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第5節vs鹿島戦プレビュー 今季J1、前半の最終戦。4戦未勝利である事を引き摺らず、如何に「要所の運動量と精度で相手を圧倒できるか」に、勝ち点奪取が掛かっている。「得点力の無さ」が、決して「堅守とのトレードオフ」ではない事を証明したい一戦。柳沢、そして関口の先発濃厚。「気持ち」の面でも、相手を凌駕できるか。

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2011/07/17(sun) 18:30 Kick-off@県立カシマ.

この節の終了を以て、今季のJ1リーグ戦も、ちょうど前半戦が終了、折り返しとなる。この区切りの良い一戦を、何とか良い内容と結果で終え、前半を総括したいところ。

相手は、もはや前置きの説明など一切不要な、あの鹿島アントラーズ。しかし、今季の鹿島は、ACL での戦いを含めて、今だに調子が上がってこない。この一戦を前に、鹿島がまさか、14位という順位に甘んじているなど、夢にも思わなかった。

実はこの一戦、なんと「直近の4試合が未勝利チーム同士の対戦」となる。結果を出せずに「産みの苦しみ」を味わっているチーム同士の、熾烈な主導権争いになる事は、戦前から明らかだ。

ただ、同じ「4試合未勝利」と言っても、お互いそれぞれ「事情」が違っている。

仙台が勝てていない事情は、「大崩れしない堅守を維持できているのにも関わらず、得点が遠い」事。そして、鹿島が勝てていない事情は、「突然に失点癖が顔を出してきた」事。実は鹿島は、勝てていないこの4戦中、実に3試合で合計6失点。それぞれ1試合2失点づつ喫しており、どこか守備面の脆さが浮き彫りになっている様子がある。

果たして、この試合の様相は、「得点力に乏しい仙台が、失点癖の出てきた鹿島から得点を奪う事ができるのか」という事になるのか、それとも、「失点癖の出てきている鹿島が、得点力に乏しい仙台を相手に守備で自信を取り戻すのか」という事になるのか。

そして、筆者なりに予想する展開は「仙台の堅守維持ペースで 0-0 で試合が進み、カウンター気味の展開から先制点を奪い、それを最後まで守りきる」というものである。

鹿島サイドには申し訳ないが、どんなに仙台が勝てていないとしても、マルチ失点や大敗などで試合が壊れた事は今季一度もなく、この試合でも、それは維持されるという予想が体勢を占めるだろう。故に、鹿島はどんなに仙台を攻め立てたとしても、それが得点に結びつく事はなく、逆に、鹿島の猛攻を凌ぎ切ってカウンターに撃って出た仙台が、古巣撃破に燃える柳沢を中心として、一気に鹿島ゴールを急襲し、これを陥れるものと推察する。

そんな予想展開の中で、活躍に期待したい選手は、前述した柳沢と、そして先発復帰が濃厚な関口である。

ここで、「関口の先発起用」については、賛否両論があるだろう。あれだけ我が侭なプレーを繰り返し、味方への連携を考えるよりも、先に「自身のドリブル突破」を試み、そして簡単にボールを失って、折角のチャンスメークをフイにする。そんなプレーを繰り返してきた関口が、甲府戦の起用方法への不満から謹慎を喰らい、ここ4試合はチームの勝利に貢献できていなかった。そんな選手を、勝てていないからと言って、安易に先発に復帰させて良いものなのだろうか?と。

しかし、筆者は敢えて、この試合での関口の先発復帰を祈願していた。理由は、非常に単純明快なもので、「休養十分な関口の運動量を、このタイミングで、先発で使わない手はない」というもの。また、関口は途中出場で活きるタイプの選手ではなく(本当は、先発でも途中出場でも活躍して欲しいのだが・・・)先発させてこそ活きるタイプの選手。豊富な運動量を活かし、前線からの守備貢献とチャンスメークをする事こそが関口の真髄であり、彼本人に得点が産まれていないとしても、それ自体が、彼の評価を決定する要因では決してないのだ。

だからこそ、甲府戦で先発を外された事に納得が行かず、監督に異議を申し立てるような「愚行」に走ってしまったのだろう。気持ちは痛いほど判るが、それでも、やって良い事といけない事の区別はつけて欲しい。

そして、謹慎期間、及び、途中投入の形で「機会」を伺ってきた関口に、ここで先発復帰のチャンスが訪れる事になった。その理由こそ、「疲労の色濃い選手を休ませるため」つまり、ターンオーバーという形ではあるが、戦術的に適合しない選手を先発起用するような監督ではない事から、単にターンオーバーが理由ではなく、鹿島の守備陣の乱れを突くための「武器」としての起用の意図もあると思われる。

人として、もう少し成長した関口が、もしこの試合で先発復帰を果たせたとき、果たして、どのようなプレーを見せてくれる事だろうか。練習後のコメントなどでは「自身のプレーの特徴を出す」などと発言してはいるが、連携面も重要であり、如何に「攻撃の和」を乱さずに、仙台の攻撃を活性化させるかが重要な役割となるはずだ。その事は、関口本人が一番判っているはずである。

この試合での、関口の一層の活躍に期待している。

そしてもう一人。この選手を取り上げない訳には行かないだろう。FW30:柳沢敦。言わずとしれた、元鹿島の主力選手であり、日本代表を牽引してきたベテランFWである。聞き及ぶ話によれば、前節の清水戦は休養に充て、この鹿島戦にコンディションを合わせているとの事。それだけ、この鹿島戦に期するものがある、という事になる。

彼が、一番数多くプレーしたスタジアムこそが、彼が今季の初ゴールを産むにふさわしい場所ではないだろうか。もちろん相手にも警戒はされるだろうが、柳沢が先発から、積極的にゴールを狙う姿を想像するに堅くない。だが、彼の前線でのボールの収まりの良さは、フィニッシャーというよりも、攻撃の起点としての役割のほうが合っているだろう。チームプレーに徹する中で、自身にゴールチャンスが巡ってきた時は、遠慮なくシュートを撃って欲しい。それが、先制点、そして決勝点になる事を願って。

この試合。もしかしたら、関口が豊富な運動量でボールを奪取し、これを柳沢に預け、そこからのパス出しやクロス供給でゴールが産まれる、、、そんな展開が観られるかもしれない。

夏場の暑い時期、真っ盛りである。当然、90分を通して、運動量を豊富に繰り出して相手を圧倒する事など不可能だ。それは、例え鬼神のような運動量を誇る関口であっても、である。

となると、仙台がこの試合で勝利を掴むためには、ホームの利を活かして主導権を握ろうとする鹿島を、持ち前の堅守で失点を我慢し続け、その中から「見つけた少ないチャンス」を活かし、関口の運動量でボールを前へ運び、そして、収まりの良い柳沢へ預け、そこからゴールを急襲するという展開に期待したい。もちろん、それぞれの役割を、他の選手に実践して貰っても構わない。

お互い、勝っていないチーム同士の対戦とあって、どちらも勝利は絶対に譲れない、激戦の予感もある。だが、仙台の堅守性を考えれば、おそらく撃ち合いの様相に発展する事は考えにくく、基本的には、1点を争う仙台ペースで試合が進む事だろう。

特に仙台としては、この試合で、是非とも証明してみせたい事がある。それは、「得点力の低さは、決して、高い堅守性とのトレードオフでは無い」という事。

「守備で奔走する分、攻撃が拙い」という訳では決してないところを、なんとしてでも、この試合で証明して欲しいところだ。

もちろん、前線から守備を意識する戦術が礎である事から、戦術的なウェイトが、攻撃よりも守備にシフトしている事は否めない。だが、J1という厳しい舞台で戦っている以上、それは言い訳にもならず、なんとしてでも両立させなければならない「重要課題」でもある。

そしてそれは、今季の仙台というチームなら、必ず成し遂げられるはずだ。

その、キーポイント。それこそが「試合の要所において、守備から攻撃への切り替えの速さと、味方を信じてスペースにパスを出す勇気を持つ事」ではないだろうか?

現在の仙台には、「噛み合い」さえすれば、私たち仙台サポーターですらも驚くような連携プレーを繰り出せる技術を持つ選手が多い。ただ今は、夏場の疲れといったものや、関口の離脱劇などの「ノイズ」によって、少しばかり色が褪せてしまっているだけだと信じたい。

夏場の厳しい時期と言えども、勝てない試合など、一つもないはずだ。むしろ、堅守性の高い仙台なら、この時期に連勝を収めていてもおかしくはないはず。最後は、相手を上回る「勝ちたい」という気持ちの差で、勝負は決まる。

前節のレポートでも書いたが、最後は「気持ちの差」。仙台という地域に座するチームである以上、今季は背負うものの重さが違う。それを、選手と、そしてサポーターとで分け合って担い、お互いの信頼を以て、ホームでも、そしてアウェイでも、勝利を掴み続けたいものである。

その「きっかけ」を、この鹿島戦で、掴んでくれる事を信じて-。




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