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第25節vs甲府戦プレビュー 「中断期間」明けの連戦の初戦は、前回ホームで4-0と大勝した甲府。代表初招集されたハーフナー・マイクが、降格圏に沈むチームを救うべく、仙台に襲い掛かってくるのは必至。お互いに休養充分も、甲府はハーフナーが、そして仙台は梁が、それぞれの代表疲れをどこまで回復できるかがカギか。仙台は、ボランチ角田の復帰も好材料。

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中断期間中の9月4日の日曜日。ユアスタでは、モンテディオ山形との練習試合が行われた。結果は0-1での敗戦だったが、ディエゴや武藤、大久保らの長時間のプレーを見る事が出来、それぞれに持ち味を見せてくれた。

特に、ディエゴの重戦車ぶりや、武藤のスピードは、やはり目を見張るものがあり、できるだけ早くリーグ戦の戦力になって欲しいとも思えた。今すぐ先発に、という意味では、今少し足りないものは感じたものの、途中投入によって、試合にアクセントを付けるには充分なレベルとも感じられた。

2週間の中断期間が明け、今節の甲府戦から、1週間で3試合の連戦となる。と言っても、ミッドウィークの試合はナビスコカップ・2回戦である事から、控え陣をこのナビスコカップで上手に起用する事が出来れば、選手層の底上げと、リーグ戦の主力疲労軽減に繋がる。ナビスコカップも勝ち進みたい大会ではあるが、まずはリーグ戦を見据えた上で、ナビスコカップの先発メンバーを選考して欲しいところ。だがまずは、目の前のリーグ戦・甲府戦に集中したい。

甲府側のポイントとしては、やはり、現在得点ランキング2位タイの11得点を誇る、FWハーフナー・マイクの存在。そこに、元京都のFWパウリーニョの7得点を加えれば、この2人だけで18得点。チームの全得点27得点のうち、実に3分の2を、この2人だけで稼いでいるのだ。如何に、彼らに仕事をさせないかがポイントとなりそうである。

特に、ハーフナー・マイクは、代表初招集、そして初出場という経験もあり、今後のリーグ戦に対する、モチベーションの高さは、半端ではないだろう。それに、決して長時間の代表戦の出場でもなかった事から、疲労の蓄積については、おそらく問題ないものと予想。あるとすれば、慣れない代表への帯同による、コンディション調整への懸念くらいだろうか。

仙台側のポイントとしては、甲府のハーフナー・マイクと同様に、代表戦から戻ってくる、我らが至宝・梁勇基選手の回復の程度か。負傷している訳ではないので、鉄人・梁選手の事ゆえ、最低でもベンチ入りは確実視すると共に、状況によっては、やはり先発も視野に入れたい。但し、90分という意味では難があるかもしれない事を考慮し、途中投入で、梁選手に代えてディエゴ投入などのオプションも、プランとしては用意しておきたいところ。

そして、この試合には、実は「もう一つのポイントとなる材料」が存在する。

それは「甲府の攻守の要・ダニエルの出場停止」と「仙台の攻守の要・角田誠の怪我からの復帰」の2点。この2選手の、それぞれのチームでの役割は酷似しており、現在、共にボランチを主戦場として今季の戦いに臨んでいるが、実は、それぞれがセンターバックも出来るという、守備の要である。更に、攻撃のシーンでは、ダニエルも角田も前線に上がってチャンスメークに絡む事もあるところから、まさに「お互いのチームのダイナモ的役割」となっている。この点については、ゲームメークの観点からみても、興味を引かれるポイントとなる事は間違いない。

いずれにせよ、代表に召集されていた選手を除けば、お互いが休養充分で対峙する一戦となる事から、好ゲームに期待したい。仙台としては、FW赤嶺の「二桁得点の達成」という今季目標と共に、リーグ戦3戦連発という記録も掛かる事から、甲府のハーフナー・マイクとの「エース対決」にも注目が集まる。

それぞれの得点力を見ると、仙台の25得点に対し、甲府は27得点と、ほぼ均衡状態であるが、この数字は、リーグ戦では実に、仙台はワースト3位タイ、そして甲府は、ワースト44位と、お互い、決して高いほうではない。

そして反面、失点を見れば、仙台の21失点に対し、甲府は49失点と、まさに天と地の差ほどもある。甲府は、得点・失点ともに、リーグワースト級の状況だが、仙台は、失点に関しては、優勝争いを繰り広げている上位チームと肩を並べている。

仙台が、巧く先制点を奪いさえすれば、甲府の焦りを誘い、カウンターから更なる追加点というシチュエーションも見えてくる。よって、ここは一つ、「アウェイなので、アウェイらしく、堅い守備から入る」のではなく、試合開始直後から、運動量を豊富に繰り出して相手のディフェンスを翻弄し、早い時間帯での先制点を狙いたい。

首尾良く、そこで先制点を奪えれば、あとは「アウェイらしく、堅い守備をベースにしたカウンター攻撃」に切り替え、甲府の焦りを待って、更なる追加点に期待したい。

また、相手のオフェンスシーンで注意したいのは、FW20・片桐淳至の存在。フォワード登録の選手だが、何故か、ハーフナー・マイクへの高速かつ高精度なクロス供給という武器を持っており、彼がボールを持ったときは、常にハーフナー・マイクへのマークを怠る事ができない。

気が付けば、今季はもう残り10試合となった。ようやく盛夏の暑さも抜け、サッカーを観るのに楽しい時節が到来。今しばらくは残暑の影響もあるだろうが、仙台としては、あの9戦未勝利の苦境を脱し、現在、3戦無敗の勝ち点7積み上げと、ようやく復調してきている。ここで、降格圏を彷徨っている相手に、みすみす勝ち点を1たりとも与える訳にはいかないし、また、先日のメディア取材で、手倉森監督が公言した「今季目標は5位」を達成するためにも、残り10試合で、一つでも多くの勝利を挙げなければならない。

冒頭でも書いたが、この一戦からは、ナビスコカップも含めて、1週間で3試合のハードスケジュール。このうち、アウェイは今節の甲府戦のみで、あとの2試合がホームというのは好材料だ。この状況を最大限に活かし、リーグ戦も、ナビスコカップも、上位進出を見据えた戦い方をして欲しい。

ほぼベストメンバーで戦える仙台にとって、例えアウェイと言えども、どうしても落としたくはない一戦。アウェイの戦いである事や、残留決定も目標の一つである事を思えば、例え勝ち点1の積み上げであっても「御の字」ではある。しかし、前節に対戦した山形の今季残留を後押ししたい意味も含めて、この一戦は、なんどか勝ち点の持ち帰りをお願いしたいところである。

試合当日の甲府地方の気候は、最高気温31℃という予報であるも、曇りがちの予報でもあり、キックオフが18:00という時間帯を考慮すれば、決して暑さが大きく影響するような事はないと思われる。

ナビスコカップを含めた3連戦の初戦、是非とも勝利を収めて、今季リーグ戦・残り10戦へ向けた、ラストスパートとしたい。

ところで、長いように思われた2週間の中断期間だったが、この間は、ユアスタでの日伊レジェンドマッチあり、A代表のW杯予選あり、なでしこの五輪出場を賭けた大会あり、そしてその隙を縫うように、J2第4節の分散開催があったりと、実に観戦が忙しい期間でもあった。このため、前節の山形戦から、今節の甲府戦まで、とても2週間空いたとは思えない感覚に捕らわれているのは、筆者だけではないようにも思われるが、これを読んで頂いている貴方においては、如何だっただろうか-。

 




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