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2週間で5連戦の、5試合目。気温は25℃を越え、湿度に至っては87%という高さ。しかもアウェイで、相手はホーム連戦で移動による疲労は無し。
これがもし、もう少しコンディション面で有利な状況だったなら、結果は違っていたものになっていたかもしれない。
だが、今季初敗戦は、このタイミングでやってきた。それはそれで事実である。
悔しい、とは思った。背負うものの大きさを考えれば、ここでも負ける訳には行かないと、意気込んで臨んだ。しかし、考えてみれば、過酷な連戦日程の中、ターンオーバーで凌いで、ここまで12戦を無敗としてきた事自体、奇跡に近いのだった。
今節の試合内容をみても、選手に疲労と苦悶の色が見え始めている事は明らかだった。にも関わらず、前半から決定機を連発し、守っても終盤のたったの1失点に抑え、後半ロスタイムに入っても、誰も手を抜く事なく、最後までゴールを狙って攻め続けた。
結局、リーグ開幕戦以来の無得点に終わり、今季初の黒星を喫する事に至った。
しかし、何故か気持ちは清々しい。悔しいは悔しいのだが、ここまでの連戦での選手たちの頑張りを思えば、よくぞこの苦境の中を、1失点で凌ぎきったと思う。
清水側は決して好調という訳では無い、という事をプレビューで書かせて頂いた。それに対し、臆する事なく、胸を張って戦いに挑んで欲しいとも書いた。
だが、今から振り返ってみれば、相手のチーム状況や、勝敗云々ではなく、「背負うものがあって戦う人の強さ」に感動を覚え、それを後押ししたいという気持ちのほうが、強かったのかもしれない。その事に、負けて、初めて気が付いた気がした。
得点こそ奪えなかったが、昨年に散々な目に遭わされた清水を相手に、決定機は驚くほどたくさん作った。相手のシュートを僅か6本に抑え、仙台の堅守ベースが引き続き機能している事は実証された格好だ。
1シーズンを通して、無敗など有り得ない。どこかでは、必ず敗戦を喫する事もあるだろう。それが、この節でやってきたというだけの話だ。
本当に大事なのは、ここからである。
7月の対戦カードを見据えれば、本当に厳しい、夏場の戦いがここからやってくる事が判る。
むしろ、ここまでリーグ戦12戦を無敗で凌ぐという快挙を達成した選手たちに、惜しみない拍手を送ろうではないか。
これは、J2時代に築いたクラブ記録を更新すると共に、2005年以降にJ1が1シーズン制に移行して以来の記録をも更新しているのだ。
そして、現在の仙台は、この1敗で、昨年のような未勝利街道を再び彷徨い歩くような弱さを持つチームでは、決してない。
その事は、次節のホーム・名古屋戦で、選手自らが証明してくれると信じている。
折しも、次節の名古屋戦は、第2節となる。ここからの5試合は、本来なら、あの震災のあとに予定されていた5試合だ。
気持ちを切り替えて、リスタートするには、丁度良い節目の試合ではないか。
更には、7月にはまた清水戦が組まれている。今度はホーム。今節の悔しさを忘れ切らないうちに、またすぐ対戦が組まれているのは良い事だ。
今節の借りは、7月の再戦のときにお返ししよう。
最後に、清水のゴトピ監督について。
試合後の監督インタビューで語ってくれた内容は、震災地域の当事者として、大変に嬉しいものだった。
「今季の仙台は、何位で終わろうとチャンピオンだ-」
清水自身、選手の入れ替えが激しく、監督としても労苦の真っ直中にいる中で、中々ホームで勝てない状況で推移していた中、やっとの思いで辿り着いた、ホーム2勝目。そのインタビューの場面で、勝利の嬉しさよりも、まず、私たちの被災地への配慮と、そして仙台の戦い振りへの賞賛の意を真っ先に表明し、そして前述のようなコメントを残してくれた。
多分、冒頭で書いた「負けたけど清々しい」という、この心境は、ゴトピ監督のコメントを受けての事も含んでこの事なのだろう。負けて、土を付けられはしたが、すぐに手を差し伸べられた気分なのだ。
こんなに気持ちの良い、敗戦後の心境は、滅多にあるものではない。
良い意味で、この借りは7月のホーム対戦で絶対に返したい。それが、今節にゴトピ監督から受けた気持ちに対する、最大級の恩返しになるはずだ。今節の一敗で、今季の私たちの戦いが終わった訳ではない。むしろ、これからが本当の戦いだ。
まずは、次節の名古屋戦に向けて、やっと迎えられる1週間の空きを活かし、選手は、6月の連戦の疲労を癒すところから。
私たちサポーターも、八巻や褌を締め直し、新たな気持ちで7月からの対戦を迎えたい。
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