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名古屋0-1仙台 10戦ぶりの勝利は、首位撃破という形で訪れた。FW主軸の赤嶺も、新加入のディエゴも、そして期待のルーキー武藤の出場も無かった今節、勝因は、仙台の堅守性と相手の連戦疲労という、実に判りやすい構図にあった。ラッキーボーイ・菅井の今季6得点目を死守し、7位浮上!

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16戦無敗 vs 9戦未勝利。しかも相手のホーム。雨模様で湿度も高く、決してピッチコンディションも良好とは言えない中、必勝を喫して、仙台の「10試合目の正直」の一戦はキックオフされた。

お互いのメンバーを比較してみると、相手となる名古屋は、中2日の連戦という影響もあり、先日の第9節・ガンバ大阪戦からは、先発を4人も入れ替えて臨んできたものの、それでも並んだ顔触れをみると、それでも「これがベストメンバーだ」と言われても違和感を感じない、そんな豪華な布陣をぶつけてきた。

対する仙台は、梁と角田の先発復帰こそ果たしたものの、赤嶺・朴柱成を欠いた上に、なんとか先発入りしたチョ・ビョングクは病み上がりの状態での緊急出場的な起用。その他の負傷選手も考慮すると、満身創痍な状況での起用となった。

前述の「記録」や、お互いの順位などのデータからは、どうみたって名古屋有利。ただ、名古屋側は、僅か3日前にアウェイでガンバ大阪戦と死闘を繰り広げており、その疲労感がどの程度のものかが未知数な状況での対戦となった。

仙台からしてみれば、今節に相手への付け入る隙は、「中2日での連戦」という事しかなかった。それでも、前線には、現在リーグ得点ランク1位・2位の、ケネディと玉田が居る。その上今節は、永井までもが先発に名を連ねた。

試合前から、戦々恐々としていたサポーターは、決して少なくは無かったと思う。

-しかし、やはり試合は、やってみないと判らないものだった。固唾を飲んで見入った試合前半。名古屋の動きが、試合の入りから、明らかにおかしい。というか、やたらとスローなのだ。まるで、ビデオテープのスロー再生を見ているかのような試合だった。

確かに、雨でピッチコンディションは悪く、更に名古屋は中2日で、各選手のコンディションは決して万全では無かったと思う。だが、その影響は、試合後半に現れるものかと思ったいたが、なんとこの日は、前半の、しかも序盤から、はっきりと見て取れた。

仙台としては、いつものアウェイの戦い方を踏襲しているだけの展開。堅守を意識し、相手のボールを奪ったところからのカウンターが中心。この日も、そのスタイルに変化は無かった。

ただ、どういう訳か、今節は、名古屋が予想以上にミスし、そのセカンドボールを、面白いように拾いまくる事ができた。そして、そこからは、まるで「水を得た魚」の如く、あれよあれよとパスが繋がり、何度も何度も、アタッキングサードへ攻め込んで行けていた。

攻撃の面でも、守備の面でも、名古屋は、拍子抜けするくらいにミスを連発。そんな中で、仙台は、相手が開けてくれるスペースを有効に使い、パスを繋ぎ、次から次へとフィニッシュシーンを創り出していく。

そんな展開の中で得た、16分のCKの場面。梁の入れたボールは一旦弾かれるも、再びこれを拾った梁から、中央の太田へグラウンダー性のボールを送ると、これを太田がシュート。そのボールは、名古屋DFの闘莉王の手に当たり、そしてその溢れ球は、なんと、ゴール前に詰めていた菅井の足元へ。

流石に「今季、持っている男」だ。彼のところへ来たボールを、難なく名古屋ゴールへ押し込み、仙台、貴重な、貴重な先制点をゲット。

記録上は、前回のホーム名古屋戦で、梁が前半終了間際に上げた、あの得点以来の「先制点」だった。

名古屋は、しきりにオフサイドをアピールしたが、闘莉王に当たって溢れたボールなのだ。オフサイドな訳もなく、当然のように、ゴールは認められる。

前半17分。名古屋0-1仙台。

これで、俄然に仙台ペースで試合は運べるように。名古屋も必死に仙台ゴール前へボールを運ぼうとするが、コンディション不良の影響がよほど深刻だったのか、名古屋の選手たちの足どりが重く感じられた。このため、仙台のゴール前での競り合いになる前の中盤で、仙台は、尽く、名古屋の攻撃をブロックし続ける事ができた。

前半が終わってみると、シュート数は、仙台の5本に対し、名古屋はなんと0本。驚異的な事に、首位の名古屋を相手に、前半はシュートを1本も撃たせて居なかったのだった。一見、シュート性のものもあった事はあったのだが、撃った位置やその角度、意図から判断され、シュートとして認められなかったものが2本はあったが、結局、記録上は0本。如何に、名古屋の攻撃が機能せず、仙台の堅守性が機能していたかが判る数字である。

ハーフタイムを折り返し、迎えた後半。名古屋は、絶対に修正してくると予想され、そしてそれは現実のものとなった。名古屋は、ハーフタイムで永井を下げてブルザノビッチを投入し、そして、9分に中村直志、23分は、阿部翔平を投入。早め早めに選手を投入し、なんとか状況の打開を図りたいという、ストイコビッチ監督の意図、そして「焦り」が、あちらのベンチワークからも読み取れた。

確かに、名古屋の後半の追い上げは凄まじいものがあった。前半に機能していた、中盤でのボール奪取が出来なくなり、逆に名古屋にボールを拾われるようになり、まるで絵に描いたかのような、カウンターの応酬となった。

あとから、後半のシュート数をみたところ、名古屋は、後半だけで11本ものシュートを撃ってきていた。だが仙台も、名古屋のミスから奪ったボールをフィニッシュまで繋ぎ、後半だけでも7本ものシュートを記録。

ただ、そのうちの3本は、FW柳沢が、有り得ないくらいに撃ちそこねたもの。最後に、GK高木からボールをかっさらったところまでは格好良かったものの、そのあとの「無人のゴール」に、何故かボールが飛ばなかったのは、勝った今となってはご愛敬である。

お互いの勢いという点で比較すれば、前半は仙台が、後半は名古屋が、それぞれ相手を圧した展開だった。しかし、前半のうちに先制点を挙げていた仙台が、試合を全般に有利に運び、そのまま逃げ切る事に成功した。

仙台のサポーターからしてみれば、9戦未勝利、敵地での戦い、雨模様、そして相手は、16戦無敗で現在首位の名古屋グランパス。連戦の疲労のある相手とは言え、まさか、こんな結末が待っていようとは、信じて応援していたとしても、それが適う事になるとは。だから、サポーターは止められないのであるが。

名古屋としては、完全に足元を救われた格好の一戦、冷や水を浴びせられた一戦となった。鹿島の持つ、17戦不敗のリーグタイ記録に並べるはずの試合で、9戦未勝利の仙台を相手に、ただの一点も取れずに完敗を喫したのだ。

ただ、仙台からしてみれば、この勝利は、奇跡でも何でもない。仙台としては、選手・コーチ陣ら全てが、みな、普段からやるべき事をやっただけの話である。それどころか、苦しい台所事情を抱えて、ビョングクを強行先発出場させなければならないほどの状況だったのだ。

この二ヶ月というもの、リーグ戦での勝利が見られずに、悶々としていたサポーターは、筆者だけでは無かったと思う。ただ、決して悪い試合ばかりをしていた訳ではなかった事から、いつ勝利を上げてもおかしくない展開で推移してきた。ただ、この久しぶりの勝利のタイミングが、この名古屋戦だったというだけである。

確かに、相手が連戦の最中という、仙台にとってのアドバンテージはあった。しかし、それだけの理由で勝利を掴み取れるものではない。相手のミス、相手の弱点やウィークポイントを見付け、そこを如何に突いて勝利に繋げるかは、常に、どのチームも神経を尖らせているところだ。

昨年の14戦未勝利に続き、今季は9戦未勝利という、不名誉な記録を作ってしまったが、あの川崎フロンターレでさえ、今節の敗戦で、なんと5連敗だと言う。J1とは、なんとも恐ろしいカテゴリーだなと、改めて感じた今節でもあった。

これで、ようやく一息付ける勝利を挙げる事が出来た仙台だが、試合は待ってくれない。今度は、中3日で、アウェイ磐田戦が待っている。

しかし、チームはぬかりなく、目下、愛知県下でミニキャンプを張っている。東海地方での連戦との事で、現地でミニキャンプを張り、コンディションを整えて磐田戦に臨もうという姿勢だ。

そして今度は、赤嶺も戻ってくるだろうし、今節の出場に期待された、武藤のデビューもあるかもしれない。また、そろそろ、ディエゴのコンディション調整も進み、ぼちぼち、途中出場などで、そのプレーを拝見したいところだ。

厳しい連戦を迎える事になるかと思っていたが、以外に楽しみが増えた状況になった。またすぐ試合がやってくるため、選手は大変だろうが、こういう展開のときは、試合の間隔はあまり開かないほうが良い場合もある。現在は、まさにそういう状況にあると思っている。

まずは、選手のみんなに、10戦ぶりの勝利をありがとうと言いたい。この一勝は、勝ち点3の意味合い以上に、現在のチーム状況に、大きなカンフル剤の意味をもたらすものと考えている。

思えば、昨年の15戦ぶりの勝利は、8月22日のアウェイ大宮戦だった。そうか、また盆明けの一戦での勝利奪取だったのか。昨年は、ここから、信じられないような復活劇を果たしての残留となった仙台だが、現在は7位と好位置にいる。今節のように、しぶとい戦い方を続けていれば、地道かもしれないが、また勝ち点を積み重ねられる展開を見られるだろう。

まずは、今季のJ1残留を決め、その上で、できるだけ上位を狙った戦い方をしたい。

もちろん、その戦いの中には、ルーキー武藤も、新加入のディエゴも、戦力としては絶対に必要になる。

彼らの今季の活躍に期待しつつ、まずは今節の一勝に対し、乾杯!




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