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2005年以降の「1シーズン制」では、開幕からの10戦無敗だった記録を既に更新している仙台。そして、2004年まであった「2シーズン制」での、開幕からの13戦無敗の記録に、今節、王手を掛けている。
だが、この試合を「記録?関係ないね。昨年の雪辱を晴らす事しか頭にないよ。」という向きで観ているサポーター諸氏。筆者も同感である。
J2時代から、年1度くらいのペースで、確かに大敗を喫し、非常に悔しい想いをする試合というものを、何度か味わってきた。それが直近では、昨年の第6節、アウェイ清水戦だった。折しも、このときの大敗から「14試合未勝利」という長いトンネルへの突入を余儀なくされ、そして最終戦まで残留が決まらないという、歯痒いシーズンとなってしまった。
それもこれも、全部、清水のせいだ。と、責任を勝手に清水側に擦り付けてしまいたいところではあるが、仙台側にも油断や隙が無かったとは言えない。前節の鹿島戦を2-0勝利とし、今節と同じように、無敗のままで乗り込んだアウスタ。そして、誰しもが、あんな大敗を喫するとは、夢にも思わなかった。
そして、サッカーで受けた借りは、サッカーで返す。
今季の調子の良さを受け、何節か前から、「これなら、清水戦でリベンジを果たせそうだ」と実感している諸氏は多い事だろう。そしてそれは、贔屓目に見ての事でも何でもなく、100%客観的にみても、そういう分析論にしかならない。
これは決して、驕っている訳でも、相手を見下している訳でもない。
純粋に、チーム状況を比較対比してみた結果として、「メンバーが昨年から大幅に入れ替わり、今だチーム戦術を含めて構築中の清水」と「サブメンバーをも含めた戦術理解度の浸透性の高さにより、誰が出ても同じように戦える仙台」とでは、自ずと試合内容や結果も予想できるというものだ。
確かに、小野伸二や高原直泰といったタレントの存在はある。だが今節は、清水は守備の要のボスナーを出場停止で欠き、唯でさえ不安視されている守備に、更なる拍車が掛かっている。
それでも、今節は彼らのホームだ。彼らにも「ホームでは負けられない」という意地がある。どんな手を使ってでも、失点をせずに絶対に先制点を奪うという意気込み満々で、仙台を出迎えてくれるに違いない。
正直言って、今季の清水の戦い方は、ほとんど見えていないのが現状。数字的なデータを見る限りでは、17得点19失点と、得点は獲れるが同時に失点も多いという、なんとも大味な展開で推移。得点こそ、大前・アレックス・高原の3人で堅め取りしており、直近の5~6試合でようやく得点力が形を成すようになってきたものの、その「足を引っ張っている」のが、守備面の脆さ。ほぼ毎試合のように失点を繰り返しており、無失点試合は、ここまで僅かに2試合のみ。つまり清水は、2得点以上ないと勝ち点を得られないチームとなっている。
そして、今節の清水の相手は、今季ここまで、2失点以上の試合が僅かに1試合(5/14ホーム磐田戦)のみの仙台である。
昨年こそ、「鹿島を破った勢い」でアウェイ清水に乗り込み、そして大恥を掻かされたが、今季はもはや、勢いといった「一時的な強さ」とは訳の違う、確実に本物になりつつある、J1で通用すると予想できる強さを身に付け始めている。
まさに、「満を持して」とは、こういうシチュエーションでこそ使う言葉なのではないだろうか?
6月の連戦も、この節でようやく終了となる。幸いにも、ここまで無敗で上位に喰らい付いている事が出来ているが、当然、この試合でも無敗を継続し、可能であれば、マルチ得点を奪っての勝利を持ち帰りたい。
前回アウェイの新潟戦でこそ、連戦の疲労が祟り、選手の動きがあまり芳しくは無かったが、選手のターンオーバー起用が巧く機能し、何とか1勝1分のペースを維持できている仙台。チームの現状を考慮すれば、もはや昨年のような大敗は考えにくく、あとは「如何に得点を重ねて勝利を手繰り寄せるか」という部分に集中できるか、に掛かっている。
臆する必要など、全くない。
上位に留まっていられるだけの理由が、このチームには、しっかりと根付き始めているはずだ。もし、ここでそれが崩れるくらいなら、とっくの昔に今季1敗以上は喫しているはず。だが、仙台は無敗を維持している。
仙台が、ここまで無敗を貫けている理由。それを清水側は、90分を掛けて、嫌という程に体感する事になるだろう。
重ねて、言いたい。
決して、驕っている訳でも、相手を見下している訳でもない。
仙台の、仙台らしい、ベストなサッカーを貫きさえすれば、自ずと「結果」は付いているはずだ。
昨年とは、ひと味もふた味も違う仙台を、清水に、とくとご堪能頂きたい。
私たちには、リーグ戦12戦を経て、今だ戦い方の定まらないチームに敗戦を喫する余裕などないのだ。そして私たちには、負けられない理由がある。
持てる力を全て出し切り、全力で、倒しに掛からせて頂く。ただ、それだけである。
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