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甲府1-2仙台 仙台らしいアウェイでの戦い方を貫き、後半に2トップが活躍して快勝。ハーフナーに一矢報いられるも、その後をしっかりと守りきり、5月以来の連勝を達成。自身の今季10得点目ともなった赤嶺の決勝弾により、チームの勝ち点は38へと伸び、今季残留をほぼ決定づけた。順位でも直上に居た広島を抜き、6位浮上!

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中断期間明けの初戦。お互いに休養十分(代表帰りの梁を除く)で臨んだ一戦は、休養十分だったとは思えない、比較的静かな内容で、滑り出すように始まった。

前半のシュート数だけを見ると、甲府の3本に、仙台の4本。つまり、お互い10分~15分に1本、シュートを打つか打たないか程度の頻度であり、実際の試合も、決してお互いに無理に攻めあがろうとしない、様子見な展開を繰り広げていた。

 だがこの内容は、アウェイである仙台にとって、いつもの仙台らしい戦い方。反面、甲府にとっては、カウンター攻撃のキレ味のある仙台を相手にしているという事で、無理に攻め上がる事を躊躇っているかのような動きをみせていた。

 始めの15分で、「これは、前半はいつものように0-0で終わるか?」と思った。そして前半は、予想した通りに0-0で終了し、勝負は後半に持ち越される。
 
個人的には、この試合は、前半から運動量を繰り出して、さっさと1点を獲って欲しいと思っていた。プレビューでも書いたが、甲府には、「片桐→ハーフナー・マイク」というホットラインがあり、どんなに苦境下でも、片桐にボールを自由にさせた時点で、ハーフナーという大砲の発射トリガーに指を掛けたも同然なのだ。絶対に、このホットラインよりも先に得点を挙げないと、後が苦しくなる。それを考えれば考えるほど、前半のうちに先制点を奪っておきたかった。
 
結果的に、前半終了時点では得点は奪えていなかったが、先制点奪取という意味では、後半の早い時間帯に、それは達成される。
 
後半10分。中央で関口がボールを持つと、カウンター狙いで右サイドを駆け上がっていく梁を見つけ、その梁の前のスペースへボールを配球。そのボールを受け取った梁は、甲府ゴール前に狙いを定めてセンタリング。その供給されたボールの落下点目掛けて飛び込んできたのは、太田だった。
 
甲府のディフェンス2人のブロックをモノともせず、体ごと豪快にゴールへねじ込み、仙台が先制点を奪い取った。
 
後半11分。甲府0-1仙台。
 
甲府がゴールを欲し、前掛かりになっていた際に奪ったボールに対し、右サイドを梁が、そして左サイドを太田が駆け上がり、カウンター攻撃からのゴールの絵を脳裏で共有していた事だろう。そして、梁の放ったセンタリングの軌道は、見事に太田の頭を捉え、仙台にとって、待望の先制点が産まれた。
 
この後、じわじわと焦りの色を見せ始めた甲府が、犬塚をダヴィに代え、内山を市川に代える。この間、仙台は、なんと梁を後半19分で下げて松下投入。明らかに、今週の3連戦を意識した采配だった。
 
先制点を奪い、梁を下げた仙台だったが、それで攻撃の手が緩む事は無かった、後半33分。甲府の左サイド(仙台の右サイド)で、甲府FWパウリーニョと田村のマッチアップ。なんと田村は、スタートポジションの左サイドバックではなく、このタイミングでは、なぜか右サイドに張っていた。ここで、パウリーニョから絶妙のボディコントロールでボールを奪うと、そのまま前線へ。
 
その田村が、視界に捉えていたであろう味方の選手。それこそが、貴重な追加点を挙げる事になる、赤嶺の姿だったのだろうか。先ほどの、梁→太田のラインと同じように、甲府ゴール前の逆サイドを狙って放り込まれたセンタリング。それは、まるで赤嶺の頭に吸い付くかのような軌道を描き、そして、まさしくダイビングヘッドという表現が相応しい、豪快な飛び込みによって、嬉しい追加点を挙げた。
 
後半34分。甲府0-2仙台。
 
仙台の失点の少なさを考えると、あまりにも大きな追加点。残りも11分+ロスタイムである事を考えれば、仮に、1点を追い上げられても、まだ1点の余裕がある。勝ち点3をグッとたぐり寄せた追加点となった。
 
しかし、決してこの「2点先行状態」が、仙台の気の緩みを誘った訳ではないと思うのだが。いや、決して気の緩みがあったとは思えない展開だったのだが。ここから数分間、まさか、まさかの展開が繰り広げられる。
 
林が、頭上から落ちてきたボールをキャッチしようとしたとき、これを、よもやのファンブル。そのボールは、運悪く目の前の甲府の選手のところへ行ってしまったが、これを、林がなんと、慌てて甲府の選手に飛び掛かり、うっかり甲府の選手を倒してしまった。
 
そして、当然の如くのPK判定。1失点は覚悟した上での、残り時間のプレーを考えていた、その刻。なんと林は、パウリーニョの蹴る軌道を読み切り、見事にPKを止めて見せたのだった。
 
雄叫びを上げる、仙台ゴールキーパー。自らの失態を、自らのプレーで、キッチリ汚名返上してみせた。
 
しかし、このPK阻止のプレーで与えたコーナーキックが、如何にも今季の甲府らしいと言える1プレーを演出する。
 
プレビューでも、そして冒頭でも書いた「片桐→ハーフナーライン」。この日もキッカーを務めていた片桐が、ボールをセットし、そしてこれを放ってくると、その軌道は、見事なまでにハーフナー・マイクの頭をピンポイントで捉え、今度こそゴールイン。林も反応してみせたが、ハーフナーのヘッドの精度のほうが上回り、せっかく直前にPK阻止をしてみせたものの、結局はこのプレーで失点を喫してしまう事になった。
 
後半38分。甲府1-2仙台。
 
赤嶺の追加点から、このハーフナーによる仙台の失点まで、僅かに5分。この時間帯が、この試合一番の「山場」だったと言えようか-。
 
だが、甲府の反撃もここまで。この後、リーグ首位の失点の少なさを誇る仙台のディフェンスを甲府が破る事はなく、4分と掲示されたアディショナルタイムも、そのまま経過し、仙台の勝利を告げるホイッスルが鳴り響いた。
 
仙台、5月以来の連勝。
そして、このスタジアムでは、なんと10年ぶりの勝利。昨季から、この手のジンクスを尽く打ち破ってきていた仙台であったが、先月の名古屋からの初勝利と同様、苦手なスタジアムを見事に克服し、今季の対・甲府戦を2戦2勝とした。
 
更に、この勝利を以て、勝ち点を38に伸ばし、今季の残留はほぼ決定と言っても良いだろう。残り9試合で、仙台が降格圏に飛び込むような負の連鎖に陥るとは、到底考えにくい状況だ。
 
むしろ、前日に敗戦を喫した広島を抜き去り、堂々の6位に再浮上。5位の鹿島に勝ち点で1差とし、次節にも、手倉森監督が今季の目標順位として定めた5位が見えてきている。
 
この勝利で、4戦3勝1分。あの9戦未勝利のときのような体たらくは、もうどこにも見あたらない。苦しかった夏場も、8月は名古屋と山形からの2勝によって、この月の成績も、決して悪いと言えるものでは無くなった。
 
そして、この中断期間明けの初戦。往々にして、好調なチームにとっては難しい試合になりがちだが、負傷選手の休養・回復も含め、万端の準備をしてきた仙台にとって、この勝利は、成すべくして成した勝利だったと言えると思う。
 
加えて、決勝点となった赤嶺の得点は、3戦連発という素晴しさと、そして、今季の自身の目標でもあった、10得点目の達成となった。あまりの嬉しさに、得点直後の赤嶺は、仙台の観客席に向かって手を大きく煽り、もっと喜べと言わんばかりのパフォーマンスだった。
 
中断期間明けの初戦として、最高のスタートを切った仙台。今週は、水曜日にナビスコカップがあり、土曜には次節の新潟戦がある。中2日の3連戦となるが、ホーム対戦が続く事もあり、決して不利な状況とは言えない。むしろ、勝った勢いを、そのままナビスコカップと、続くリーグ戦に持ち込む事が出来る。
 
試合当日は、あの震災から半年の節目という事で、どうしても勝ちたかった一戦でもあった。あの日は、地震のあとに雪すら降ってきていたというのに、もう秋虫の鳴き声を聞く時節か、と。その後の、9戦未勝利という苦境の時期もあったが、確実にあの状況からは脱し、再び、上昇気流に乗りかかろうとしている仙台。この勢いを、更に本物にするべく、ナビスコカップ2回戦も、まずは先勝といきたいものである。
 
残り9戦。そして、ナビスコカップ。それに、10月の天皇杯。それに向けて、さい先の良い勝利を飾る事ができた。私たちが楽しみにしている今季のサッカーシーンは、まだまだこれからも本番モードが継続する。
 
私たちの「希望の光」は、今また、燦々と輝き始めた-。
 



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