしようと動き出してしまったのだ。
岡山側の「早くプレーを再開したい」という気持ちは分かるが、その行動の結果、仙台サポーターから更なるブーイングを浴びる結果に。岡山側から見れば、仙台側の時間稼ぎに見えたに違いないので、些か仕方ない面もあったとは思うが。
そして、朴柱成に代わって田村がピッチへ入る頃、時計は90分になろうとしていた。また、この直後の岡山側のセットプレーで、林のボール奪取に一瞬遅れてボールに行った岡山の選手にイエローも。これにも会場はざわつきを見せ、試合の行方は更に混迷を極める事になった。
ここまでの僅か12分間の間に、あまりにも色々な事が発生してしまった。ただ、「伏線」はあった。前半終了間際の44分、ボールを競っていた平瀬が相手の選手に押されて倒れ、その勢いでボールに触ってしまったシーンがあったが、このプレーに対し、主審はハンドを採った。通常、故意と見なされないハンドはファウルをとられないものだが、この裁定に対し、普段は温和なイメージのある平瀬が、顔を真っ赤にして怒っていた。
思えばあの時から、主審に対する(あるいは、主審からみた仙台の)イメージが、悪くなっていったのかもしれない。
あまりにも長くプレーが止まっていた事もあり、掲示された後半ロスタイムは、記憶では最長の6分。この6分間を、仙台イレブンは(1人少ないので、イレブンとは言えないのだが)耐え抜き、そして勝ち点3を守りきった。
これだけの試合数があると、決して「見ていて気持ちの良い試合」ばかりではない。それは理解できる。だが、あまりにも不可解な主審の裁定、線審や第四審との確認の取り無さ過ぎな傾向、そして岡山側のアンフェアなプレーの連続と、サッカーのプレー以外のところにおいて、大きな懸念が取り沙汰されたこの試合を、しばらくは忘れる事ができないだろう。
そんな中、苦労して勝ち得た「勝ち点3」。襲いかかる苦難に耐え、集中を切らさずに最後までソアレスの1点を守りきって掴んだ勝利は、上位にいる湘南とC大阪のドローを受け、勝ち点差を2に縮める、大殊勲な勝利となった。
昨年まで、こういう試合を尽く落としてきた事を思えば、チームとしては大きな進歩である。
前節の水戸戦のように、5点差で快勝しても、勝ち点は3。
今節の岡山戦のように、苦労して掴んだ勝利でも、勝ち点は3。
数値的な事を言えば「同じ勝ち点3」ではあるが、それぞれに違う意味を持った勝ち点3でもある。狙いがハマっての改心の勝利もあれば、退場者を出しながらも苦心して掴んだ勝利もある。
同じ勝ち点3の中に、仙台は、間違いなくその歴史を刻み込み続けている。
まだ、第二クールが始まったばかりである。これからも、どんな労苦が選手や私たちサポーターを待ち受けている事だろう。
だが、どんな苦難や逆境であっても、それを選手と一緒に乗り越えていくからこそ、「絆」が産まれるというものではないだろうか。
今季の昇格に向け、また一つ「堅い結び目」が出来た一戦だったと思う。
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