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仙台0-0柏 リーグ戦7試合ぶりの勝利成らずも、「仙台らしさ」が戻ってきた事を確認できた一戦。攻撃の質で柏に一日の長があったとはいえ、戻ってきた運動量のおかげで守備は破綻せず、12戦無敗の頃の強かさを、取り戻せたかと予感もさせた。お互いやり辛かった内容だったが、多くの収穫は仙台側にあり。

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キックオフ1時間前。サポーター自由席のQゾーン付近では、先月の名古屋戦の氣志團に続き、ロックバンドグループ「AURA」のメンバーによるミニライブが行われた。

このイベントによって、私たちの勝利の凱歌「AURA」の原曲である「愛・オーランド」を、初めて聴いたという諸氏は多かったと思う。

先月の氣志團に引き続き、このミニライブも愉しみにしていた筆者。流石に、このためだけにサポーター自由席のチケットを追加購入する決心までは出来ず、今回は、いつもの自由席南から、イベントに「参加」させて頂いた。

無論、原曲を頭から最後まで、声高らかに唱わせて頂いた事は、言うまでもない。

出来れば、彼らも最後までVIP席でこの試合を観ていただろうから、是非とも、試合後にもう一度AURAを唱いたかったが。。。

この試合を一言で表現するならば、「お互い、ガブリ四つで一歩も譲らず」と言ったところだろうか。ただ、どうしても「攻撃の質」という点においては、柏側に一日の長があり、仙台は、柏の攻撃を我慢する時間帯のほうが長かった。

但し、危ないシーンがあったのかというと、意外にも、その数は少なかった。前半のキックオフ直後から、柏は「三日前のナビスコカップの雪辱を」を言わんばかりに、運動量を上げて、果敢に仙台陣へ攻め入ってきた。

だが仙台も、そのナビスコカップで先発を回避し、充分にリフレッシュできた、梁・赤嶺・富田ら先発主力陣、そして、チョ・ビョングクに代わって先発した渡辺広大など、疲労色の少ない選手が、当日の気候の涼しさも手伝い、柏と同じように運動量を上げて、ディフェンスに、オフェンスに。東奔西走。柏の攻撃の「手口」は、もう今季の過去3戦で知り尽くした様子で、少々、ジョルジ・ワグネルやレアンドロ・ドミンゲスの飛び出しに手を焼くシーンもあったものの、概ね、安定したディフェンスを披露してくれた。

特に渡辺広大は、久しぶりの先発であるにも関わらず、まるで連戦をこなしてきたかのように、ボールを持つ相手にしっかりと体を寄せたり、読みの鋭いカバーリングで、柏のオフェンスをキッチリとブロック。ビョングクの代わりがちゃんと務まるのか?と、不安視していたサポーターの目にも、ある程度は安心して見ていられた試合だったのではないだろうか。

また、攻撃面では、この試合でも先発した太田の右サイドの突破は健在で、チャンスメークに大きく貢献。彼の運動量が落ちない限り、先発2トップの一角には、今後も彼の名前があり続けるだろうか。そう予感させる、見事な運動量であった。

全般的に、お互いの運動量が豊富で、ダイナミックな展開だった。だが、まるで「自分を相手にして戦っている」かのような光景。前述した「攻撃の質の差」がもたらした分、柏にボールを持たれる時間帯は比較的長かったとは思うが、それでも、仙台は柏の攻撃をブロックし続け、決してディフェンスは破綻しなかった。

試合後、前半を終えた時点のシュートを確認したところ、仙台の5本に対して、柏はなんと2本のみ。攻撃力の点では、図に乗ると「1試合で何点でも」相手から奪いかねない、柏の攻撃陣を相手に、前半だけとはいえ、シュートをたった2本に抑えていた事は、どう贔屓目に観ても、凄いとしか言いようがない。

それだけ、仙台の持ち味である「堅守」が、この試合では復活してきていたのだった。

しかし、後半に入っても、大きくその流れが変わる事はなく。そのままのペースで試合は進み、なんとなく流れが変わりだしたのが、後半も15分を過ぎたあたりからだったか。

少しつづ、柏側の「焦れ」を感じ始め、そして後半23分には、柏のジョルジ・ワグネルが、この日唯一の警告を受ける。このあたりからだったろうか。柏の選手全体に、だんだんと苛立ちのようなものが見え始め、警告を受けるまでには至らないものの、仙台の攻撃をファウルで止めるシーンが増えてきた。

そんな中、左サイドバックの朴柱成が傷みを訴え、後半29分にピッチを退く事に。そして、この代わりに入ったのが、最近は右サイドバックで慣らしてきている、細川淳矢だった。

7月のアウェイ柏戦(7/9、柏1-0仙台で敗戦)でも、同じような時間帯に途中投入された彼だったが、この日はホームという事もあってか、気合いの入り方が相当に違ってみえた。退いた朴柱成の代わりに、田村が左サイドへ廻り、そして細川が右サイドへ入る。

そして、彼が右サイドでボールを持つと、そこから、まるで最近の太田のような突進をみせ、柏ゴールライン間際まで、トップスピードで持ち込むと、そこから、恐ろしいくらいのハイスピードで良質なクロスを、何発もゴール前に供給。そこから産まれるゴールの可能性に、充分期待できるプレーであった。

「練習は、嘘を付かない-」

試合後のスタジアムにて、筆者の知人が語った一言である。私も彼の練習は見たことがあるが、もっと練習見学に熱心な人は、彼が、居残りでサイドバックの練習を地道に積み重ね、その精度を上げてきていた事を知っていた。

そして、この試合の終盤での起用。もともと、仙台大学時代からのJリーグ特別指定選手(引き受け先・仙台)を含め、かなり長い年月を、仙台の控え陣として担ってきた彼だったが、あれだけ驚異的なハイスピードクロスをゴール前に供給できるとなると、今後も、試合の終盤戦での投入がまた愉しみになる。

今節、試合は勝利こそ挙げられなかったが、彼の「成長ぶり」を目の当たりにしたサポーターは、彼の存在を、改めて認識した事だろう。

仙台の育成は、時間が掛かるが、素材の良さを上手に延ばすという点では、手倉森監督の手腕は秀逸ものである。

今季の後半戦のシーンにおいて、菅井の先発を脅かす存在にまで台頭してきても、決しておかしい話ではない。それは、田村というセカンド・チョイスをも凌駕するかもしれないのだ。

練習見学に熱心に通っているサポーターとしては、彼の活躍から得点が産まれる事を、まるで我が子の成長を見るかのように、愉しみにしているに違いない。そういう光景が、是非とも産まれて欲しいものである。

一方の柏側も、GK菅野の予想外な負傷の影響によって、急遽、控えGKの桐畑が先発起用される事になった。こちらも、本当に突然の事だったらしいが、本人としては「俺も計算できるGKだぞ」という事を、しっかりと証明出来たか。ただ、フィールドプレーヤーと違い、柏の正GKとして、あの南を退団に追いやった菅野から、簡単にその座を奪うのは難しいだろう。

これで、今季の柏との「4回対戦」が、全て終了。2勝1分1敗と、決して悪くない成績で、柏との対戦を終えた。ナビスコカップの2勝というのが、リーグ戦の勝ち点に影響しないため、ちょっとだけ残念ではあるものの、公式戦の結果は結果である。現在も2位に君臨する柏を相手に、4回も対戦して、合計失点数が、たったの「2」なのだ。充分に自信にして良いリザルトだと思う。

この試合を以て、7月の連戦が終了。8月の前半は、少し落ち着いた日程となる。ここらで、他に疲労の色の濃い選手も、充分に休息が取れるだろう。チームの予定表を見ると、週明けの月曜・火曜は連休となっている。各選手、羽根を延ばして、鋭気を養って欲しい。

そして、今季のJ1・後半戦にも、再び"仙台旋風"を-。




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