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仙台2-1山形 これぞ、ザ・ダービーマッチ!赤嶺先制弾と、豊富な運動量で試合を掌握し続けた仙台が、山形の攻撃を最小失点に抑えて快勝。今季、東北の覇権を賭けたみちのくダービーは、仙台の2戦全勝で幕を閉じる。これで、ここ3戦・2勝1分の勝ち点7を積み上げ、完全に息を吹き返した仙台。9月の連戦まで、しばしの休息を。

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試合前から、異様な雰囲気に包まれていた、ユアテックスタジアム仙台。アウェイ席には、5月のホーム浦和戦以来となる、3,000人級の山形サポーターが詰めかけ、残留へ望みをつなぐ勝利を渇望した。この日は、19,000人を超える超満員のスタジアムの中、今季みちのくダービーの最終戦の幕が切って落とされた。

仙台としては、この1週間の連戦の3試合目。しかも過去2戦は、いずれも「雨中アウェイ」で、ピッチ環境的にも苦しい中で勝ち点4を積み上げ、やっとの思いで、自分たちのホームへ戻ってきた。

もちろん、この試合で求められるのは、勝ち点3のみ。「残留目線」で考えれば、この一戦は勝ち点1でも十分にOKな状況なのだが、ダービーマッチである事や、9月に勢いを付けて臨むためには、やはり、勝利が一番の処方箋。そして、その「特効薬」は、前半3分、自らのプレーで勝ち取る事になる。

前半2分。左サイドでボールを持った朴柱成がヘッドアップした先には、ファーで待ち構える赤嶺の姿があった。そこをねらい澄ましたように、綺麗な放物線を描いてセンタリング。このボールを、相手DFの裏で赤嶺がキッチリと胸トラップで落とし、そして、右足で、オン・ターゲット。振り抜いた足から放たれたボールの軌道は、逆サイドネットを捉え、そのまま、まるで定規で引いたかのような残像を私たちの目に残し、早過ぎるくらいの嬉しい先制点を、仙台にもたらした。

前半3分。仙台1-0山形。

朴柱成の高精度なセンタリングも相変わらずだが、やはり、仙台の得点源・赤嶺のストライカーぶりは見事だ。相手DFの陰に居ながら、しっかりとボールをトラップし、それを落ち着いて、一瞬でシュートまで持ち込むその技術。これで、赤嶺は今季9得点目。自身の目標といている「今季10得点」に、リーチを掛けた。ほぼ間違いなく、この目標は達成されるだろう。

しかし、この日の主役は、豊富な運動量で山形の上を行き、試合の主導権をほぼ自分たちのものとした、仙台のプレーヤー全員。とても、1週間で3試合の3戦目とは思えない、豊富な運動量と、そして速くて正確なパスワークで、残留争いで苦しむ山形を圧倒していた。

ただ、この日は「陰の主役」も暗躍。今節の主審を務めた家本氏のジャッジは、ボディコンタクトに非常にナイーブなものであり、前半のうちに、10分に仙台にPKを与え、そして29分に、山形にPKを与える。ある意味で「安定したジャッジメント」ではあったが、通常ならファウルを採るとは思えないような、軽めのボディコンタクト程度でPKを与える判定をされた事から、その後の両選手には、安易なファウルを避ける意識も産まれた様子を感じた。

前半10分の仙台PKのシーンは、チョ・ビョングクが、敵陣エリア内で、山形FW大久保に「倒された」と判定されたもの。大久保のプレーは、確かにビョングクに行っていたようにも見えたが、決して悪質とは思えない程度のもの。それをPKに判定され、大久保も決して面白くはなかっただろう。

このPKは、やり直しの判定を経て、梁がキッチリと決める。

前半12分。仙台2-0山形。

これで山形は、残り80分近くあるとはいえ、逆転勝利が相当に難し状況になった。今季、1試合平均の得点が0.8の山形にとって、追いつくだけでも厳しい展開を強いられる事に。

しかし、前述した「陰の主役」が、前半29分に、今度は山形側にPKを与える。先ほど、山形からPK判定を奪った、チョ・ビョングクが、今度は、自陣エリア内で「ファウルと判定されるプレー」をしてしまい、PKを献上。これを、先ほど「PKを仙台に与えた」大久保が蹴り、1点を追撃。

前半30分。仙台2-1山形。

これで、俄然に息を吹き返した山形は、前半の残り15分で、運動量を更に上げ、なんとか同点に追いつこうと必死に攻撃を仕掛け続ける。

しかし、逆にこの失点で、完全にディフェンスの意識を思い出した仙台は、攻撃への意識を失わないようにしつつも、いつもの堅いディフェンスを発揮し、自陣ゴール前に、完全に鍵を掛ける。山形は、今季J1最小失点の仙台を相手に、もはや攻め手を欠く展開となった。

そして、前半はそのまま得点が動く事なく、試合を折り返す。

前半のうちに、これだけ得点が入れば、後半は逆に、得点は動かないもの。仙台としては、あとの「お楽しみ」は、ベンチに居る控え陣を、どのような順番で、誰を起用してくるのか。今節のベンチには、ディエゴに武藤と、出場を待ち焦がれる選手が、その腕(いや足か)をウズウズさせながら、その機会を伺っていた。

迎えた後半。まず、26分に太田を柳沢へ替え、前線での「溜め」を確保する。これで、山形の攻撃の意識を後ろへ引き摺りおろし、仙台の守備を、全体に楽にする事に成功した。

そして5分後、満を持して、ディエゴを投入。貴重な先制点を採った赤嶺を下げ、今季期待の新戦力、ようやく、仙台デビューを果たす。

この時点で、仙台の前線2トップは、柳沢とディエゴの組み合わせという事に。京都時代にも攻撃を牽引したこの2人が、仙台でも、再びコンビを組む事になろうとは、いったい誰が想像出来ただろうか。

期待のディエゴがピッチに登場すると、その凄さを、すぐに体感する事に。敵陣ゴール前でのヘッドの競り合い、バイタルでボールを持った際の、重戦車のような突進力、そして、「見てくれ」からは想像が難しい、周囲を活かすようなパスワーク。仙台加入から、この日のデビューまで、多少の時間が掛かったものの、仙台の空気に合う選手なのだというアピールを、この日はしっかりと出来ただろうか。残った10試合でも、大いにその活躍に期待したい。

対する山形も、最後まで必死に仙台のディフェンスをこじ開けようと必死だった。決して、悪い試合をしている訳ではないが、仙台と比べてみると、運動量・プレーの精度・フィニッシュシーンでの意識などの差が、明らかに仙台とは違っていた。

仙台としては、内容を見ても、勝つべくして勝てた試合と言えるだろうか-。

この日の勝因を挙げるとすれば、この連戦を意識し、「後半に運動量が落ちる前の、前半戦勝負」と睨んだ、手倉森監督の読みがズバリ的中した格好。通常なら、前半は0-0で折り返しても良いと考え、後半勝負と考えるものだが、ホーム開催である事、連戦である事、そして、ダービーマッチである事を総合的に考慮し、「絶対に山形に主導権を与えてはいけない」という必須課題に対する、その答えが、「前半戦勝負」というものだった。

手倉森監督にしてみれば、してやったりの好采配と思えた一戦だろう。

ただ、試合後に、仙台側のコアサポーター付近で発生した「白段幕のいざこざ」さえなければ、本当に気持ちよく追われた今節だったのだが。。。

今季、J1リーグ戦に参加させて貰えているだけでも有り難いという状況の中、ダービーマッチだからと言って、相手に敬意を払わない表現をするのは如何なものだろうか。スタジアムには、子供も来ている。あの横断幕をみて、いったいどう思った事だろう。

「ああ、ああいう事をやってもいいんだ」と、子供たちに思わせてしまったかもしれない事を思えば、かのような行動を採った人たちの責任は重い。そして、それ以前に、あの震災からの復旧時期において、甚大な被災を被った宮城県を、日本海側から、いろいろな支援をしてくれた山形に対して、「恩の仇返し」になるとは思わなかったのだろうか。

一部の人たちがやった事らしい話ではあるが、端からみれば、仙台サポーター全員の行動とも採られかねない。その「連帯責任」にも発展しかねない状況を作り出した関係者に対し、海よりも深く、反省を求めたい。

出来れば、来季も山形とはJ1で対戦したい。みちのくダービーマッチの楽しさは、相手となる山形が、同じカテゴリーに居てくれてこそのもの。山形を下した上で、山形にエールを贈るのが「筋」というものではないのか。

但し、大多数のサポーター自由席の人たちの名誉のために言っておくと、段幕をみた人たちから、怒号のようなブーイングが発生し、大きく自浄作用を発揮。最後は、山形に対してのエールとなる「山形ディオ」コールを行った事を、ここに付け加えておきたい。

ただ、今季終了時点で、山形の勝ち点の推移を見ると、残留に向けて、相当に厳しい状況である事も確か。仙台としては、今季も、そして来季も、頑張ってJ1に居続け、山形とはJ1の舞台でのダービーマッチを、また開催出来る間柄でありたい。

まずは、8月までの試合を終え、勝ち点を35までに伸ばした仙台。今季、ほぼ残留に王手を掛けた状況とし、2週間の中断期間を経て、9月の連戦へと臨む事になった。

順位も7位と、良い位置に付けている。ただ、後ろを振り返れば、ゾロゾロと他チームが隊列を成しており、ほんの少し気を抜いてしまえば、あっという間にまた順位は下がっていく事だろう。

まさに、「勝って兜の緒を締めよ」である。

9月は、やっとデビューを果たしたディエゴや、武藤の活躍にも期待したい。連戦の中にナビスコカップもある事から、彼らを上手に起用して、戦力の底上げと、ナビスコカップの更なる進出も目指したいところである。

今季、残り10試合。今季残留をほぼ手中に入れ、更に上を目指して、秋口の上位戦線に名乗りを挙げたい。そのためには、現在、負傷離脱中の選手たちの力も、絶対に必要になる。その点で、ここからの2週間の中断期間は、有り難いタイミングとなる。

この間は、日本代表のW杯の予選に加えて、我らが梁選手の、北朝鮮代表としての活躍も気になるところ。リーグ戦はお休みとなるも、サッカーシーンからは目が離せない。なにせ、W杯予選の初戦が、北朝鮮なのだ。日本代表を相手に、梁がどこまで活躍してくれるか、こちらはこちらで非常に気になっている。

だがまずは、選手・そしてサポーターも、このタイミングで、お互い、鋭気を養いたい。

また、9月にユアスタでお会いしましょう!




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