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ディエゴが仙台にやって来た-。
2005年の神戸加入当初、その存在は、筆者の脳裏にもほとんど記憶が無かったが、2006年に柏へ加入すると、そこから驚異的な強さを発揮。
この年は、J2で4回、柏との対戦があったが、合計3点をディエゴに獲られており(うちPK1)、ただでさえ嫌な印象を持ったものだが、翌年(2007年)には東京ヴェルディへ移籍し、あのフッキとコンビを組む事に。
この「フッキ・ディエゴ コンビ」の相性の良さは、恐ろしささえ感じるほど高く、ディエゴとのコンビでフッキにハットトリックされた試合もあれば、ディエゴにはこの年も2点を奪われている。
当時は、羨ましい限りの活躍ぶりで、あんな外国人が仙台にもこないものかと(いや2006年当初は、仙台にもボルジェスという点取り屋が居たが)、羨望の眼差しで、彼ら外国人勢を見ていたものだった。
あれから5年。その後、ディエゴが在籍した東京ヴェルディも、そして京都も、現在はJ2の中位以下に沈んでいる。
昨年のJ1・第3節、アウェイ京都戦で対戦した際にも、ディエゴには決勝点となる得点を奪われており、昨年の初敗戦を喫した相手となった。(なお、この時は、今季から仙台加入の角田にも得点を奪われている)
つい最近まで、仙台からみれば「苦手な相手」的な意識を持っていてもおかしくない選手だったのだが、そんなディエゴが、いきなり仙台にやって来た。
年齢も27歳と、まだまだ衰えるような時期でもないし、京都では、若手育成のチーム方針から出場機会を失っていた事もあり、J2ですら出番に餓えていたディエゴ。J1のチームから声を掛けられたとあっては、このチャンスを逃す手は無かっただろう。
それに、被災地のクラブという事で、尽く外国人選手勢に敬遠されていた仙台にとっても、快諾してくれたディエゴには感謝したいところ。あの大震災以降も、日本を離れずに留まり、京都の主将として頑張り続けていたディエゴを獲得する事は、ディエゴ自身も出場機会を得られる事に繋がり(しかもJ1で)、また仙台としても、得点力アップの打開策としての期待度も高いはずである。
もちろん、仙台サポーターとしては大歓迎だ。過去、散々に仙台から得点を奪っていった、あのディエゴが来てくれたのだ。今季、よもや補強無しの雰囲気すら漂い始めていたタイミングでの、この獲得発表は、残り14試合へ向けて、仙台の上位進出へ向けた、強いメッセージとも言える。大いに、期待させて頂きたいところである。
さて、リーグ戦を振り返って、今節に向けての状況を整理しておきたい。
前節の警告を受け、ボランチの角田誠が、今節は出場停止。ボランチながら、彼の攻撃力の高さは仙台オフェンスの重要なスパイスとなっていただけに、彼の出場停止は、決して痛くないとは言えない状況だが、居ないものをねだっても仕方ない。ここは、最近に富田に代わって先発する機会の増えてきた、高橋義希に期待したい。
ところで、記憶に違いがなければ、富田と高橋義希がボランチでコンビを組んで先発するのは、今季初では無かっただろうか。今季は、角田の台頭ばかりが目に付いてしまい、この2人がコンビを組む事になる状況など、考えも及ばなかった。
身長の面を考慮すると、180cmの角田に対して、高橋義希が170cm、富田は169cmと、もし自陣のディフェンス局面で、バイタルにボールを放り込まれたら、高さでは競り勝てない。ここについては、周囲のケアも、若干ながら必要になってくるだろうか。
だが、むしろこの2人には、オフェンス面での活躍に期待したい。高橋義希は、角田に負けるとも劣らないミドルを持っているし、富田は富田で、落ち着きさえ失わなければ、実はもの凄いキラーパスを出せる、抜け目の無さがある。
彼らが、自分の持つそれぞれの特徴をしっかりと試合に活かしてくれさえすれば、角田が抜けている事など、何のマイナス要素にも成らないはずなのだ。彼らの潜在能力には、充分に期待しているところである。
別な角度で気になっているのは、今節、鹿島がどのような戦い方を選択してくるのかという点。基本的には、鹿島は、それぞれの選手の能力の高さを活かして、相手にボールを持たせずに自分たちの攻撃の時間を長く保つため、徹底的にパスを繋ぎ、隙を見つければ、そこを蜂のように刺して、一気にフィニッシュまで持ち込む、いわゆるポゼッションベースのスピードサッカーだ。
また、育成を兼ねた選手起用も巧く、前線やサイドには、大迫勇也や遠藤康、フェリペ・ガブリエルを配し、サイドバックには西大伍、中盤には増田誓志を置くなど、若手中心の起用にシフトしつつも、要所は、岩政・中田浩二・小笠原や野沢など、ベテラン勢を置いてバランスを取り、戦力維持と若手育成を上手に行っている。(この点は、仙台も是非見習いたいところではあるのだが)
おそらく今節は、前回の対戦時に、仙台が何もさせて貰えず、鹿島3-0仙台と完敗を喫した、前回のあの対戦の再現を狙ってくるに違いない。ただ、あの試合前後(特に、翌節のホーム大宮戦あたり)は、仙台としても相当に調子を崩していた時期でもあり、そこからは上向き調子で今節を迎えている事から、決して、前回の再現のような展開には成らないものと予想している。
まずは、鹿島のポゼッションペースのパスサッカーを封殺するところから。つまり、仙台の持ち味である、堅牢なディフェンスを発揮するところから入り、鹿島に「何をやっても得点が奪えない」と感じさせ、焦燥感を誘い出してから、ジワジワと仙台のペースに試合を持ち込みたいところ。
そのために、今節も必要なものは、ようやく復活してきた、運動量の豊富なプレッシング。前節・大宮戦の前半でこそ、相手の巧さの前に2失点を喫したが、後半はより一層運動量を上げて、仙台のペースで試合を運んだ結果、2点差を追い付く同点劇を産み、まさしく「勝ち点1を勝ち取った」のであった。
あの試合の後半戦だけを、この鹿島戦で90分を通して実践できれば、相手に関係なく、怖いものなど無くなるはず。
その上で、できれば、決してビハインドでない状況下において、ディエゴの途中投入シーンを見てみたいものだ。
おそらく、ディエゴを投入する時間帯では、お互いが中盤の繋ぎを省略し、カウンターで攻め合う、まさに佳境に差し掛かった状態になっていると思われる。当然、中盤のスペースはガラ空き状態であり、ボールの出しどころによっては、ディエゴの一人舞台になる可能性も。
前節の大宮戦では、勝利こそ適わなかったが、後半の内容を見る限り、もはやいつ勝利を挙げてもおかしくない状況にまで、復活を遂げているとみられる仙台。そこへディエゴの加入という、またとないタイミングで補強が敢行され、もはや今節は、勝利以外は受け入れられない状況とさえ思えてくる。
前回対戦のリベンジを、とは、敢えて言わない。
今季の仙台は、決して、このままでは終わらないという事を、他のJ1チームに知らしめるためにも、ここで鹿島を叩いておく事の意味は、非常に大きいとみている。
アウェイ鹿島戦、そして続く、ホーム大宮戦で、今季初の連敗を喫した仙台。そして奇しくも、前節はアウェイ大宮戦で、今節はホーム鹿島戦というカードとなった。
リベンジ云々というよりも、同じ相手に、続けて負ける訳にはいかない。その意味において、今節の鹿島戦は、どうしても勝っておきたい一戦となる。
ところで、前節のプレビューで、少しだけ書いた「夜空の流れ星に、小さな願いを」の件については、今週末こそが最大のチャンス。ペルセウス座流星群の極大期が、今節の試合日の8月13日となっている。残念ながら、ほぼ満月夜となるために、流れ星を見付けるにはかなりの好条件でないと難しそうではあるが、運が良ければ見る事ができるに違いない。
早ければ、前日夜(つまり今夜)から見られるとの事。もし、仙台のサポーター諸氏の中で、運良く、流れ星を見ることが出来た方が居れば、今節の勝利への願いを唱えて欲しい。
願いは、きっと届く-。
そう信じて、今節プレビューの最後に、youtube で見つけた、この動画を置いておく事にする。
星に願いを / ビリー・ジョエル
http://www.youtube.com/watch?v=9WAmOthCiXY
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