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前節・鹿島戦では、またしても無得点に終わり、これで未勝利数を9に延ばした仙台。今節は、目下16戦無敗。J1リーグ最多タイの17戦無敗を目指す、名古屋グランパスの本拠地、瑞穂陸上競技場へ乗り込んでの対戦となる。
勝たなければならない試合を落とし続けている仙台だが、チームのコンディションは今節も厳しい。前節に先発を回避した梁、そして出場停止明けの角田は先発復帰すると予想されるも、朴柱成は引き続き出場回避の見込みに加え、今節は、FWの軸である赤嶺、そして、CBの軸であるチョ・ビョングクをも欠く布陣となる見込みとなる。
更に、新加入のFWディエゴに至っては、ふくらはぎの打撲との事で、今節もベンチ入りすら見通しが立たないかもしれない。
ベストメンバーを組めてなお、それでも名古屋から勝ち点を奪うのは至難の業だと言うのに、攻と守の要となる選手をそれぞれ欠く今節、いったい、どうやって名古屋を攻略すれば良いのだろうか。
そこで注目を浴びそうなのが、周知の通り、今節にJ1デビューを果たしそうな、ルーキーFW・武藤雄樹。先日の練習試合では、大学生相手ながら5得点という驚異的な結果を叩き出し、一躍、赤嶺の代役候補・最有力に踊り出た。
通常、新加入選手をリーグ戦で起用する際は、ある程度の試合数をベンチ入りさせて、試合終盤の短い時間で起用して「試用」してみてから、他の先発選手との兼ね合いを考慮した上で、ようやく先発にこぎ着ける、といった流れとなる事が多いが、今節ばかりは少々様子が異なるようだ。
もしかしたら、武藤選手の、いきなりの先発起用があるのかもしれない。
この試合、どう考えても、名古屋にボールを支配され続け、仙台が攻撃に打って出られる時間、いや回数は、決して多くないと予想される。名古屋は、負傷離脱中のGK楢崎以外はベストメンバーで臨んでくるものと思われるため、ガチンコで勝負を挑んだのでは、おそらく歯が立たない。
唯一の勝機と思わしき可能性は、名古屋は、先日の水曜日に、ガンバ大阪との対戦で、第9節を消化している事くらいか。つまり名古屋は、ホーム対戦ながら、中2日で仙台との対戦を迎える事になる。
当然、相手は、試合終盤の運動量の低下を懸念しているだろう。だが、先日のガンバ戦を含めた選手起用を見ても判るように、連戦だからといって、安易にターンオーバーを敷くようなチームではない。今節も、中2日の対戦ながら、ガンバ戦の先発メンバーをそのまま仙台にぶつけてくる可能性は高いと見ている。
もちろん、それは仙台も臨むところ。相手が中2日でこの仙台戦を迎えると判っている以上、相手の運動量が低下するまでは、最低限スコアレスの状態で耐え凌ぎ、試合後半の勝負どころで仕掛ける展開に持ち込みたい。
しかし、ここで懸念となるのは、前線に赤嶺を欠く今節であるという事。彼を欠くという事は、前線でのボールの収まりが難しくなる事と同義であり、名古屋の攻撃の時間をより一層長くしてしまいかねない材料である。
そのため、ここは一つ、前線に柳沢を起用してみてはどうだろうか。
柳沢と武藤を2トップで組ませて、ボールを柳沢に収め、そして武藤得意の「裏への飛び出し」に、柳沢が合わせるという展開に期待してみたい。
なお、裏への飛び出しという点では、中島でも期待度はあるのだが、ゴール前での決定力という点で、彼は何度もチャンスを逸してきた。赤嶺欠場濃厚の今節において、同じ、裏への飛び出しを得意とする武藤に、期待度の面で大きく水を開けられているのは、中島にとっては相当な試練だ。もし、武藤が今節の起用で「先発で使える」と判断された場合、赤嶺はともかく、中島は「仙台でのポジション消失危機」となる。せいぜい、守備貢献の高さを買われて、試合終盤の投入要員としてベンチ入り出来るか出来ないか、くらいだろうか。
更には、高さという点では、名古屋のディフェンス陣のハイタワーぶりを考慮すれば、中原を起用しての放り込み作戦なども、あまり機能しないと予想される。安易なロングボールなどは、闘莉王と増川にバンバン跳ね返されるのがオチだろう。
また、スピードという点では、太田のFW起用でも良いかもしれないが、彼の最近の武器でもある「右サイドの突破」は、今節は試合終盤の武器として取っておきたい。つまり、試合終盤のカウンター攻撃要員だ。名古屋の運動量が落ちてくると予想される、試合終盤でなら、より一層の効果を期待できる。ただ問題は、カウンターのシーンにおいて、彼のスピードについて行き、ゴール前で彼のセンタリング供給に合わせられるスピードを持つ選手が、果たして「その時点で」ピッチ上に居るだろうか?という点。ここに合わせるためにも、武藤を先発起用したい理由である。
大卒ルーキーという若さに期待し、武藤には、90分頑張って貰いつつ、おそらく90分は持たない柳沢を、試合後半に太田にチェンジする。このため、FWの控えは、FW登録の太田のみで充分と考え、相手の高い攻撃力を、90分間防ぎ続けるための試合終盤のディフェンス力の維持のため、DF登録では細川と原田をベンチに置いておき(というか、これ以上起用できるDF登録の選手が居ないという事情もある)、MF登録では、松下と高橋義希で中盤をバックアップ。
で、この時点で、GKの控えを含めて6名。あと1名、枠が余っているが。。。
あと起用できるのは、中島・中原・ディエゴ・大久保のFW登録4人だけという状況。相手の攻撃力を考えれば、守備貢献の意味で、中島を置いておくのがベストだろうか。
ただ、できればここには、もし出場が相当に難しい状況であったとしても、ディエゴを帯同したい。彼を起用できなくとも、ベンチに置いておくだけで、相手への相当なプレッシャーになると思われる。もちろん、事前のスカウティングで「今節のディエゴは欠場濃厚」という事は、相手には漏れているだろう。だが、プロサッカーは、ベンチワークも含めての心理戦的な側面もある。起用しなくても良いから、ディエゴをベンチに置いておきたいと発想するのは、筆者だけの妄想だろうか。
いずれにせよ、フィールドプレーヤーがベストメンバーで臨んでくる名古屋を相手に、今節も、決してチャンスは多くは廻って来ないだろう。守勢に転じる機会が多くなり、我慢の時間帯は、おそらく、6割~7割にも登ると予想される。
大事なのは、如何に「失点せずに我慢し続けられるか」だろう。昨季に続く連覇をも視野に入れ始めた名古屋に、「中2日での連戦」というファクター以外に死角は見当たらない。そこへもって、仙台は満身創痍な選手起用に対し、名古屋はベストメンバー。仙台に訪れる勝機は、決して多くはないと考えるのが、至極当然である。
しかし、そんな中でも、仙台は、9戦未勝利という過酷な状況の中、あくまでも勝利を目指した戦いをしていかなければならない。例え相手が、連覇を狙う名古屋であったとしても、である。
もしかしたら、有効な決定機は、たった1、2回しか来ないかもしれない。
だが、今の仙台は、そのたった1、2回の決定機をモノにするどころか、1試合の中に何度も訪れてきた決定機を、最近は尽く外してきている。
その部分に、もしかしたら、ルーキーFW武藤が、何かしらの「答え」を提示してくれるかもしれないのだ。
今季、大学新卒のルーキー選手は、例年以上に、各クラブで活躍している。今節の対戦相手でもある名古屋には、あの永井謙佑も居るし、ジュビロ磐田に至っては、大卒ルーキーが3人も活躍している。また、大卒では無いが、同じ年代で既に海外へ渡って活躍している選手も多い。同年代の選手の活躍をみて、武藤にも「出番さえあれば」と、意気込む気持ちはあるはずだ。
今節、武藤の活躍なくして、仙台の勝利は考えられない。
是非とも、この "仙台の新兵器" を、17戦無敗のリーグタイ記録が掛かる名古屋の喉元へ、ギラリと突き立ててやろうじゃないか。
こういう選手が一人居るだけで、私たちサポーターのモチベーションも一段と違ってくるというもの。ラスト13試合の反攻に繋がるような、"何か" を掴み取ってこい、仙台!
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