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この一戦にて、一番楽しみにしていたのは、ハーフタイムの氣志團のミニライブだった。
盛り上がるハーフタイムに成るであろう事は、充分に予想していたものの、まさか観客が総立ちで、あそこまで盛り上がる展開になろうとは。ハーフタイム直前に、梁の芸術的な先制弾が決まった事もあり、雰囲気は最高潮で、氣志團の唱う「スタンディング・センダイ」に聞き入った。もちろん、気が付けば歌詞を口ずさんでいた事は、言うまでもない。
そして、その流れのまま、後半も良い展開が続いてくれれば良かったのだが。そうは問屋が卸さなかった。
前半は、これまでの試合と同様、仙台が試合の主導権を握り、立て続けにゴールチャンスを創出する展開。特に、裏への抜け出しを意識した中島の動きは、出場を重ねる度に秀逸になっていくのが判る。特に、22分の胸トラップからダイレクトで撃ったシュートが惜しくもバーに嫌われたシーンなどは、決まっていれば、間違いなくワールドクラスのゴールだ。先発の中島から先制弾が産まれるのも、時間はそうは掛からないかもしれない。
しかし、先制弾は、やはりこの男によってもたらされた。44分、前述した中島が右サイドで流れて受けたボールを、中央の梁へ繋ぎ、これを落ち着いて名古屋ゴール左上隅へ突き刺す。張り付かれていた名古屋ディフェンスの枚数や位置、そしてキーパーがぎりぎりで届かないコースへキッチリと決めた事も含め、こちらもワールドクラスのゴールシーンと言えるだろう。
そして、前述した氣志團のミニライブを経て、いよいよ試合は後半へ。
最高の雰囲気で後半を迎えたが、後半6分に、早々に名古屋はブルザノビッチを諦め、フォワードの永井謙佑を投入してくる。
これで、名古屋の「攻撃のスイッチ」がONになった。投入された永井は、各紙メディアが絶賛していた通り、あまりにもそのスピードや突破力に秀でており、仙台は、はっきり言えば「彼1人に翻弄」された格好となった。唯でさえ、昨年の覇者である名古屋の、強力で完成度の高い攻撃陣に加えて、永井のあのスピードに晒されたのでは、仙台は攻撃に打って出る余裕すら無かった。
そして案の定、失点を喫してしまう。それも、投入された永井が放ったシュート?が、ケネディへのポストプレーという格好となり、そしてそのケネディの「落とし」を、そこへ詰めていた角田が、うっかり、仙台ゴールへ押し込んでしまった。今季、初めてのオウンゴールである。
もっとも、あの形で永井からケネディへボールが渡った時点で、かなり失点の危険性が上がっていた。ある程度、やむを得ない失点ではあった。
しかし、この日は、前半から見せていた、GK林卓人の見事な好セーブが光り、名古屋の攻撃陣から放たれる驚異的なフィニッシュの数々を、次から次へと阻止。よく「GKがノッた試合はなかなか失点しない」と言われるが、まさに、この名古屋戦がそうだったのだろう。
後半ロスタイムの「あわや」のシーンでも、林のビッグセーブが無ければ、間違いなく逆転弾を喰らい、昨年と同じ結果を招いていたに違いない。
そして、主審のホイッスルが吹かれた瞬間に、仙台としては初めて、リーグ戦で名古屋から勝ち点を奪った事が公式に記録された。症状残念な失点により、勝ち点3とする事こそ出来なかったものの、7戦無敗で絶好調の名古屋を相手に、あのオウンゴールによる1失点で凌いだ事は、何物にも代え難い財産だ。
それを支えたのは、間違いなく、好セーブを連発したGK林と、そして、この試合で先発に復帰した、チョ・ビョングクである。彼らでなければ、今の名古屋は止められなかっただろう。多いに感謝したい。
もちろん、梁の先制弾も素晴らしかったし、その梁の先制弾をアシストした中島も、J1でプレーするに相応しい、フォワードらしい動きが身に付いてきた。他に代役が居ないのであれば、次節の柏戦も、赤嶺-中島の2トップで充分ではないだろうか。
今節の結果を以て、連敗は免れる事が出来た。せっかく応援に来てくれた氣志團の目の前で、逆転負けだけは喫したくなかっただけに、最低限の責務は果たせたと思う。
ところで、今節の失点シーンと、前節・清水戦の失点シーンで、気になる事があった。それは、どちらも「仙台側自陣の右サイドで、相手をフリーにしてクロスの供給を許してしまっていた事」にある。
結果論ではあるが、もし、この2試合に関口が出場していたら、ほぼ確実に、自陣右サイドでボールを持った相手に、フリーでクロスを供給させる事などは有り得なかっただろう。特に、試合の後半では、こちらも相当に運動量が低下しており、前半のように、相手の動きを封じるマーキングは、ほぼ不可能だ。
現在、試合の後半や終盤などの「勝負どころ」で、前半と同じような運動量で守備貢献が出来るのは、仙台では関口選手しか選択肢が無いに等しい。
ホーム甲府戦後の態度を叱責され、現在、自宅謹慎によってこの名古屋戦までの予定で欠場となっている関口選手だが、今季の夏場を乗り切るには、やはり、彼の運動量は必須条件だ。
例え、彼の出番が先発ではなく、途中出場であったとしても、それはそれで、非常に重要な意味を持つはず。それなのに関口選手は、先発を降ろされた事に不服を申し立て、「和を乱した」として謹慎処分とは-。
連戦の疲労軽減の意味もあっただろうに、もう少し「大人の判断」が出来るようになって欲しいものである。
だが、サポーターはみな信じていると思う。海外移籍が絡み、今後も彼が仙台の試合に出続けてくれるかどうかは若干微妙な情勢ではあるが、関口は、仙台で育った選手だ。簡単に移籍や出場回避が続く状況など、まず考えられないし、考えたくもない。
必ず、関口選手は、ピッチに戻って来てくれる。その役割が、先発だろうと、ベンチスタートであろうと関係ない。
今の仙台には、まだ、彼が必要なのだ。でなければ、この夏場を乗り切れる自信は、少なくとも筆者には無い。
自身のスパイクに入れているメッセージの意味を、もっときちんと意識して欲しい。
「そこ」をクリアできるのなら、柏戦ではきっと・・・。
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