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仙台0-1大宮 今季初連敗、今季初ホーム敗戦。点差以上に完敗を喫した、ミスの応酬、そして疲労困憊の、勝ち点ゼロ。攻撃面の建て直しが急務だが、それ以前に、まず主力選手の休養が最優先と感じる。中3日で迎えるナビスコカップを「どう活かすか」によって、今後の展開が左右されると感じた一戦。

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あまりにもショックな、大宮戦の内容と結果に、試合後まる一日は、このレポートを執筆する気になれなかった。掲載が遅れた事、平にお許しを-。

筆者、何年かぶりの、サポーター自由席参戦。周囲も総立ちの中、90分間、必死に声を出して選手を応援させて頂いたが、願い届かず、力なく敗戦を喫した。

試合終了後、応援席の周囲から沸き上がってきた、おそらく今季初であろう、ブーイングの嵐。それも「やむを得ない」と言わざるを得ない、内容的にも酷いゲームだった。

足りない運動量、安易なパスミス、精度の低い連携、そして、相変わらず、少ない決定機をモノに出来ない、決定力の無さ。それに加え、前半の16分には、右サイドバックの菅井が「鼻骨陥没骨折」との負傷離脱により、選手交代のカードを早々に1枚消費する羽目に。

その事が、選手の動揺を招いた訳では決して無いのだろうが、試合は全般的に大宮ペース。記録上、シュート数は10vs10の同数だったが、シュートシーンに至るまでのプレーの連携、ボールタッチの落ち着き、そして運動量は、非常に悔しいが、明らかに大宮のほうが上を行っていた。

強いて、今節に仙台の良いところを挙げるとすれば、左サイドバックの朴柱成が「スーパーな活躍」だったことくらい。菅井の穴を埋めんとばかりに、果敢に攻撃参加、守備に奔走。重たい「仙台の攻撃の雰囲気」を打破しようと、孤軍奮闘しているかのようにも見えた。

だが、サッカーは一人では出来ない。味方との信頼と連携があって、初めて攻撃が成立するスポーツだ。それなのに、今節の仙台は、ボールを持った選手がパスの出しどころで迷い、攻めなければならない時間帯でも、ボールを安易に下げて様子をみたり、いざパスを前線に出しても、その出すポイントを何度もミスし、あっさりと相手にインターセプトされるという醜態を、繰り返す始末。

そんな中でも、なんとか相手の裏をとり、ゴールキーパーとの1対1に持ち込こめたシーンも、あった事はあった。しかし、「ほぼ確実に決められるだろう」と思われる決定機でも、結局は相手GKにシュートを阻止され、結局は1本ものゴールも成らず。

ここ何試合かで繰り返してきた「歯車の噛み合わなさ」は、今節は更に、その異音を増していっていた。ある者はアクセルを踏んでいるのに、ある者はブレーキを踏む。またある者は、ギアをトップに入れたいのに、ある者は、そのギアを、さっさとニュートラルに戻そうとする。

そんな状態では、「車」が前に進むはずもない。

結局、後半に与えたセットプレーを、FW李天秀に押し込まれて失点。この時点で、今の仙台には、ここから逆転する力はもう既に無かったのかもしれない。

最後は、4分と提示されたロスタイムも活かし切れず、試合終了のホイッスル。その瞬間、サポーター自由席からは、ここまで数試合、勝てていなかった事への鬱憤も含んでいたであろう、大ブーイングが湧き起こった。

まさか、数年ぶりのサポーター自由席参戦において、いきなり、そのブーイングの真っ直中に居る事になろうとは、夢にも思わなかった。

なお、ブーイングには参加しなかった。「ブーイングやむなし」とは思えたが、試合終了の瞬間、それまで張ってきた「気」が一気に抜け、膝を抱えて息を整えるのに、精一杯だった。しかし、もしまだ元気が残っていたとしても、選手の労苦を思えば、ブーイングする気にはなれなかった。

これで、3試合連続の無得点。もはや、順位など気にする余裕はなく、ただただ、「どうすれば点が獲れるようになるのか」が気になる状況へと陥っている。

リーグ戦の序盤こそ、「被災地、被災者のみなさんへ、元気と勇気を届ける」という使命に燃え、いつも以上のパワーをも出し切って、勝ち点を稼ぐ「大躍進」を遂げてきた。が、ここへ来て、そのパワフルな戦いにも、相当な陰りが見え始め、一気にペースダウン。マラソンに例えるなら、「前半戦で体力を消耗してしまい、とうとう折り返し地点で歩き出してしまった」ようなものだろうか。

この状況は、「リーグ戦前半戦を通してコンスタントに勝ち点を稼いできた」のとは、訳が違う。充電式バッテリーで言うところの「突然、電池切れに襲われた」ような状況なのだ。それを証明するかのように、ここ数試合の試合内容をみていると、試合を追う事に、どんどん内容が悪くなっていっている。

ほんの数試合前までは、「勝ててはいないけど、内容は決して悪くないから、我慢していれば何とか」という表現も出来たが、今節の内容を見る限り、そういう表現をするのも、かなり厳しいだろう。

そして恐らくは、もはや「気持ちの問題」をも通り越している状況と推察している。

試合後の監督コメントにもあったが、

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試合前、チームには「4月、5月、6月と、勝ち点3を東北に届けてきた。7月はまだ届けていないぞ」というところで、「今日は勝ち点3をプレゼントできるように頑張ろう」という話をしました。
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と、常に「私たちは背負うものがあるんだ」という事を、選手に意識付けさせてきている。その意識付けは非常に大事だと筆者も考えているゆえ、この点には賛同する。

だが、選手だって人間だ。「休息」は必ず必要になる。

唯でさえ、厳しい夏場の戦いに加えて、今季は背負うものが、あまりにも重すぎる。その重さを判った上で、選手たちは、必死に戦ってくれているのだ。

でも、ここらで「どうにか」しないと、選手が疲弊し切ってしまい、元のパフォーマンスを取り戻すきっかけがないまま、シーズンを終えてしまいそうで、怖い気もするのだ。

ところが、そんな厳しい状況に、更に追い打ちを掛けるかのように、今週も水曜日に、また試合が迫っている。

ナビスコカップ、柏戦。幸いにして、ホーム試合であるために、移動の負担は無いものの、この試合を、これまでと同様に臨んだのでは、おそらく、ただただ状況が悪化するだけだと予想している。

この試合に向け、おそらく色々な意見や考え方があるだろう。そして、筆者の考えとしては、こういうものだ。

「最大限、主力を休ませるべき」

柏とは、来週の日曜日にも、またリーグ戦の対戦があるのだ。そして、ここで続く「同一カード2連戦」で、同じ主力選手をそのまま起用したのでは、2試合とも、きっと「無意味な敗戦」を喫してしまう事になるだろう。

それなら、いっその事「ナビスコカップでは、可能な限り主力を休ませ、若手やベンチメンバーを積極的に先発起用する」方針としたいが、如何だろうか。

そう考えつつ、試合翌日の日曜日の夕方は、大和町のダイナヒルズで行われた練習を見学に行ってきた。大宮戦で先発した選手(負傷した菅井を含む)以外のほとんどが顔を揃え、元気にテクニカルな練習をしていた。中島、中原、柳沢はもとより、今季は今だ一戦も出場を果たせていない、大久保や、武藤や、原田らが、軽快にボールを捌いている、元気な姿を確認して、少しだけ安心した。そこには、来季加入内定の奥野君(正式入団前なので、"君付け"で呼ばせて頂く)の姿も。

僅か、3日後にせまった、ナビスコカップ・柏戦。

主力を休ませたい目的もあるのだが、この試合では、彼ら若手陣に、チャンスを与えてはやれないものだろうか?

例え、結果がどうなっても構わない。相手がやる気十分の柏なら、もしかすると、バリバリの主力をぶつけて来る可能性も否定できない。ホーム&アウェイの「1回戦」では、こちらが先勝しているだけに、あちらは起死回生を狙って、襲い掛かってくるだろう。

だが、この試合で、仮に敗戦という結果になろうとも、今、大事な事と思えるのは、リーグ戦での先発主力陣に、休養を兼ねて、試合を「外」から観させる事ではないだろうか。

折しも、ナビスコカップの対戦相手が、次節で対戦する柏でもあるのだ。

次節のリーグ戦で対峙する相手を、ホームでじっくりと研究できる、良い機会なのだ。

この「ホーム・柏2連戦」で、下手に「真っ向勝負」を挑み、2戦とも同じように玉砕しようものなら、それこそ収穫は何もない。それならば、いっそナビスコカップを「若手登用の機会」と改めて考え、彼らに出場機会を与えると共に、「リーグ戦での柏戦」に備えて、主力のコンディションの回復を促すほうが、より現実的ではないだろうか。(ここで、少々疎ましく思えるのが、例の「ベストメンバー規定」というヤツではあるのだが)

何も、「ナビスコカップを捨てろ」とは言っていない。勝ち上がりたいのはヤマヤマだが、今現在の主力先発陣をぶつけても、大宮戦の二の舞になるだけのように思えるのである。

元々、ナビスコカップは、そういう色合いの強い大会でもあったはずだ。ただ、今年は大震災の影響により、予選リーグの機会が消滅し、ホーム&アウェイのトーナメント形式に変わってしまったために、若手を登用する機会が無くなってしまったのだ。

もしかしたら、もの凄い「ラッキーボーイ」が、ナビスコカップの柏戦で登場し、その勢いを、そのままリーグ戦でも活用できるかもしれないじゃないか。

「全員が武器」と言うのなら、今こそ、それを有限実行する、最大のチャンスのはずだ。

動け、監督。状況の打破のために-。




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